春には、慣れ親しんだ保育園を卒園する年長クラスの子ども達。成長著しい乳幼児期を過ごした保育園での思い出は、本人はもとより保護者や保育士の胸にも深く刻まれます。
子ども達の旅立ちをお祝いするため、卒園に合わせてメッセージを贈ろうと考える保育士も多いのではないでしょうか?
しかし「子ども達の心に残るお祝いやエールの気持ちを届けたい!」と思っても、なかなか良いアイディアが思い浮かばず悩むこともあります。
そこで今回は、卒園児に贈るメッセージのポイントやアイディアをご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
1.卒園児にどんな方法でメッセージを贈る?
保育士が、卒園児にメッセージを贈る方法はさまざま。具体的に、どのような方法で贈るのかご紹介します。
1-1.「クラスのおたより」で贈るメッセージ
3月号のクラスのおたよりとは別に「卒園号」を作成する方法です。子ども達全体に向けたメッセージや、保護者に向けたメッセージを盛り込みます。
子ども達の将来の夢や、保育園で楽しかったことを一言ずつまとめて載せるのもオススメです。ずっと取っておきたくなる一枚に仕上げましょう。
1-2.「がんばったメダル」で贈るメッセージ
保育園で「できるようになったこと」がたくさんの子ども達。入園してから卒園まで「本当によくがんばったね」という気持ちを込めて、メダルを作成する方法です。
光り輝く手作りのメダルの裏に、保育士からのメッセージを記入します。メダルをもらうことで、子ども達に誇らしい気持ちと自信を与えられます。一人ひとり名前を呼んで首にかけ、目を見てお祝いの言葉を添えれば、特別な卒園式の思い出になることでしょう。
1-3.「写真付きカード」で贈るメッセージ
写真付きのメッセージは、保護者からも人気があります。大きくなってから見返したとき、写真があることで懐かしさを感じやすくなります。なかでも、保育士との2ショットは特別感があってオススメです。
また、写真を見ながらメッセージを考えると、より具体的なエピソードが浮かんで心のこもったメッセージを書けます。
1-4.「各先生からの寄せ書き」で贈るメッセージ
色紙や卒業文集に、寄せ書きでメッセージを書くという方法もあります。寄せ書きにすることで、年長クラスの担任だけでなく、乳児期に受け持った担任からもお祝いの気持ちを贈れます。「こんなにたくさんの先生にお世話になったんだな…」と、感動してもらえるはずです。
スペースや人数の関係で、保育士一人ひとりの文章は長くなりすぎないように注意が必要です。
2.卒園児に贈るメッセージを作成するポイントは?
毎日一緒に過ごした子ども達の卒園は嬉しくもあり、寂しくもありますよね。想いを込めたメッセージを贈れるよう、作成時のポイントを解説します。
2-1.他のクラスの先生と事前に打ち合わせをしておこう
年長クラスが複数ある場合は、他のクラスの保育士と事前に打ち合わせしておく必要があります。クラスごとにメッセージの方法が異なる場合、保護者からのクレームに繋がる可能性もあります。
年長クラスがひとつの場合は、前年度年長を担任した保育士に「どのような方法でメッセージを贈ったのか」参考までに聞いておくと安心です。
2-2.準備は早めに取り掛かろう
年長クラスの担任は、卒園に向けて冬~春は慌ただしくなります。小学校への申し送りや卒園式の準備、製作物の整理など…。うっかりメッセージを書き忘れ、卒園式直前に徹夜で仕上げるなんてことになっては大変です。
とくに、他の保育士にもメッセージをお願いする場合は早めに取り掛かりましょう。メッセージの内容が決まっていなくても、台紙や飾りを用意しておくとスムーズです。
2-3.文字は全てひらがなを使おう
年長クラスの子ども達の中には、ひらがなが読める子もいます。小学生になって読み返すこともあります。筆が進むとつい漢字を使いたくなりますが、子ども達に向けたメッセージなので全てひらがなで書くようにしましょう。また、大きく読みやすい字を意識してください。
2-4.具体的なエピソードや応援メッセージを入れよう
せっかく贈るメッセージが、ありきたりな内容で溢れていると嬉しさや感動が半減してしまう可能性もあります。保育園で過ごした日々の中から、できるだけ具体的なエピソードを盛り込むようにしましょう。
メッセージを「卒園が寂しい」という気持ちだけで終わらせないことがポイントです。最後には小学校に向けての明るいエールを加えましょう。
2-5.クラフトパンチやシールを使って華やかに仕上げよう
文字だけのメッセージは、どこか寂しい印象になります。そこは保育士の、腕の見せどころです。台紙にこだわったり、クラフトパンチで抜いた可愛い絵柄を貼り付けたりして華やかに仕上げましょう。
クラフトパンチはどんな時にでも使える万能アイテムなので、時間がある時にたくさんの絵柄を抜いておくと忙しい時に重宝します。
3.卒園メッセージに使えるアイディア5選
せっかくの卒園メッセージは、記念に残るものにしたいですよね。ここからは、メッセージを受け取った時の感動や、振り返った時の懐かしさを演出する素敵なアイディアを5つご紹介します。
3-1.入園時と卒園前の写真を並べて貼る
入園児と卒園前の写真を並べるという、保育園での成長が一目瞭然なアイディア。子ども達は自分の成長にビックリすることでしょう。
また、保護者も「あんなに泣いていた子がこんなに大きくなるなんて…」と、感動間違いなしの演出です。
3-2.クラス全員の集合写真を貼る
保育園で一緒に過ごした、大切なお友達との写真を使ってメッセージを作成します。クラス写真を貼ったメッセージを作成することで、見るたびにお友達との保育園生活を思い出せます。
違う小学校に行くお友達がいるという場合にも、良い記念になるはずです。
3-3.写真立てに入れて飾れるメッセージにする
慣れ親しんだ保育園を卒園し、子ども達は期待と不安を抱えて小学校へ入学します。この時期の子ども達は、心がとても不安定です。そんな気持ちを支えるオススメのアイディアが、飾れるメッセージです。
大好きな保育士からのメッセージを部屋に飾ると、いつでも読み返せます。環境の変化への不安を少しでも和らげてあげましょう。
3-4.子どもの手形や足形を使う
子どもの手形や足形は、製作でもたくさん使います。その手形や足形をメッセージに使うアイディアです。大きくなってからメッセージを読み返すことで「こんなに小さかったの!?」と、ビックリすることでしょう。
「家ではなかなか手形や足形を取る機会がない」というご家庭も多いので、とても喜ばれます。今しかない成長過程を残しておくことで、特別感のある素敵な贈り物になります。
3-5.保護者へのメッセージも用意する
子ども達が卒園式を迎えることに、一番感動しているのは保護者ではないでしょうか?我が子を出産してから、初めて経験する別れが卒園式です。成長を著しく感じる卒園という節目に、言葉にできない想いが溢れていることでしょう。子どもだけでなく、そんな保護者に向けてのメッセージも用意すると大変喜ばれます。その子の素敵なところや、健やかな成長を願う気持ちをメッセージに入れて伝えましょう。
また、小学校入学は保護者にとっても不安でいっぱいです。「困ったことがあれば保育園に顔を見せにきてほしい」と加えることで、保護者の不安を減らせるのではないでしょうか?
4.卒園児に想いを込めたメッセージを贈ろう
保育園で過ごした楽しい時間…。大好きな保育士からの卒園メッセージは、大切な宝物となります。そして保護者にとっても「うちの子は保育園でとても大切にされていた」と実感する瞬間でもあります。
保育士の仕事は多岐にわたり、春はとくに忙しい季節です。しかし、卒園のメッセージは保育士から贈る子どもへの最後のプレゼントです。子ども達にお祝いの気持ちが伝わるよう、素敵なメッセージを贈ってあげてくださいね。