七五三は、「子どもが元気に長生きできますように」と祈願する日本の伝統行事です。しかし「七五三は着物を着て、写真を撮るんでしょ?」と思っている子どもたちは意外と多いものです。そこで、子どもたちにわかりやすいように七五三の意味を伝え、千歳飴袋の制作を行うことで保育園でも楽しくお祝いしましょう!
七五三の意味や由来、千歳飴袋の制作例をご紹介します!
1.七五三とは
七五三とは、どういった行事なのでしょうか?いざ子どもに説明しようとすると、意外と難しく感じることもあるため、まずは保育士がしっかりと理解しておくことが大切です。子どもたちに伝わるように、わかりやすい言葉で説明する準備をしておきましょう。
1-1 七五三は成長を祝う日本の行事
七五三とは、子どもの成長を祝う日本の伝統的な行事のひとつです。昔は今ほど医療が発達していなかったため、7歳まで生きることがとても難しかったのです。そこで子どもたちが元気に育ちますようにと神様にお願いするようになったことが、七五三の由来です。
江戸幕府の将軍が自分の子どもの健康を11月15日頃に祈願したため、今でもその時期に7歳5歳3歳になるとお参りをして、子どもの成長を報告するとともに祈願します。
7歳5歳3歳の由来は、3歳は「髪置き」という主に女児が髪を伸ばし始める儀式、5歳は「袴着」という主に男児が袴を着るようになる儀式、7歳は「帯解き」という女児が着物に使う紐から大人と同じ帯に替える儀式が由来です。そのため、男の子は3歳と5歳、女の子は3歳と7歳にお祝いすることが多いのです。
1-2 千歳飴の由来や意味は?
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七五三で欠かせない「千歳飴」。千歳飴には「千歳」=「千年」、つまりとても長い年月という意味から長生きの願いがかけられています。また、飴は赤と白で着色された縁起の良いものとなっています。他にも、引っ張って伸ばして作る細く長い形状から「長生き」という意味があるという説もあります。
1-3.千歳飴袋の柄の意味
千歳飴袋の絵柄には縁起の良いものとされるものが描かれ、子どもの成長や長寿の願いの意味が込められていることがあります。そこでここでは、千歳飴袋を作る時のおすすめの柄をご紹介します。
1-3-1.鶴・亀
「鶴は千年、亀は万年」と言われるように、鶴や亀には古来から長生きの意味があります。そのため、子どもの成長を願う七五三では、千歳飴袋の柄に多く使用されるデザインです。
1-3-2.松竹梅
松竹梅は、慶事のシンボルとして古くからそのデザインを使用されてきました。松は冬でも枯れない逞しい姿から長寿を、竹は真っ直ぐにぐんぐん伸びる姿から生命力を、梅は早春の頃美しく咲く姿から気高さを表すと考えられてきました。
1-3-3.キャラクターなど
子どもたちの成長を祝う七五三。子どもたちの好きなキャラクターで千歳飴袋を作れば子どもたちはきっと喜んでくれることでしょう。もしクラスで流行っているキャラクターがあれば、そのキャラクターをデザインしてみてはいかがでしょうか?
2.千歳飴袋の制作をしよう
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家庭でもお参りの時に千歳飴はもらっているかもしれませんが、保育園でも成長のお祝いの意味を込めて是非千歳飴を用意しましょう。そして、子どもと一緒に千歳飴袋を制作し、より思い出深い行事にしましょう!
2-1.千歳飴袋の制作のねらいや楽しみ方
千歳飴袋の制作には、「七五三の由来や意味を知り、制作を楽しむ」「七五三を通して日本の伝統を知り、関心を持つ」「成長を喜び、自己肯定感や感謝の気持ちを持つ」等が考えられます。
成長した子どもたちを祝う七五三。保育園ではお参りは難しい場合が多いですが、制作を行う中で子どもたちの自信に繋がるような声がけをたくさんしてお祝いしましょう。七五三は、子どもにとって「嬉しい」「楽しい」行事であることを伝えられると良いですね!
2-2.千歳飴袋の制作の注意点
七五三は日本の伝統行事のため、子どもの環境によっては馴染みのないものであるかもしれません。そういった子どもには行事の意味を丁寧に伝え、十分配慮して制作をするようにしましょう。また、制作の際には子どもの発達に合ったやり方を考え、無理のないように行いましょう。
3.千歳飴袋の制作例
保育園でおすすめの千歳飴袋の制作例をご紹介します。乳児向けと幼児向けで分けて紹介しますので、子どもたちの発達に合わせて参考にしてみてください。
3-1.【乳児向け】千歳飴袋の制作例
乳児さんが千歳飴袋を作る際は、子どもたちが無理なく制作を楽しめるように土台となる千歳飴袋は保育士が制作し、子どもたちは模様を制作するようにしましょう。
3-1-1.手型
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成長の証となる子どもの手型を使うと、思い出深い千歳飴袋になります。縁起物の鶴の絵柄になるように工夫すると、とても素敵な作品になりますよ。
3-1-2.タンポやスタンプ
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タンポやスタンプを使い、子どもの好きなように絵柄を作ると思いがけない素敵な作品に仕上がります。色や形、大きさをよく考えて準備し、子どもたちが楽しめるようにしましょう。
3-1-3.丸シール
手先が器用に使えるようになる2歳頃になると、丸いシールを上手く貼ることができるようになります。子どもが自由に貼ったり、貼る位置を指定して模様を作ったり、その両方を行ったり、子どもの様子に応じて楽しんで行いましょう!
3-2.【幼児向け】千歳飴袋の制作例
手先を巧みに使うことができるようになる幼児さんは、土台となる千歳飴の袋自体も子どもたちで作ると良いでしょう。色画用紙を折って貼り合わせ、持ち手を付ければ簡単に作ることができます。
その上で、千歳飴袋の模様の制作も子ども自身が主体となって制作し、子どもだからこそできる素敵な千歳飴袋を作りましょう。そこで幼児さんにおすすめの制作例を4つご紹介します。
3-2-1.染め紙
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障子紙や半紙を四角や三角に折り、絵の具を染み込ませて作る染め紙は、紙を広げると和を連想させる素敵な模様になるため、千歳飴袋の制作におすすめです。折り方や色の選び方、染み込ませる時間によってさまざまな模様が出来上がるため、その子だけの唯一無二の作品となりますよ。
3-2-2.紙編み
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細長い色画用紙と、細長い紙と同じ幅に切り込みを入れた色画用紙の台紙を用意します。台紙に交互に細長い色画用紙を通していくと格子模様ができていきます。
コツを掴めばどんどん子どもだけで進めることができ、さらには出来上がりは有名なアニメのキャラクターを思い起こさせる柄になるため、子どもたちはとても楽しく作ることかできます。
3-2-3.折り紙
折り紙で制作したものを貼り付けて千歳飴袋を作ってみましょう。おすすめは折り紙の「鶴」と折り紙で作る「梅」の切り絵です。
鶴は子どもが作るには、難しく感じるかもしれません。保育者は大きな折り紙を用意し、大きな見本を示して作り方をわかりやすく伝えましょう。
梅の切り絵も折り方が複雑ですが、切り終わって紙を広げた時の驚きや嬉しさは、想像以上です。ハサミの使い方に注意して制作を進めましょう。
3-2-4.「七五三」を書く
4歳児や5歳児の学年は文字に興味が出てきており、自分で文字を読んだり書いたりしている頃でしょう。そんな子どもたちにおすすめなのが「七五三」の文字を自分で書くことです。
漢数字の書き方を一から十まで説明をした上で、「七五三」を書いてみると文字への理解が深まるでしょう。また、保護者が子どもが自分で書いた千歳飴袋を見たときに、成長を感じることができるかもしれません。成長を祝う行事にピッタリですね!
4.七五三の雰囲気を伝え、子どもと楽しく過ごしましょう!
子どもと毎日生活している保育士にとって、子どもの成長を祈願する七五三の行事はとても喜ばしいものですね!また、子どもにとっても自分の成長を確認したり、日本の伝統に触れたりと、とても楽しい機会となるでしょう。ぜひ千歳飴袋の制作を通して、子どもの成長を楽しくお祝いしてくださいね!