「折り紙で色々な種類のお花を作りたい」「夏の製作に折り紙ダリアを取り入れたい」と思っている保育士の方もいるかもしれません。ダリアなら、折り紙で表現できます。ダリアの折り方は何パターンかありますが、保育園や幼稚園で行う場合は比較的簡単にできる折り方を取り入れましょう。
今回は、子どもにおすすめな折り紙ダリアの作り方をご紹介します。ダリアのアレンジ方法や折り紙が子どもの発育にもたらす効果なども併せて解説するので、参考にしてみてくださいね。
ダリアはどんなお花?基礎知識を深めよう!
折り紙で作れるお花の一つに、ダリアがあります。保育で導入できるお花や、折り紙のアレンジ方法を探している方の中には、「ダリアってどんなお花だったかな?」と疑問を感じている方もいるでしょう。まずは、ダリアのお花について詳しくご紹介します。
ダリアの特徴
ダリアの原産地はメキシコから中央アメリカです。品種改良が進み、お花のサイズや色、咲き方などさまざまなタイプがあります。比較的簡単に育てられることで人気の高い品種です。
花びらの開き方は大きく分けて10種類ありますが、幾重にも重なる花びらが印象的な「デコラティブ咲き」が代表的です。日本では初夏から秋の間に咲くため、夏のお花として知られています。
ダリアの花言葉
ダリアは大ぶりの花を咲かせるため、一輪だけでもその場をパッと華やかにする程の存在感があります。花言葉は「優雅」「気品」「栄華」です。
ただし、「裏切り」「不安定」といった少し怖い花言葉も持ち合わせています。皇帝ナポレオンの妃ジョセフィーヌが愛したお花としても知られるダリア。
ジョセフィーヌを羨んだ貴族の女性がダリアを盗み、それを知ったジョセフィーヌがダリアへの興味を失ったことからこういった花言葉もできたそうです。綺麗なお花だからこそ多くの人に愛されてしまうのかもしれませんね。
子どもたちへの伝え方
保育園でダリアを作成する場合、ダリアを見たことがない子やイメージが沸かない子もいるでしょう。折り紙でダリアを作成する前には、子どもたちにどのようなお花なのかしっかりと伝えておくことで、活動に参加しやすくなります。例文は以下の通りです。
- ダリアはどんなお花なの
「ダリアは、花びらがたくさんついた大きなお花だよ。メキシコのほうからやってきたんだって。とっても綺麗だから、昔からたくさんの人に愛されてきたんだよ。」
- なぜダリアを作るの?
「ダリアは、綺麗とか素敵っていう意味が込められたお花だよ。〇〇組のみんなに合うかなと思ったんだ。あと、ダリアは夏に咲くお花だから、今の時期にピッタリだよね。ダリアを作ってお部屋に飾って、暑い夏も楽しく過ごそうね。」
保育園でできる!折り紙ダリアの作り方5選
ダリアは折り紙で作成できます。いくつか作り方のパターンがありますが、その中でも比較的作りやすいものをご紹介します。保育に導入する際は、ぜひ参考にしてみてください。
簡単にできるメダル型の折り紙ダリア
折り紙1枚でできるダリアです。実は、メダルの作り方とほとんど変わりません。運動会や卒園式など、特別なイベントのお花のペンダント(メダル)としてプレゼントしても喜ばれるでしょう。
【用意するもの】
- 折り紙1枚(15cm×15cm)
【折り方】
- 折り紙を半分に折って一度開く
- 折り目に向かって上下の端を内側に折る
- 横に半分に折り、一度開く
- 折り目に向かって左右の端を内側に折る
- 右か左に回転させる
- 上下を開いてから潰して折る
- 4つの端を開いて潰す
- 端の部分(8箇所)を折り目に合わせて折る
- 折った部分を開いて潰す
- 裏返して四角の角をなくすように少しだけ折り込み完成
花びらが特徴的な折り紙ダリア
折り紙1枚で、12枚の花びらを再現する方法です。少し難易度が高いですが、コツを掴めば子どもでも作れるようになります。折り紙が縮んでいく感覚が面白い折り方です。
【用意するもの】
- 折り紙1枚(15cm×15cmがおすすめ)
【折り方】
- 白い方を外側にして、縦半分に折る
- 一度開き、横方向に半分に折って、また開く
- 真ん中の線に合わせて左右を折り込む
- 開いて、今度は真ん中の線に合わせて上下に折る
- 下の端を一番上の線に合わせて折る
- 同じように上下左右全ての端を一番上の線に合わせて折る
※真ん中に16個の四角ができるように - 色がある面を外側にして三角形に折る
- 開いて、向きを変えてもう一度三角形に折る
- ①一番下の角を、一番上の×のところに向けて折る
- ➁一度開いて、一番下の角を真ん中の×のところに合わせて折る
- ①と➁の作業を全ての角で行う
- 一番下の角を、一番下の×に合わせて折る
- 全ての角を同じように折る
- 裏返して、全ての角を折り目に合わせて山折りにする
- 四方から中に向かって折り合わせていき、四角形になるように畳む
- ヒダがある方の山折りできる部分をつまみ、斜めに倒す
- 次の角も全て同じように折って完成
立体感が魅力の折り紙ダリア
花びらに立体感のあるダリアの折り方です。立体的になることで、華やかさが増し、本物のお花に近いような感覚があります。子どもたちからご家族の方へのプレゼントに添えるお花にもピッタリです。
【用意するもの】
- 折り紙3枚(15cm×15cmがおすすめ)
- のり
【折り方】
- 白が内側になるように、上下に半分に折る
- 左右も同じように半分に折る
- 一度開き、半分に折る
- 逆方向にも半分に折る
- 四つ角を真ん中に向かって折る
- ①三角形の左の部分を開き、真ん中の線が交わるところに向かって(その部分まで)折り線を付ける
- ➁右側も同じように折る
- ①~➁を全ての三角形で同じように行う
- 折り紙の中心部分が軽く山折りになるように折る
- 折り目に沿って折り込む(チューリップのような形になる)
- 下の角を真ん中あたりに向かって折る
- 残り3箇所も同じように折る
- 色の付いた部分だけ糊付けする
- 同じ要領で残り2枚の折り紙も折る
- 全ての色のついた部分をのりで付ける
- 軽く開き、外側の花びらを軽く折り曲げたら完成
折り紙をふんだんに使用した豪華なダリア
大輪の華やかさや豪華さを見事に再現した折り紙ダリアです。折り紙をくるんと丸めて重ねるだけなので、年齢の小さいクラスでも楽しめます。
【用意するもの】
- 折り紙(7.5cm)
- 段ボール
- のり
【折り方】
- 段ボールを直系10cmの円の形に切る
- ①折り紙をクレープのような形になるように丸める
- ➁端をのりで付ける
- 同じものを15個作る
- 段ボールにのりを付けて放射状に折り紙を置いていく
- 違う色の折り紙を8枚用意し1cm程度小さく切る
- ①➁と同じ工程で行う
- のりを付けて、一段目の花びらの上に重ねる
- 違う色の折り紙を2枚用意し、1/4の大きさにする
- ①➁と同じ工程で行う
- のりを付けて、二段目の花びらの上に重ねて完成
小さなお花が特徴の可愛らしいダリア
小ぶりのダリアを表現した折り紙ダリアです。花びらが多いので、可愛らしさの中にもダリア独特の華やかさがあります。
【用意するもの】
- 折り紙1枚
- はさみ
- ホチキス
- のり
【折り方】
- 白が外側に来るように、折り紙を半分に折る
- 線に沿ってはさみで切る
- 切った折り紙を半分に折る
- さらに半分に折る
- さらに半分に折る
- 一度開き、端からジャバラ折りする
- 半分に折り、折れ線のところをホチキスでとめる
- 色のついた方を上に向ける
- 折り紙の両端を内側に向け少し切る
※台形のような形になる - 白い面の上側にだけのりを付けて貼り合わせる
- のりが乾いたら広げて、外側も同じように糊付けする
- のりが乾くまで指で固定しながら、花びらの形を整えて完成
折り紙ダリアのアレンジ方法は?
折り紙ダリアの折り方は複数あるので、難易度の低いものを選べば保育園や幼稚園でも実践できます。夏の壁面製作にもおすすめです。ダリアを飾る際は、アレンジを加えると、より華やかで作品らしくなるでしょう。以下のようなアレンジ方法を試してみてください。
・葉っぱを添える:折り紙で作った葉っぱを添えましょう。ジャバラ折りした色画用紙を葉っぱの形に切るだけで、立体感のある葉っぱになります。
・籠にお花を入れる:紙皿の真ん中部分を半分だけ切り抜き、色を塗るとお花を入れる籠になります。ダリアのお花の可愛らしい雰囲気を引き立ててくれるでしょう。
・リースを作る:壁に飾る際はリースにするのもおすすめです。ダリアのお花と葉っぱをいくつか作り、円形になるように並べて、見えない部分をホチキスでとめていくとリースができます。
・花束にする:包装紙や色画用紙をクレープのような形に折り、真ん中の部分にダリアと葉っぱを貼り付けると花束になります。保護者へのプレゼントに添えても喜ばれるでしょう。
折り紙を保育に導入するメリットやポイント
折り紙ダリアは保育園や幼稚園での活動にピッタリです。保育を行う上で折り紙の時間を導入するメリットやポイント、折り紙がもたらす効果をご紹介します。
折り紙がもたらす効果
折り紙は子どもの知育に良いとされています。保育にも折り紙を使用し、子どもの持つ能力を伸ばす手助けをしていきましょう。折り紙にはさまざまな効果を期待できます。折り紙が与える効果やメリットの一例は以下の通りです。
- 手先を動かすことで脳の動きが活性化する
- 忍耐力や集中力が身に付く
- 空間認知能力を養える
- 創造する力が身に付く
- 達成感を味わうことで自己肯定感を育む など
手先の運動は、脳を活性化させると言われています。脳の発育が促されることで、集中力や空間認知能力の向上につながります。また、「ここどうやって折るの?」「〇〇ちゃんのダリア綺麗だね」などと会話をすることでコミュニケーション能力も育むことができます。
折り紙のメリット
折り紙を保育に導入するメリットは、知育効果を期待できることだけではありません。折り紙ならではの良さがあります。
- 必要となる材料が少なく済む
- 材料費用がお手頃
- 飾る際に場所に困らない
- 一斉保育でも導入しやすい など
例えば、牛乳パックや段ボールといった廃材を使用することもあるでしょう。こういった材料は比較的大きいため、飾る際に場所を取ります。また、クラスの人数が多い場合は用意するのに時間がかかるのもデメリットです。
一方、折り紙は1セットに複数枚入っており、文房具店や100円ショップなどですぐに購入できます。用意に手間がかかりません。また、作品を飾る際やしまっておく際に場所を取らないのも嬉しいポイントです。
折り紙を上手に折るためのポイント
折り紙を折る際は、角と角をしっかりと合わせ、丁寧に折り目を付けるのがポイントです。保育園や幼稚園の子どもは、また握力が弱く指先の発達も未成熟なため、折り紙を几帳面に折ることが難しいケースもあります。
「アイロンしようね!」「とがったところをぴったんこしようね!」など、子どもに分かりやすい言葉で声かけしながら、必要に応じて支援をしましょう。
ただし、あまり保育者が手を加えすぎると、子どもの個性やその時ならではの発育の様子が見られなくなる恐れがあります。最終的に形が再現できそうなときは無理に綺麗に折らずに、子どもの様子を見守ることが大切です。
まとめ
ダリアは、幾重にも重なる花びらが特徴的なお花です。夏に咲く花で、折り紙でも再現できるため、夏の壁面製作にも適しています。
ダリアを作る方法はいくつかあるため、子どもの年齢や発達の様子に合わせて選びましょう。今回ご紹介したダリアの折り方も参考にしてみてくださいね。