保育園や幼稚園では廃材を使用した製作遊びが人気です。その中でも特に牛乳パックは使用頻度が高く、さまざまなおもちゃにアレンジできます。「牛乳パックを使用した製作遊びを取り入れたい」「子どもたちが楽しめるおもちゃを作りたい」と考えている保育士の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、保育におすすめの牛乳パックを使用した手作りおもちゃ15選を紹介します。乳児クラス向けと幼児クラス向けに分けて、おすすめおもちゃと作り方を解説するのでぜひ参考にしてみてください。
牛乳パックで手作りおもちゃを製作しよう
牛乳パックを使用すると、さまざまな手作りおもちゃを作ることができます。保育園や幼稚園での製作遊びにも最適です。
ここではまず、牛乳パックの特徴や製作遊びを展開するメリット、保育のねらいといった基本情報について解説します。
牛乳パックの特徴
牛乳パックは廃材の中でも特に使用頻度の高い材料です。牛乳パックの特徴としては以下が挙げられます。
- 水をはじく性質がある
- 画用紙や折り紙に比べて強度がある
- 箱型になっているため立体のおもちゃが作れる など
牛乳パックの特徴を利用して、おもちゃを作成しましょう。水に強いため、プールの際や水遊びでも使用できます。
廃材で製作遊びをするメリット
既製品のおもちゃではなく、廃材を使用して手作りしたおもちゃや廃材製作遊びが重宝されるのには理由があります。廃材製作遊びのメリットは以下の通りです。
- 身の回りのものに興味関心を持てるようになる
- 廃材の持つ性質を知り、有効活用できる
- イメージしたものを作り上げる中で、創造力が育まれる など
牛乳パックをはじめとした廃材は、製作遊びを通して全く違うものに生まれ変わります。「どんなものを作ろう」と考えながら試行錯誤して製作する中で、集中力や想像力が養われ、表現することの楽しさを実感できるでしょう。
手作りおもちゃで保育をするねらい
廃材による製作遊びのメリットは複数ありますが、保育を行う際はその中でどういったことを学んでほしいか、どういった力を伸ばしたいかを考え「ねらい」を定める必要があります。ねらいの一例を挙げると以下の通りです。
- 素材に興味を持ち、性質や使い方を覚える
- 素材の特徴を生かした製作ができるようになる
- 廃材遊びを通して友達とコミュニケーションを楽しむ
- 想像力を働かせながら製作する中で、考える力を養う など
活動のねらいが明確になることで、保育の指導計画を立てやすくなります。
乳児クラス向け!牛乳パックの手作りおもちゃ5選
乳児クラスにおすすめの牛乳パックを使った手作りおもちゃを紹介します。乳児クラスの場合、自分で製作するのが難しいケースも多いでしょう。その場合は「保育者が製作する」「できるだけ工程を減らす」などしてアレンジしながら対応してみてください。
こま
簡単にくるくると回せるのが特徴のこまです。ペットボトルのキャップを回すだけなので乳児期でも遊べます。指先のトレーニングにも最適です。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- ペットボトルのキャップ
- セロハンテープ
- はさみ
- シール
【作り方】
- 牛乳パックの底に向かって4つの辺を切って開く
- 底から13cmのところで端を切る
- 角を落として丸くする
- 底の中央にペットボトルのキャップを置き、セロハンテープで固定する
- 牛乳パックの白い面にシールを貼り装飾して完成
いないいないばあ
牛乳パックを開くと顔が現れる、仕掛け絵本のようなおもちゃです。保育園で使用する手作りおもちゃに適しています。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- 台紙(20cm×28cm)
- 画用紙
- はさみ
- 色鉛筆
- のり
- 布ガムテープ
【作り方】
- 牛乳パックを2本用意する
- 口の部分に切り込みを入れ、内側に折りガムテープで留める
- 牛乳パックを並べて、角をガムテープで固定する
- 牛乳パック2本分と同じ形に切った台紙をのりで貼り付ける
- 裏返し、同じように台紙を貼り付ける
- 画用紙に顔や手を描き、はさみで切る
- 牛乳バックの内側に顔を貼り付け、外側に手を貼り付ける
- 裏側にも同じように絵を貼り付けて完成
カスタネット
牛乳パックで作るカスタネットです。牛乳パックは強度があるため楽器の製作にも適しています。カスタネットだけでなく、タンバリンやギターなどを作って演奏会をしても楽しめるでしょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- ペットボトルのキャップ
- セロハンテープ
- クレヨン
- はさみ
【作り方】
- 牛乳パックの縦の辺をはさみで切り開く
- 4つの面を1面ずつに切り分ける
- 1面を半分に折り曲げる
- 白い面にクレヨンで絵を描く
- 内側に2つペットボトルのキャップを貼り付けて完成
ぴょんぴょんカエル
ぴょんと跳ねるカエルのおもちゃです。輪ゴムの力を利用することで、牛乳パックが裏返る際に大きく跳ね上がります。子どもたちの興味関心を引きつけるおもちゃになるでしょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- 輪ゴム
- マーカー
- はさみ
- セロハンテープ
【作り方】
- 牛乳パックの注ぎ口の部分を切り落とす
- 10cm程度のところで切る
- 真ん中で切り開き2面ずつに切り分ける
- 折り目の部分にセロハンテープを巻きつけ補強する
- 白い面が外側になるように折る
- 外側から5mm程度のところに切り込みを入れる(両側)
- 白い面に絵を描く
- 裏でクロスするように、切り込み部分に輪ゴムをはめる
- 裏側が外側に来るように折り畳んで完成
積み木
牛乳パックで作る積み木です。牛乳パックの側面に絵を描いたり、中に鈴を入れたりしてアレンジできます。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- 鈴
- 新聞紙
- 画用紙
- マーカー
- 布ガムテープ
- はさみ
- のり
【作り方】
- 牛乳パックの注ぎ口の部分を切り落とす
- 好きな大きさになるよう端を切り落とす
- 牛乳パックの中に鈴と、丸めた新聞紙を詰める
- 布ガムテープで切り口の部分をふさぐ
- 牛乳パックの大きさに画用紙を切り、のりで貼り付ける
- マーカーで絵を描いて完成
幼児クラス向け!牛乳パックの手作りおもちゃ10選
幼児クラスにおすすめの牛乳パックを使った手作りおもちゃ10選を紹介します。製作遊びの時間と、実際に作ったものを使用した遊びの時間と2回楽しめるのが魅力です。アイデアの引き出しを増やし、保育を充実させましょう。
変わり絵
牛乳パックを回すと絵が変化する不思議なおもちゃです。自分でストーリーを考えながら作ってみましょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- はさみ
- マーカー
【作り方】
- 牛乳パック2本を切り開き、注ぎ口の部分を切り落とす
- 1枚を半分に折り畳み、6cm幅に印をつける
- 印をつけたところで、真ん中の線まではさみで切り込みを入れる
- もうひとつの牛乳パックを半分に切る
- 切った牛乳パックを半分に折り端を5mmほど切り落とす
- 細くなった牛乳パックを、先ほど切り込みを入れたところに差し込む
- もうひとつも同じように切り込みに入れ込む(互い違いになるように)
- マーカーで絵を描く
- 別の面を開き、先ほどと異なる絵を描く
- 絵を描いたページを順に開いて完成
絵合わせパズル
牛乳パックをくるくると回し、絵柄を合わせるパズル遊びです。幼児の場合遊ぶだけでは簡単なので、自分で考えながら作って製作遊びを楽しみましょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- ゴム
- はさみ
- 画用紙
- マーカー
- キリ
- のり
- 両面テープ
【作り方】
- 牛乳パックの底から8cm(3面分)、14cmを(1面の分)大きさにカットする
- 切り口の方の角に1cm程度の切り込みを入れ、角を折りながら内側に入れ込む
- 左右の面の真ん中にきりで穴を開ける
- 内側に入れ込んだ部分に両面テープを貼る
- 同じものを3個作る
- 穴にゴムを通し、両端を駒結びで留める
- 各牛乳パックの一番長い面を折り、蓋をする
- 牛乳パックの面と同じ大きさに画用紙を切る
- 3枚を横に並べて絵を描く
- 同じように4面全ての分の絵を描く
- 各面に絵を貼り付けて完成
ぽっくり
牛乳パックは強度があるため幼児のぽっくりを作る際にも活用できます。作成したぽっくりで遊べば、バランス力や集中力を養えるでしょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- ひも
- はさみ
- ガムテープ
- 穴あけパンチ
【作り方】
- 牛乳パックの注ぎ口の部分を切り落とす
- 底から7cmのところに印をつける
- 印をつけたところまで切り、開く
- 別の牛乳パックをジャバラ状に折り曲げ、底の部分に詰める
- 左右の2面を、反対側の端に合わせて折る
- 余った部分は折り、立てておく
- 立てた部分に穴あけパンチで、ひもを通すための穴を開ける
- 余った2面は底の大きさに合わせて内側に折り込む
- ガムテープでしっかりと固定する
- 穴の部分に紐を通して完成
魚釣り
牛乳パックの水をはじく性質を利用した製作アイデアです。夏の保育で、プールに浮かべて遊んでみても面白いでしょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- 油性マーカー
- はさみ
- ガムテープ
【作り方】
- 牛乳パックを開き、白い面に油性マーカーで絵を描く
- 絵の大きさにはさみで切る
- 別の牛乳パックを開き、注ぎ口の部分を切り落とす
- 端から3cmくらいのところに印をつける(3辺のみ)
- 印のところで折り曲げ、ポイの形になるよう調整する
- 角をガムテープで固定して完成
びゅんびゅんごま
遠心力を利用して回すこまです。製作だけでなく遊ぶ際にも楽しめます。こまが上手に回るようになるまでには練習が必要となるため、忍耐力や集中力も身につくでしょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- タコ糸(60cm)
- はさみ
- セロハンテープ
- キリ
- マーカー
- 両面テープ
【作り方】
- 牛乳パックを切り開き、5cm程度の正方形を2つ作成する
- 中心にキリで2ヵ所穴を開ける
- 余白の部分に絵や模様を描く
- 穴にタコ糸を通し、端を結ぶ
- 牛乳パックの裏側に両面テープを付け、貼り付けて完成
ランタン
幻想的な雰囲気を楽しめるランタンの製作アイデアです。夏祭りの際やハロウィンといった行事で活用できます。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- トレーシングペーパー
- カラーセロファン
- ランプ
- はさみ
- のり
- セロハンテープ
- カッター
【作り方】
- 牛乳パックの側面を、端1cm程度を残して切り抜く
- 4面とも同じように切り抜く
- トレーシングペーパーを牛乳パックの側面と同じ大きさになるよう切る
- カラーセロファンを好きな形に切り、トレーシングペーパーに貼り付ける
- トレーシングペーパーを牛乳パックの側面に貼り付ける
- 牛乳パックの注ぎ口の部分に切り込みを入れる
- 注ぎ口の部分が下になるようにして、ランプを入れたら完成
羽子板
お正月遊びにも使用できる保育アイデアです。牛乳パックは丈夫な素材でできているため、しっかりとした羽子板を作成できます。誰が上手か競いながら羽根つきを楽しみましょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- 割りばし
- ガムテープ
- アルミホイル
- 折り紙
- はさみ
- カッター
- マジック
【作り方】
- 牛乳パックの底の部分が側面のうちどれか1面につくようにして切り開く
- 底とつながっている側面が中心(底辺)になるよう、3角形に折る
- 3角形の頂点の辺を切り開き、印字のある方が内側になるよう羽子板の形に折る
- 上部の注ぎ口の部分を切り落とし、ガムテープで留める
- 牛乳パックの底の部分の両端から2cmのところに切り込みをいれる
- 割りばしを真ん中に置きテープで留めたら、内側に折り込み持ち手を作る
- ガムテープでぐるぐる巻いて固定する
- 牛乳パック(羽子板)の白い部分に絵を描く
- アルミホイルを丸める
- 折り紙を羽の形に切り、アルミホイルに付けて完成
ラッコ
水に濡れても大丈夫なラッコのおもちゃです。プールで水遊びをする際のおもちゃとして役立ちます。貝殻に見立てたペットボトルのキャップを叩いて、カチカチと慣らしても楽しめます。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- ペットボトルのキャップ
- 油性マーカー
- ボールペン
- ホチキス
- はさみ
- セロハンテープ
【作り方】
- 牛乳パックを箱状の形のまま、半分に切る
- 底から2~3cmを残し、残りの辺を切り開く
- 開いた面の部分に油性マーカーでラッコの絵を描く
- 余白の部分をはさみで切る
- ラッコの手の部分をホチキスで留める
- ペットボトルのキャップを手の部分につける
- お腹の部分にもセロハンテープでキャップを貼り付けて完成
フリスビー
ふわふわと飛んでいく様子が面白い、牛乳パックのフリスビーです。園庭や遊戯室などの広い空間を使用して誰が一番遠くに飛ぶか、競って遊びましょう。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- マーカー
- はさみ
- セロハンテープ
- 両面テープ
【作り方】
- 牛乳パックのつなぎ目の部分で開く
- 真ん中の2面から上下1cm(のりしろ)、注ぎ口の部分の3cm(のりしろ)を残して切り抜く
- 牛乳パックの白い面に絵や模様を描く
- 半分に折り曲げる
- 1cm程度の幅に切り込みを入れる
- のりしろの部分に両面テープを貼る
- 円状に丸めながら、両面テープの部分にもう片方ののりしろを付けたら完成
万華鏡
キラキラとした装飾を観察して楽しめるおもちゃです。万華鏡の作り方は複数ありますが、その中でも簡単に作れる方法を紹介します。
【用意するもの】
- 牛乳パック
- アルミホイル
- 画用紙
- はさみ
- セロハンテープ
- マーカー
【作り方】
- 牛乳パックの注ぎ口の先端部分のみを切り落とす
- 口の部分を四角錐になるよう折り、セロハンテープで留める
- 四角錐の部分にアルミホイルを貼り付ける
- 画用紙にマーカーで絵や模様を描く
- 牛乳パックに巻き付けてセロハンテープで留めて完成
牛乳パックで製作をするときのポイント
牛乳パックを使用しておもちゃを手作りする際は、注意したいポイントがいくつかあります。ポイントを押さえ危険のないように配慮しながら、楽しく安全に保育を展開しましょう。
怪我のないよう援助する
牛乳パックは厚みがあり硬さのある素材です。そのため、牛乳パックをはさみで切る際は力が必要となります。
思いきりはさみに力を入れると勢いあまって、手を切ってしまう恐れがあるため注意が必要です。牛乳パックを切る工程がある場合は、あらかじめ保育者が切り込みをいれるなどして援助しましょう。
しっかりと洗って乾かす
牛乳パックを使用する際は、中身がなくなったあとそのまま乾かさずに、しっかりと水や洗剤で洗いよく乾燥させてから使用するようにしましょう。牛乳はそのままにすると臭いの元となります。
また、牛乳に対してアレルギーを持っている子も中にはいます。「牛乳を飲まなければOK」という場合もあれば「近くに牛乳があるだけでアレルギーが出てしまう」といったこともあり、アレルギーの度合いは人によって異なるものです。製作遊びで牛乳パックを使用する際は、事前に保護者へ確認を取りましょう。
口に入れないよう見守る
乳児クラスの場合、牛乳パックで作ったおもちゃを口に入れないよう見守る必要があります。牛乳パックは基本的に紙でできています。強度があるため簡単には嚙みちぎれませんが、壊れかけていると、その部分を口に入れてそのまま飲み込んでしまう恐れもあります。
牛乳パックで手作りおもちゃを製作する際は、定期的におもちゃをチェックして破損がないか確認しましょう。また、口に入れないようよく観察することも大切です。
まとめ
牛乳パックを使用した製作アイデアはたくさんあります。手作りおもちゃで楽しく遊びましょう。乳児クラスと幼児クラスでの製作に適した保育アイデアをまとめた今回の記事も、ぜひ参考にしてみてください。