保育園での遊びは、子どもたちの創造力や好奇心を刺激する大切な時間です。2025年の今、園児たちの間では、手作りおもちゃや感覚を使った遊び、進化系の人気グッズなどが話題となり、保育現場でも注目されています。
この記事では、全国の保育士や保護者の声をもとに、保育園児に今人気の遊びをランキング形式で10個ご紹介します。段ボールを使った自動販売機づくりから、昔ながらのけん玉ブームの再燃、さらには水を使って何度も楽しめるアイテムまで、子どもたちが夢中になるアイデアが満載です。
遊びながら学び、楽しみながら育つ—そんな保育の現場にすぐ取り入れられる最新トレンドをぜひチェックしてみてください。
目次
保育園児に流行ってる遊びランキング TOP10
近年、保育園児の間では、手先を使う工作や五感を刺激する感覚遊びが注目を集めています。本ランキングでは、2025年前半にSNSや保育現場で特に人気の高かった遊びを10位まで紹介します。
どの遊びも、子どもの発達に寄与しつつ、家庭や保育室で取り入れやすいものばかりです。
1位 段ボール自動販売機 工作
空き箱や紙コップを使って本物そっくりの自動販売機を作るこの遊びは、創造力と手先の巧緻性を同時に育てられる人気の工作です。段ボールを切り抜き、スライド式の仕掛けやコイン投入口を組み込む工程には、「順序立てて考える力」や「試行錯誤する力」が必要となり、自然とSTEM的な思考が身につきます。
また、お店屋さんごっこに発展させることで、保育者との対話や集団でのやりとりが生まれ、社会性や言語発達にも良い影響を与えます。園によっては季節の行事と組み合わせて、ジュースやアイスなどをテーマに装飾するなど、カスタマイズの幅も広いのが特徴です。
2位 センサリーバッグ（感覚遊び）
ジップ付き袋に水・洗濯のり・ラメ・スパンコールなどを入れて密封する「センサリーバッグ」は、手で触れたときのひんやり感や、中の素材が動く視覚効果が楽しめる感覚統合遊びです。
特に0〜2歳の子どもにとっては、安全に触れられる“液体感覚”の体験が希少で、泣き止みアイテムとしても活躍します。また、カラーや形状をテーマにすれば、色の認識や語彙習得にもつながります。
保育室での静かな時間や気分転換にも活用でき、バギーに固定すれば外出先でも使えるため、保育者・保護者の双方から高く支持されています。
3位 バタースライム & 進化系スライム
従来のスライムに粘土やフォームソープを混ぜて作る「バタースライム」は、ふわふわ・モチモチの新食感が特徴。手で伸ばしたり丸めたりする過程で、微細運動（ファインモーター）の発達が促され、感覚的な安心感から情緒の安定にも寄与します。
また、香り付きスライムやグリッター入りなどの「進化系スライム」も人気で、子ども自身が“好みのスライム”を調合するという過程に没入できます。保育の場では、感触あそびに加えて、色混ぜや分量調整などの実験遊びとしても応用が利き、「五感」と「思考力」の両方を刺激する万能アイテムとなっています。
4位 電動プッシュポップゲーム
「プッシュポップ」と呼ばれるシリコン製のボタンを押すだけの単純な遊びに、光と音が加わったのが「電動プッシュポップゲーム」です。音声ガイドやLEDライトの点滅に合わせて正しい位置のポップを押すゲーム性があり、反応速度や集中力を育てる“反射神経トレーニング”としても人気を集めています。
特に3〜5歳の園児にとっては、色・音・動きが連動することで興味が持続しやすく、視覚と聴覚の統合にもつながります。保育室での待機時間や一人遊びの時間に取り入れやすいだけでなく、ルールを工夫することで複数人でも楽しめる知育要素の高いアイテムです。
5位 マグネットブロック タワー
磁石の力でぴたっとくっつく「マグネットブロック」は、構造物を自由に組み立てることで、空間認識力と創造力を自然に育てられる知育おもちゃです。中でもタワー型を作る遊びは、重力バランスや高さの限界に挑戦する“チャレンジ性”が子どもたちに大人気。
立体構造を自分の手で組み上げていく工程は、まるで小さな建築士のような達成感を味わうことができます。カチッと吸着する手ごたえが心地よく、微細運動の練習にもぴったり。年齢によっては色や形をテーマにした遊びにも展開でき、園でも家庭でも幅広く活用できるのが特徴です。
6位 再利用できるウォーターバルーン（水風船）
使い捨てではない「再利用型のウォーターバルーン」は、マグネットやシリコンを使ってワンタッチで密閉・開封できる新感覚の水風船です。従来の水風船と違い、破裂の心配が少なく、遊び終わった後も片づけやすいという点で、保育者や保護者から高評価を得ています。
夏の水遊びシーズンにぴったりで、水の量や落とす高さによって感触が変わるなど、遊びながら感覚統合を促す教材にもなります。環境負荷を減らすサステナブルなアイテムとしても注目されており、「壊れない・繰り返し使える・楽しい」の三拍子がそろった、これからの水遊びの新定番です。
7位 けん玉
かつての伝統的な遊び「けん玉」が、現代の子どもたちの間で“リバイバルブーム”として再注目されています。最近ではカラフルなデザインや小さな手でも扱いやすい軽量モデルが登場し、3〜5歳の園児でも楽しめる仕様に進化。
技に挑戦するだけでなく、「玉を入れる」「見事にキャッチできた！」という動作を通して、集中力・手先の巧緻性・空間認識力が自然と育ちます。また、友達同士で技を見せ合う文化も育っており、成功体験による自己肯定感の向上や、協調性・チャレンジ精神を養う教材としても活用されています。
8位 段ボール迷路
廃材を活用してつくる「段ボール迷路」は、創作工程から遊びまで一貫して楽しめる大人気の遊びです。大きな箱をつなぎ合わせて道をつくることで、子どもたちは「通れるかな？」「次はどこ？」と空間を探索しながら、身体全体を使った遊びに熱中します。
保育園ではグループ制作として取り組まれることも多く、協力・相談・設計といった体験を通じて、コミュニケーション能力と問題解決力が育ちます。また、段ボール素材は安全で加工しやすく、通気性も確保しやすいため、室内遊びの環境整備にも適しています。
9位 回転寿司ごっこ
子どもたちの“なりきり遊び”として大人気の「回転寿司ごっこ」は、紙皿やレーンに見立てた丸い台、フェルトで作ったネタなどを使ってリアルに再現されるごっこ遊びです。「いらっしゃいませ」「まぐろ1皿です！」といった会話を通じて、言語表現力と想像力が豊かに育ちます。
園児同士の役割交代で、社会性・順番待ち・お金のやりとりといったルールも自然と身につくのが魅力です。また、おうち時間でもダンボールや100均グッズで簡単に作れるため、親子でのコミュニケーションツールとしてもおすすめの遊びです。
10位 巨大プラレールレイアウト
大型の床スペースを使って自由に線路を組み上げる「巨大プラレールレイアウト」は、子どもたちにとって夢中になれる創造のフィールドです。長くつなげる・分岐させる・坂を作るなど、物理的な試行錯誤を繰り返しながら、創造力・論理的思考・空間構成力を自然に養うことができます。
また、友達と協力して「どうしたら電車が止まらない？」などを考えることで、協働学習の基礎にもつながります。運転手・乗客・駅員などのごっこ遊びにも発展し、長時間飽きずに遊べる点も、保育者・保護者の強い味方です。
年齢別おすすめアレンジアイデア
子どもたちの発達段階に合わせて遊びの内容を工夫することで、より深い学びや楽しさを引き出すことができます。ここでは、年齢ごとの関心や身体発達に適したアレンジ方法を紹介します。園や家庭でも無理なく取り入れられる内容なので、ぜひ参考にしてください。
0〜2歳｜見る・触る中心
まだ言葉や動きが未熟な0〜2歳児には、「視覚」「触覚」にフォーカスした遊びが効果的です。センサリーバッグは、ジップ付き袋にカラフルなビーズやジェルを入れて作る感触遊びアイテムで、握ったり押したりすることで指先の感覚や集中力を育てます。
一方、電動プッシュポップゲームは、音や点灯をオフにして光の変化だけを見せる“受動的な遊び”に変えることで、刺激を抑えつつも視覚への興味を促進。まだルールのある遊びが難しい年齢でも、道具を「見て・触って」楽しむ体験が、感性や五感の発達に促せます。
3〜4歳｜真似っこ＋簡単ルール
3〜4歳になると、周囲の大人や友達の行動を“真似る”ことで社会的なスキルを学び始めます。この時期にぴったりなのが、段ボールで作る自動販売機による「ごっこ遊び」です。商品を並べる、ボタンを押す、お金を渡すなどのやりとりを通じて、簡単なルールや順番、役割分担といった社会性を自然に学ぶことができます。
「店員さんやってみる？」「お金ください〜」など、大人が一言声をかけるだけで、遊びがぐんと広がるのもこの年齢の魅力です。
5歳以上｜競争＆協力
5歳以上になると、「勝ちたい！」「みんなと力を合わせたい！」という気持ちが強くなり、よりダイナミックな遊びへの意欲が高まります。そこでおすすめなのが、マグネットブロックを使った「高さバトル」。
制限時間内にどれだけ高く積めるかを競うことで、空間認識力や集中力が鍛えられます。また、複数人で一緒にレールをつなげる「巨大プラレール協同製作」は、相談しながら工程を分担する体験を通じて、協調性や主体性、計画性といった力を育てます。「できた！」という達成感は、次の学びへの意欲にもつながります。
安全に楽しむための3ステップ
どんなに魅力的な遊びも、安全が確保されてこそ初めて意味を持ちます。とくに保育現場や自宅で人気の高い工作系・動きのある遊びは、事前の準備やルール設定が重要です。
以下の3つのステップを意識することで、子どもたちが安心して遊べる環境づくりが可能になります。
スペース＆動線を確保──半径2mに障害物を置かない
動きのある遊びでは、子どもの動線を妨げないレイアウトが大切です。特に「段ボール迷路」や「プラレールレイアウト」などの大型遊びでは、子ども同士がぶつかったり、つまずいたりするリスクを最小限に抑える必要があります。
目安としては、遊ぶ場所の周囲に半径2メートルほどの安全ゾーンを設け、椅子や棚などの障害物を移動させておきましょう。また、視界を妨げないように大人が見守れる位置に立つことも重要です。
素材チェック──尖り・誤飲パーツは事前に除去
工作遊びや市販のパーツ遊びには、誤って飲み込んだり、皮膚を傷つけたりする可能性のある素材が含まれていることがあります。遊び始める前には、大人があらかじめ以下のチェックを行いましょう。
- 小さなボタンやビーズなど、誤飲の危険があるものは取り除く
- 段ボールの切り口や割り箸など、尖った部分を丸める・保護する
- テープや接着剤が肌につかないような工夫を施す
特に0〜2歳の子どもが関わる場合は、素材のサイズ・安全性に細心の注意を払いましょう。
遊び前後のルーティン──準備体操と後片付けでケガ＆混乱防止
体を動かす遊びでは、遊び始める前の簡単なストレッチや準備体操を取り入れることで、筋肉の緊張を和らげ、転倒などのリスクを軽減できます。特にジャンプや走る動作が含まれる「リズム遊び」「ウォーターバルーン」などには効果的です。
また、遊び終わったあとの“後片付け”も、安全教育の一環として重要です。片付けの中で「どこに戻すのか」「どう扱えば長持ちするのか」を学ぶことは、モノを大切にする心を育てるきっかけにもなります。
遊びを通じて伸びるチカラとは？
保育園児が日々取り組む遊びには、単なる“楽しさ”だけでなく、成長を支える多くの学びが詰まっています。自由な創作や友だちとの関わり、目標の達成体験を通じて、子どもたちは生きる力の土台となる「非認知能力」を自然と育んでいきます。
以下では、遊びを通して育つ具体的な力と、それを引き出す遊びの種類をご紹介します。
創造性＆問題解決力
「マグネットブロック」や「段ボール迷路」といった遊びでは、子どもが自分の頭で考え、手を動かして形を作り、失敗したら工夫してやり直すというプロセスが自然と生まれます。この“試行錯誤”こそが、創造性や論理的思考の第一歩です。
どこにパーツを置いたら高く積めるか、どの道がゴールにつながるかと考える中で、子どもたちは自らのアイデアを実現する力を身につけていきます。
協調性＆コミュニケーション
「回転寿司ごっこ」や「段ボール自販機遊び」などのごっこ遊びでは、子どもたちが自然と役割を決め合い、順番を守ったり声をかけ合ったりする場面が多く見られます。
たとえば「お店屋さん」と「お客さん」になって遊ぶ中で、「何にしますか？」「ありがとう」といったやり取りが生まれ、会話の力だけでなく、他者の気持ちを想像する力も育まれます。こうした体験は、集団生活で必要な協調性の土台となります。
自己肯定感
「段ボール工作」や「スライムづくり」など、自分で何かを作り上げる経験は、子どもにとって達成感を得られる大きな機会です。特に、それを周囲の大人や友だちに見てもらい、「すごいね！」「上手にできたね」と言葉をかけられることで、自己肯定感が高まります。「できた→見せた→喜ばれた」という成功体験の積み重ねが、次の挑戦への意欲を育てる原動力になります。
まとめ
保育園児の間で流行している遊びには、子どもたちの「やってみたい！」という好奇心を引き出す力があり、創造力や協調性、自己肯定感といった非認知能力を自然に伸ばす仕掛けが詰まっています。特に段ボール自販機やセンサリーバッグなど、家庭でも手軽に取り入れられる遊びが多く、保護者との関わりを深めるきっかけにもなります。
また、年齢や発達段階に合わせて遊びの内容をアレンジすることで、より高い教育的効果が期待でき、安全面に配慮した準備や環境づくりも、子どもたちの安心と集中を支える大切な要素となります。
子どもにとって「遊び」は単なる時間つぶしではなく、成長を育む大切な学びの場です。ぜひ、今回ご紹介した遊びやアイデアをヒントに、家庭や保育の現場で“楽しく・安全に・学べる”時間をつくってみてください。
