10月はハロウィンや秋の行事が盛りだくさんで、親子で季節感を味わうのにぴったりな時期です。特に折り紙は、手軽で準備も少なく、子どもの創造力を育む遊びとして人気があります。
この記事では、ハロウィンのかぼちゃやおばけから、紅葉やきのこなど秋らしいモチーフまで、9つの折り紙アイデアを紹介します。簡単に作れるものから少し凝った作品まで幅広く取り上げるので、ご家庭や保育の場で役立つ内容になっています。
目次
10月の折り紙を始める前に
ハロウィンや秋の季節感を楽しめる10月の折り紙は、準備段階で紙や道具をきちんと選ぶことが仕上がりに大きく影響します。特に紙のサイズや質感、色合わせの工夫は作品の雰囲気を高めるポイントです。
また、子どもと一緒に楽しむ場合には、安全に作業できるよう道具の使い方にも注意が必要です。ここでは「紙の選び方」「色の組み合わせ」「準備しておく道具と安全対策」という3つの観点から、折り紙を始める前に知っておきたい基本を紹介します。
紙サイズと紙質の選び方(15cm・両面・和紙など)
折り紙で最も一般的に使われるのは15cm四方のサイズで、子どもの手にも扱いやすく細部まで折りやすいのが特徴です。より小さな作品を作る場合は7.5cmサイズ、大きめに仕上げたい場合は24cmサイズも便利です。
紙質については、標準的な折り紙のほか、両面に色がついたタイプを使うと裏面が見える折り方でも美しく仕上がります。和紙素材を選べば、温かみのある風合いが出て秋らしい雰囲気を演出できます。
特にハロウィンのモチーフでは、紙質や厚みを工夫することで丈夫さや飾りやすさも増すため、作りたい作品に合わせた紙選びを意識するとよいでしょう。
色合わせのコツ:オレンジ・黒・紫+秋色パレット
ハロウィン折り紙の定番カラーはオレンジ・黒・紫ですが、これに秋の自然を連想させる茶色や黄色、深緑などを組み合わせると作品がより季節感を帯びます。例えば、かぼちゃはオレンジに緑のヘタを加えると本物らしさが増し、おばけには白だけでなく紫や銀をアクセントにすると雰囲気が出ます。
さらに、複数のモチーフを並べて飾るときは色のトーンをそろえると統一感が生まれます。子どもと一緒に「どんな色が合うかな」と考えながら選ぶこと自体も楽しい時間になります。季節の色合いを取り入れることで、簡単な折り紙でも華やかさとストーリー性を持たせることができるでしょう。
用意する道具と安全ポイント(のり・はさみ・マーカー)
折り紙は基本的に紙だけで楽しめますが、仕上げやアレンジのためにのり・はさみ・マーカーを用意しておくと表現の幅が広がります。のりはスティックタイプを使えば手が汚れにくく、小さな子どもでも扱いやすいです。
はさみを使う場合は、子どもには安全ガード付きのものを準備し、必ず保護者がそばで見守りましょう。マーカーは表情を描いたり模様を加えたりするのに便利で、作品に個性をプラスできます。
道具を使う際は「刃物は座って使う」「のりは少量で十分」などルールを決めておくと安全です。必要な準備と注意を押さえておけば、安心して創作に集中でき、親子で楽しい折り紙時間を過ごせます。
ハロウィン定番モチーフ3選
ハロウィンの折り紙では、季節の雰囲気を盛り上げる定番のモチーフがあります。子供と一緒に楽しめる簡単な折り方から、本格的な立体作品まで、幅広いレベルで楽しめるのが魅力です。今回は、特に人気の高い3つのモチーフについてご紹介します。
かぼちゃ(ジャック・オー・ランタン)
ハロウィンの主役といえば、やはりオレンジ色のかぼちゃのおばけ「ジャック・オー・ランタン」です。折り紙1枚で作ることができ、そのまま立てて飾ることも可能な万能アイテムです。
作り方
- 白い面を上にして三角に半分に折る
- もう一度半分に折って四角にする
- 折った四角を半分に開いて折って三角形にする
- 反対側の四角部分も真ん中で開いて三角形にする
- 真ん中の線に合わせて1枚ずつ上に折り上げる
- 反対側に向けて上に出ている三角形の部分を両方とも下に折り下げる
- 両方の角をこの中心に合わせて折る
- 下の角を内側に折り込んでかぼちゃの丸みを作る
- 上のとんがっている部分を後ろ側に折り曲げる
- また5mmくらいを上に折り上げてヘタ部分を作る
- 裏返して顔を描いたり、黒い折り紙で目・鼻・口を切り抜いて貼って完成
顔は黒い折り紙を切り抜いて貼り付けたり、マジックで直接描いたりします。表情を変えるだけで、かわいいものから少し怖いものまで様々なキャラクターを作ることができます。オレンジ色以外にも、黄色や緑の折り紙を使ってカラフルなかぼちゃを作るのも楽しいアイデアです。
オバケとコウモリのセット
黒い折り紙1枚で作れるコウモリは、羽の部分が特徴的な仕上がりになります。三角に折った後、羽を広げるように折り返すことで、まさに飛んでいるような躍動感のある形が完成します。修正ペンや白いペンで目を描くと、暗闇に光る目のような効果を演出できます。
コウモリの作り方
- 折り紙の色の面を上にして置き、縦横に半分に折って折り筋をつける
- 裏返して対角線にも折り筋をつける
- 折り筋に沿って四角く折りたたむ
- 2枚重なったまま、白線部分にハサミで切り込みを入れる
- フチを折り筋に合わせるように折る
- 左から右に1枚めくって裏返す
- フチを折り筋に合わせるように折り、左から右に1枚めくる
- 最後の角を折ってコウモリの完成
- 白ペンや修正ペンで目を描き入れて仕上げる
オバケの作り方
- 白い折り紙を三角に半分に折って折り筋をつける
- 左右の角を上のフチに合わせて折る
- 右の角を一番左の折り筋に合わせて折る
- 左の角も一番右の折り筋に合わせて折る
- 縦の折り筋から少し外側に離れた位置で角を折り返す
- 上の2つの角を少し内側に折る
- 下のフチを中心に合わせて折る
- 下の角を斜め上に折り上げる
- フチに合わせて飛び出ている角を内側に折る
- 目や口をマジックで描いて表情をつけて完成
コウモリとオバケを一緒に飾ることで、立体的でダイナミックなハロウィンの世界観を演出できます。壁に貼ったり、天井から吊るしたりすることで、お部屋全体がハロウィンムード一色になります。
魔女の帽子と黒ねこ
魔法の世界を象徴する魔女の帽子と、魔女のお供として親しまれる黒ねこは、ハロウィンには欠かせない組み合わせです。この2つのモチーフは、単独でも魅力的ですが、組み合わせることでより一層ハロウィンらしさが増します。
魔女の帽子の作り方
- 折り紙の色面を上にして対角線に折って折り筋をつける
- 上の2辺を中心線に合わせるように折る
- 下の三角を折る
- 今折った三角を他の部分の下になるように順番を変え、中に入れる
- 裏返して下の辺を上の辺に合わせて半分に折る
- 点線で谷折りして帽子のつば部分を作る
- 裏返して左右のくぼみから左右の角まで折る
- 裏返して魔女の帽子の完成
黒ねこの作り方
- 黒い折り紙の白い面を上にして三角に半分に折る
- 上下の角を合わせるように折る
- 三角形の左右の角を斜め上に折って耳を作る
- 上の角を図のように折って額の形を作る
- 下の角を図のように折って顎の部分を作る
- 折り紙を裏返したら顔部分の完成
- 目や鼻を描いたり、シールを貼って表情をつける
魔女の帽子を黒ねこにかぶせたり、魔女の帽子と黒ねこを並べて飾ったりすることで、魔法の世界観を演出できます。特に、ジャック・オー・ランタンの顔をした黒ねこに魔女の帽子をかぶせるアレンジは、ハロウィンならではの楽しいアイデアです。
秋の自然モチーフ3選
ハロウィン以外にも、秋らしい自然モチーフを折り紙で楽しむと季節の彩りを広げられます。紅葉したもみじ葉やどんぐり、さらにはきのこなどは、子どもでも簡単に折れるのに見映えする作品です。壁面飾りやカードに貼るだけで秋の雰囲気が出るので、家庭や保育の場にもおすすめです。
もみじの葉
赤や黄の折り紙を使えば、鮮やかな秋の紅葉が表現できます。形を少し変えるだけで、もみじにもいちょうにもアレンジ可能です。
作り方
- 折り紙を対角線に山折り、縦横に谷折りして十字の折り筋をつける
- 折り筋に合わせて折りたたみ、鶴の基本形を作る
- 鶴の基本形から左右のフチを中央の折り目に合わせるように折る
- 折り目を利用して中を開いて潰すように折る
- 下の角を上に折り上げて茎部分を作る
- 上部にハサミで5つの切れ込みを入れてもみじの葉の形を作る
- 広げて形を整えればもみじの完成
どんぐり
どんぐりは丸みのある形と帽子部分が特徴的な、秋ならではのモチーフです。茶色や黄土色の紙を使うとリアルに仕上がります。
作り方
- 折り紙を対角線に折って折り筋をつけ、上下に半分に折る
- 上の角を中央の折り筋に合わせて折る
- 上のフチを再び中央の折り筋に合わせて折る
- 縦半分に折り、裏返す
- 上の辺を目分量で3等分し、左右の角を内側に折る
- 左右の角を小さく内側に折り込んで丸みを作る
- 下部の角を斜めに折り上げてどんぐりの胴体部分を整える
- 形を整えて完成、お好みで顔や模様を描く
きのこ
きのこは作って楽しむだけでなく、壁面に貼って飾るという方法でも楽しめます。赤や茶色の折り紙で作ると本格的な秋の雰囲気が出ます。
作り方
- 縦横に半分に折り目をつける
- 上の左右の角を中央に合わせるように折る
- 裏返して下の長方形部分を上に折り上げる
- 左右のふちを中央の折り筋に合わせて折る
- 色のついている袋状の部分を開いて潰すように折る
- 角を3カ所折って丸みをつけ、裏返せば完成
- お好みで模様やシール、顔を描いてアレンジ
動物&季節キャラクター3選
秋の折り紙遊びでは、自然モチーフだけでなく動物やキャラクターを取り入れると、子どもがより親しみを持って楽しめます。中でも「リス」「ハリネズミ」「クモ」は秋らしさを感じられる題材で、飾りとしても映えるのが魅力です。
リスはどんぐりと合わせて飾ると季節感が増し、ハリネズミは落ち葉や木の実と一緒に並べると秋支度の雰囲気が演出できます。クモはハロウィンの飾りにもぴったりで、窓辺や壁に貼ればインパクトある演出になります。
リス
リスは丸い頬とふさふさのしっぽが特徴で、子どもにも人気の動物です。どんぐりと組み合わせて飾れば、一気に秋の森の雰囲気が作れます。茶色やオレンジ系の折り紙を選ぶとより自然らしく仕上がります。
作り方
- 折り紙を半分に折り、中央の折り目に沿って上下を谷折りする
- 真ん中で谷折りして折り目をつけ、戻す
- 中心の折り目に向かって上下を谷折りする
- 角が5mmくらい飛び出るように斜めに谷折りし、左右とも同様に折る
- 下の中心まで折ってある部分を戻す
- しっぽ部分にハサミで切り込みを入れる
- 切った部分を斜めに折り上げてしっぽの形を作る
- 表に返して顔を描き、好みで手に持ち物を描いたり貼ったりして完成
ハリネズミの秋支度
針のような背中を表現する折り紙は、子どもにとって作りやすく達成感がある題材です。落ち葉や木の実と一緒に貼ると、秋の森で冬に備える様子が演出できます。
作り方
- 折り紙を三角に折り、さらにもう一度三角に折って折り筋をつける
- 一度開いて、中心の折り筋に合わせてこの部分を折る
- もう一度開いて、できた重なりの真ん中の部分に合わせて折る
- 上に起こして一度こういう形で三角に折る
- ひっくり返して足になる部分を外側に向かって折る
- 先の方を少しだけ内側に折り込む(足の形成)
- お尻の部分を丸くするために少しずつ角に折り込む
- しっぽの部分を三角に折って、その後折り返す
- ひっくり返してハリネズミの形が完成
- 顔や体に模様を描き、黒いシールで目をつけて完成
クモ
ハロウィンシーズンの飾りにぴったりのモチーフで、窓や壁に貼れば雰囲気が一気に盛り上がります。黒い紙でクモ、白や銀の紙でくもの巣を作ると映えます。
作り方
- 折り紙を縦横に半分に折って折り筋をつける
- 上下の縁を真ん中に合わせて折る
- 両側の縁を真ん中に合わせて折る
- 一度戻して、縁を反対側の折り筋に合わせて折る
- 角の部分を三角に畳んで足を8本作る
- 裏返してハサミで切り込みを入れ、足の長さを調整する
- 各足を段折りして関節を表現する
- シールや白ペンで目を描いて完成
年齢別・難易度の目安
折り紙は年齢や発達段階に応じて楽しみ方が変わります。シンプルな作品でも達成感が得られる時期から、少し複雑な折り返しや角合わせを理解して形を作れる時期、さらに立体的で工程の多い作品に挑戦できる時期へとステップアップしていきます。
無理に難しい作品に取り組むのではなく、その年齢に合った題材を選ぶことで「できた!」という成功体験が増え、自信や意欲にもつながります。ここでは、3歳前後・4〜5歳・6歳以上の3つに分けて目安を紹介します。
3歳前後:単純工程で達成感を得る作品
3歳頃は、折り紙を半分に折る・三角に折るなどの単純な工程を繰り返すことで形ができる作品が適しています。細かい作業よりも、大きく折る動作を楽しむ段階です。
例えば「かぼちゃ」「おばけ」「葉っぱ」などは数回の折りで完成し、顔を描くなどのアレンジで達成感を得られます。仕上げに親が少し整えてあげれば、子どもは「自分で作れた!」という満足感を味わえます。工程を短くし、成功体験を大切にするのがポイントです。
4〜5歳:折り返し・角合わせを楽しむ中級
4〜5歳になると、折り返しや角を合わせる工程が理解でき、見本を見ながら順番に進める力が育ってきます。この時期には「こうもり」「どんぐり」「きのこ」など、中級レベルの作品がおすすめです。
折り目をしっかりつけて形を整えることに挑戦でき、多少の修正も自分で考えられるようになります。大人は「角を合わせてね」「しっかり折り筋をつけよう」と声をかけて補助すると、正確に折ることができるでしょう。色や模様を選ぶ楽しみも増え、表現の幅が広がります。
6歳以上:立体・多工程で挑戦する作品
6歳以上になると、立体的な作品や工程の多い折り紙にも挑戦できるようになります。「魔女の帽子」「黒ねこ」「立体きのこ」などは、細かい手順を積み重ねて完成させる達成感があります。
説明を順に追う集中力や手先の器用さも育ってくるため、挑戦的な作品を選ぶと飽きずに取り組めるでしょう。ときには失敗してもやり直す経験が、自信や粘り強さを養います。また、自分の工夫を加えてアレンジすることも可能になるので、飾り方や色合わせを自由に楽しむ姿が見られるようになります。
まとめ
折り紙は年齢に応じてステップアップできる遊びであり、ハロウィンや秋のモチーフを取り入れることで、季節を感じながら楽しく取り組めます。3歳前後には簡単な形で達成感を、4〜5歳には折り返しや角合わせで集中力を、6歳以上には立体や多工程の作品で挑戦心を養うことができます。
無理のない難易度を選ぶことで「できた!」という喜びが積み重なり、自信や創造力につながります。親子で一緒に楽しみながら、飾ったりプレゼントにしたりすれば、学びと楽しさが自然に広がるでしょう。