デイサービスや高齢者施設では、ホワイトボードを活用したレクリエーションが増えています。
レクリエーションのバリエーションは多岐にわたり、カラオケ、ゲーム、風船バレーなどがありますが、ホワイトボードを用いるのは、手軽で楽しめるため、かつ費用がかからないという点から人気が高まっています。
高齢者向けホワイトボードレクリエーションゲームのメリット
ホワイトボートレクリエーションを行うメリットを紹介します。
利用者の注目を集められる
一般的に、レクリエーションの開始時に介護職員が声をかけて案内することが多いです。しかし、ホワイトボードはその大きさから、スタッフが準備を始めると同時に利用者の興味を引きます。
これにより、参加者たちは興奮し、レクリエーションがスムーズに開始できる環境が整います。
利用者の笑顔がたくさん見られる
通常、ホワイトボードを使用することで、参加者はボードに集中します。これにより、一人ひとりの表情や様子を注視しながらレクリエーションを進めることができます。利用者の笑顔が増えたり、興味を持って参加しているかどうかを観察できます。
逆に、参加者が興味を持たなかったり、楽しさを感じなかった場合、その内容をメモしておくことは次回のレクリエーションに活かすために重要です。
準備が楽にできる
基本的に、ホワイトボードとペンさえ手元にあれば、レクリエーションを実施するのは非常に簡単です。これは、介護職員が準備にかかる負担を軽減する利点があります。
介護職員の日常業務は多忙であり、ホワイトボードを使ったレクリエーションが手軽で予算をかけずに行えることは、大いに助けになります。
低予算で楽しめる
一部のレクリエーションでは、特定のアイテムを用意する必要がありますが、ホワイトボードを利用したレクリエーションは、追加の道具を買う必要がないのが魅力です。これにより、予算を気にせずに楽しむことができます。
利用者同士の会話がはずむ
ホワイトボードを共に見ることで、利用者同士が顔を覚えやすくなります。同じチームになることで、高齢者同士が親しみを感じ、友情が芽生えることもよくあります。
ホワイトボードを使ったレクリエーション10選!
以下では、ホワイトボードを利用したレクリエーションの内容、進行方法、そして楽しさを引き立てるポイントについて詳しくご紹介します。
【ホワイトボードレクリエーションゲーム】
連想ゲーム
「連想ゲーム」は、前の言葉から連想される言葉を続けていく楽しいゲームです。このゲームは前頭葉を刺激して脳トレにも効果的です。
■レクリエーションの進行方法
利用者はホワイトボードが見える場所に座り、円形に配置します。
介護職員が最初のお題を出し、「〇〇といえば□□!」と言いながらホワイトボードに「〇〇→□□」と書きます。
次の利用者は「□□といえば△△」と言い、介護職員はホワイトボードに「→△△」と書き、これを順に続けます。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
介護職員が単にゲームを進行するのではなく、利用者の回答に対話的に反応することです。
たとえば、「〇〇と言ったら餅」という回答があれば、「餅の味付けは何がお好きですか?」といった質問を挟むことで、利用者同士のコミュニケーションを促進しましょう。
漢字分解クイズ
「漢字分解クイズ」は、漢字をバラバラに分解し、それが何の漢字かを当てる楽しいゲームです。漢字の難易度は、利用者のレベルに合わせて選ばれます。
■レクリエーションの進行方法
ホワイトボードに漢字を分解して1つずつ書きます。たとえば、「買」の漢字なら、「四」と「目」、「八」といった具体的な部首です。
利用者が答えを見つけたら、他の利用者に聞こえないように、進行者に答えを伝えます。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
分解した漢字を書く際に一気に書かず、ゆっくりと一つずつ提示することです。難しい場合、ヒントとして「買」の場合は、「『四』は頭の部分を表し、『目』は体を、『八』は足を意味します」といった情報を提供します。
利用者がイメージするのに役立つよう、紙と鉛筆を用意しておくのも良いアイデアです。
あるなしクイズ
「あるなしクイズ」は、ホワイトボードのレクリエーションに最適です。
■レクリエーションの進行方法
ホワイトボードの中央に縦線を引き、左側に「ある」、右側に「ない」と書きます。「〇〇にはあって、□□にはない」と言いながら、単語をホワイトボードに1つずつ書き込みます。
〇〇と□□に関するクイズを難易度の高いものから始め、段階的にわかりやすいものに切り替えます。
答えがわかった利用者は手を挙げ、他の利用者に聞こえないように、進行者に答えを伝えます。メガホンなどが役立ちます。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
クイズ中に利用者が答えに近づけるように、少しずつヒントを提供することです。また、高齢者の場合、誤答に対する恥ずかしさを考慮し、不正解の答えに触れずに進行することが良いでしょう。
福笑い
福笑いは、楽しみながらコミュニケーションを図れるアクティビティです。
■レクリエーションの進行方法
ホワイトボードには、大きな輪郭だけの顔を貼ります。
介護職員は目隠しをして、利用者の声に頼りながら、磁石付きの目や鼻などを貼って顔を完成させます。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
介護職員が「こっちかな~」と言いながら、実際はまったく違う場所に顔のパーツを貼ると、楽しい反応が得られます。
利用者たちからの修正指示を受けながら進行することで、盛り上がりを高めましょう。
ただし、目隠しをするため、転倒リスクがあることに留意し、安全に注意を払いながら行うことが重要です。
ひらがな頭文字クイズ
ホワイトボード用のカラーペンを使った、簡単なイラストとひらがなの頭文字を組み合わせたクイズは、楽しみながら参加できるアクティビティです。絵心がなくても問題ありません。
■レクリエーションの進行方法
ホワイトボードに、簡単なイラストとひらがなの頭文字を組み合わせて描き、何を表しているのかを当てるクイズを行います。例えば、「これはお鍋です」と説明しながら大きな円を描きます。
先ほど描いた円の中に、「ち」と描いた茶色の長細い円柱、「だ」と描いた肌色の小さな丸、「こ」と描いた灰色の三角などを追加します。正解は、ちくわ、大根、こんにゃくが入った「おでん」です。
ヒントをどんどん追加し、わかった利用者から答えを言ってもらいます。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
イラストを描きながら「私はこの具が好きなんですよね」とか「食感がおもしろいです」といったヒントを出すことが挙げられます。
また、絵に自信のある職員は、「ここはどこでしょう?」と動物園をテーマに描いたり、「何の物語でしょう?」と桃や犬、猿などを描いて桃太郎を表現する問題を考えることもできます。
〇のつく言葉、いくつ出せるかゲーム
このゲームは、〇のつく言葉を出し合って数を競う楽しいアクティビティです。
■レクリエーションの進行方法
利用者を3〜5人程度のチームに分けます。
制限時間を設定し、各チームが「〇のつく言葉」をいくつ出せるかを競います。介護職員は出た言葉をホワイトボードに記録します。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
順番に解答する際に不公平感が出ないよう、Aチームは『「あ」のつく言葉』、Bチームは『「い」のつく言葉』など、「〇」の文字を変えていく方法があります。また、勝敗が偏らないように、利用者のレベルを考慮してチーム編成を行うことも重要です。
チーム対抗ではなく、全員で順番に答えを出す進行方法もありますので、利用者の好みに合わせて選択しましょう。
続けてしりとり
高齢になると、口腔内の筋力や舌の運動能力が低下することがあります。そのため、口を活発に使うことが大切です。声を出すことだけでも口腔機能の向上に寄与しますので、しりとりは素晴らしい活動です。
■しりとりの進行方法
まず、利用者たちが大きな円を作って座ります。しりとりが始まります。介護職員は出された単語をホワイトボードに書きます。
ホワイトボードを見て、前の人が言った単語を全て言った後、自分の番の単語を言います。例えば、前の人が「たぬき」と言った場合、次は「たぬき、きつね」と言います。これを受けて、次の人は「たぬき、きつね、ねこ」と続けます。はっきりとした大きな声で単語を発声することで、口腔体操にもなります。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
ホワイトボードに単語を書く介護職員とは別に、他の職員がしりとりに参加できる場合は、「わたしはホワイトボードを見ないで覚えます」と単語を記憶して参加することをおすすめします。
介護職員が楽しみながらしりとりを進行する姿勢は、利用者たちの笑顔を引き出すかもしれません。
この漢字なんて読む!?
「蝸牛(かたつむり)」や「海豚(いるか)」など、一見しては難しい漢字の読み方を当てる楽しいクイズです。難解な漢字を解く過程で、利用者たちは思考力を駆使し、頭の中の迷路を解き明かすことになります。
■レクリエーションの進行方法
ホワイトボードに大きな漢字を書きます。漢字が正確に読めるか、利用者たちに挑戦させます。
答えが出ない場合、ヒントを使います。たとえば、「初めの文字は〇です」とか「全体で5文字です」といったヒントが役立ちます。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
はじめに「胡桃(くるみ)」や「無花果(いちじく)」、「洗熊(あらいぐま)」など、ある程度馴染みのある漢字からスタートし、次第に難易度を上げていくアプローチがおすすめです。
また、驚きや楽しみを引き出すために、「葡萄牙(ポルトガル)」や「越南(ベトナム)」など、利用者たちが「え~!」と驚くような漢字も取り入れましょう。
言葉探しゲーム
ホワイトボード上のひらがなを使って単語を組み立てる、楽しいゲームです。制限時間内にできるだけ多くの単語を作ることを競い合います。
■レクリエーションの進行方法
利用者が見やすい大きさで、ホワイトボードいっぱいにひらがなを書きます。
利用者はホワイトボードが見える場所に座り、単語を書くための紙と鉛筆を渡します。
制限時間内に、できるだけ多くの単語を作成することを競います。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
単語の量だけでなく、単語の長さや使用するひらがなの文字数に焦点を当てることもおすすめです。また、個人戦の代わりに、利用者をチームに分けてチーム対抗戦にすることで、チームメンバー同士の協力と競争を楽しむことができます。
何のことでしょうクイズ
ホワイトボード上に複数の単語を書き、これらの単語がどのテーマに関連しているのかを当てるクイズです。単語が提示される順番は、関連性の低いものから段階的に示され、ヒントが増えるにつれて解答が容易になる工夫がされています。
■レクリエーションの進行方法
ホワイトボードに、答えから連想される複数の単語を1つずつ書きます。例えば、答えが「ケーキ」の場合、単語として「誕生日」「クリスマス」「甘い」「いちご」「クリーム」などが示されます。
答えが分かった参加者は手を挙げて知らせます。
■レクリエーションを盛り上げるポイント
解答が分からない参加者がいる場合、4〜5の単語が提示された後に既に正解した参加者に向かって「ここに書かれている単語以外に、何を連想しますか?」と尋ね、ヒントを得ることができる面白いアプローチです。
よくある質問
レクリエーションゲームの目的は何ですか?
レクリエーションの主な目標は「身体機能や脳機能の活性化」「コミュニケーションの促進」「生活の質の向上」といった要素ですが、その中でもっとも重要なのは、利用者が仲間やスタッフと共に過ごす時間を安全で楽しいものにすることです。
利用者の声に耳を傾け、彼らに適したレクリエーションを提供することが何よりも大切です。
詳しくは記事内「ホワイトボードを使ったレクリエーション10選」を参考にしてみましょう。
ホワイトボードレクリエーションの効果は何ですか?
個人の脳トレでは、時折飽きたり、集中力が続かなかったりすることがあります。しかし、ホワイトボードレクリエーションを行うことで、利用者は自分が「参加している」という感覚を持ち、より集中的に取り組むことができます。
さらに、他の参加者との協力や競争を通じて「一緒に参加している」という社会性を高めることが期待されます。
詳しくは記事内「ホワイトボードを使ったレクリエーション10選」を参考にしてみましょう。