赤ちゃんの発達速度は人それぞれ。ただ、個人差が大きいことだからこそ、焦ったり不安になったりすることもあるのではないでしょうか。そこで今回は、赤ちゃんのつかまり立ちの時期についてご紹介します。
また、つかまり立ちが始まる前に確認したい「リスク」や「安全対策」、つかまり立ちの練習におすすめのおもちゃについても解説するので、参考にしてみてください。
目次
つかまり立ちが始まる時期と発達過程
赤ちゃんがつかまり立ちを始める時期は、1歳前後であることが多いと言われています。ただ赤ちゃんは、つかまり立ちを始める前にも首が座ったりハイハイをしたりと、さまざまな成長を遂げています。つかまり立ちの時期を知るためにも、まずは赤ちゃんの発達過程を確認しましょう。
0~3ヵ月:体重が増える
新生児期です。目に見えて分かるような大きな発達はありませんが、体重が増え健康的に成長します。生後3ヵ月頃になると、お母さんやお父さんを見て笑うようになる子もいるでしょう。微笑み返したり喃語をしゃべったりと、少しずつ家族との関りが増えていきます。
4~6ヵ月:首が座る
4~6ヵ月頃になると、首が座りはじめます。支えがなくても首の位置が安定するので、抱っこも楽になるでしょう。
また、6ヵ月ごろの赤ちゃんは、歯が生えはじめる時期でもあります。それに伴いよだれが増えたり、歯茎が気になり物を噛む子も出てくるので、赤ちゃんの行動や変化をしっかりと観察することが大事です。歯茎を気にする姿が見られたら歯固めを渡してあげましょう。
7~8ヵ月:1人で座れる
腰が座り、1人でも安定して座れるようになります。座れるようになると同時期に、ハイハイもはじまるケースが多いでしょう。ハイハイのパターンはさまざまで、必ずしも前に進んでいくとは限りません。同じところをぐるぐるしたり、後ろに下がっていったりすることもあります。
9~11ヵ月:つかまり立ちする
早ければ6ヵ月あたりからつかまり立ちする子もいるでしょう。厚生労働省の調査では、9割の子が11~12ヵ月までにつかまり立ちを完了していることが分かっています。とはいえ個人差もあるので、赤ちゃんの筋力や性格などによっては、まだつかまり立ちしない子もいます。
また、この時期の赤ちゃんは、つかまり立ちだけでなくハイハイでの後追いや、手で物を掴めるようにもなる時期です。一気に色々なことが自分でできるようになる時期で、赤ちゃんの視野が広がり好奇心が育ちます。
つかまり立ちの練習をする際のポイント
赤ちゃんがつかまり立ちする姿が見られず、不安になっている方もいるかもしれません。つかまり立ちは、ある程度練習することもできます。つかまりの練習をしたいと考えている場合には、以下の点に気を付けましょう。
筋力をつける
赤ちゃんの体のつくりや筋肉量には個人差があります。そのため、筋力が少なく立ち上がることが難しい場合もあるでしょう。足腰の筋力を付けられるよう、膝の上でジャンプさせたり足をマッサージしたりと、遊びの中で自然に運動を取り入れてみるのがおすすめです。
焦らず見守る
赤ちゃんの成長を願うあまりに、「早く立ってほしい」「あの子はもう歩いているのに」など他の子と比較したり、不安になったりすることもあるかもしれません。ただ、発達の過程は人それぞれなので、ハイハイせずにいきなり立ち上がる子もいれば、2歳過ぎまで歩かない子もいます。焦らずに、赤ちゃんの成長を見守ることが大事です。
楽しむことを大切に
赤ちゃんにとって「立つこと=嫌なこと」といった印象を持たないよう、楽しく練習を進められるように配慮しましょう。「嫌なことがある」とインプットすると、練習を拒否する可能性があります。立った状態でできる親子遊びを取り入れたり、立った先に赤ちゃんの好きなおもちゃを置いたりと、赤ちゃんの好奇心を刺激しすることが大事です。
また、お母さんやお父さんもできるだけ真剣な顔はやめ、赤ちゃんが喜ぶような笑顔で練習に取り組みましょう。
つかまり立ちが始まると起こり得るリスク
つかまり立ちができるのは嬉しいことですが、行動範囲が広がることで事故や怪我が起こる危険性も高まります。つかまり立ちの練習を始める前には、リスクについてもしっかりと確認しておきましょう。
転倒する可能性がある
つかまり立ちができるようになると転倒のリスクが上がります。立ち始めたばかりの頃は特に、体のバランスも安定しておらず筋力も十分ではありません。また、赤ちゃんは上手にお尻から転倒できるわけではないので、どのように転ぶかを予測できないのも危険なポイントです。
身の回りの物の誤飲に注意
つかまり立ちできると、テーブルや棚の上の物にも手が届くようになります。そのため、赤ちゃんがタバコや電池などを誤飲しないよう、十分に注意しましょう。赤ちゃんの喉は小さいので、葡萄程度のサイズのものでも窒息する危険があります。つかまり立ちの練習を始めるまでには、物を引き出しの中にしまう、引き出しにはストッパーを付けるなど環境作りを行うことが大事です。
頭をぶつけることも
立ち上がった頭の上に、ドアノブや机の角などがあると頭をぶつけてしまう可能性があります。立ち上がる際に力の加減はできないので、思い切りぶつけてしまう可能性があり危険です。また転倒した際にも同様に、頭をぶつけることがあるでしょう。床にはできるだけ物がないような状態にし、柔らかいマットなどを敷いておくと安心です。
溺れる危険性もある
赤ちゃんがお風呂でつかまり立ちをすることもあるでしょう。お風呂では、転倒した際やふらついた際に溺れる危険性があります。子どもは数センチの量の水でも溺れるといわれているので、赤ちゃんとお風呂に入る際は、目を離す時間がないようしっかりと見守りましょう。また、お風呂の床は濡れているので転倒のリスクも高まります。
つかまり立ちが始まったら行いたい安全対策
つかまり立ちの練習をする際や、赤ちゃんがつかまり立ちをし始めたときには、安全対策を行いましょう。転倒して頭をぶつけたり、怪我をすることがないようおすすめの対策グッズをご紹介します。
クッションで頭部を守る
頭部を守りたいときには、リュックのように背負うクッションがおすすめです。後ろに転倒した場合の、赤ちゃんの頭部を守ることができます。赤ちゃん自身が背負って歩くことになるので、どこに移動しても安心です。家の中だけでなく、外でも使えるのもメリットでしょう。ただ、前や横に転倒した場合には頭を守れないので注意が必要になるときもあります。
尖った角にはコーナーガードを付ける
家具や壁など、角があるものにはコーナーガードを付けましょう。赤ちゃんが頭や体をぶつけて怪我をする危険が少なくなります。
プラスチック製の物やクッション性のものなどさまざまなタイプがあるので、好みに合わせて選ぶことが可能です。クッション性の高い柔らかいものは、かみちぎってしまう場合があり、プラスチックのものは重いので取れやすいといった点には注意しましょう。
床にマットを敷く
フローリングのような堅い床には、転倒しても大丈夫なようにマットを敷くのも効果的です。色や柄などさまざまなバリエーションがあるので、おうちのインテリアと合わせて選びましょう。
ジョイントマットだと、好きな範囲だけにマットを敷くことができます。また、取り外しも簡単にできるので、「お客さんが来るときには外したい」「つかまり立ちの練習のときだけ敷きたい」といったときにも便利です。
ベビーサークルを置く
部屋の中には、赤ちゃんにとって危険なものもたくさんあります。また、兄弟がいたりして部屋の中をきれいな状態にしておくことが難しい場合や、お母さんやお父さんが赤ちゃんから目を離さなければならない時もあるでしょう。
そういったケースには、ベビーサークルがおすすめです。赤ちゃんが歩き回って角に頭をぶつけたり、タバコや電池などを誤飲したりするリスクを回避できます。
扉にストッパーを付ける
つかまり立ちできるようになり、色々なところに手が届くと、棚の引き出しを開けてしまうこともあるでしょう。棚の中に危ないものを閉まっていても、赤ちゃんの手に入ってしまうと意味がありません。
引き出しのある家具にはストッパーを付けましょう。ストッパーは、両面テープやマグネットなどで装着できます。マグネットなら、家具に傷や汚れが付く心配がありません。
つかまり立ちの練習におすすめおもちゃ3選
「6ヵ月を超えたから」「まだつかまり立ちをしないから」と、つかまり立ちの練習を始めようと考えている方も多いでしょう。ここでは、つかまり立ちの練習をしたいと考えている方に、おすすめのおもちゃをご紹介します。
テーブル型おもちゃ
つかまり立ちの練習には、おもちゃが付いたタイプのテーブルが最適です。おもちゃが子どもの興味を引き出してくれるので、おもちゃが付いていない通常のテーブルに比べて効果を期待できます。
手押し車
つかまり立ちができるようになったら、手押し車を利用しましょう。歩行の練習になります。また、支えがあるので転倒しにくく、家の中でも外でも使用できるのが嬉しいポイントです。
ベビージム
つかまり立ちできるタイプのベビージムなら、座った状態でも立っても遊ぶことができます。また、生まれたばかりの新生児期からずっと使えるので、通常のベビージムと比較すると半年~1年程度長く使用できるのがメリットです。
まとめ
赤ちゃんはおおよそ1歳前後につかまり立ちを始めます。ただ、発達には個人差があり、早ければよく遅ければ悪いわけでもありません。こどもの個性と捉え、焦らず気長に待ちましょう。
つかまり立ちの練習を始める際には、安全対策グッズを使用し、危険がないよう環境作りをすることが大事です。また、今回ご紹介したつかまり立ちにおすすめのおもちゃもぜひ参考にしてみてください。