「保育園に落ちてしまった」「在宅ワーク中、子どもの相手をしながら仕事が進まない」「今日の午後だけでいいのに、どこに頼めばいいのか分からない」——そんな切実な悩みを抱える保護者は少なくありません。

子どもを預ける手段は、一時預かり、ベビーシッター、ファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ)、そして2026年度から全国で本格実施されているこども誰でも通園制度など、複数あります。ただし、同じ「預け先」でも、目的・使いやすさ・費用・向いている家庭は大きく異なります。

この記事では、4つの選択肢を「急ぎ」「費用」「子どもの年齢」「使いやすさ」の視点で整理し、わが家に合う預け先を選びやすい形でまとめます。制度の違いだけでなく、補助の見方や、よくある失敗、事前にやっておきたい準備まで分かる実践ガイドです。

目次

わが家に向く預け先は「急ぎ・目的・子どもの年齢」で決まる

4制度の違いを一言でいえば、「いつ・なぜ・どんな子どもを預けたいか」で、向く手段が変わるということです。

急ぎで預け先を確保したいなら、申し込みから比較的早く動きやすいベビーシッター(民間サービス)が有力な候補になります。費用を抑えながら継続的に地域でサポートを受けたいなら、会員制で運営されるファミサポが向いています。0歳6か月〜満3歳未満の未就園児に保育施設での経験をさせたい、あるいは就労要件なしで月に数回預けたいという場合は、こども誰でも通園制度が選択肢に入ります。そして、自治体が実施する一時的な保育サービスが一時預かりです。

制度ごとに「得意なシーン」が異なるため、まず目的と状況を整理してから選ぶことが、無駄な手間やミスマッチを防ぐ近道になります。

4制度の違いがひと目でわかる比較表

制度名 対象年齢 就労要件 費用感(目安) 即時利用 向く家庭
一時預かり 主に0歳〜就学前 不問(通院・リフレッシュ等) 自治体・施設によって異なる 空き次第 施設に慣れさせたい、短時間〜半日の利用
ベビーシッター 主に0歳〜小学生 不問 事業者によって差が大きい(補助活用で負担軽減の場合あり) 最短当日〜翌日(サービスによる) 急ぎ・自宅で預けたい・長時間対応
ファミサポ 主に0歳〜小学生 不問 自治体によって異なる 事前登録・打合せが必要 送迎・地域で継続的にサポートを受けたい
こども誰でも通園制度 0歳6か月〜満3歳未満(未就園児) 不問 1時間300円程度(標準)・月10時間まで 認定申請・面談が必要 子どもに集団経験・保育施設に慣れさせたい

※費用はすべて自治体・施設・事業者によって異なります。比較表の目安はあくまで参考です。最新の料金・条件は、お住まいの自治体や利用予定先にご確認ください。

結論だけ先に|こんな家庭はこの制度から見る

今日・明日に預けたい家庭は、まず民間ベビーシッターサービスを確認してください。他の制度は、事前の登録や手続きが必要になることが多いためです。

在宅ワーク・フリーランスで数時間だけ頼りたい家庭は、ベビーシッターが有力な候補です。東京都など補助制度が整っている自治体では、実質負担を抑えられることもあります。

保育園の待機中・復職前の家庭は、東京都ベビーシッター利用支援事業(事業者連携型)の対象になる可能性があります。月単位で継続利用しやすい仕組みがある制度です。

就労要件なしでリフレッシュや子どもの社会経験を目的とする家庭は、こども誰でも通園制度または一時預かりが向いています。ただし、こども誰でも通園制度は月10時間が基本上限のため、仕事の代替手段としては設計されていません。

「どれが優れているか」ではなく、「いまの自分の家庭にどれが合うか」で選ぶのが基本です。

あなたはどのタイプ?3分でわかる預け先診断

制度を比較する前に、少しだけ立ち止まってみてください。預け先を探している理由は、家庭ごとに異なります。その違いが、最初に調べるべき制度を決めます。

今日・今週中に預けたい

急いでいる状況では、まず「即日または翌日から動ける手段か」を確認することが最優先です。

一時預かりは自治体の施設を使う公的な仕組みですが、空き状況によっては数日〜1週間先になることもあります。ファミサポは会員登録と提供会員との事前打合せが必要になることが多く、申し込んでも翌日すぐに対応してもらえるとは限りません。

急ぎの場合に比較的現実的な手段になりやすいのは、民間のベビーシッターサービスです。マッチング型のサービスであれば、サポーターの空き状況を確認して当日〜翌日での依頼につながるケースもあります。

ただし、必ず即対応できるわけではありません。夕方や休日は空きが埋まりやすいこともあるため、少しでも余裕がある時点で早めに動くことが大切です。

在宅ワーク・フリーランスで数時間だけ頼りたい

「家にいるのに、子どもを預けるのは悪いことでは」と感じる保護者もいます。しかし、自宅で仕事をしながら幼い子どもを見て集中するのは、実際には簡単ではありません。在宅ワーク中の保育支援は、仕事の効率だけでなく、親子双方のストレス軽減という面でも合理的な選択です。

在宅ワーカーの場合、数時間単位で柔軟に使いやすいベビーシッターが候補になりやすいです。自宅に来てもらえるため、子どもの移動負担がなく、仕事に集中できる環境をつくりやすいのが特徴です。

一時預かりは施設に送り迎えする手間がかかるため、短時間の在宅ワークサポートとしてはベビーシッターより使いにくい場面もあります。自治体の補助制度を活用できるかどうかを確認しながら、費用と利便性のバランスで選ぶとよいでしょう。

保育園待機・復職準備で継続的に使いたい

保育園の入所が決まらないまま復職時期が近づいている家庭にとって、預け先の確保は切実な問題です。このケースでは、「今月だけ」の単発利用ではなく、数週間〜数か月の継続利用を想定した手段が必要です。

東京都では、待機児童家庭や育休後復職予定の家庭を対象に、ベビーシッター利用支援事業(事業者連携型)という補助制度があります。補助を活用することで、月単位の利用でも実質負担を抑えやすくなる仕組みです。詳しくは後述の費用・補助セクションで整理します。

また、ファミサポは単発利用だけでなく、継続的に同じ提供会員に依頼できるケースもあり、送迎や決まった曜日の預かりを定期的にお願いする家庭にも使われています。地域によって提供会員の数は異なるため、まず地元のファミリー・サポート・センターに問い合わせるのが確実です。

就労要件なしで、子どもの経験や親のリフレッシュにも使いたい

専業主婦(夫)の方やパートタイムで働く家庭の中には、「仕事のためではないけれど、たまには一人の時間がほしい」「子どもに同年代の子と関わる経験をさせたい」と感じている方も多くいます。

そのようなニーズに応えるのが、こども誰でも通園制度と、リフレッシュ利用を認める一時預かりです。

ただし、目的の整理は重要です。こども誰でも通園制度は、子どもに保育環境を体験させることを主目的とした制度であり、月10時間という基本上限があります。「親のリフレッシュのためにまとまった時間を確保する」という用途では、一時預かりやベビーシッターと組み合わせて考えるのが現実的です。

4制度の特徴と違いを、保護者目線でわかりやすく解説

ここからは、4つの制度をそれぞれ整理します。制度の説明だけではなく、「どんな家庭に向いているか」「使うときに注意すべきことは何か」を軸に見ていきます。

一時預かり

一時預かりは、保育所や認定こども園などの施設で、保護者の通院・仕事・リフレッシュなどを理由に、子どもを一時的に預けられる公的な保育サービスです。比較的安定した保育環境で預けやすい点が特徴です。

費用は自治体・施設によって異なります。事前に、お住まいの自治体や利用予定の施設で料金を確認しておくと安心です。施設の空き状況に左右されるため、「使いたいときに必ず使える」わけではありません。人気の施設や復職が集中する時期は、数週間先まで埋まっていることもあります。

初回は「慣らし保育」として短時間から利用するよう案内される施設も多く、いきなり長時間預けるのが難しいケースもあります。最初の利用まで少し時間がかかることを念頭に置いておきましょう。

向いている家庭

通院や役所手続きなど、特定の用事のために数時間だけ預けたい家庭に向いています。また、子どもを施設の環境に少しずつ慣れさせていきたい家庭にとっても、有効な選択肢です。

よくある失敗と対策

「施設に問い合わせたら空きがなかった」というケースは少なくありません。複数の施設をあらかじめリストアップしておき、定期的に空き状況を確認するか、施設側に「空きが出たら連絡してほしい」と伝えておくと動きやすくなります。

ベビーシッター

ベビーシッターは、保護者の自宅や指定した場所に保育者が来て、子どもを1対1(または少人数)でケアする民間サービスです。施設に連れて行く手間がなく、子どもが慣れた環境で過ごせる点が大きな特徴です。

費用は事業者によって差が大きく、自治体の補助制度を活用することで実質負担を抑えられるケースもあります。まずは、お住まいの自治体に補助制度があるかどうかを確認するところから始めると整理しやすいでしょう。

サービスは大きく「派遣型」と「マッチング型」に分かれます。派遣型はコーディネーターが家庭に合ったシッターを手配し、マッチング型はアプリや専用サイトで保護者自身がシッターを選ぶ仕組みです。急ぎの場合はマッチング型のほうが動きやすいこともありますが、初回は相性の確認も含めて余裕をもって依頼するのが安心です。

なお、ベビーシッターは資格がなくても従事できる場合があるため、事業者選びでは安全管理体制や研修の有無を確認することが大切です。

向いている家庭

急ぎで預け先を確保したい家庭、在宅ワーク中に自宅で数時間見てもらいたい家庭、保育園待機中で継続的に利用したい家庭に向いています。補助制度の対象になっている自治体であれば、コストメリットも出やすくなります。

よくある失敗と対策

「東京都の補助が使えると思っていたが、事業者が対象外だった」「補助の申請書類を期限内に提出できなかった」という失敗は起こりがちです。補助を活用する場合は、事前に対象事業者かどうかの確認と、申請期限の把握が欠かせません。

ファミサポ(ファミリー・サポート・センター事業)

ファミリー・サポート・センター事業(ファミサポ)は、自治体が実施する会員制の相互援助サービスです。「子どもを預けたい人(依頼会員)」と「子どもを預かれる人(提供会員)」を自治体が仲介し、地域のなかで子育てを支え合う仕組みです。

保育所への送迎、保護者が用事のある間の預かり、習い事の送迎など、地域の実情に応じた幅広い援助が受けられます。料金は自治体ごとに定められているため、事前にお住まいの自治体で確認してください。民間のベビーシッターに比べて、費用を抑えやすい場合が多い点は特徴のひとつです。

提供会員は必ずしも保育資格を持っているわけではありませんが、登録時に自治体が定める講習の受講が求められます。地域の支え合いで成り立つ制度であることを理解したうえで利用することが大切です。

© Children and Families Agency, Government of Japan

向いている家庭

保育施設の送迎や、決まった曜日の預かりを継続的にお願いしたい家庭に向いています。地域のつながりを大切にしながらサポートを受けたいと考える家庭にも合いやすい制度です。

よくある失敗と対策

「登録したが、地域に提供会員がいなくて使えなかった」というケースは、地方・郊外では起こりえます。まずは地元のセンターに問い合わせて、希望する時間帯・地域に対応できる提供会員がいるかどうかを確認してから登録を進めるのが安全です。

こども誰でも通園制度(2026年度から全国で本格実施)

こども誰でも通園制度は、「こども未来戦略」に基づき新たに創設された制度です。保護者の就労有無にかかわらず、0歳6か月から満3歳未満の未就園児が、保育所や認定こども園などを時間単位で利用できる仕組みで、2025年度に子ども・子育て支援法に基づく事業として制度化され、2026年度から新たな給付として全国の自治体で実施されています。

利用の対象は、保育所等に通っていない未就園児です。月一定時間(現在の基本は月10時間)の範囲内で利用でき、利用料は1時間あたり300円が標準として示されています。ただし、施設や自治体によって設定が異なる場合があり、低所得世帯向けの減免制度を用意している自治体もあります。詳細はお住まいの自治体にご確認ください。

この制度の最大の特徴は、就労要件を問わない点です。保護者の就労有無にかかわらず、未就園児に保育環境を体験する機会を広げることを目的としています。

申し込みは市区町村での認定が必要です。自治体や実施施設の案内に沿って認定・予約を進め、こども家庭庁が提供する総合支援システム(つうえんポータル)が活用される場合もあります。手続きの流れは、お住まいの自治体に確認するのが確実です。

向いている家庭

専業家庭やパートタイムで働く家庭で、「子どもに保育施設での集団経験を少しずつ積ませたい」「家庭以外の環境に慣れさせたい」と考えている家庭に向いています。月10時間という枠のなかで計画的に活用することで、子どもの育ちを支える選択肢になります。

よくある失敗と対策

「仕事の間の保育代わりに使おうとしたが、月10時間では足りなかった」というミスマッチは起こりやすいです。この制度は保育の「代替手段」というより、子どもの育ちと家庭支援のための「経験の場」として理解するほうが実態に合っています。就労中の継続保育が必要な場合は、認可保育所への申し込みや一時預かりとの組み合わせを前提に考えましょう。

どんな家庭にどれが向く?ケース別の選び方

制度の概要が整理できたところで、実際の家庭のシーンに落とし込みます。「どの制度か」ではなく、「自分の状況で最初に動くべき手段はどれか」を確認してください。

在宅ワーク中、2〜3時間だけ集中したい

在宅ワークの合間に「2〜3時間だけ見てほしい」という需要は少なくありません。しかし、この用途に合う制度はそれほど多くありません。

一時預かりは施設への送り迎えが必要で、2〜3時間の利用のために往復の時間をとるのは非効率なケースもあります。ファミサポは送迎には向きますが、短時間の在宅保育には対応しにくい地域もあります。

現実的には、自宅に来てもらえるベビーシッターが使いやすい選択肢です。予約から依頼まであらかじめ慣れておくと、急に必要になった時にも動きやすくなります。東京都内の場合、ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)の補助対象事業者を利用すると、費用負担を抑えやすくなります。
(参照:ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)|東京都福祉局

保育園待機中で、復職前に預け先を確保したい

復職のタイミングが近づいているにもかかわらず、保育園の入所が決まっていない場合は、継続利用が前提の手段を優先して動くべきです。

東京都では2018年度から、待機児童の保護者や育休を1年間取得したうえで復職する保護者を対象に、ベビーシッター利用支援事業(事業者連携型)を実施しています。本事業では、東京都が認定した認可外ベビーシッター事業者を通じて、保育所等に入所できるまでの間の利用料の一部が助成されます。
(参照:ベビーシッター利用支援事業(事業者連携型)|東京都福祉局

対象や条件は、お住まいの区市町村によって異なるため、まず区市町村の子育て窓口に相談するのが第一歩です。

今日・明日、急に預ける必要がある

突発的な事情でどうしても今日・明日に預けなければならない状況は、誰にでも起こりえます。このときは、次の順で確認すると動きやすくなります。

  • まず、自治体の一時預かりに当日空きがないか確認する
  • 空きがなければ、民間ベビーシッターのマッチングサービスで当日対応可能なシッターを検索する
  • 補助対象事業者であれば、後日補助申請で費用の一部が戻る可能性を確認する

ファミサポは事前の登録・打合せが必要になることが多く、急ぎの案件では第一手段になりにくい制度です。まだ登録していない場合は、今後のためにもこのタイミングで登録を始めておくと安心です。

専業家庭だが、子どもに少しずつ集団経験をさせたい

「保育園には入れていないが、家庭だけでは得られない体験をさせたい」という気持ちは、多くの保護者に共通するものです。子どもにとって、家庭以外の大人や同年代の子どもと関わる機会は大切です。

こうした目的には、こども誰でも通園制度が最も設計思想に合っています。就労要件を問わず、月10時間の範囲で子どもを保育施設に通わせることができ、少しずつ慣れさせながら継続的に利用できます。

ただし、受け入れ可能な施設や枠数には地域差があります。制度が整備されても、すぐに十分な受け入れ枠が確保されるとは限らないため、お住まいの自治体に早めに問い合わせてみてください。
(参照:こども誰でも通園制度について|こども家庭庁

妊娠中・体調不良・きょうだい育児で上の子を見られない

妊娠中の体調不良や、きょうだいが生まれた直後など、「上の子を誰かに見てほしいが、自分には余裕がない」という状況は、産前・産後の家庭で起こりがちです。

こうした場面では、事前の登録と準備が命綱になります。余裕がある時期に、ファミサポへの会員登録と提供会員との事前打合せ、自治体の一時預かり施設の見学、ベビーシッターサービスへの事前登録をそれぞれ済ませておくと、いざという時に動きやすくなります。

特にファミサポは、登録から実際の利用まで数週間かかることもあるため、妊娠中から準備しておくのが理想的です。

費用・補助・無償化の違い|2026年度に確認したいポイント

「制度はわかった。でも、実際いくらかかるの?」というのは、保護者が最も気になる点のひとつです。費用については自治体差が大きく、一概には言えない部分もありますが、ここでは確認すべき基本的な考え方と、東京都の補助制度を例に整理します。

最初に確認したい3点

  • 補助対象事業者かどうか
  • 申請期限と必要書類は何か
  • 自治体独自の対象年齢や上限条件がないか

全国共通で押さえたい基本ルール

ファミサポは、一定条件のもとで幼児教育・保育の無償化対象になる場合があります。ただし、保育の必要性認定の有無や施設の類型によって対象可否が異なるため、まずお住まいの自治体や実施施設に確認するのが確実です。保育所・認定こども園の保育部分に在籍している場合は対象外になることがある点にも注意が必要です。

こども誰でも通園制度の利用料は、1時間あたり300円が標準として示されていますが、施設・自治体によって設定が異なる場合があります。

一時預かりは、施設や利用目的によって費用の設定が異なります。いずれも、利用前に自治体・実施施設の料金表を直接確認してください。

東京都のベビーシッター補助はなぜ検索されるのか

東京都のベビーシッター補助が注目されるのは、補助を活用することで実質負担が大きく変わる可能性があるからです。

東京都福祉局は、「ベビーシッター利用支援事業(一時預かり利用支援)」として、日常生活上の突発的な事情や社会参加などにより一時的にベビーシッターを必要とする保護者に対して、区市町村を通じて利用料の一部を補助する制度を整備しています。1時間あたり最大2,500円(深夜・早朝帯は3,500円)の補助が受けられる仕組みで、東京都が認定した対象事業者を利用した場合に適用されます。

練馬区など一部の区では、2026年度から補助の対象年齢を小学3年生まで拡大するなど、自治体ごとに条件の改定も続いています。

また、待機児童の家庭や育休後の復職支援を目的とした「事業者連携型」は、対象・目的が一時預かり利用支援とは別の事業です。同じ「東京都補助」と呼ばれていても内容が異なるため、申請前に違いを確認しておくことが大切です。

自治体差が大きい項目チェックリスト

補助制度を活用する際は、自治体ごとに条件が異なる項目が多くあります。利用前に以下の項目を確認しておくと、申請ミスや思わぬ自己負担を防ぎやすくなります。

  • 補助の対象年齢(未就学児のみか、小学生まで対応しているか)
  • 年間・月間の補助上限時間数
  • 補助対象事業者の一覧(対象外のサービスは補助を受けられない)
  • 申請の締切日と必要書類の種類
  • 当日・緊急対応が可能かどうか
  • キャンセル料の取り扱い
  • 送迎の可否(ベビーシッターによる送迎が補助対象になるかどうか)
  • 多胎児・ひとり親世帯への加算や上限拡大の有無

各制度の最新情報は変わる可能性があります。申し込み前に、お住まいの自治体の公式ページを確認することをおすすめします。

よくある失敗と、今のうちにやっておきたい準備

公的制度や補助制度は整備が進んでいますが、「知っている」と「実際に使えた」の間にはギャップがあります。ここでは、よくある失敗とその対策を整理します。

失敗① 登録すればすぐ使えると思っていた

ファミサポと一時預かりに共通する落とし穴が、「登録=即利用可能ではない」という点です。

ファミサポは、会員登録後に自治体アドバイザーが提供会員を紹介し、依頼会員と提供会員が事前打合せを行って初めて利用が始まります。提供会員との相性や地域の状況次第では、登録から最初の利用まで数週間かかることもあります。

一時預かりも、初回利用時に慣らし保育を求める施設があり、子どもが新しい環境に慣れるためのステップが必要になることがあります。「来週から毎週2時間預けたい」と思って問い合わせても、すぐには対応できない施設もあります。

対策としては、「使う可能性がある」と思った時点で早めに問い合わせ・登録を始めておくことが最大のポイントです。

失敗② 補助が使えると思って予約したら対象外だった

ベビーシッターの補助制度は、東京都の認定を受けた対象事業者を利用した場合にのみ適用されることがあります。よく見かける民間のベビーシッターサービスがすべて補助対象というわけではなく、対象事業者の一覧は自治体公式ページで随時更新される場合があります。

「補助が使えるから依頼したのに、実際は対象外だった」というケースは少なくありません。必ず事前に対象事業者かどうかを確認し、予約時に「補助を活用したい」旨を事業者に伝えておくと安心です。

また、補助は事後申請制の場合があります。利用後に領収書・要件証明書などを規定の期限内に提出しなければならないこともあるため、書類の管理と申請期限の把握を怠らないようにしましょう。

失敗③ 月10時間で足りると思っていた

こども誰でも通園制度を、保育園に入れるまでの「つなぎの預かり手段」として考えてしまうと、現実とのミスマッチが起きやすくなります。

この制度は月10時間を基本上限として設計されており、フルタイム勤務や週複数日の就労をカバーする手段としては想定されていません。

「就労要件がないから仕事中にも使える」という理解自体は間違いではありませんが、「仕事の代替として長時間使える」という期待には応えにくい制度です。就労中の保育が必要な場合は、認可保育所への申し込みや一時預かりとの組み合わせを前提に考えてください。

やってよかった準備リスト

今のうちに進めておくと安心な準備を、以下にまとめます。産前・育休中・復職の2〜3か月前をめどに進めると動きやすくなります。

  • ファミサポへの会員登録と、提供会員との事前打合せを済ませておく
  • 自治体の一時預かり施設の見学を1か所以上行い、空き状況の確認方法を把握しておく
  • 民間ベビーシッターサービスへのアカウント登録を済ませておく(使わなくても、急ぎの時に動きやすい)
  • お住まいの区市町村の補助制度(対象事業者一覧・申請方法)を一度調べておく
  • こども誰でも通園制度の申請窓口と対応施設をあらかじめ確認しておく
  • 「自分が使えそうな制度」をメモ一枚にまとめ、もしもの時にすぐ参照できるようにしておく

まとめ|迷ったら「急ぎ」「継続性」「費用」「子どもの経験」で選ぶ

4つの制度を比較してきましたが、最後に判断の軸を整理します。

  • 急ぎの場面では、ベビーシッター(民間)が候補になりやすい
  • 地域で継続的にサポートを受けたいなら、ファミサポ
  • 費用を抑えながら公的制度を使いたいなら、一時預かりや補助つきのベビーシッター活用
  • 未就園児に家庭外の経験を積ませたいなら、こども誰でも通園制度

ただし、制度はすべて自治体差があります。同じ制度でも、住んでいる地域によって補助額・対象年齢・手続きの方法が異なることは珍しくありません。この記事で方向性をつかんだうえで、最後は必ずお住まいの自治体の子育て窓口や公式ページで最新情報を確認してください。

「たまごだるま」として一つ付け加えるとすれば、制度を「使うか使わないか」で区別するのではなく、「知っていて、いつでも動ける状態にしておくもの」と捉えてほしいと思います。子育ての局面は変わり続けます。今は使わなくても、半年後に切実に必要になることは十分にあります。複数の手段を知っておくことが、家庭の安心につながります。

詳しい相談や、お住まいの地域に合った情報が必要な場合は、たまごだるまのLINEからお気軽にご相談ください。

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子育て・保育・家族支援の実用メディア「たまごだるま」編集長。アート・メディア・テクノロジー領域を横断する専門家として、複数のデジタルメディアを統括し、デジタル技術を活用した次世代メディアの企画・推進に取り組んでいる。
最先端のAIやテクノロジー、メディア運営の知見を、子育てや家族の暮らしの領域へ応用し、信頼できる情報と多様な選択肢を多角的な視点から発信。絵本やキャラクターコンテンツなどの企画・プロデュースも手がけながら、親子のコミュニケーションや豊かな暮らしのあり方を探求している。徹底したリサーチと厳格な編集視点をもとに、家族の暮らしにまつわるトレンドと現在地を、深く、わかりやすく伝えている。

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