保育士として就職するためにまず重要視するべきことが履歴書です。
履歴書は最初の関門でもある書類選考をクリアするために必要な重要書類です。
ですが、いきなり履歴書を書こうとしてもなかなか手が動かず悩んでしまう方も多いと思います。
そこで今回は、保育士になるための履歴書の書き方を画像を使いながら解説していきます。一般的な企業であれば、ネット上にあるテンプレートなどを使ってパソコンなどですぐ作成できますが、保育士へ就職する場合は少しポイントを抑えることが必要です。
この記事を読むことで、履歴書の書き方だけでなく、履歴書を書く準備段階からよくある質問まで知ることができます。
本記事をじっくり読んで、正しい履歴書の書き方をマスターしましょう。
1.【準備】履歴書を書く前の確認事項5つ
さっそく履歴書の書き方…といきたいところですが、あなたの魅力を履歴書に詰め込むためには準備が必要です。
準備段階として確認しておくべき項目は5つあります。
- JIS規格の履歴書を用意
- 履歴書のサイズはA4
- 手書きで記入【理由あり】
- 修正テープ・修正液は使わない
- 略語は使わない
上記5つは履歴書を書き始める前にしっかりと把握しておきましょう。
保育士ならではの項目もありますので、各項目ごとに詳しく解説していきます。
1-1.JIS規格の履歴書を用意
まずは「JIS規格の履歴書」を用意しましょう。
JIS規格は「日本工業規格(Japan Industrial Standards)」のことで、日本で使用される履歴書様式の参考例とされています。なので、就職を希望する保育園の求人に履歴書の様式が指定されていなければ、JIS規格の履歴書を選びましょう。
また、JIS規格の履歴書以外にも自己PR欄や志望動機の欄が大きい「自由形式」という履歴書もあります。志望動機や自己PRをたっぷり書きたいという方は、自由形式の履歴書を使うのもおすすめです。
ただし、先ほども述べましたが「指定がなければ」という点だけ注意してください。最近はJIS規格の履歴書を指定する企業も多くなっています。
募集要項をしっかりと確認して、ご自分にあった履歴書を購入しましょう。
ちなみにJIS規格などの履歴書は、お近くのコンビニやスーパーでも簡単に購入できますので、早めに買っておきましょう。
また、自由形式の履歴書はインターネット上の求人サイトなどで無料ダウンロードすることも可能です。
1-2.履歴書のサイズはA4
履歴書のサイズはA4とB5の2種類から選べますが、志望動機や自己PR記入欄の大きさを考えてA4サイズを使いましょう。
B5サイズでも問題なく書けるのですが、A4サイズの方がそれぞれの記入欄が大きいので、余裕を持った間隔で字を書くことができます。
あまりにも字と字の間隔を詰めてしまうと、それだけで見にくい履歴書になってしまいますからね。
とくに保育士として働く場合、保護者に向けて連絡帳などの字を書くこともあるので、読み手側の気持ちを汲み取ることも大事です。
1-3.手書きで記入【理由あり】
履歴書を書く際に悩みがちなのが「手書きがいいのか、パソコン入力がいいのか?」という点です。
結論から述べると保育士へ就職を希望しているのであれば、「手書きでの記入」を推奨します。
理由は、先ほども少し触れましたが、保育士は保護者宛に連絡帳などを通して字を書く機会が多いです。そのため、字そのものの綺麗さや全体的なバランスを整えるスキルも必要になります。
なので、保育士における書類選考では内容の充実だけでなく、字の綺麗さやパランスなども大きなアピールポイントになるのです。
とはいえ、パソコンで作成するのが絶対にダメということではありません。一度に複数枚の履歴書を作成しなければならないときは、パソコンによる作成の方が効率的です。
ただし、パソコンで作成した履歴書は手書きの履歴書に比べて少し機械的な印象を与えてしまう可能性もあります。その点を考慮すると少し面倒でも手書きによる作成の方がおすすめです。
1-4.修正テープ・修正液を使わない
手書きで履歴書を作成すると誤字脱字などが出てしまうと思います。
その際に修正テープや修正液を使用することは避けましょう。とはいえ、一箇所くらいであれば使用しても問題ありませんが、二箇所以上の使用はおすすめできません。
というのも、たくさんの履歴書の中で修正テープや修正液が使われている履歴書があると悪い意味で結構目立ってしまいます。
そのため、少し面倒かもしれませんが履歴書全体の仕上がりをよくするためにも、修正テープや修正液は使用せずもう一度書き直すようにしましょう。
1-5.略語は使わない
略語としてよく使われがちな用語が「(株)」などです。
とくに職歴を記入する際は正式な名称を記入する必要があります。なので、「(株)」と略すのではなくしっかりと「株式会社」と記入しましょう。
もし、正式な会社名がわからないときは、必ずホームページ等で調べてから誤字のないように気をつけましょう。
2.保育士の履歴書の書き方を項目別に解説
準備項目がしっかりと把握できたら、いよいよ履歴書を書いていきましょう。
ここでは、実際の画像を使って解説していきます。手元に履歴書がある方は、確認しながら読んでいただけるとよりわかりやすいです。
2-1.①氏名・連絡先
まずは氏名と連絡先を記入します。ここで注意するべき点は、顔写真と日付です。
顔写真は、スピード写真などで撮影したものでもいいのですが、できれば写真屋さんで証明写真用の撮影を依頼することをおすすめします。
というのも、顔写真は履歴書の中であなたの印象を1番伝えることができる箇所だからです。また、証明写真は履歴書の注釈に記載があるように「3ヶ月〜6ヶ月以内に撮影したもの」を使用しましょう。
次に日付です。意外とあいまいになりがちですが、日付は履歴書を書いた日付ではなく提出する日付を記入しましょう。
例えば、面接のときに手渡しで提出する場合は面接日を記入します。また、事前に郵送をする場合はポストに投函する日を記入するといった具合です。
2-2.②学歴・職歴
学歴・職歴の欄でまず注意するべき点は3点あります。
- 和暦/西暦の統一
- 学校名は正式な名称を記入
- 最後は「以上」と記入
とくに注意すべきなのは学校名です。学歴は一般的には高校から記入します。
その際に、「〜高校」と書くのではなく「〜高等学校」という正式名称で記入しましょう。大学の場合は、大学名に加えて学部名・学科名を正式名称で書きます。
また、新卒で就職をする場合はアルバイト先などは書く必要はないので、学歴だけで大丈夫です。
2-3.③免許・資格
免許・資格の欄にも正式な名称で記入しましょう。
この蘭には運転免許証をはじめ、英検などの資格を持っていれば全て記載します。
ちなみに免許・資格の欄に書く和暦/西暦も統一することを忘れないようしましょう。
2-4.④志望動機・通勤時間・配偶者
履歴書における志望動機では、単なる「保育士になりたい」や「昔から子供が好き」などのありふれた動機だけでなく、より深く具体的に述べることが重要です。
- なぜ保育士を目指したのか
- なぜその保育園を志望したのか
このあたりをしっかりと盛り込むことで、大きな熱意と説得力のあるアピールが可能になります。
例えば、これまで体験してきたエピソードを自身の保育観に結びつけたり、選考を受ける保育園の経営理念への共感などあなた自身のオリジナリティを出せるようなPRをしましょう。
また、履歴書を書く前に志望動機を考えておくとスムーズに記入できます。文量がどうしても多くなりそうな場合は、自己PRや志望動機の欄が大きい履歴書に変更するのもいいでしょう。
繰り返しになりますが、履歴書の様式を変更する場合は必ず指定がないかどうかだけしっかりと確認しておきましょう。
2-5.⑤本人希望記入欄
最後の本人希望記入欄は、「貴園の規定に従います」と記入するだけです。
この欄は、勤務条件や給与など本人の希望を書く欄です。転職などで履歴書を提出する際に記入されることがありますが、一般的には記入する必要はありません。
3.【Q&A】履歴書の書き方でよくある質問
最後に履歴書を書く上でよくある質問をご紹介します。
おそらく履歴書を書いていると同じような疑問を持つ可能性が高いと思いますので、事前に疑問を解消しておくとスムーズに記入することができますよ。
3-1.Q:パソコンで書いてはいけないの?
A:保育士として就職する場合は「手書き」が推奨です。
記事の冒頭でも述べましたが、保育園への就職は一般企業とは違います。
というのも、保育園の採用担当者は、「その人がどんな字を書くのか?」という点にも注目することが多いからです。
繰り返しになりますが、保育士は保護者とのやりとりを連絡帳を通して行う業務もあります。
そのため、読み手を意識した字のバランスや綺麗さは、立派な評価対象になるということです。
もし、今の段階で「字の綺麗さにはあまり自信がない…」や「全体のバランスを保って書くのは少し苦手…」と思っている方は早めに練習をしておくといいでしょう。
少し面倒と感じるかもしれませんが、保育士として働く際には必須となるスキルとも言えます。
「履歴書はあなたの第一印象」です。
そんな履歴書でばっちりスキルをアピールできるようにしておくと、良い評価を得られる可能性も高くなりますよ。
3-2.Q:シャープペンシルではダメですか?
A:重要な書類は原則「ボールペン」で記入しましょう。
新卒で就職される方など、普段あまり履歴書を書いたことや見たことがない方にとってはよくある疑問ですね。
履歴書に限らず、保護者が読む連絡帳や日々の報告書などの重要な書類はすべてボールペンで記入する癖をつけておくことが大切です。
普段からボールペンでの記入に慣れていないと履歴書を書くことも苦労するかと思いますが、必ずシャープペンシルではなくボールペンを使うようにしましょう。
3-3.Q:勤務期間が短い職歴も書く必要はありますか?
A:記入しましょう。
新卒で初めて就職される方は気にする必要はありません。ですが、転職などで保育園を選ぶ場合は注意が必要です。
とくに転職者の方は、学歴に加えて職歴も細かく記載する必要があります。なので、どれだけ短い勤務期間だったとしても履歴書に書きましょう。
例えば、諸事情により前職が2ヶ月しか勤務できなかった。というケースでも履歴書に記載する必要があるということです。
「そんな短い勤務期間の職歴を書いたら不利ではないのですか?」
と思われるかもしれませんが、これは大きな間違いです。
先ほども述べましたが、履歴書は重要書類です。保育園へ就職したあともずっと保管されます。
そのため、内定が決まってから履歴書に記載のない職歴が判明した場合、それは虚偽にあたります。
提出した本人に悪気がなくても立派な「経歴詐称」になりかねませんので、それほど慎重に履歴書は記入する必要があるということを覚えておいてください。
3-4.自己PRって何を書けばいいの?
A:あなた自身の保育観や保育士への想いを書きましょう。
自己PRと言われると自分の長所を書くようなイメージがありますが、ただ長所を書くだけではあまり好印象を与えることは難しいです。
そこで、おすすめなのがあなた自身の「保育観」や「保育士に対する想い」を熱く書いていきましょう。
というのも保育園の採用担当者は、「あなたがどんな経緯で保育士を目指したのか」や「なぜ数ある保育園の中でここを選んだのか」ということを知りたいのです。
とはいえ、自己PRは「これを書けば正解!」というものがありません。あくまでも本記事を参考にしつつ、ご自分の言葉で保育士に対する熱い想いを採用担当者に伝えることを意識しましょう。
4.まとめ
今回は、保育士になるための履歴書の書き方について解説しました。
履歴書を書くテクニックはたくさんありますが、テクニックよりも大事なことは「読み手側を意識する」ことです。
そのためには、正しい文章を綺麗に綺麗にバランス良く書くことが必要になります。
最初のうちは慣れないかもしれませんが、保育士として今後必要となる能力だということを意識して履歴書を書いていきましょう。