はないちもんめは、日本で古くから遊ばれている伝承遊びの一種です。「昔ながらの遊びを保育に取り入れたい」「遊びのバリエーションを増やしたい」と考えている保育士の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、はないちもんめの遊び方や注意点、保育のねらいについて紹介します。はないちもんめの概要からメリットを幅広く解説するので、ぜひ参考にしてみてください。
はないちもんめはどんな遊び?
はないちもんめという言葉を聞いたことはあるものの、どのような遊び方か分からないという方もいるのではないでしょうか。ここではまず、はないちもんめの概要を紹介します。
はないちもんめの概要
はないちもんめは伝承遊びの一種です。昔から子どもたちに親しまれ、親から子へそして友達へと伝えられてきた遊びのことを、伝承遊びといいます。
はないちもんめの遊びは、2チームに分かれて、チーム内で相談したり相手チームとじゃんけんをしたりしながら味方を増やしていくゲームです。子ども同士の交流やコミュニケーション力の向上を期待できます。
【はないちもんめの歌】
はないちもんめで歌われる歌は、日本の童謡やわらべ歌にも認定されています。歌詞が簡単で覚えやすいため、4~5歳でも歌うことができるでしょう。伝承遊びなので、全国各地で歌詞が異なる場合もあります。
なお、歌詞に出てくる「匁(もんめ)」とは、貨幣(銀)の重量を表す単位です。一匁の花を購入する際に、客が店主に値引き交渉している様子を表した歌であると言われています。
はないちもんめで遊ぶ3つのメリット
はないちもんめは、伝承遊びの中でも人気の高い遊びです。歌に合わせて体を動かしたり、友達とコミュニケーションを深めたりと楽しいポイントがたくさんあります。
ここでは、はないちもんめで遊ぶメリットを3つ紹介します。保育で導入する際はメリットを事前に確認し、子どもたちの学びをできるだけ深められるようサポートしましょう。
友達とコミュニケーションが取れる
はないちもんめの最大のメリットは、友達とコミュニケーションが取れることです。友達と手をつないだり、集まって相談したり、チームとして団結したりする中で、自然と会話が生まれ協調性が身に付きます。
また、「あの子がまだ指名されていなくてかわいそう」「次はあの子を指名しよう」といったように、友達への思いやりの心も育まれるでしょう。
ルールを理解し社会性を身に付けられる
はないちもんめには、みんなで話し合って意見を一致させながら遊びを進めていく必要があるため、自分のやりたいように行動することはできません。
ルールに則り行動し、友達と対話することで社会性が身に付きます。社会性は保育園や幼稚園だけでなく、大人になってからも必要とされる能力です。子どものときにしっかりと社会性を身に付けておくことは将来において大きなメリットとなるでしょう。
室内でも屋外でもできて場所を選ばない
はないちもんめは室内でも屋外でも遊べます。天候や園庭の混雑状況などに関係なく遊びを展開できるのもメリットのひとつです。
また、遊びに時間がかからないので、空き時間があるときに気軽に遊びを導入できます。時間も場所も選ばず、子どもたちが「はないちもんめで遊びたい」と言ったその時にできるので、遊びに対するモチベーションも高まるでしょう。
はないちもんめを保育に導入するねらい
はないちもんめを保育に導入する際は、事前にねらいを定めましょう。ねらいを定めておくことで、子どもたちが学びを深めやすくなります。ねらいの一例は以下の通りです。
- 友達と話し合ったり協力したりする中で、コミュニケーション能力を向上させる
- 体を動かしながら遊ぶことで、身体機能の発達を促す
- 友達の様子の変化や気持ちに気付き、思いやりの心を育む など
ねらいに合わせて内容をアレンジしながら、はないちもんめを導入しましょう。
はないちもんめの遊び方は?
はないちもんめの具体的な遊び方を紹介します。大人数で遊ぶことができ、友達とたくさん交流できるので、新年度や異年齢保育のレクリエーションにもおすすめです。
はないちもんめの歌詞
はないちもんめの歌詞は、以下の通りです。
後:負けて悔しいはないちもんめ
先:隣のおばさんちょっと来ておくれ
後:鬼が怖くて行かれない
先:お布団かぶってちょっと来ておくれ
後:お布団びりびり行かれない
先:お釜かぶってちょっと来ておくれ
後:お釜底抜け行かれない
先:鉄砲担いでちょっと来ておくれ
後:鉄砲玉なし行かれない
先:あの子が欲しい
後:あの子じゃ分からん
先:この子が欲しい
後:この子じゃ分からん
先:相談しよう
後:そうしよう
先と記載のあるところは先攻チームが歌い、後と記載のある部分は後攻チームが歌います。なお、地域により歌詞が異なるケースもあります。
はないちもんめの遊び方・ルール
はないちもんめの遊び方・ルールを解説します。
2チームに分かれる
まずは、2チームに分かれます。グーパーじゃんけんなどで人数を均等に分けましょう。
2チームに分かれたら、チームごと横一列に並び、向かい合います。先攻チームと後攻チームの間に、1m程度の間隔をあけておきましょう。
手をつないで歌を歌う
同じチームの子と手をつなぎ、スタンバイします。チームの代表者1名がじゃんけんをして、先攻と後攻を決めましょう。
先攻チームは、「勝ってうれしいはないちもんめ」の歌詞に合わせて歌いながら前進します。また、はないちもんめの「め」のタイミングに合わせて、片足を前に蹴り上げます。後攻チームは後ろに下がりながら、先攻チームの様子を観察します。
また、先攻チームの歌が終わったら、後攻チームが「負けて悔しいはないちもんめ」と歌いながら前進し、「め」のときに足を蹴り上げます。先攻チームは後ろに下がります。同じような動作を繰り返しながら、最後まで歌いましょう。
じゃんけんをして勝敗を決める
歌が終わったらチームごとに集まり、どの子を指名するか決めます。決まったら「決まった」と相手チームに報告して、元の位置に戻りましょう。
2チームとも元の位置に戻ったら、先攻チーム後攻チームの順に「〇〇ちゃんが欲しい」「△△君が欲しい」と先ほどと同じ動作をしながら宣言します。
名前を呼ばれた子が前に出てじゃんけんをします。じゃんけんで負けた方の子が勝った方の子のチームに加わります。
人数が増えた方のチームから「勝ってうれしいはないちもんめ」と歌い始め、同じゲームを繰り返します。
全員がいなくなったチーム、あるいは、時間まで戦って最後に人数の少なかったチームの負けです。
はないちもんめで遊ぶ際の注意点とポイント
はないちもんめで遊ぶ際は注意したい点がいくつかあります。注意点をふまえて保育を行いながら、子どもたちが楽しんで参加できるような環境を作ることが大切です。また、遊びをさらに盛り上げるためのポイントも併せて紹介します。
最初に保育者が手本を見せる
新しい遊びを取り入れる際は、まず保育者が手本を見せるようにしましょう。口頭で説明するだけでは理解しにくい点も多いため、実際にやっているところを見せた方が子どもたちのイメージが湧きやすくなります。
歌詞やリズムなどは何度かやっているうちに自然と覚えるので、1回や2回で終わりにするのではなく、空いた時間を見つけて繰り返し遊ぶようにすることが大切です。
全員が参加できるよう配慮する
全員が遊びに参加できるよう、配慮しましょう。子どもだけで遊んでいると、「同じ子ばかりを指名してしまう」「一部の子の意見しか反映されない」といったことが起こることもあります。
保育者が「〇〇ちゃんはどう思う?」「△△君はまだ指名されてないみたいだよ」などと促し、できるだけ全員が楽しく参加できるように遊びを展開していく必要があります。
危険のないよう環境作りを行う
遊んでいる際に危険なことが起こらないよう、環境設定を行うことも大切です。はないちもんめでは、後ろ向きに歩くという動作が出てきたり、子ども同士で手をつなぐ必要があったりするため、転倒のリスクがあります。広いスペースを確保し、事前に周りのものを移動させておきましょう。
ただし、体を活発に動かす遊びではないため、大きな事故に結びつくリスクはそこまで高くないでしょう。遊戯室や保育室の中の広いスペースを利用すれば、室内でも遊ぶことができます。
アレンジを加えて遊びを盛り上げる
はないちもんめは、比較的ルールの分かりやすい遊びです。そのため、1年を通して同じ遊びをしていると、遊びがマンネリ化する可能性があります。
新鮮さを取り入れるために、アレンジを加えるのも方法のひとつです。例えば以下のようなアレンジ方法があります。
- 足を蹴り上げる際に、ポーズを付け加える
- 手をつないで前後に移動するだけでなく踊りを付け加える
- 行事にちなんだチームにする(お雛様チーム、お内裏様チームなど)
- 友達を指名するのではなく条件を指定する(白い靴下を履いている人、髪の毛を2つに結んでいる人など)
- 指名されたい人がいたら、自己アピールする時間を設ける など
アレンジ方法はさまざまあります。クラスの子どもたちと話し合って決めてみても盛り上がるでしょう。
まとめ
はないちもんめは日本に伝わる伝承遊びです。2チームに分かれて友達を取り合うルールとなっています。友達とコミュニケーションを取れる、体を動かして遊べるといったメリットがあります。
ただし、同じ子ばかりが指名されるケースが多いため、全員が遊びに参加できるように配慮しながら保育を展開することが大切です。他にも、注意したい点や遊びを盛り上げるためのポイントは積極的に採用し、はないちもんめの遊びを盛り上げましょう。今回、紹介した注意点や遊びのポイントもぜひ参考にしてみてください。