不思議で幻想的なマーブリング模様。ポイントをおさえれば、保育園の制作で楽しむことができます!子どもと楽しめる作品例やねらい、やり方をご紹介します。
1 マーブリングとは
一度は耳にしたことはある「マーブリング」。マーブリング模様を目にしたこともきっと一度はあるでしょう。実際には、どのようなものでしょうか?
1-1 墨流しスタイルとヨーロッパスタイルの2種類
マーブリングは、日本の「墨流しスタイル」と「ヨーロッパスタイル」の2種類があるとされています。
墨流しスタイルは、水を張ったトレイに墨汁を垂らし、先に油などを塗った爪楊枝などを使って模様を描いたものを和紙で写しとるもの。日本で古くから行われてきた技法です。
一方ヨーロッパスタイルは、糊などで粘性をつけた水に絵の具を垂らし、爪楊枝などで模様を描いたものを写しとるもの。トルコで生まれたとされ、大理石に似ていたことからマーブリングと呼ばれるようになったようです。
1-2 色や模様を楽しむ技法
マーブリングは、偶然が生み出した模様が魅力的な技法です。色の組み合わせ方や爪楊枝などの刺激の与え方によって、さまざまな模様が生まれます。
その特徴から、子どもは色やその組み合わせ方、爪楊枝などで作る刺激からできる不思議な模様に興味津々になることでしょう。色や形の不思議さを体感することができるマーブリングは、子ども達にぜひ体験させてあげたいですね。
1-3 マーブリングの作品例
水の中のような緩やかで幻想的な模様のマーブリング。保育園では、どんな作品を作ることができるのでしょうか。
1-3-1 さかなや水の中
水の中を連想させるような模様から、水の中を表現できます。涼しくてキラキラした水中の世界観ををマーブリングを使って子どもたちと共有しましょう。
1-3-2 ヨーヨー
夏祭りの代名詞の一つである「ヨーヨー」。マーブリングでその模様を表現することができます。夏祭りの行事にぴったりですね。
1-3-3 シャボン玉
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保育園や家庭での外遊びでお馴染みのシャボン玉は、よく見ればマーブル模様がついています。外遊びでシャボン玉を行った後に制作をすると、経験が制作を発展させ、より素敵な作品を作ることができるかもしれません。
1-3-4 アイスクリーム
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涼しいイメージのアイスクリーム。材料を混ぜて作る工程がマーブリングと似ていますね。アイスクリームの味とマーブリングの色を関連づけて制作すると楽しめそうです。
2 マーブリングをやってみよう
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保育園で行なう場合のおすすめのやり方をご紹介します。
保育園では子ども達と色や模様をより楽しむために発色の良いヨーロッパスタイルをベースにした方法がおすすめです。マーブリングのキットも販売されていますが、保育園にある物でも制作することができますよ。
2-1 準備するもの
- トレイ
- 水
- マーブリング水溶液又は洗濯糊
- アクリル絵の具
- 絵の具のパレットや皿
- 絵の具の筆
- マドラー(爪楊枝や割り箸等)
- 画用紙
- 新聞紙やレジャーシート
どれも保育園にあるものばかりで、新しく買う必要のあるものは少ないのではないでしょうか?身近な物でできることもマーブリングの魅力の一つです。
2-2 おすすめのマーブリングのやり方
必要なものを揃えたら、マーブリングをやってみましょう!
2-2-1 新聞紙やレジャーシートを敷く
絵の具の汚れを防ぐために、はじめに新聞紙やレジャーシートを敷いておきましょう。新聞紙だと、終わったらそのまま燃えるゴミに捨てることができ、後片付けが簡単になります。
2-2-2 トレイにマーブリング水溶液、又は洗濯糊と水を入れる
1:1の割合でマーブリング水溶液、又は洗濯糊糊を入れてマドラーで混ぜましょう。
2-2-3 絵の具を用意する
マーブリングに使う色の絵の具をパレットや皿等に出し、筆を使い水と1:1の割合で混ぜます。絵の具の固まりが残らないようによく混ぜ、液状にします。水が足りない場合は、少しずつ水を足して液状に近づけましょう。
2-2-4 トレイに絵の具を垂らす
作った絵の具を筆やマドラーでトレイに垂らします。垂らし過ぎると模様が綺麗にできないため、少なめに垂らしましょう
2-2-5 マドラーで模様を作る
トレイをマドラーで軽くつつくように混ぜ、模様を作ります。混ぜ過ぎてしまうと模様が崩れて色も混ざってしまうため、慎重にそっと刺激しましょう。
2-2-6 画用紙に模様を写しとる
模様ができたトレイに画用紙をそっと乗せて模様を写しとります。静かに乗せたらすぐに引き上げると綺麗に写しとれます。
2-2-7 画用紙を乾かして完成
模様を写しとった画用紙は、新聞紙の上に置いて乾かしましょう。縦にしてしまうと、模様が流れてしまうことがあるため、横置きがおすすめです。風に気をつけて、窓辺やベランダなどに置くと乾きやすいです。
3 マーブリングのねらい
保育園で行なうマーブリングのねらいは、どのようなものがあるのでしょうか?
3-1 絵の具が混ざり合う様子を見て色に興味を持つ
マーブリングは、絵の具が混ざり合う様子をしっかりと見ることができます。そのため色彩に興味を持つきっかけとなるでしょう。また、色の組み合わせによる変化や表現を体感することができます。
3-2 模様が変化する様子を楽しむ
マーブリングでは、不思議な模様を自分で作り出すことができます。その過程を体感することで、模様や図形を楽しむきっかけを作ることができるでしょう。
3-3 マーブリングの技法を理解し、その表現を楽しむ
年中や年長の頃になるとマーブリングとはどういうものなのか、どうやって作るのかを理解するようになります。また、どうやることで綺麗な模様や、自分の好きな模様を作ることができるのかを考えて行動し、マーブリングを楽しむことができます。
3-4 マーブリングの模様や色の変化から想像力を育む
マーブリングの模様や色の変化を体感することで、色や模様を想像する力をつけていくことができるでしょう。自分で物語や好きな場面をイメージしながら、マーブリング模様を作ることも楽しそうですね。
4 マーブリングのポイント
マーブリングを綺麗に仕上げるためのポイントをご紹介します。
4-1 色は3色程度を少しずつ垂らす
マーブリングで使う色は3色程度がおすすめです。あまり多すぎると模様を作るときに混ざってしまい、綺麗な模様が出ません。
マーブリングを始める前に子ども達と「選ぶ色は3色まで」というルールを決めると良いでしょう。
4-2 かき混ぜ過ぎに注意
マーブリング模様を作るときには爪楊枝などで水面をつつくように優しく触れると綺麗な模様が作れます。模様ができていく様子がおもしろいため、ついたくさんかき混ぜてしまいたくなりますが、かき混ぜ過ぎると模様が崩れてしまいます。
子ども達に模様を作る時は優しく混ぜること、混ぜる回数は少なくすることを事前に話しておきましょう。
4-3そっと紙に写す
紙に模様を写すときには、紙を水に乱暴に入れないようにしましょう。乱暴に入れてしまうと模様が崩れることがあります。紙はそっと優しく浮かべ、水の中に沈む前にすぐに紙を取ることがポイントです。
5 マーブリング模様をアレンジして制作を楽しもう!
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色や模様に親しむことができるマーブリング。子ども達は夢中になって取り組むことでしょう。ぜひ子ども達といっしょに綺麗な模様を作り、作品に仕上げてみてください!