保育園の子どもたちとジェスチャーゲームで盛り上がりたい場合、どのように活動に取り入れていったら良いのでしょうか?ここでは、年齢別に盛り上がるお題や活動のねらい、子どもたちにルールを伝えるポイントをご紹介します!
1 ジェスチャーゲームってどんなもの?
大人から子どもまで楽しめるジェスチャーゲーム。「名前は聞いたことがあるし、テレビ番組で見かけたことがある」という人でも、実際にやったことのある人は意外と少ないのではないでしょうか?ここでは、そんなジェスチャーゲームが保育園で行われる場合についてご紹介します。
1-1 ジェスチャーゲームとは
バラエティ番組等で見かけるジェスチャーゲーム。その名の通り、指示されたお題をジェスチャーのみで表現し、回答者に伝えるゲームです。
ジェスチャーゲームは、「ジェスチャーのみでお題を伝える」、「ジェスチャーや回答するには順番がある」等のルールがあることや、出されたお題をイメージする力や表現力が必要なため、3歳児以上の幼児さんにおすすめのゲームです。
ルールを理解さえすれば、準備するものがほとんどなく室内で手軽にできるため、雨の日の室内遊びやちょっとした隙間時間にもおすすめな活動です。
1-2 ジェスチャーゲームの導入やねらい
保育園の主活動としてジェスチャーゲームを行なう場合、ただ面白いからという理由だけでは活動に取り入れることは困難です。主活動として行う場合は、ねらいや導入を事前にしっかりと計画しておきましょう。
ジェスチャーゲームのねらいとしては、次のように考えられます。
- 自分の体でイメージを表現することを楽しむ
- ルールを守りながら、友だちと協力して遊ぶ楽しさを味わう。
導入としては、「うさぎはどんな動き?」「ゴリラは?」「ゾウはどんなふうに動くかな?」とお題を出して、子どもと一緒に体を動かしてみましょう。その際、子どもと一緒に保育士も体を動かし、表現する楽しさを共有します。子どもたちが表現する楽しさを理解することができたら、ジェスチャーゲームへスムーズに移行することができるでしょう。
1-3 基本的な遊び方
保育士があらかじめ用意したお題を、ジェスチャーをする子どもに伝えます。伝えられた子どもはそのお題についてジェスチャーで表現し、回答者に伝えます。回答者はそのジェスチャーを見て、お題を当てるというゲームです。
注意する点として、ジェスチャーをして伝えるには制限時間があること、また基本的には声を出さずに動きだけで伝えること、順番にジェスチャーを行なうことを子どもにしっかりと理解させる必要があります。
最初は保育士がジェスチャーし、見ている子ども全員が当てるクイズ形式から行ない、慣れてきたら5人1組くらいのチーム制で行なうと達成感や友だちと協力する楽しさを味わうことができるでしょう。
また、子どもがジェスチャーすることを恥ずかしがってしまいジェスチャーができない場合は、保育士が手助けをしたり、友だちと一緒にジェスチャーをしたりする等、無理強いすることなく遊べるようにしましょう。
2 子どもにルールをうまく伝えるために
ルールを覚えてしまえばとても楽しいジェスチャーゲームですが、初めのうちは子どもたちがルールを理解することが難しい場合もあるかもしれません。そんなときのために、子どもたちにうまくルールを伝えるためのポイントをご紹介します。
2-1 保育士がクイズ形式でジェスチャーを見せる
ジェスチャーゲームがどんなふうに行われるかを理解することが難しい場合、まず保育士がジェスチャーを行ない、何を表現しているのかを当てるゲームから始めてみると良いでしょう。
ジェスチャーと言われる動きはどういうものなのかを理解したり、正解だったときの達成感を味わったりすることで、ジェスチャーゲームに興味を持ち、理解を深めることにつながるはずです。
2-2 ルールを絵や文字で伝える
子どもたちが話し言葉だけでルールを理解することができない場合、ルールを簡単な文で書き出して伝えることも効果的です。「おはなしをしては いけません」「じゅんばんにやります」等、わかりやすく伝えましょう。
また、文字への理解が十分でない子どもに対しては、ルールを絵にして表して伝える方法もあります。絵にして伝える方法は、話し言葉だけではイメージしづらい子どもにとても理解しやすい場合があります。
2-3 子どもに遊ばせて見本を見せる
基本的なルールを伝えた上で理解ができていそうな子どもを保育士が何人か選抜し、見本として実際に遊ばせて他の子どもに見せると、クラス全体の理解が深まります。
その際、うまく動けない子どもには保育士が優しくフォローします。また、「こういうときは、どうしたらいいか誰か教えてくれるかな?」とあえて子どもたちに問いかけると、クラス全体でルールへの理解を深まることがあるためおすすめです。
ジェスチャーゲームは協力して遊ぶゲームのため、ルールを理解していない子どもが多いとうまくいきません。クラス全員でゲームへの理解を深め、全員で楽しく参加できるようにしましょう。
3【年齢別】ジェスチャーゲームのおすすめのお題
3-1 3歳児におすすめのお題
3歳児は基本的な生活習慣が自立しつつあり、話し言葉の基礎もできてきています。友だちとの関わりも増えてきますが、まだ子どもだけではうまく遊べないことも多いのが特徴です。
そんな3歳児がジェスチャーゲームを行う場合、お題は簡単でクラス全員が理解できるものにしましょう。絵本などでよく見かける動物や虫、キャラクター等がおすすめです。保育士がうまくフォローしながら遊びましょう。
また3歳児の場合は、動物の真似をしながら動物の鳴き声を発してしまうことがよくあります。そんな場合は、「お題を言わなければ声を出してもOK」というルールにすることも方法の1つです。慣れてきたらルールを戻していけば良いでしょう。
- イヌ
- ネコ
- うさぎ
- ぞう
- サル
- ゴリラ
- ブタ
- トリ
- ちょうちょ
- カタツムリ
- カエル
- ミッキー
- ピノキオ
- アンパンマン
3-2 4歳児におすすめのお題
4歳児はうまく体を使うことができるようになったり、興味の範囲が広がり想像する力も巧みになったりする時期です。しかし、子どもたちだけで遊ぶようになり、仲間意識を強く持つ中でトラブルが生まれやすい時期でもあります。その反面決まりの大切さに気づき守ろうとするようになっていくため、うまく保育士が関わるようにしましょう。
そんな4歳児は、物事への理解が深まるため、3歳児よりは幅広いお題を選ぶことができます。おすすめは、動きに特徴のあるスポーツや保育園での生活に関わりのあるものです。
- 野球
- サッカー
- 水泳
- 相撲
- 三輪車
- お昼寝
- 食事
- はさみ
- 料理
- 砂場
- 滑り台
- ピアノ
3-3 5歳児におすすめのお題
5歳児は社会的な事柄にも関心を持ち、一度興味を持つと大人もびっくりするほどの知識を持つこともあります。実際に見たことがない物でも、テレビで見て覚えている場合も多いです。
そんな5歳児には少し難しいお題を出して、挑戦して楽しむことがおすすめです。ただし、難しすぎるとお題を理解できない子どもが出てきてしまうことがあります。そのため、保育士はクラス全体の興味や理解度をよく考えた上で、お題を選ぶことが必要です。
- 流行っている歌手、芸人
- 電車の運転士さん
- お医者さん
- 美容師さん
- お寿司屋さん
- バイオリン
- ラッパ
- 太鼓
また、5歳児は「誰が何をしているところ?」という形での出題も理解できる場合があります。その場合、実際によく目にする光景のお題も楽しいですが、実際には起こり得ないようなお題を出すと子どもたちの笑いを誘い、ゲームが盛り上がりますよ。
- サルがバナナを食べているところ
- イヌがお昼寝しているところ
- お相撲さんがダンスを踊っているところ
- ゴリラがハサミを使っているところ
- ネコが車の運転をしているところ
4 ジェスチャーゲームで子どもたちと楽しい時間を!
ジェスチャーゲームは、お題やルールの伝え方のポイントを押さえれば、子どもたちと楽しい時間を過ごすことができるゲームです。子どもたちの流行や発達の様子を確認し日ごろからお題をたくさん用意しておけば、大盛り上がりのジェスチャーゲームになるでしょう。
子どもたち同士のコミュニケーションや表現力も深まるジェスチャーゲーム。ぜひ保育の活動に取り入れてみてくださいね!