保育園のお誕生日会やお楽しみ会でよく出し物として行われるのが、マジックです。準備が実を結び、子どもたちが「なんで?!」と大盛り上がりになると、達成感もひとしお。そんな保育園のマジックについてご紹介します。
目次
1 保育園で行なうマジックって?
保育園で行なうマジックとは、どんなものなのでしょうか。
1-1 「なんで?!」から興味を広げるきっかけに
普段の生活の中で、子どもたちがマジックを実際に見る機会はそう多くはないでしょう。そのため、保育園で子どもたちの目の前で行われるマジックは、「なんで?!」「何が起きたの?」と不思議を感じる良い機会となるでしょう。
マジックの内容によっては、子どもの好奇心をかきたて、興味や関心のきっかけとなる場合もあります。マジックが行われた驚きの中で、「どういうことなんだろう」と自分で考えてみる良い経験ができると良いですね。
1-2 普段使っている物で手作りできる
保育園で行なうマジックは、ほとんどのものが保育園で普段使っている物で行なうことができます。マジックに使う物を手作りする場合でも、その材料は保育園にある物ばかり。例えばよく使う物は、紙、ペン、新聞紙、ハンカチ、空の容器等です。普段からいろんな物を使って制作や遊びを行なう保育園では、簡単に用意できる物ばかりのため、準備のハードルは低いでしょう。
2 保育園で行なうマジックの選び方
マジックは子どもでもできるような簡単なものから練習が必要で大掛かりのものまで、いろんな種類があります。そんな中で、保育士が保育園で行なうマジックは、どんなものを選ぶと良いのでしょうか。
2-1 大きすぎる音はNG
マジックに興味がなく、初めて目の前で見る子どもも多いはず。そんな中で行なう保育園のマジックは、必要以上に驚かせたり怖がらせたりすることのないように、大きな音が出るものは選ばないようにしましょう。
楽しい雰囲気の中でマジックが行われると、子どもたちは安心して見ることができ、関心を寄せることができるでしょう。
2-2 会場の大きさに合わせたマジックを
一般的にマジックは、トランプやコインなどの小さい物を使い、目の前のお客さんだけをターゲットにしているものが多いものです。しかし、保育園で行なうマジックはそうとは限りません。例えば、誕生日会の行事の際に行なう場合、広いお部屋の中で数十人の子どもの前で行うこともあるでしょう。
そのため、マジックは会場の大きさに合わせて選ぶ必要があります。会場の前方にいる子どもたちだけでなく、後方にいる子どもたちも含めて会場全体で楽しめるマジックを考えます。その際マジックに使う物の大きさにも注意し、見えやすい物を用意しましょう。
2-3 身近なものを使うと親近感がわく
保育園で行なうマジックでは、子どもたちの興味をひくため、保育士や子どもたちが普段使っている物で行なうと良いでしょう。「〇〇組さんから借りてきたペンを使うよ」「○○先生から借りてきたハンカチだよ」等、親近感のわく言葉も用意しましょう。
2-4 幼児さんが理解できるものを
マジックは、ある程度身の回りの事柄を理解していないと楽しむことが難しい場合もあります。何が不思議なのか、理解が必要だからです。
その場合、マジックは乳児さんは楽しめないのかというと、そうでもありません。乳児さんは理屈はわからなくても、不思議な雰囲気や周りの人の楽しんでいる雰囲気を感じとることができるためです。
そのため、園全体の行事にもマジックはおすすめです。幼児さんが理解できる程度のマジックを、乳児さんが楽しめる雰囲気の中、行なうことをおすすめします。
3 子どもが喜ぶ!おすすめ簡単マジック 7選
子どもが喜ぶ簡単なマジックを7つご紹介します。ぜひ保育園のイベントでやってみてくださいね。
3-1 ロボットになっちゃった!首が回るマジック
誰もが一度は目にしたことのある、マジックの定番です。顔の部分に穴をあけた段ボールを被り、首が回っているように見せながら、段ボールを回します。
〈材料〉
段ボール
色画用紙やペン等
ガムテープ
〈作り方〉
頭にかぶれるくらいの大きさの段ボールを用意します。
顔が出るくらいの穴を開ければ完成。
クルクル回す時に、段ボールに模様が入っていると視覚的に楽しめるため、好みに応じて色画用紙やペン等で模様を入れると面白さが増します。
3-2 ハンカチでコインが消えるマジック
簡単だけど子どもたちはびっくりするコインが消えるマジックです。いかに自然にできるかが勝負!
〈材料〉
ハンカチ
コイン
両面テープ
〈やり方〉
ハンカチを広げてその真ん中にコインを置きます。その後ハンカチの四隅を一つずつコインの上に重ね、全て重ねてから再度ハンカチのすみを持って開くとコインが消えてしまうマジック。
実は、ハンカチの四隅の1つに両面テープを付けていてコインをそこで回収しているだけ。こんな簡単なマジックでも子どもたちは大盛り上がりです!
3-3 色がついた!マジックシアター
無色の絵をフレームに入れると、色がつく不思議なマジックです。しっかり事前に作り込めば、失敗なしの簡単マジック。色が付いたり消えたりする様子がとても不思議で、見応え十分です!
〈材料〉
・イラスト部分
白画用紙(イラスト用)
クリアファイル
油性マジック
テープ
ハサミ
・フレーム部分
色画用紙(フレーム用)
白色画用紙(仕切り用)
ハサミ
のり
〈作り方〉
まずイラスト部分を用意します。
白画用紙にイラストを印刷、または手書きで用意します。そこにクリアファイルを重ねてイラストの紙と同じ大きさになるようにカットしておきます。イラストにクリアファイルを重ねイラストの輪郭をマジックで書きます。書き終わったら、イラストとファイルをずれないように一辺をテープで固定します。
次にフレーム部分を用意します。
先ほど作ったイラストとクリアファイルが入る大きさのフレームを色画用紙で用意します。フレームの中に、仕切りになる白画用紙をのり付けしてからフレームを閉じます。
あとは、フレーム部分にイラスト部分を差し込めば完成。その際フレームの中の仕切りに注意し、クリアファイルがフレームの窓側に、イラストが奥側になるように絵を差し込みましょう。絵を出したり入れたりすると、色が付いたり消えたりします。
3-4 なぜ?お水の色が変わるマジック
視覚的にとても鮮やかで綺麗なマジックです。小さな子どもから楽しむことができます。
〈材料〉
ペットボトル
水
絵の具
〈やり方〉
ペットボトルの8~9分目くらいまで水を入れます。ペットボトルのキャップの裏に絵の具をつけておき、魔法の呪文をかけた後ペットボトルボトルを振ると、色水に変化するマジックです。
3-5 お水が消えた?新聞紙のマジック
新聞紙に水を注ぐと、お水が消えてなくなってしまうマジックです。色水を使うと見えやすくなります。
〈材料〉
新聞紙
フリーザーパック
ガムテープ
水(色のついた物だと見えやすい)
ペットボトル
〈やり方〉
新聞紙を半分に折り、内側にフリーザーパックをガムテープでしっかりと固定します。
マジックを演じる際は、子どもたちから見えないようにフリーザーパック目がけて水を入れるだけ。ジッパーを閉めれば、ひっくり返しても水が出てきません。
3-6 切ったのに切れてない?封筒のマジック①
封筒の中に紙を入れて、封筒の上から紙を切ったのに、取り出した中の紙は切れてないというマジック。ハサミは必ず切れるという思い込ませることがポイント。
〈材料〉
ハサミ
封筒
封筒に入れるイラスト入りの紙
〈やり方〉
準備は、封筒の裏面に切り込みを2箇所入れておくだけです。イラスト入りの紙を入れる際、うまく切り込みを利用してイラスト入りの紙の真ん中部分を外側に出して封筒に入れ、切る際は封筒だけを切るようにします。
3-7 入ってないのにどんどん出てくる!封筒のマジック②
一度何もないことを確認した封筒からたくさん星が出てくる楽しいマジックです。
〈材料〉
封筒
折り紙で作った星等
〈やり方〉
封筒のポケットを二重に作っておき、そこに星を仕込んでおきます。封筒の中に何もないことを確認するときは、何も入っていない側の封筒をうまく見せることが成功のポイントです。
4 マジックを演じる時のポイント
子どもたちとマジックをより楽しむために注意したいポイントがあります。少しの工夫で雰囲気がガラッと変わるため、必見です。
4-1 服装をマジシャン風に
子どもたちを驚かせ、気持ちをひきつけるために、マジシャン風の服装を用意すると良いでしょう。マジシャン風と言っても、難しく考える必要はなく、画用紙で作ったシルクハットやフラワーペーパーで作った蝶ネクタイをするだけでもOK。
いつもとはひと味違うマジシャン風の先生の姿に、子どもたちは「どうしたの?」「なんでそんな格好してるの?」と興味を持つきっかけになることでしょう。
4-2 音楽や照明を工夫して雰囲気作りを
もし可能なら、音楽や照明にも工夫をしましょう。ワクワクするような音楽や効果音を用意すると、とても楽しい雰囲気になります。
照明もスポットライトを当てるような形でやると、マジックの雰囲気が出ます。子どもたちも集中してマジックを見つめるはずです。
4-3 何度も練習!自信を持って演じよう
何より大切なことは、自信を持って堂々とマジックを行なうことです。いくら簡単なマジックでも、練習なしでは絶対に上手くいきません。何度も練習して自信をつけて本番に臨みましょう。
4-4 子どもたちにも参加してもらおう
保育園で行なうマジックは、マジシャンだけがどんどん進めていくものでは盛り上がりません。子どもたちに「みんなの力が必要なの!」と協力をお願いして、参加してもらうと良いでしょう。
例えば、子どもたちみんなで「ちちんぷいぷいのぷい!」とおまじないを言って魔法をかけてもらったり、代表の数人にタネがないことを確認してもらったり、マジックの道具を持つお手伝いをしてもらったり、というような形です。きっと大喜びで参加するでしょうし、参加したからこそ「なんで?!」という気持ちに拍車がかかるでしょう。
5 マジックで子どもたちの「なんで?!」を引き出して楽しい時間を
保育園で行なうマジックは、それ自体は難しいものではありません。仕掛けは簡単ですぐに用意できるものばかりです。
けれど、子どもたちと楽しむために工夫をこらし、練習を重ねる必要があります。準備は大変かもしれませんが、子どもたちの驚いた表情で苦労は吹き飛ぶことでしょう。
ぜひ子どもたちの「なんで?!」を引き出して、楽しい時間を過ごしてくださいね。