スイカや風鈴など夏を感じられる製作遊びはたくさんあります。夏の製作遊びを検討中の方の中には、「どのような題材を選ぼう」「年齢に合った製作を導入したい」と考えているも多いのではないでしょうか。
そこで今回は、夏にピッタリの製作アイデアを12個ご紹介します。乳児期と幼児期に分けて解説するので、ぜひ参考にしてみてください。季節を感じられる製作遊びを保育に取り入れ、子どもたちと一緒に思いきり夏を楽しみましょう。
夏の製作遊びを保育に導入するねらい
製作遊びを保育に導入する際は、ねらいを定めることが大切です。保育計画を立てやすくなり、効果的に学びを深められます。
夏の製作遊びを保育に導入する場合の代表的なねらいは以下の通りです。
- 道具の使い方を覚える
- 素材の名前や性質を知る
- 想像力を育む
- 集中力を身に付ける
- 季節を感じる中で情緒を育む
- 製作で表現することを楽しむ
製作遊びには、手先のトレーニングといった身体的な発達と、想像力や集中力を育むといった精神的な成長を促す効果があります。
また、季節を感じることで情緒が育まれる点もメリットです。夏には「七夕」や「夏祭り」「花火大会」など楽しいイベントがたくさんあります。行事と関連した製作を取り入れるのもおすすめです。
子どもたちの発達や興味関心に合わせて、適切なねらいを定めましょう。
乳児期におすすめの夏の製作遊び5選
乳児期におすすめの夏の製作遊びを5つご紹介します。手先の発達に個人差がある乳児期でも、みんなで楽しめる製作アイデアをピックアップしました。ぜひ参考にしてみてください。
七夕飾り(ベル)
七夕飾りに使用できるベルです。製作過程が少ないので、乳児クラスでも気軽に導入できます。
【用意するもの】
- 紙コップ
- 画用紙
- クレヨンやマーカー
- モール
- 鈴
- はさみ
- キリ
- のり
【作り方】
- 紙コップの側面と同じ大きさに画用紙を切る
- 画用紙に吹き流しをイメージした柄を描く
- 紙コップの底に2ヵ所穴をあける
- モールに鈴を通し、さらにモールを紙コップの穴に通す
- 画用紙で星を作成する
- 星に顔を描く
- 星を紙コップに貼り付けて完成
スイカ
スイカの種を指スタンプで描く製作です。紙皿を使用しても作成できます。給食でスイカが出てきてから製作をするとイメージしやすくなるでしょう。
【用意するもの】
- 画用紙
- 黒の絵具
- 水
- お皿
- マーカーやクレヨン
- のり
- はさみ
【作り方】
- 赤や黄色の画用紙を丸く切る
- 緑や黄緑の画用紙を一回り程大きく切る
- 黒の絵具をお皿に出し、少量の水で薄めて混ぜる
- 赤や黄色の画用紙に、指スタンプで種を描く
- 緑や黄緑の画用紙にマーカーやクレヨンで線を描く
- 絵具が乾いたらのりで貼り付けて完成
かき氷
にじみ絵という技法を用いた製作アイデアです。マーカーを水で濡らしてぼかすことで、きれいな色に染まります。
【用意するもの】
- 半紙
- 水性マーカー
- 霧吹き
- 水
- はさみ
- のり
- 画用紙
【作り方】
- 半紙にマーカーで色をつける
- 霧吹きに水を入れ、半紙に吹きかける
- 半紙を乾かす
- 半紙を山型に切る
- 画用紙をかき氷の容器をイメージした形に切る
- 半紙と画用紙をのりで貼り付けて完成
カニ
手形や足形スタンプをアレンジしてカニに見立てましょう。簡単にできるので0歳児や1歳児にもおすすめです。
【用意するもの】
- 赤い絵の具
- 水
- お皿
- 画用紙
- はさみ
- のり
- マーカーやクレヨン
【作り方】
- お皿に赤い絵の具と少量の水を入れ、混ぜる
- 白い画用紙に手形または足形をスタンプする
- 赤い画用紙をカニのはさみの形に切る
- 絵具が乾いたら、はさみをのりで貼り付ける
- マーカーやクレヨンで、顔(足なども必要に応じて)を描いて完成
くらげ
見ているだけで涼しくなるようなクラゲの製作アイデアです。スズランテープやタンポを用いて作成します。立体的にしたい場合は、深めの紙皿を使用しても作成できます。
【用意するもの】
- 画用紙
- プチプチ
- 割りばし
- 輪ゴム
- お皿
- 絵具
- 水
- はさみ
- クレヨンやマーカー
- スズランテープ
- セロハンテープ
【作り方】
- 白い画用紙をクラゲの顔の形に切る
- プチプチを割りばしに巻きつけ輪ゴムで留める(タンポ)
- お皿に絵具を出し、少量の水で薄めて混ぜる
- タンポを絵具につけて、画用紙にスタンプする
- 絵具を乾かす
- 画用紙にクレヨンやマーカーで顔を描く
- スズランテープを適当な長さに切る(何枚か用意する)
- 画用紙の裏にセロハンテープで貼り付ける
- スズランテープを割いて完成
幼児期におすすめの夏の製作遊び7選
幼児期になると、はさみやペンを自由に扱えるようになります。子どもの発達の様子に合わせて難易度を調整しながら、興味関心を刺激できる内容にしましょう。
特に年長児クラスでは、難しい技法を取り入れたものや、作って遊べる製作がおすすめです。ここでは、幼児クラスに適した製作アイデアを7個ご紹介します。
風鈴
夏の風物詩のひとつ「風鈴」の製作アイデアです。はりこという少し難しい技法を使います。はりこは手間や時間がかかるので、製作物が完成した際の達成感も十分に味わえるでしょう。
【用意するもの】
- カラーボール
- ラップ
- 和紙や半紙
- タコ糸
- 画用紙
- はさみ
- セロハンテープ
- 絵具
- お皿
- 水
- 筆
- のり
【作り方】
- お皿にのりを出し、水と混ぜる
- カラーボールにラップを巻く
- 半紙や和紙をちぎり、のりをつけてカラーボール(半分まで)に貼り付ける
- 一度乾かし、また貼り付ける作業を繰り返す
- はりこを完全に乾かす
- はりこをカラーボールから取る
- お皿に絵具を出し、はりこに絵柄を書く
- 絵具を乾かす
- 画用紙を長方形に切る
- はりこのてっぺんに小さな穴を開けてタコ糸を通す
- タコ糸の先に切った画用紙をセロハンテープで貼り付けて完成
花火
花火には複数の作り方があります。その中でもひっかき絵という技法を用いた製作アイデアが、幼児期の子どもにおすすめです。クレヨンを重ねて塗るだけなので、3歳や4歳クラスでも導入できます。
【用意するもの】
- 画用紙
- クレヨン
- 爪楊枝や竹串、割りばし
- はさみ
【作り方】
- 画用紙を丸く切る
- 画用紙にクレヨンで色を塗る
- 黒のクレヨンを全面に塗り重ねる
- 爪楊枝や竹串などで、クレヨンをひっかきながら模様を描く
- クレヨンの粉を掃ったら完成
ひまわり
折り紙で作るひまわりです。手先を細かく動かすため、指先トレーニングや脳の活性化といった効果も期待できます。
【用意するもの】
- 折り紙
- はさみ
- のり
【作り方】
- 折り紙を半分に切り、さらに1/8の大きさに切る
- 三角になるよう半分に折り、開く
- 下の角を中心に合わせて折る
- 再度開き、最初のように半分に折る
- 右の角を中心線に沿って折り、内側に入れ込む
- 同じものを8個作る
- 左角を互いの右角に入れ、円になるように重ねていく
- 裏返し、茶色やオレンジの折り紙を真ん中に貼り付けて完成
ちょうちん
夏祭りで使用するちょうちんの製作アイデアです。スイカの柄になっているため可愛らしく、夏っぽさもアップします。
【用意するもの】
- 画用紙
- マーカー
- のり
- はさみ
【作り方】
- 赤や黄色の画用紙を横17cm、縦10cmに切る
- 上下に1cmの余白を取り、内側に折り曲げる
- スイカの種をマーカーで描く
- 緑や黄緑の画用紙を、横16cm、縦10cmに切る
- 上下1cmのところに線を描く
- 横に2cm置きに線を描く
- 上下の余白を切らないように注意しながら、2cm幅のところを縦に切り込む
- 黒や紺の画用紙を10cmの正方形に切る
- 縞模様になるように画用紙を指でちぎる
- 緑の画用紙に、黒の画用紙を貼り付けていく
- 画用紙を軽く折り曲げ、癖をつける
- 赤い画用紙に緑の画用紙を重ねて、余白の部分で外側に折りめをつける
- 赤い画用紙の余白よりも内側の部分にのりを付け、緑の画用紙の余白部分を重ねる
- 緑の画用紙の余白部分にのりを付け、赤い画用紙の余白を折り重ねる
- 柄が外側になるように丸く折り曲げていく
- 赤い画用紙の端をのりでつける
- 画用紙で取っ手をつくり、上部に貼り付けて完成
あさがお
染め紙の技法を用いて製作するあさがおです。やさしい色合いの朝顔を飾れば、クラスがパット明るくなるでしょう。比較的繊細な技法なので、手先が発達する幼児期にピッタリです。
【用意するもの】
- コーヒーフィルター
- 絵の具
- 水
- お皿
- 画用紙
- ストロー
- はさみ
- 輪ゴム
- セロハンテープ
【作り方】
- お皿に絵具と多めの水を混ぜた液体を作る
- コーヒーフィルターを輪ゴムで1~2ヵ所留める
- 絵具につける
- 輪ゴムを取って折り目を開いて乾かす
- コーヒーフィルターの底をねじって留め、上部はきれいに開く
- 底にストローを貼り付ける
- 画用紙で葉っぱやつるを作成する
- セロハンテープで貼り付けて完成
ヨーヨー
ビー玉を転がして画用紙に色をつけます。遊び感覚で色付けできるので、楽しんで製作できるでしょう。水風船のヨーヨーを先に見せると、どのようなものを作るか具体的にイメージしやすくなります。
【用意するもの】
- 絵具
- お皿
- 水
- ビー玉
- 画用紙
- 空き箱
- はさみ
- 輪ゴム
- ボンド
【作り方】
- 空き箱に画用紙を置く
- お皿に少量の水と絵具を混ぜた液体をいくつか作る
- ビー玉を絵具につける
- ビー玉を箱の中に入れて転がし、画用紙に色をつける
- 同じように3色程度色をつける
- 絵具を乾かす
- ヨーヨーの形に画用紙を切る
- 輪ゴムを1ヵ所切り、端を結んで輪を作る
- 台紙となる画用紙にヨーヨーと輪ゴムを貼り付けて完成
金魚すくい
作るだけでなく遊んでも楽しめる製作アイデアです。実際に水の上に浮かべて金魚すくいをしてみましょう。保育園の夏祭りで導入しても楽しめます。
【用意するもの】
- カラーセロハン
- 輪ゴム
- 油性マーカー
- 食品トレー
- カラーテープ
- はさみ
- キリやコンパス
- ペットボトル
- スズランテープ
【作り方】
- カラーセロハン1枚を丸める
- もう1枚のセロハンの中心部に入れて、輪ゴムで留める
- 油性マーカーで顔を描く
- 同じように何匹か金魚を作る
- 食品トレーをポイの形に切る
- 柄の部分にカラーテープを巻きつける
- ポイの丸い部分にキリやコンパスで穴をあける
- 別の食品トレーにマーカーで好きな絵を描く
- 食品トレーの両端にキリで穴を開ける
- スズランテープを通して紐をつけて完成
夏の製作遊びを楽しむポイントと注意点
製作遊びを導入する際は、注意点や楽しく遊ぶためのポイントを事前に抑えておくことが大切です。
楽しく遊びを展開できるだけでなく、学びの場を適切な形で提供できるようになります。3つのポイントを確認し、適切な環境設定を行いましょう。
導入をしっかりと行う
保育の導入を入念に行うことで、子どもたちの製作に対する意欲を高められます。したがって、製作遊びを行うときは、以下のような方法を実践すると良いでしょう。
- 歌を歌う
- 絵本を読む
- ゲームに夏を取り入れる
- 夏や行事に関する話をする
例えば、七夕に関する製作をするのであれば、七夕の歌を歌ったり絵本を読んだりすることで、興味や関心を自然に引き出すことができます。
事前に手本を見せる
製作物の完成形を見せると、どのようなものを作るのかイメージが沸きやすくなります。難易度の高い作品を作る際や、子どもたちの製作が思うように進まない場合は、手本を見せるのも方法のひとつです。
ただし、あまり長く見せると、保育者の作品を模倣してしまう恐れがあります。想像力や表現力を養えるのが製作遊びのメリットであることから、少し見本を見せたらすぐに片付けましょう。
安全に配慮した環境を設定する
安全面への配慮は製作遊びを行う上で欠かせません。例えば、以下のような対策が必要です。
- はさみやペンを使う際のルールを事前に説明しておく
- 大きなものを作る際は部屋を片付けておく
- 硬くて切りにくいものは保育者が事前に切っておく
- 切り口にはテープを貼り、手が切れないように配慮する
また、テーブルに新聞紙を敷き、スモックを着せておくのも重要なポイントです。汚れを気にせず思いきり活動できるようになります。
このように、保育者が適切な環境を設定することで、子どもたちが学びを深めやすくなります。
まとめ
夏の製作を保育に取り入れることで、季節を感じられるようになったり情緒が育まれたりするといった効果を期待できます。また、手指のトレーニングにも最適です。
夏を感じられる製作物には、「かき氷」「ちょうちん」「カニ」などさまざまな種類があります。クラスの子どもたちの興味関心に合わせて題材を設定しましょう。今回の記事もぜひ参考にしてみてくださいね。