6月の第3日曜日は父の日です。いつも家族のために一生懸命働くお父さんへ、感謝の気持ちを伝える大切な日。子ども達にも、行事の大切さを伝える必要があります。母の日同様、子ども達と製作を楽しもうと考える保育士も多いのではないでしょうか。

今回は、父の日製作にピッタリのアイディアをクラス別にご紹介します。簡単で、アレンジがしやすいものばかりですので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

1 父の日とは?子ども達とプレゼントを製作しよう

まず最初に、父の日の日付を確認しておきましょう。父の日は母の日と同じく、毎年決まった日にちではありません。6月の第3日曜日に制定されているため、2021年の父の日は6月20日です。

父の日の始まりはアメリカが発祥とされています。ある男の子が、男手ひとつで育ててくれたお父さんに「ありがとう」と、感謝の気持ちを込めて白いバラをプレゼントしたことから始まりました。

父の日の大切さを伝えるためには、まず子ども達に「お父さんの好きなところは?」「お父さんのすごいところは?」と質問し、思い浮かべるところから始めましょう。お父さんの自慢大会は、父の日製作の導入に欠かせない大切なポイントです。

母の日は、カーネーションやお花にまつわる製作が多い反面、父の日にはテーマとなるお花がありません。そのため、お父さんをイメージするネクタイや、メガネ、お酒、車などといったアイディアに基づいて製作するのが主流です。

2 父の日製作(0歳児~1歳児)

手先が器用ではない0歳~1歳児の製作は、難しくないアイディアを選択しましょう。保育士の手が加わりすぎてしまうと、子どもらしさが表現できなくなってしまいます。子どもの手形や足形を利用するのがオススメです。

2-1 手形を使ってメッセージカード

手形を使う、オシャレな父の日製作です。指先の発達が未熟で、難しい製作ができない0歳~1歳児にピッタリのアイディアです。ねんね期の乳児でも、父の日に記念を残すことができます。

〇準備物
・台紙となる画用紙
・絵具、筆(もしくは絵具を染み込ませたタオル)
・ぬるま湯を入れたタライやふき取り用タオル

〇製作手順
・子どもの手形を取る
・(保育士)絵具が乾いてから文字のペイントを入れて完成

〇指導のポイント
・筆や絵具の感触が苦手な子もいます。無理強いしないように注意しましょう。
・慣れない作業で不安を感じる子もいるため「ちょっと冷たいよ」「すぐに終わるよ」と、声をかけながら行いましょう。
・月齢が低い場合、自力で手のひらを開くことが困難なため、保育士2名で対応すると安心です。

2-2 足形で記念ワイシャツ

足形をネクタイに見立てた製作です。手形同様、記念に残る製作のため保護者からも喜ばれます。最後にリボンをつけておくことで、お家のどこにでも飾れるのが嬉しいポイントです。ワイシャツの柄は、指やたんぽ筆でペイントすると可愛く仕上がります。

〇準備物
・ワイシャツとなる台紙
・足形になる台紙
・絵具、筆(もしくは絵具を染み込ませたタオル)
・たんぽ筆
・ぬるま湯を入れたタライやふき取り用タオル
・リボン

〇製作手順
・台紙に足形を取る
・ワイシャツの台紙に指や、たんぽ筆でペイントする
・(保育士)乾いた足形をカットしたものとリボンを、ワイシャツに貼り付けて完成

〇指導のポイント
・手形同様、絵具を塗る際には声掛け等に注意しましょう。
・ワイシャツとなる台紙は、準備に時間がかかるため製作日に間に合うよう、早めに取り掛かりましょう。
・ワイシャツへのペイントが難しい場合は、シール貼りなどで代用できます。

3 父の日製作(2歳児~3歳児)

2歳児~3歳児は、製作の目的を理解できるようになります。父の日の由来やイメージを分かりやすく伝えてから製作に入りましょう。この年齢には、手先を刺激するちぎり絵やフィンガーペイントがオススメです。

3-1 ちぎり絵でネクタイかけ

こちらは、ネクタイかけの製作アイディアです。実用的で、手作り感も溢れているので父の日のプレゼントにピッタリといえます。模様のアレンジが可能なため、幅広い月齢に対応できます。

〇準備物
・ネクタイを通す部分を切り取っておいた台紙
・クレヨン
・折り紙
・のり、ぞうきん
・リボン

〇製作手順
・お父さんの似顔絵や、好きな絵をクレヨンで描く
・ちぎり絵やペイントで模様をつける
・(保育士)リボンをつけて完成

〇指導のポイント
・台紙の準備に時間がかかるため、早めに取り掛かりましょう。
・子ども達は「ネクタイかけ」のイメージが湧きにくいため、必ず見本を用意しておきましょう。

3-2 初夏にピッタリのうちわ

父の日の頃には、ずっかり気温も高く初夏の陽気になっています。そこで、うちわをプレゼントすれば実用的で大変喜ばれます。

デザインを各年齢で調整できるのも嬉しいポイントです。2~3歳には、マーブリングやお野菜ハンコを体験しても良いでしょう。子ども達が思い思いのデザインを施せば、世界にひとつだけのプレゼントの完成です。

〇準備物
・既製品の真っ白なうちわ
・デザインする台紙
・デザインする道具(絵具、筆、ハンコ、クレヨンなど)

〇製作手順
・台紙に好きなデザインを施す
・デザインが乾いてから好きな形にカットして、うちわに貼り付けて完成

〇指導のポイント
・うちわ本体は、骨でボコボコしているため直接のデザインは控えましょう。
・うちわの持ち手は長く尖っているため危険です。十分注意して製作してください。

4 父の日製作(4歳児~5歳児)

4歳児~5歳児は、自分の頭でアイディアを考え、イメージを形にする力を持っています。子ども達に「どんな物をプレゼントしようか」考える時間を与えることが大切です。また、製作への所要時間に、個人差が出てくる時期でもあります。納得のいく作品ができるように、活動時間に余裕を持っておきましょう。

4‐1 プラバンでキーホルダー

幼児になれば、少し難易度の高い製作にチャレンジしてみましょう。こちらは、プラバンで作るキーホルダーのアイディアです。自分でデザインしたものがキーホルダーになる工程に、興味津々な姿が見られます。

〇準備物
・プラバン
・油性マジック
・はさみ
・アルミホイル
・挟むもの(形を整えるため)
・穴あけパンチ
・キ-ホルダー用のひも
・トースター

〇製作手順
・プラバンに絵をかく(4分の1の大きさに縮む)
・絵に沿ってプラバンをカットする
・穴あけパンチで穴を開ける
・(保育士)トースターにアルミホイルを広げ焼く。プラバンが縮んだら、重しになるもので形を整え、ひもを通して完成

〇指導のポイント
・プラバンを切ったり、穴あけパンチで穴を開けるときは必ず保育士が付き添いましょう。
・トースターの使用は大変危険です。プラバンが縮む様子を観察したい子ども達が、トースターに近づきすぎないよう気を付けましょう。
・完成したばかりのプラバンはとても高温です。やけどしないよう、割りばしや軍手を活用しましょう。

4‐2 似顔絵付き写真立て

紙皿を使った似顔絵入りの写真立てです。手作り感があり、お父さんとの記念写真を飾れる素敵なプレゼントになります。紙皿への装飾や、似顔絵の作成など数日に分けて製作することで、父の日への期待感を膨らませることができます。

〇準備物
・紙皿
・似顔絵用の台紙
・絵具やクレヨン
・のり、ぞうきん
・リボン

〇製作手順
・紙皿にペイントする
・台紙に似顔絵を描き、型に沿ってカットする
・紙皿に貼りたい飾りを作成する
・紙皿の絵具が乾いてから、それぞれのパーツを貼り付けて完成
・(保育士)リボン取り付けや、写真位置の確保

〇指導のポイント
・事前に保護者から、お父さんとの写真を提供してもらう場合は、早めに声をかけておきましょう。
・紙皿全体に絵具を塗るため、汚れてもいい服装や場所を準備しましょう。
・紙皿が乾くのに時間がかかります。最低でも製作日数として2日以上は予定しておきましょう。

5 まとめ

今回は、父の日製作のアイディアをクラス別にご紹介しました。月齢に合っていない製作は、子ども達の気持ちが前向きにならない可能性があります。そのため、難しい製作アイディアを取り入れる場合は、成長過程に合わせてアレンジしてみましょう。

また、近年ではお父さんの単身赴任やひとり親家庭も増えているため、製作の背景には十分配慮しましょう。

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