子ども達にとって、保育園の遠足はワクワクする特別なイベントです。せっかくなら、目的地に着くまでのバスの時間も楽しんでほしいですよね。そんなときにおすすめなのが「バスレク」です。

バスレクとは、バスでの移動時間におこなうレクリエーションのことです。しかし、遠足の引率に慣れていない保育士は「バスレクってどんなことをするの?」「盛り上がらなかったらどうしよう」と、不安を感じてしまうのではないでしょうか?

そこで今回は、バスレクを取り入れるねらいや注意点を解説します。また、バスレクで盛り上がるクイズやゲームのアイディアをご紹介しますので、参考にしてみてください。

1 保育園の遠足に必須!バスレクとは?

保育園での遠足は、目的地にもよりますが園が所有するバスや、大型バスを借りて向かいます。目的地までの距離を、子ども達は座席に座って過ごさなければなりません。

しかし、遠足でワクワクしている子ども達にとって、その時間は退屈に感じることもあるでしょう。そんなときに楽しめるのがバスのなかで座っておこなうレクリエーションです。

2 保育園の遠足でバスレクを取り入れるねらい

子どもの頃に「遠足のバスのなかでバスレクを楽しんだことがある」という人も多いのではないでしょうか?ここからは、保育園の遠足でバスレクを取り入れるねらいについて解説します。

2-1 遠足を楽しみにする気持ちを盛り上げる

保育園での遠足行事は年に1回、多くても2~3回程度で、みんなでバスに乗って遠足に行く機会はそう多くありません。そのため、子ども達は遠足の日を指折り数えて楽しみにしています。

そのようなワクワクした気持ちを、更に盛り上げられるのがバスレクです。お楽しみ目的のクイズや手遊びだけでなく、目的地にちなんだ内容を盛り込むことで、その期待はますます高くなるでしょう。

例えば、水族館に向かっているバスのなかで魚に関するクイズを出せば「早く実物が見たい」と、感じるはずです。このように、バスレクには遠足を楽しみにする気持ちを盛り上げるねらいが含まれています。

2-2 バスに乗っている時間も楽しく過ごせるようにする

遠足は、目的地に到着してから楽しむわけではありません。子ども達は、お友達や大好きな先生と一緒にバスに乗っている時間もワクワクしています。

そんなバスの時間も楽しい思い出になるようにするのがバスレクの役目でもあります。保育士が楽しいクイズやゲームを準備しておくことで、子ども達が退屈することなく過ごせるでしょう。

2-3 長時間の移動による子ども達の負担を軽減する

バスレクには、長時間バスに乗り続ける子ども達の負担を軽減するねらいも込められています。子ども達にとって、長時間イスに座っておくことはとても窮屈な状況です。普段の保育中でも子ども達の集中力を考慮して、イスに座っての活動は少なめにするのが基本です。

いくら遠足のためとはいえ、長い時間座りっぱなしのバスのなかではストレスを感じてしまうこともあるでしょう。なかにはバス酔いで気分が悪くなってしまう子どももいます。

しかし、移動中のバスの中を立ち歩くことは大変危険です。子ども達が座ったまま気分転換できるよう、バスレクで負担を軽減する必要があります。

3 保育園の遠足でバスレクを取り入れる際の注意点

バスレクと聞けば、バスの添乗員のようにさまざまな話題を提供する姿をイメージする人も少なくないでしょう。しかし、子ども達はただ話を聞くだけでは飽きてしまいます。

また、内容によってはバス酔いを誘発したり、立ち上がりたくなったりするかもしれません。保育園の遠足でバスレクを取り入れる際は、以下のポイントに注意しましょう。

3-1 クイズやゲームは多めに準備しておく

バスレク用のクイズやゲームは多めに準備しておきましょう。「用意してきたネタでは時間がもたない…!」となると、慌てますよね。また、予想外の渋滞に巻き込まれることも考えられます。

そのような事態を防ぐためにも、子ども達に楽しんでもらう出し物は多めに準備しておきましょう。もし「思ったより盛り上がらなかった」「子ども達にこのネタは難しすぎた」となった場合も、ストックから変更できるので多く準備しておくに越したことはありません。

3-2 子ども達が立ち上がらないよう内容を工夫する

運転中のバスのなかで立ち上がることは大変危険です。しかし、保育士が準備する出し物によっては「前がよく見えない」「声が聞こえない」という理由で立ち上がろうとする子どもがでてくるかもしれません。

そのため、子ども達が自分の席から楽しめるよう内容を工夫する必要があります。例えば、クイズで使うパネルは後ろの席からも見えるよう特大のものを準備したり、事前にバス会社にマイクの使用許可を取ったりしておくと安心です。

3-3 バス酔いするような内容を避ける

バスに乗りなれていない子どもは、バス酔いする恐れがあります。そのため、下を向いて考えたり、細かい文字を読んだりするような内容は避けるよう注意しましょう。

また、事前に保護者に「子どもの車酔いアンケート」を実施し、酔いやすいと申請があった子どもたちの座席配置を考え、無理にバスレクに参加させないよう配慮が必要です。

3-4 遠足からの帰り道は無理にバスレクを提案しない

バスレクのネタを考える際に、遠足からの帰り道用のアイディアを綿密に考える必要はありません。いつもとは違う場所で思いっきり遊んだ子ども達は、遠足の帰りにドッと疲れが押し寄せる傾向があります。

また、遠足を楽しみにするあまり、いつもより早起きしている子ども達も多いはずです。そのため、遠足からの帰り道に無理にバスレクを取り入れる必要はありません。バスの心地よい揺れからお昼寝する子どもが多いため、静かに温かく見守りましょう。

4 盛り上がるバスレク!種類別アイディア特集

レクリエーションとはいえ狭いバスのなかでおこなうため、いつも保育室でおこなっているようなネタを使えるわけではありません。

ピアノもなければ、立ち上がって体を動かすこともできません。引率に慣れていない保育士は、アイディアが思い浮かばず頭を抱えてしまうのではないでしょうか?ここからは、保育園の遠足で盛り上がるバスレクをご紹介します。

4‐1 【手遊び歌】保育園の遠足で盛り上がるバスレクアイディア

バスレクの掴みは、いつも慣れ親しんでいる手遊び歌がおすすめです。バスの後ろの席の子どもが保育士の手元が見えなくても、普段している手遊びなら問題なく楽しめます。

みんなで歌を歌うのも良いですが、手遊び歌のように座ったままでも動きを入れることで長時間移動のリフレッシュになるはずです。

バスレクで盛り上がる手遊び歌は以下のとおりです。

  • こぶたぬきつねこ
  • おべんとうばこのうた
  • キャベツのなかから
  • グーチョキパー
  • ひげじいさん
  • やおやのおみせ

そのほか、季節に合った手遊び歌もおすすめです。年齢に合わせて調整してください。

4-2 【シアター】保育園の遠足で盛り上がるバスレクアイディア

目的地によっては、バスの移動時間が長時間にわたります。そのため、一緒に手を動かす手遊び歌ばかりでは子ども達が疲れてしまうでしょう。そんなときには、シアター系の準備をしておくと安心です。

保育士が前で繰り広げるシアターに夢中になって、移動中の退屈を感じることなく楽しんでくれるはずです。とはいえ、バスのなかでできるシアターには限りがあります。以下のような出し物がおすすめです。

  • 指人形シアター
  • 手袋シアター
  • スケッチブックシアター
  • ペープサート

パネルシアターは場所の確保が難しく、エプロンシアターはエプロンの下の方が見えにくいのでおすすめできません。また、登場人物が多いものは揺れるバスのなかには不向きといえます。

4-3 【クイズ】保育園の遠足で盛り上がるバスレクアイディア

遠足のバスレクでは、クイズが大人気です。とくに年長さんは「もっとクイズ出して」「もっと難しいの」と、声が上がるほど白熱します。

よくあるなぞなぞ問題だけでなく、今から行く目的地に関するクイズを盛り込んでみても良いでしょう。動物園や水族館に関する問題に取り組んでいるうちに、ますます遠足への期待が膨らみます。

4-4 【ゲーム】保育園の遠足で盛り上がるバスレクアイディア

バスレクでは、クラス全員でチャレンジするゲームもおすすめです。座っている座席ごとにチームを作って、チーム対抗戦にすればとても盛り上がります。

おすすめのバスレクゲームは以下のとおりです。

  • しりとりゲーム
  • 伝言ゲーム
  • じゃんけん勝ち残りゲーム

5 まとめ

子ども達にとって、遠足はとても特別なイベントです。目的地での思い出作りだけでなく、バスのなかの過ごし方にも工夫したいですよね。とはいえ、盛り上げすぎて疲れさせないよう注意が必要です。

遠足のワクワクした気持ちを盛り上げたり、長時間座ったままのバスの時間を楽しんでもらえるよう、しっかりバスレクのアイディアを準備しておきましょう。

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