3 月3日は昔から親しまれてきた伝統行事の一つである「ひな祭り」です。
保育所でもひな段飾りを飾ったり、ひなまつりの歌を歌ったり、製作を楽しんだりと子ども達の健やかな成長を願ってお祝いをするところも多いですね。
この記事では、そんなひな祭りの由来やひな祭りに込められた願い、子ども達に楽しく伝える方法を4つ、1歳児でも楽しく作ることができる簡単な製作8つについてご紹介します。
目次
ひな祭りの由来と込められた願いとは

ひな祭りは元々、中国の「上巳節(じょうしせつ)」が日本に伝わったものだといわれています。
上巳節とは旧暦の3月最初の巳の日のことで、季節の節目となる節句の時期は邪気が入り込みやすいと考えられていたため、川で身を清め、無病息災を願う厄払い行事として行われていました。
日本では古来より藁や草で人形(ひとがた)を作り、自身の穢れや厄災を移して川に流すという「身代わり信仰」の風習がありましたが、平安時代には紙で作った人形に厄を移して川へ流す「流し雛」を行うようになっていきました。
一方で、平安時代には貴族の子どもの遊びとして「ひいな遊び」というものがありました。
女の子が人形に着物を着せたり、日常生活で用いる道具や家具といった調度品を並べて遊ぶ、今でいう「ままごと遊び」ですね。
これらの風習や文化などが融合し、次第にひな人形は川に流すものから家に飾り鑑賞するもの、嫁入り道具の一つとして豪華で立派なものへと変わっていき、現在の年中行事としてのひな祭りが定着していったという歴史があります。
子ども達に楽しく伝える方法4つ
中国から伝来し、様々な風習や文化と融合しながら時代とともに変容を遂げてきた「ひな祭り」。
しかし、1歳の子ども達にとっては初めてひな祭りの行事に参加するという子も珍しくありません。
子ども達にも、楽しくて特別な行事だということを伝えていくためにはどのような方法があるのでしょうか。
①パネルシアター
毛羽立ちの良いパネル布やフランネル布を貼った板に、不織布で登場人物や背景を貼り付けながら物語を展開していくパネルシアター。
裏表で表情を変えたり、動きをつけたりすることができるので見ている子ども達との一体感が生まれます。
「みんなで〇〇って呼んでみよう!」と声かけをしたり、「一緒に歌おう」と全員参加型で物語を進めていくことで盛り上げていきましょう。
こちらの動画は、前半のひな祭りの由来のお話で少し対象年齢が上がってしまいますが、後半のひな祭りの歌に合わせてパネルを展開していく様子は1歳の子どもでも楽しめるのではないでしょうか。
特に、桃の花を貼り付けながら広げていく様は手品のようで、子ども達にも注目してほしい、そして保育者も身につけておくと楽しいテクニックですよ。
②ペープサート
和製英語であるペープサートは、paper puppet theater(ペーパーパペットシアター)=紙人形劇のことです。
厚紙や画用紙に絵を描き、割りばしなどの棒をつけます。画用紙の裏と表で絵を変えることができるため、くるりと返すと表情や登場人物自体を変えることが簡単に出来ます。
パネルシアターは板に貼り付けていくのに対し、ペープサートは物語に合わせて手元で動かしているので、登場人物の心情に合わせた動きで魅せることが可能です。
こちらの動画では、ひなまつりの由来やひな祭りの歌を歌う流れまでを楽しく行っているので、保育にそのまま使えるのが魅力です。
保育初心者の方でも楽しく進行していくための参考にしてみてはいかがでしょうか。
③絵本
身近な絵本でもひな祭りの楽しさを伝えることができます。
子どもの人数が少ないときや何度もひな祭りのお話を楽しみたい子どもには何度でも読んであげることができる絵本がおすすめです。
例えばしかけ絵本が楽しい、きむらゆういちさんの「みんなでおひなさま!」は1歳の子どもでも楽しみながらひな祭りに親しみをもつことができる絵本です。
④歌
「ひなまつり」に歌われる歌の中でも、一番広く知られているのは「うれしいひなまつり」ではないでしょうか。
「ちいさい秋みつけた」「かわいいかくれんぼ」などの名曲をたくさん生み出したサトウハチローさんが作詞した「うれしいひなまつり」は、1936年に発表されて以来、多くの人々に愛されている歌ですね。
4番まであるので、1歳児は1番を歌うだけでも十分です。
年齢を追うごとに雛段飾りを描写している歌詞を理解し、頭の中でイメージしていくことができると、ひな人形にも愛着が湧いてきて曲に深みが出てきます。
美しいメロディーラインも日本人の心に染み入るので、女の子にとってはいくつになっても忘れられない名曲といえますね。
1歳児でもたのしくできる!簡単製作8つ
1歳の子ども達が行う製作遊びのねらいには「さまざまな素材に触れる」ことや「表現を楽しむ」ことが挙げられます。
指先をたくさん使うこと、五感を使って楽しむことで脳が刺激されていきます。
ここでは1歳児が楽しみながら無理なく行うことができる製作遊びの中から、ひな祭りにピッタリな製作遊びを8つご紹介します。
①花紙を使って作る製作
柔らかい花紙は1歳の子どもでも簡単にクシャクシャと丸めることができる優しい肌ざわりです。お内裏様は寒色系、お雛様は暖色系の花紙を用意しておくとコントラストが綺麗です。
・花紙(暖色系と寒色系に分けておく)
・透明のビニール袋(透明なプリンカップでも可)
・お内裏様とお雛様の顔(目と口は子ども達が描くいておく)
・冠と釵子(さいし)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・笏(しゃく)と桧扇(ひおうぎ)型に切った画用紙(折り紙でも可)
作り方
①2つの透明ビニール袋の中に、それぞれ暖色系の花紙と寒色系の花紙を詰めていきます。
②①の空気を軽く抜きながら保育者が縛ります。
③縛り口が隠れるようにお内裏様とお雛様の顔を貼りつけます。(裏に両面テープを貼っておく)
④お内裏様に冠と笏、お雛様に釵子と桧扇をそれぞれ貼りつけたら完成です。(裏に両面テープを貼っておく)
②はじき絵で作る製作
クレヨンの油分が絵具をはじいて作るはじき絵。色を重ねてもはじいていく様子を発見して夢中になる子も。
クレヨンは他の色を塗りつぶしてしまわないように、黒やこげ茶といった濃い色を抜いておくと仕上がりが綺麗です。
・クレヨン
・スモッグ
・絵具一式(お内裏様は青、お雛様はピンク)
・画用紙(白の丸い画用紙を2枚)
作り方
①服が汚れないようにスモッグを着せておきます。
②画用紙にクレヨンで好きなようになぐり描きをします。
③薄めた絵具でクレヨンで描いた絵の上から色を塗っていきます。
④乾かしたら、保育者が画用紙を半分に折りたたみ、お内裏様とお雛様の顔を貼り付けて完成です。
③ドットシールを貼って作る製作
保育園にあるドットシール(丸シール)を使った製作です。
ドットシールは大・中・小・極小とサイズ色も豊富にあるので、子どもの指先の発達状況に合わせて大きさを選んであげるといいですね。
・ドットシール
・着物に見立てた紙皿(画用紙でも可)2枚
・お内裏様とお雛様の顔
・冠と釵子(さいし)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・笏(しゃく)と桧扇(ひおうぎ)型に切った画用紙(折り紙でも可)
作り方
①着物に見立てた紙皿にさまざまな色や大きさのドットシールを貼っていく。
②裏に両面テープを貼っておいたお内裏様とお雛様の顔を紙皿の縁に貼り付ける。
③中央に冠と笏、釵子と桧扇をそれぞれに貼り付けて完成。
④折り紙で作る製作
折り紙を折るのがまだ難しい1歳児さんには、ちぎった折り紙を貼っていく製作がおすすめです。
保育者が直前にのりを塗ったり、両面テープを剥がしたりし、その上から子ども達が折り紙を置くようにして貼り付けていきます。
・着物に見立てた画用紙2枚
・お内裏様とお雛様の顔
・ドットシール(黒の小シール2つ、赤の大シール1つを半分に切ったもの)
・冠と釵子(さいし)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・笏(しゃく)と桧扇(ひおうぎ)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・ちぎった折り紙(和柄の折り紙)
作り方
①お内裏様とお雛様の顔に黒の小シール2つと赤の大シール1/2を貼って顔を作る。
②着物に見立てた画用紙に両面テープをあらかじめ貼っておくか、直前にのりを塗る。
③ちぎった折り紙を乗せて貼り付けていく。
④③が乾いたら顔をそれぞれ貼り付ける。
⑤冠と笏、釵子と桧扇を貼り付けたら完成。
⑤タンポ押しで作る製作
ポンポンポンとテンポ良く押しながら色が付くのを楽しむタンポ押しもおすすめです。
何色か分けて作って置くとカラフルになりますね。同じところに何度も押してしまう子には「ここも空いているよ」と保育者が指で押してほしい箇所に誘導してあげてもいいですね。
・タンポ
・絵具
・着物に見立てた画用紙2枚
・お内裏様とお雛様の顔
・冠と釵子(さいし)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・笏(しゃく)と桧扇(ひおうぎ)型に切った画用紙(折り紙でも可)
作り方
①着物に見立てた画用紙に好きな色の絵具をつけたタンポでポンポン押して模様をつける。
②①が乾いたら、お内裏様とお雛様の顔を貼り付ける。
③冠と笏、釵子と桧扇をそれぞれに貼り付けたら完成です。
⑥コーヒーフィルターで作るにじみ絵製作
和紙やコーヒーフィルターを使ったにじみ絵で製作する方法をご紹介します。
乾かす際には新聞紙などに広げると全体的に水が広がりますが、洗濯ばさみのついたピンチなどに吊るすと水が下に降りてきて下の方だけににじんだり、紙自体が丸まってしまう場合がありますので注意しましょう。
・コーヒーフィルター2枚(和紙でも可)
・水性ペン
・水を入れた霧吹き
・新聞紙
・お内裏様とお雛様の顔
・冠と釵子(さいし)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・笏(しゃく)と桧扇(ひおうぎ)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・両面テープ
作り方
①コーヒーフィルター2枚にそれぞれ水性ペンでなぐり描きをする。
②新聞紙の上に①を広げ、水を入れた霧吹きで全体的に水を吹きかける。
③②を乾かしておく。
④②が乾いたら、両端を内側に折り曲げ、両面テープで留める。
⑤お内裏様とお雛様の顔をそれぞれ貼り付ける。
⑥冠と笏、釵子と桧扇をそれぞれ貼り付けたら完成です。
⑦指スタンプで作る製作
自分の指だけで模様をつけていく指スタンプは、絵具や画用紙の感触や指先をつけ押してできるスタンプの形を楽しみながらできる製作です。
ご紹介したサイトでは画用紙を巻きつけてから指スタンプをしていますが、指スタンプをしながら紙コップを回していくというのは右手と左手の動きが複雑な為、最初に指スタンプをしてから画用紙を巻きつける方法の方が1歳児には向いています。
・紙コップ
・画用紙
作り方
①紙コップの底に数㎝残して切り込みを入れる。
②底を起こしてクレヨンで顔の絵を描く。
③画用紙を紙コップが包める大きさにカットする。
④紙コップの周囲に画用紙を着物に見立てて貼り付ける。
⑤紙コップの底からはみ出した部分をハサミでカットする。
~ここまで保育者が終えておくことをおすすめします~
⑥絵具を指につけ、画用紙にスタンプしていく。
⑦冠と笏、釵子と桧扇をそれぞれ貼り付けたら完成です。
⑧手形や足型で作る製作
手形や足形を着物に見立てて作る製作は、子どもが主体的に行うというよりはその時期の手やの大きさの記録を残しておくという意味合いが大きくなってしまいがちです。
その際には、金の屏風にシール貼りをしたり、指スタンプをしたりと子どもが主体的に行うことができる製作と組み合わせるのもいいですね。
子どもの顔写真と手形・足型、製作を組み合わせることで、子どもの成長とその時期に楽しんだ製作の思い出が残りますよ。
・背景を貼り付けた台紙
・子どもの写真
・子どもの手形と足型
・背景に貼り付けるシールなど
・冠と釵子(さいし)型に切った画用紙(折り紙でも可)
・笏(しゃく)と桧扇(ひおうぎ)型に切った画用紙(折り紙でも可)
作り方
①背景を貼り付けた台紙にシールを貼る。
②子どもが男の子の場合には顔写真+画用紙で作ったお雛様の顔を、子どもが女の子の場合には顔写真+画用紙で作ったお内裏様の顔を貼る。
③手形と足形を着物に見立ててそれぞれの顔の下に貼る。
④冠と笏、釵子と桧扇をそれぞれ貼り付けたら完成です。
まとめ
今回は「ひな祭りの由来や込められた願いについて」「子ども達にひな祭りについて楽しく伝える方法4つ」「1歳児でも楽しくできる簡単な製作を8つ」ご紹介しました。
3月3日のひな祭りは、子ども達の健やかな成長を願う伝統行事の一つです。
周りのお友達や先生方と一緒に日本の伝統行事を楽しく学び、親しむ良い機会をもつことができるのは保育所ならでは。
1歳の子ども達にわかりやすく伝えると共に、製作を通してひな祭りを楽しんでみて下さいね。

