成長とともにできることが増え、活動範囲が広がっていく1歳児。いろいろなことに好奇心を持ち、興味のあること・ものには積極的に近づいていく姿が見られます。

そんな1歳児の成長に合ったおもちゃにはどのようなものがあるのでしょうか?

この記事では、1歳の発達過程とその成長に合わせたおもちゃ作りのメリット、おすすめの手作りおもちゃ8選についてご紹介します。

1歳児ってどのような成長がみられるの?

1歳頃になると産まれたときと比べて身長は約1.5倍、体重は約3倍となるといわれています。

発達に関しては「何歳までに〇〇ができなければいけない」というものではなく、ほとんどの子どもができるようになる目安としてみるようにしましょう。

保育者は発達の順序性、方向性、個体差等を充分に理解した上で、目の前の子どもがどの段階にいて、どのような援助を必要としているかを考えながら保育を行っていくことが大切です。

それを踏まえた上で、1歳児の成長についてみていきましょう。

1~1歳半にみられる発達過程

微細運動 握る・つまむ・叩く・押す・なぐり描きをする・2~3個の積み木を積む
粗大運動 つかまり立ちをする・一人で立つ・歩く・はいはいで階段を上がる
感覚・言葉 『ちょうだい』等の簡単な指示がわかる・単語を言う・形や色、音に違いがあることに気づく

1歳半~2歳にみられる発達過程

微細運動 つまむ、ねじる・つまんで引く
粗大運動 歩行が盛んになる・しゃがむ・物を持って歩く・ボールを投げる、蹴る
感覚・言葉 名前を呼ばれると返事をする・二語文を言う・リズムに合わせて体を動かせる

1歳児が好んでやりたがる行動とそれにつながる遊びとは?

保育者との信頼関係をもとに、さまざまなことに興味・関心を高めながら探索行動が盛んになってきます。

そんな1歳児が好んでやりたがる行動にはどのようなものがあるのでしょうか?また、それにつながる遊びとはどのようなものでしょうか?

先にご紹介した発達過程も参考にしながらみていくと理解しやすくなりますよ。

1歳~1歳半の子どもが好む行動とそれにつながる遊びの例

1歳~1歳半の子どもが好む行動 1歳~1歳半の子どもが好む行動につながる遊びの例
握る・落とす ポットン落とし、玉落とし、ボールプール等
握る・振る・音の違いがわかる マラカス、鈴などのリズム遊び等
積み木を積む・色の違いがわかる タワーカップ、色合わせ積み木
叩く・音の違いがわかる タンバリン、太鼓などのリズム遊び等
立つ・歩く・はいはいで登る マット運動、滑り台、トンネル等

「握る・落とす」の遊びの例として、ポットン落としや玉落とし、棒落とし、チェーン落とし等が挙げられます。

同じような動きではありますが、素材を変えることで握った時の感触や落ちていくスピード、落とした時の音に違いがでます。

五感への刺激、動作と追視の連動といった機能の発達を促すためにも、同じような遊びでも素材を変えて遊んでみるのもおすすめです。

1歳半~2歳の子どもが好む行動とそれにつながる遊びの例

1歳半~2歳の子どもが好む行動 1歳半~2歳の子どもが好む行動につながる遊びの例
つまむ・引く・置く 絵本、クレヨン、型はめパズル、シール貼り等
つまむ・ねじる・ちぎる 粘土遊び、新聞紙遊び、ファスナーのおもちゃ等
歩行が盛んになる まてまて遊び、広い場所での自由歩行等
物を持って歩く 引き車、見立て遊び、人形遊び等
ボールを投げる・蹴る ボール遊び、玉入れ等

腕や足に力がつき、2歳近くにもなると走ったりジャンプしたりといった動きができる子も増えてきます。

また、指先を使ってつまみながらねじったりといった細かい動きもみられます。

保育では、全身を思い切り動かして遊ぶ「動」の遊びと、座って集中して行う「静」の遊びをバランスよく行っていくと良いでしょう。

成長に合わせておもちゃを手作りするメリットとは?

1歳児向けにおもちゃを手作りするのであれば、保育の視点から考えて子どもたちが楽しみながらも成長を促してくれるものが理想的ですね。

保育者が子どもの成長に合わせておもちゃを手作りするメリットには次のようなものが挙げられます。

個人差に応じたおもちゃ作りができる

保育者は日々子どもたちの様子をみているため、どの子がどのようなことに興味を持っているか、どのような発達を促していきたいかという視点でおもちゃを選択することが可能です。

市販のものを揃えるとなると金額的にも大変で、作り変えることはできませんが、手作りであれば子どもたちに人気のキャラクターに似せたり、指や手の平の大きさに合わせたりと、個人差に応じて人数分を作ることができます。

同じ1歳児でも、4月生まれと3月生まれでは約1年もの差がありますので、子どもの成長に合わせて工夫することができるのは保育者ならではないでしょうか。

安心・安全なおもちゃを作ることができる

市販のおもちゃの場合、玩具安全基準合格を表す「STマーク」が表示されているものであれば安心して使うことができます。

しかし、STマーク申請のされていない海外製のおもちゃも出回り、安全基準を満たしているかの判断に迷うものもあります。

保育者が手作りするおもちゃであれば、化学薬品を用いたり、子どもが誤飲してしまうような小さな部品を扱うといったことも避けることができます。

また、使うたびに消毒したり、壊れたものは修理することもできるため、安心・安全なおもちゃを作ることが可能です。

身近な材料を用いて、作り直しも簡単

保育者が手作りするおもちゃでは、トイレットペーパーやラップの芯、ティッシュペーパー等の空箱、ペットボトルといった身近で大量に集めやすいものを扱うことが多いのではないでしょうか。

可愛くするために布や画用紙、シールを使ったり、耐水性を高めるために透明な梱包テープを使用するとしても100円均一のお店を活用して安価に済ませることも可能です。

そのため、壊れてしまっても作り直しをするのが簡単だといえますね。

身近な材料で!おすすめの手作りおもちゃ8選

ここでは1歳児向けに保育者が手作りするのにおすすめのおもちゃを8つご紹介します。

子どもたちが楽しんで遊んでくれたり、集中して何度も試してみる姿を想像しながら作ると、作る方もワクワクしますね。

もし乳アレルギー児がクラスにいる場合には、牛乳パックではなく麦茶や緑茶の紙パックで代用するなど、アレンジしてみて下さい。

①ペットボトルマラカス

握って振って音を楽しむおもちゃです。

ペットボトルは透明になっているので、振った時の中の様子が見えるのも楽しいおもちゃです。中に入れるものを鈴やどんぐり、お米に変えて音の違いを楽しんでみて下さいね。

②タッパーでポットン落とし

100円均一で購入したタッパーに穴をあけて使用します。指を切ってしまうことがないように、切り口の処理は忘れずに行ってください。

穴の大きさは落とすもののサイズに合わせたり、少し大きめに切ったりと子どもの様子をみながらサイズを変えてみてもいいですね。

落とすものをペットボトルのフタを2こ貼り付けたものやチェーン、棒などとパターンがいくつかあっても面白いですよ。

③保冷剤でセンサリーバッグ

センサリー(sensory)とは、日本語で「感覚」という意味です。ここでは保冷剤を使用していますので、保冷材特有のプニョプニョした感覚を楽しむことができます。

保冷剤が漏れてしまうことがないように、透明バッグはきちんとジッパーを閉じておき、梱包テープなどでしっかりと固定した上で、さらに二重に透明バッグを被せると安心です。

食紅や絵の具を少量混ぜて「色」を楽しむのもいいですね。ビーズやスパンコールを入れる場合には、角の尖っていないものを選んでおくと破れる心配がありません。

④牛乳パックでカスタネット

牛乳パックの折り目を利用した簡易的なカスタネットです。

どれだけ可愛くできるかは作る人の腕次第!子どもたちの好きなキャラクターや動物のイラストにしてあげると子どもたちも喜んでくれることでしょう。

⑤ミルク缶で太鼓

ミルク缶はよく洗って乾かしておきます。太鼓のバチには、割りばしの先に軽く丸めたコットン(大人の片手の平ほどの量)をあて、上からガーゼを被せて輪ゴムでしっかりと止めたものでも大丈夫です。

このバチは、そのまま「タンポ押し」としても使うことができるので、たくさん作っておくと便利ですよ!

ミルク缶で太鼓を手作り!乳児さんから遊べる手作りおもちゃ

⑥トイレットペーパーの芯で双眼鏡

トイレットペーパーの芯の先にカラーセロファンを貼り付けて、いつもの景色を違う色で見てみることを楽しむ遊びです。

双眼鏡をのぞき込んでいる時の子どもたちは周囲の状況が見えにくくなっているため、転んだり、ぶつかったりしないようにある程度の距離をとらせておきましょう。

⑦牛乳パックで合わせ積み木

牛乳パックの周りに画用紙やキャラクターを貼って、色合わせやキャラクター合わせをしながら積んでいくのも楽しいですね。

上手に積むことができたら、保育者も一緒にできた喜びを共有しましょう。

⑧牛乳パックでお散歩ワンワン

歩行が安定してきたら牛乳パックを使って「お散歩ワンワン」を作ってみてはいかがでしょうか?

首を上下に揺らす様子が面白くて、何度も振り返ってしまいますね。

まとめ

1歳児の成長と好んでやりたがる行動をもとにおすすめのおもちゃを8つご紹介しましたがいかがでしたか?

体の発達とともにできることも増え、活動範囲も広がっていく1歳児。

まだまだ目が離せない年齢ですので、保育者は遊びの際には傍で見守りながら優しく声をかけ、一緒に楽しみながら丁寧に関わっていきたいものです。

手作りおもちゃを使用するときには、誤飲の恐れはないか、壊れて危ないところはないか常にチェックしておいて下さいね。

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