子ども達に成長に合った手作りおもちゃを作ってあげたいと考える保育士さんは多いでしょう。

そんな時におすすめの素材がフェルトです。フェルトは比較的、安価で手に入りやすく、触り心地も良いです。

では、フェルトを使った手作りおもちゃには、どのようなものがあるのでしょうか。

この記事では、簡単にできる子どもが大好きな手作りフェルトおもちゃ9選と保育に取り入れるメリットや注意点を解説します。

フェルトおもちゃを手作りする3つのメリット

保育の中でフェルトおもちゃを手作りするメリットは主に以下の3つです。

  • 子どもの興味に合わせたおもちゃが作れる
  • フェルトの感触を楽しめる
  • 衛生管理がしやすい

それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。

子どもの興味に合わせたおもちゃが作れる

フェルトおもちゃ以外にも言えますが、手作りおもちゃの1番のメリットは子どもの興味に合わせたものが作れる点です。

その時の子どもの興味に合わせて、色味を変えてみたり、デザインを変えてみたりできるのが手作りおもちゃの醍醐味とも言えます。

また、すぐに手に入りやすく、扱いやすいフェルトであれば、子ども達のその時の興味に合わせて、さっと手作りしやすいですね。

成長、発達に見合ったおもちゃを提供できると、保育士としてのやりがいをさらに感じるでしょう。

フェルトの感触を楽しめる

フェルトの感触が味わえるのも子ども達にとって大きなメリットになります。

五感での刺激が大切な乳幼児期。フェルトの優しい感触を好み、落ち着く子どももいるでしょう。

フェルトに何か縫い付けたり、中に綿を入れてみたりと、アレンジ次第でフェルトの感触の楽しみ方も広がります。

衛生管理がしやすい

おもちゃは、何かと汚れてしまうものです。

例えば、布物のおもちゃは、定期的にお洗濯をしている保育園がほとんどではないでしょうか。

しかし、フェルトは、洗濯もしやすく、丈夫な素材です。

そのため、洗濯をしても長持ちするのが特徴のうえ、最初にしっかりと丈夫に作れば、通年使うことができます。

また、仮に破れてしまったり、汚れがひどかったりする場合でも簡単に作り直すことができる点もおもちゃ作りに適していると言えます。

簡単手作りフェルトおもちゃ9選

おもちゃ作りにおいてさまざまなメリットのあるフェルトですが、実際にはどのようなおもちゃが作れるのでしょうか。

以下ではフェルトで作れる、簡単な手作りおもちゃを9つ紹介します。

ボタンつなぎ

【用意するもの】
フェルト
ボタン
ミシン
ミシン糸
厚紙

【作り方】
厚紙を魚の形に切って、型紙を作る
型紙をフェルトの上に置き、フェルトに印をつける
印をつけたフェルトの下にもう1枚フェルトを重ねる
印をつけたフェルトにボタン(目)を縫い付ける
魚の形に沿って、ミシンで縫う
ミシンで塗った外側の部分を切り、魚の形に切り取る
尾びれ側にボタンホールを作り、穴を開けて完成
※強度を上げたい時には、4で下に重ねたフェルトにも一緒に縫い付けても良い

【ポイント】
年齢は、ボタンのかけ外しに興味を持ち始める、1~2歳児クラスがおすすめ
フェルトの色を何色か準備すると遊びが広がる
フェルトは、最初から魚の形に切らず、周りを縫ってから切ると作りやすい

しかけ絵本

【用意するもの】
※作りたい仕掛けによって、材料も変わります
フェルト

縫い糸
丸紐
靴紐
ファスナー
マジックテープ
スナップボタン
ボタン

【作り方】
大きなフェルト1枚を1ページにして、フェルトや他の材料で各ページの仕掛けを作る
作ったページを縫い合わせ、絵本にして完成
ページの例:
フェルトでペリカンの顔を作り、黄色のファスナーを縫い付ける
フェルトで食べ物を作り、裏にスナップボタンを縫い付ける。ページにもスナップボタンを縫い付け、つけはずしができるようにする
フェルトでスニーカーを作り、切り込みを入れて、紐を通し、靴ひものようにする
間隔を開けてボタンを縫い付け、紐を引っ掛け蜘蛛の巣を作る

【ポイント】
仕掛けを変えることで、0~5歳児まで楽しむことができる
絵本として閉じず、仕掛けページとして楽しむのもあり

サンドイッチ

【用意するもの】
フェルト
刺繍糸

接着芯厚手
綿
セロハンテープ

【作り方】
各食材を型紙に沿って、切り取り縫い合わせる
フェルトに張りを出したい時には、接着芯を使う
食パンはパンの白い部分を型紙通り、四角く切る
茶色のフェルトで、パンの周りに合わせた輪を作り、白いパンを囲むように縫い付けまる
チーズは四角く切り、耐久性を持たせるために、2枚重ねにして縫い合わせる
ハム、レタスも5と同様
他にも目玉焼き、トマト、玉ねぎ、えび、ピーマン、アボカドなどを準備しても良い

【ポイント】
0~5歳児と幅広い年齢で楽しめる
作りたい野菜によって、綿を詰めたり、接着芯を使用すると立体的に仕上がる

神経衰弱

【用意するもの】
フェルト
刺繍糸

マジックテープ

【作り方】
大きめのフェルトを2枚準備する
1枚に3×3の全部で9つ、四角く切り取って、穴を開ける(窓のようなイメージ)
穴を開けたら、縁を2枚重ねて縫い合わせる
別のフェルトで、切り取ったサイズより少し大きめの四角を18枚切る
4のフェルトは、重ねて縫い合わせる
5で完成したものを、先程の切り抜いた四角の部分を隠すように重ね、上側のみ縫い付ける(めくれる様にする)
窓の中にマジックテープを縫いつける
窓の中に収まるサイズで、好きな動物や食べ物などを2つずつ作る。裏にはマジックテープを縫い付ける
好きな場所にマジックテープで付けて隠す
神経衰弱の要領でめくって、絵柄を合わせて遊ぶ
マジックテープで付け外しができるので、場所や中のもを変えて繰り返し遊べる

【ポイント】
中に隠すものを工夫すると、0~5歳児まで楽しめる
大きめのフェルトが準備できれば、3×3だけではなく、4×4や5×5など、めくる部分の数を増やしても難易度が上がり、楽しめる

電車の紐通し

【用意するもの】
フェルト
ストロー
紐またはヘアゴム
縫い糸

【作り方】
フェルトを7×5のサイズに、ストローも5㎝の長さに切る
小さく四角く切ったフェルトを6つ縫い付ける(電車の窓になる)
黒色のフェルトで小さい丸を4つ作り、縫い付ける(車輪になる)
ストローを中央に置いて、フェルトとストローを縫い付ける
半分に折って、縁を縫い合わせたら完成
※画像のように粘着タイプのフェルトや厚紙でパーツを作ると、さらに簡単に作れますが、洗濯はできません。

【ポイント】
手先の遊びを取り入れたい乳児期におすすめ
同じくストローを挟む仕組みで作ると、電車以外の車や動物の形などでアレンジ可能
紐通しの難易度はストローや紐の太さで調整できる

魚釣り

【用意するもの】
フェルト
綿
クリップ
磁石
棒(割り箸など)

ボンド
セロハンテープ
縫い糸

【作り方】
魚などの型紙に沿って、フェルトを切り、縫い合わせていく(フリー素材などの魚のイラストでOK)
両面作る
2にクリップを挟み、先端を少し出して縫い合わせ、魚の完成
割り箸に紐をつけて、紐の先端にセロハンテープで磁石をつける
割り箸にボンドでフェルトを貼り付けて釣竿を作る
磁石をフェルトでくるみ、縫い合わせたら釣竿も完成

【ポイント】
1〜5歳児まで楽しめる
魚を立体的にする場合は少量の綿を入れても良い
釣竿はボンドやテープを使っているため、洗濯不可

おにぎりスナップ

【用意するもの】
フェルト
スナップボタン
縫い糸

【作り方】
白のフェルトを四角切る(おにぎり1つに対して2枚)
黒いフェルトを切り、1のフェルトの1枚に縫い付ける
黒いフェルトを縫い付けていない方の白いフェルトの角2カ所にスナップを縫い付ける
2枚のフェルトをスナップ側と黒いフェルトが付いている方を表同士で合わせる
2枚のフェルトの縁を縫い合わせて完成

【ポイント】
スナップのつけ外しを練習する乳児期におすすめ
スナップを縫い付ける側におにぎりの具材を縫い付けると更に楽しめる

フタつなぎ

【用意するもの】
フェルト
ペットボトルのフタ
マジックテープ
縫い糸

【作り方】
ペットボトルのフタを2つ合わせてくっつける
くっつけたペットボトルのフタの幅に合わせてフェルトを切り、筒状に縫い合わせる
縫い合わせた筒状の中にペットボトルのフタを入れる
ペットボトルのフタより少し大きめに丸く切り、マジックテープを縫い付ける
4を2枚作ったら、筒状のフェルトを包む用にそれぞれ2枚縫い付けて完成

【ポイント】
くっつける、引っ張るの動作を練習したい乳児期におすすめ
重ね合わせるペットボトルのフタの中に鈴やビーズを入れると音が鳴る
フタを貼り合わせる時にはビニールテープだと手軽にできるが、洗濯を考える場合はグルーガンなど、水に強い素材がおすすめ

三つ編みセット

【用意するもの】
フェルト
丸紐3色
縫い糸

【作り方】
フェルトで好きな形(星などのモチーフや食べ物、動物なんでもOK)を作る
1と同じ形をもう1枚切る
3本の丸紐を三つ編みができるくらいの同じ長さに切り結ぶ
引っ掛ける部分の丸紐も1本切る
3の結び目と4で切った紐を輪っか状にして、中に入れて、1と2のフェルトで挟みこむ
挟みこんだまま、周りを縫い合わせて完成

【ポイント】
三つ編みの練習をしたい2〜5歳児向けの知育玩具
部屋に引っ掛けられるフックを作ると、引っ掛けられる輪の部分をかけて、簡単に遊べる

手作りフェルトおもちゃを作る時の3つの注意点

手作りおもちゃとして、取り入れやすいフェルトですが、以下のような注意点もあります。

  • 年齢に合わせておもちゃを作る
  • 細かいパーツは使わない
  • 使う材料に気をつける

年齢に合わせおもちゃを作る

発達段階や成長段階、クラスの雰囲気などに合わせて、年齢に合ったおもちゃを作る必要があります。

せっかく作ったおもちゃでも、子ども達が楽しむことができなければ意味がありません。

また、手作りするのであれば、子ども達の興味に合わせたデザインや、どの場所でどのように遊ぶのかを想定して作ることが大切です。

そのため、少しずつ難易度をあげるなど、同じタイプのおもちゃでも発達段階に応じて作るようにするのも良いでしょう。

細かいパーツは使わない

フェルトで手作りおもちゃを作る時には、誤飲の危険性もあるため、可能な限り細かいパーツは使わないようにしましょう。

例えば、しっかりと縫い付けても、使っていくうちに劣化して取れやすくなることもあります。

したがって、万が一のリスクを避けるためにもなるべく細かいパーツは避けて作るようにすると良いでしょう。

使う材料に気をつける

フェルトで手作りおもちゃを作る時には、使う材料に気を付ける必要があります。

繰り返し洗濯をして使えるのが、フェルトのおもちゃのメリットです。

しかし、テープや段ボール、のりなど洗濯できない素材を合わせて使ってしまうと、衛生管理が難しくなります。

また、素材によっては縫いにくかったり、取れやすかったり、付きにくいものもあるため、使用するフェルトと相性が良いか確認しておくようにしましょう。

まとめ

簡単にできる、子どもも大好きな手作りフェルトおもちゃ9選と保育に取り入れるメリットや注意点を解説しました。

手に入りやすく、扱いやすいフェルトは、保育の手作りおもちゃを作るにはピッタリの素材の1つではないでしょうか。

何より、子どもが興味を持ったタイミングですぐに作ることのできる点が大きな魅力ですね。

子ども達に多くのメリットのある手作りフェルトおもちゃ。気軽に保育に取り入れ、子ども達と一緒に楽しんでみてくださいね。

Share.

子育て・教育・介護・医療・健康・LGBT・教養・法律など福祉を中心にしたテーマを発信する専門家集団です。各分野の専門家の意見や取材、キュレーションを通じて、幅広い視点で子育て世帯・介護世代に情報価値を提供します。日本の福祉の未来をつなぐ架け橋として活動を行っています。

Exit mobile version