現在、地域の子育てにかかわる事業所に対して子育てへの支援がスムーズに行えるように子ども・子育て支援交付金制度があります。

この助成を活用していくことで地域の子育てに関係する事業を地域で支えられます。

今日では、子育てに関する13事業を対象に子ども・子育て支援交付金を支給しています。

本記事では子ども・子育て支援交付金とはどのような交付金なのか?どのような事業に対して支給されるのかを解説します。

子ども・子育て支援交付金とは?

子ども・子育て支援交付金とは、市町村が子育てを目的に実施する事業に対して必要な費用を当てる交付金です。

とくに幼児期の教育や保育、一時預かり事業などが該当します。

令和3年度の国の予算案では、1,673億円が計上されました。この予算から各自治体に子育て支援事業に対して配分されます。

子ども・子育て支援交付金が実施される目的

子ども・子育て支援交付金が実施される目的は、子ども子育て支援法に基づき地域の子ども・子育て支援事業を支援することです。

地域の子育て事業を支援することによって、全国の子どもに対して子育てがしやすい地域の推進を目指すことが大きな目的とされています。

子ども・子育て支援交付金を申請できる13の事業

子ども子育て支援交付金を受け取ることのできる事業は、地域の子育てを支援している次の13事業となります。

  • 利用者支援事業
  • 延長保育事業
  • 実費徴収に伴う補足給付を行う事業
  • 多様な事業者の参入促進・能力活用事業
  • 放課後児童健全育成事業
  • 子育て短期支援事業
  • 乳児家庭全戸訪問事業
  • 養育支援訪問事業
  • 子どもを守る地域ネットワーク支援事業
  • 地域子育て支援拠点事業
  • 一時預かり事業
  • 病児保育事業

以下では、支援対象となる13の事業の概要を解説します。

ご自身が運営している事業がどの事業にあたるかあらかじめ把握しておきましょう。

利用者支援事業

利用者支援事業とは、子ども・保護者・妊娠している方を対象に地域の教育を利用できるように情報提供や相談を通じて支援する事業のことです。

子育てに困っている家庭のニーズを把握したり情報を集約したりして、必要に応じて相談や助言をしながら、幼稚園や保育園及び地域子育て支援事業と家庭を結びつける役割を担っています。

延長保育事業

延長保育事業とは、保育認定の子どもに対して通常の利用時間を超える時間や日に引き続き保育をおこなうための費用を補助しています。

各家庭の事情で、例えば急な残業や休日出勤など、通常の保育時間以外で、保育所で子どもを預かることが必要になることもあるでしょう。

そのような時に延長保育制度を導入している保育園は、延長保育を導入していない保育園よりもさまざまな費用が必要になります。

そのため、国は延長保育事業を導入している保育園の一部費用に対して支援をおこなっているのです。

実費徴収に伴う補足給付を行う事業

実費徴収に伴う補足給付を行う事業とは、幼稚園や保育園で使う文房具や日用品などの教育保育に必要な物の購入費用を補助してもらうことが可能です。

実費徴収に伴う補足給付を行う事業に対する子ども・子育て支援交付金では、保護者の世帯所得状況に応じて全額または一部補助を補助してもらうことになります。

多様な事業者の参入促進・能力活用事業

多様な事業者の参入促進・能力活用事業とは、新たに子育て事業に参入したい事業者の助言をしていく事業のことを指します。

これまでよりも幅広い事業者を参加促進させていくことを目的とし、例えば保育施設の設置についてや保育所の運営方法など助言します。

さらに新たな民間事業者を参入促進するための調査研究も子ども・子育て支援交付金の対象となります。

放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)

放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)とは、保護者の就労等の理由で放課後や夏休み等の長期休業中に児童を預かる事業を指します。

放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)を運営しているのであれば、子ども・子育て支援交付金の対象になります。

子育て短期支援事業

子育て短期支援事業とは、短期間の間に子どもを児童養護施設等に一時的に入所させたり預かったりする事業のことです。

短期間とは、保護者が出産や病気が理由で、家庭から養育するのが一時的に難しくなったような場合をさします。

乳児家庭全戸訪問事業

乳児家庭全戸訪問事業とは、生後4ヶ月までの乳児のいるすべての家庭を対象に、保健師や助産師が訪問し、子育てに関する情報提供や養育環境を把握する事業です。

保健師や助産師がまずは子育てに関する悩みや困っていることを聞いたり、子育てへのニーズを把握します。

さらに子育てが難しい家庭を把握し、子どもが健やかに育つための情報収集をおこないます。

養育支援訪問事業

養育支援訪問事業とは、乳児家庭全戸訪問事業でわかった特に子育て支援が必要な保護者に対して、さらに養育支援していく事業です。

乳児家庭全戸訪問事業と同様、養育支援訪問事業も子ども・子育て支援交付金の支援対象となります。

子どもを守る地域ネットワーク支援事業

子どもを守る地域ネットワーク支援事業とは、子どもを守る地域ネットワーク機能を強化するために職員の専門性を高めたり、他のネットワーク機関との連携を強めたりする取り組みをおこなう事業を指します。

地域ネットワーク機能を高めることで、児童虐待の発生予防や、子育て支援が必要な家庭を早期発見できることに期待されているため、子ども・子育て支援交付金の対象となっています。

地域子育て支援拠点事業

地域子育て支援拠点事業とは、小学校に入る前の児童とその保護者が交流する場を提供する事業です。

家庭だけでは子育てが孤立し、保護者だけで悩みを抱え込んでしまうという課題がありました。

そこで、地域の同じ子育てをしている親子同士の交流促進などを子育て支援センターを活用し、子育て中の親の孤立そして負担感を軽減させることが可能な取り組みです。

一時預かり事業

一時預かり事業とは、家庭で一時的に保育が困難になった乳幼児に対して認定こども園や保育園、幼稚園、地域子育て支援拠点等で一時的に子どもを預かる事業です。

この地域子育て支援拠点事業もまた子ども・子育て支援交付金の対象となります。

病児保育事業

病児保育事業とは、子供が病気中に保育所での預かりが難しい時に病院等の専用施設で一時的に保育や看護ケアする事業です。

この事業では看護師が病院や保育所内の専用スペースで、保育を一時的におこないます。

地域子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)

地域子育て援助活動支援事業(ファミリー・サポート・センター事業)とは、子育ての援助を受けたいファミリー会員と子育ての援助をしたいサポート会員の双方を連絡や調整する事業です。

例えば子どもの送迎を希望している保護者と、送迎をサポートしたいという提携会員を繋げ、連絡調整をおこないます。

ファミリー・サポート・センターは区市町村から委託を受けた法人が運営することとなっています。

そのため、同センターで会員同士のマッチングや提供会員に対する研修を実施しながら保護者のニーズを満たすよう活動しています。

まとめ

今回は、子ども・子育て支援交付金がどのような制度なのかという点から支援対象となる事業を紹介しました。

子ども・子育て支援交付金は、単に事業を円滑に運営できるようになるだけでなく、地域の子どもを支える大きな力となるでしょう。

したがって、今回紹介した事業を運営しているのであれば、ぜひ子ども・子育て交付金を活用してみてください。

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