「子どもの頃に欲しかったおもちゃを、大人になってから買った」「子どもと一緒にガチャを見ていたはずなのに、自分のほうが集めるようになった」。そんな経験がある人は、決して珍しくありません。
子どもが減る一方で玩具市場が伸びている背景には、大人が自分のために玩具を楽しむ「キダルト」需要の広がりがあります。
一般社団法人 日本玩具協会によると、2025年度の国内玩具市場は希望小売価格ベースで1兆1,664億円、前年度比106.3%となりました。2019年度以降6年連続で過去最高を更新しています。少子化が進むなかでも、玩具市場そのものは拡大しているのです。
(参照:国内の玩具市場規模|一般社団法人 日本玩具協会)
その変化を「大人が子どもっぽくなった」と捉えるだけでは、本質を見誤ります。
ぬい活、推し活、ガチャ、ブラインドボックス、アートトイ、懐かしいおもちゃの再購入。いま起きているのは、「玩具=子どものもの」という境界そのものが変わっている現象です。
この記事では、キダルトとは何か、大人がおもちゃに夢中になる理由、子ども向け消費との違い、親子で楽しむときの考え方まで、子育て世代の生活に引き寄せて整理します。
目次
子どもは減っているのに、なぜおもちゃ市場は過去最高なの?
玩具市場が伸びている理由を、子どもの人口だけで説明することは難しくなっています。大人自身の趣味や収集、キャラクター消費など、購入者の裾野が広がっていることが重要です。
2025年度の玩具市場は1兆1,664億円
日本玩具協会によると、2025年度の国内玩具市場規模は1兆1,664億円で、前年度比106.3%となりました。
2019年度以降6年連続で過去最高を更新しており、現在の形で市場規模調査を始めた2001年度以降で最大です。玩具の中核となる主要10分野についても7,967億円、前年度比107.3%で過去最高となりました。
(参照:国内の玩具市場規模|一般社団法人 日本玩具協会)
さらに少し長い期間で見ると、変化はよりはっきりします。
野村證券が日本玩具協会と総務省統計局のデータをもとにまとめた分析では、2015年度から2024年度までの10年間で国内玩具市場は37.3%拡大した一方、日本の15歳未満人口は約13%減少しています。
同分析では、大人の玩具消費である「キダルト消費」が市場拡大のけん引役の一つとなっていることに加え、訪日外国人による需要も市場を押し上げる要因として挙げられています。
(参照:キダルト消費 少子化でも玩具業界の市場規模が拡大する理由|野村證券)
ここで注意したいのは、「少子化なのに市場が伸びた=すべてキダルトのおかげ」と単純化しないことです。
トレーディングカードやキャラクター商品など人気カテゴリーの成長、商品単価、インバウンドなど複数の要因が重なっています。そのなかで、大人が自分のために玩具を買う市場が存在感を増している、と考えるのが適切でしょう。
玩具を買っているのは子どもの親だけではない
市場の変化を象徴するのが、売り場そのものの変化です。
日本トイザらスは2026年7月17日、東京・上野マルイに、大人をメインターゲットとした「キダルト」専門店をオープンしました。
通常の子ども向け店舗とは異なり、コレクタブルフィギュアやブラインドボックス、キャラクターグッズ、スクイーズなど、大人が「自分のために」選ぶことを意識した売り場です。
(参照:日本トイザらス、上野マルイに「キダルト」向けショップをグランドオープン|日本トイザらス株式会社)
さらに同社によると、オープン初日は開店前から約100人が列をつくり、初日の売上高は計画比386%だったといいます。これは一店舗の実績であり市場全体を示す数字ではありませんが、「大人向け玩具」が独立した売り場として成立し始めていることを示す具体例です。
(参照:上野マルイに「キダルト」専門店をオープン|日本トイザらス株式会社)
玩具売り場は、子どもの誕生日やクリスマスプレゼントを探す場所だけではなくなりつつあります。
仕事帰りに自分のフィギュアを選ぶ。親子でガチャを回す。好きなキャラクターのぬいぐるみをバッグにつける。そうした行動が、ひとつの市場として見えるようになってきました。
「キダルト」とは?大人がおもちゃを買う市場が広がっている
キダルトとは「Kid(子ども)」と「Adult(大人)」を組み合わせた言葉で、大人になっても玩具やキャラクターなどを自分自身の趣味として楽しむ層を指します。
キダルト=「大人になれない人」ではない
「キダルト」という言葉だけを見ると、「子どものまま大人になった人」という否定的な印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし、現在の玩具業界で使われるキダルトは、もっと具体的な消費者層を表す言葉です。
プラモデルを作る。フィギュアを集める。ぬいぐるみを連れて出かける。昔好きだったキャラクターの商品を買う。ガチャのミニチュアを並べる。
楽しみ方は一つではありません。
玩具自体も、遊ぶためだけでなく、コレクション、インテリア、ファッション、アート、コミュニケーションなどへ役割を広げています。
「子ども向け商品を大人も買うようになった」というより、玩具というカテゴリーそのものが年齢を越えて広がっていると考えたほうが、現在の状況に近いでしょう。
国内では約535万人という推計も
株式会社ハピネットが2025年に18〜60歳の男女1,089人を対象として行った調査では、自分用に玩具を購入する「キダルト層」を全国で約535.4万人と推計しています。
同調査では、キダルト層の年間平均購入金額を1万4,574円とし、人口推計と組み合わせて市場規模を約780億円と推計しています。
(参照:キダルト人口は535万人規模と推定|株式会社ハピネット)
ただし、この約780億円と日本玩具協会の1兆1,664億円は、調査範囲や算出方法が異なります。「玩具市場の何%がキダルト」と単純計算できる数字ではありません。
それでも、「大人がおもちゃを買う」という行動が、ごく一部の愛好家だけで説明できない規模になっていることを考える材料にはなります。
ぬい活・推し活・ガチャも重なっている
興味深いのは、自分を「キダルト」と呼んでいなくても、実際にはそれに近い楽しみ方をしている人が多いことです。
たとえば「ぬい活」では、お気に入りのぬいぐるみを連れて出かけたり、旅行先やカフェで撮影したり、服を着せたりします。
推し活では、好きなアニメやアイドル、キャラクターのぬいぐるみ、フィギュア、アクリルスタンドなどを集めることがあります。
ガチャやブラインドボックスでは、「何が出るか分からない」という開封体験と、シリーズを集める楽しさが組み合わさります。
つまり、「キダルト」という単独のブームが突然生まれたというより、ぬい活、推し活、キャラクター文化、ガチャ、アートトイ、レトロ回帰などが重なり、大人と玩具の関係が見えやすくなったと考えることができます。
大人のコレクター人気から子どもにも認知が広がったLabubu(ラブブ)については、別記事で人気の背景や正規品、安全面について詳しく整理しています。
なぜ大人はおもちゃに夢中になる?5つの理由
大人がおもちゃを求める理由は「懐かしいから」だけではありません。過去の記憶、かつての憧れ、収集する楽しさ、自己表現、人とのつながりなど複数の理由が重なります。
理由1 子どもの頃の記憶に戻れる「懐かしさ」
大人向け玩具を考えるうえで、大きな要素の一つがノスタルジーです。
子どもの頃に遊んだキャラクター、ゲーム、カード、おまけ、文房具。久しぶりに目にした瞬間、その商品だけでなく、「誰と遊んだか」「どんな場所だったか」まで思い出すことがあります。
心理学では、ノスタルジーと、過去・現在・未来の自分につながりを感じる「自己連続性」との関係について研究されています。
(参照:How Does Nostalgia Conduce to Global Self-Continuity?|Personality and Social Psychology Bulletin / PMC)
ただし、ここから「懐かしいおもちゃを買えばストレスが解消される」「心が癒やされる」とまで断定することはできません。
玩具は、過去の記憶を呼び起こすきっかけになり得る。その程度に捉えておくのが適切です。
理由2 子どもの頃に買えなかったものを買える
大人になると、子どもの頃にはなかった「自分で選べるお金」を持つようになります。
「欲しかったけれど買ってもらえなかった」「一つしか選べなかった」「友達が持っていて羨ましかった」。そんな商品を、大人になった現在の自分が選び直すことがあります。
ハピネットのキダルト調査でも、玩具購入の理由には「子どもの頃から好きだった」「子どもの頃欲しかったが買えなかった」といった回答が見られます。
(参照:キダルト人口は535万人規模と推定|株式会社ハピネット)
これは単に大量に買えるようになったという話ではありません。
昔は選べなかったものを、現在の自分が自分の意思で選べる。そこにも大人がおもちゃを楽しむ魅力があります。
一方で、「昔買えなかった分まで全部欲しい」という気持ちと、現在の生活を圧迫するほど買うことは別です。大人だからこそ、自分なりの境界を決める必要があります。
理由3 集めること自体が楽しい
一つの商品が欲しいのではなく、「そろえること」そのものが楽しみになるのも玩具の特徴です。
カプセルトイ、トレーディングカード、ミニチュア、ブラインドボックスなどは、シリーズを並べることで一つの世界が完成します。
同じシリーズでも色や表情が違う。シークレットがある。次の商品が発売される。そこに継続して集める楽しさが生まれます。
一方、ランダム商品では「欲しいものが出るまで買う」という行動にもつながりやすいため、楽しさと予算管理は分けずに考えたいところです。
理由4 好きなものが自己表現になる
現在は、玩具やキャラクターを家の中だけで楽しむとは限りません。
ぬいぐるみをバッグにつける。推しカラーで持ち物をそろえる。アクリルスタンドと料理や風景を撮影する。SNSでコレクションを紹介する。
こうした行動では、玩具やキャラクターグッズが「自分は何が好きなのか」を表す小さなプロフィールのような役割を持ちます。
「何を持っているか」だけではなく、「何を好きだと表現するか」そのものが楽しみになっているのです。
理由5 子どもや仲間と「好き」を共有できる
子育て世代にとって、もう一つ見逃せないのが親子での共有です。
親が子どもの頃に好きだったキャラクターが再び商品化される。親子で同じゲームをする。ガチャを一緒に回す。昔のおもちゃを子どもに見せる。
こうした場面では、玩具が世代をつなぐ会話のきっかけになります。
編集長コメント
子どもが生まれると、おもちゃから離れるどころか、売り場へ行く機会が再び増える人も多いと思います。そこで「昔これが欲しかった」「自分もこれで遊んでいた」と再会することがあります。
子どもの流行を見ていて感じるのは、「子どもの文化」と「大人の文化」の境界が以前より曖昧になっていることです。親が子ども経由で新しいキャラクターやゲームを知る一方、親が好きだったものを子どもが新しく好きになることもあります。
キダルト文化は「子どもから離れた大人の趣味」としてだけではなく、親になることで玩具や遊びと再接続する現象として見ると、また違った姿が見えてくるのではないでしょうか。
子どものおもちゃと「大人のおもちゃ」は何が違う?
同じ商品でも、「子どものため」「親自身の趣味」「親子で共有するもの」では、購入目的や家庭での扱い方が異なります。
| 項目 | 子どものために買う | 大人自身のために買う | 親子で共有する |
|---|---|---|---|
| 主な目的 | 遊び・興味・体験 | 趣味・収集・自己表現 | 一緒に楽しむ |
| 選ぶ人 | 子ども+保護者 | 本人 | 親子 |
| 所有者 | 子ども | 大人 | あらかじめ決める |
| お金の考え方 | 子育て費・贈答費など | 趣味費 | 家庭内で整理 |
| 起きやすい悩み | 対象年齢・安全性 | 予算・収納 | 所有・貸し借り・扱い方 |
この表は市場統計ではなく、家庭で玩具を扱うときの考え方を整理したものです。金額や購入頻度で子どもと大人を分けるのではなく、「誰のために買ったのか」「家庭でどう扱うのか」を整理するほうが実用的です。
子どものために買う
子ども向け玩具では、「本人が欲しいか」だけでなく、対象年齢、安全性、遊び方、家庭で使えるかなど、保護者側の判断が入ります。
誕生日やクリスマスのプレゼントとして購入する場合もあり、玩具は家庭の子育て支出の一部でもあります。
そのため、「子どものものなら買えるけれど、自分のためになると急に必要性を考えてしまう」という親がいても不思議ではありません。
自分のために買う
大人自身が買う玩具は、基本的には趣味として考えることができます。
飾るフィギュアでも、ぬいぐるみでも、触感を楽しむスクイーズでも、「好きだから持っていたい」という理由があります。
大人がおもちゃを楽しむこと自体を「子どもっぽい」「無駄」と決めつける必要はありません。
ただし、家庭の生活費や必要な支出とのバランスは別の問題です。趣味として無理なく楽しめる範囲を決めておくと、罪悪感も整理しやすくなります。
親子で一緒に楽しむ
少し難しいのが、親子で共有するケースです。
親が買ったフィギュアを子どもが触りたがる。親子で集めたものなのに、レア商品だけ親が管理する。ガチャで当たったものが誰のものなのか分からなくなる。
こうした小さな行き違いは起こり得ます。
高価なものや壊れやすいものは、「これは大人のコレクション」「これは一緒に遊べるもの」「これはあなたのもの」と分けておくと、お互いに理解しやすくなります。
ぬい活・ガチャ・懐かし玩具――いま大人に刺さるのはどんなもの?
現在のキダルト文化は、昔のおもちゃの復刻だけではありません。ぬいぐるみ、ガチャ、ブラインドボックス、アートトイなど、新旧の玩具文化が同時に広がっています。
懐かし玩具・リバイバル商品
大人向け市場と相性がよいものの一つが、かつて子どもだった世代の記憶にある商品です。
昔のキャラクター、ゲーム、カード、ミニチュアなどが現代向けに再登場すると、当時を知る大人と初めて見る子どもの両方が楽しめます。
子どもの頃の記憶を入口にしながら、現在の自分の感覚で選び直す。これはキダルト消費を分かりやすく表す楽しみ方の一つです。
ぬい活・キャラクターグッズ
ぬいぐるみも、「子どもが抱いて遊ぶもの」だけではなくなりました。
バッグにつける、服を着せる、旅行へ連れていく、写真を撮る、部屋に飾るなど、楽しみ方は多様です。
大人にとってのぬいぐるみは、玩具というより「好きなキャラクターを生活の中に置くためのもの」に近い場合もあります。
ガチャ・ミニチュア
カプセルトイも、大人と玩具の距離を縮めているジャンルです。
食品、家電、生活用品などを精巧に小さく再現した商品には、子どもだけではなく、そのモチーフを知っている大人だからこそ楽しめるものもあります。
一方で、ランダム性がある商品では「あと一回だけ」が重なりやすくなります。
親子で楽しむ場合は、「今日は何回まで」と先に決めておくと、欲しいものが出なかった場合にも終わりを作りやすくなります。
Labubuなどのアートトイ・ブラインドボックス
近年存在感を増しているのが、アートトイとブラインドボックスです。
代表例の一つであるLabubu(ラブブ)は、キャラクターデザインやコレクション性に加え、SNSやファッションとの親和性も高い玩具です。
「遊ぶもの」だけではなく、「集める」「飾る」「身につける」「見せる」が組み合わさった現在のキダルト文化を理解するうえで、象徴的な存在の一つといえるでしょう。
スクイーズ・Mellojoyなど触って楽しむ玩具
見る・集めるだけでなく、「触ること」を楽しむ玩具もあります。
スクイーズは、柔らかさや弾力など独特の触感を楽しむ商品で、子ども向け商品だけでなく、大人がコレクションするケースもあります。
また、親子であれば市販品を集めるだけではなく、自分で作る遊びへ広げることもできます。
たまごだるまでは、折り紙で作るプッシュポップや、ナノテープを使ったスクイーズなどの親子遊びも紹介しています。
楽しいはずの趣味で疲れないために、親世代が決めたい5つのこと
大人の玩具趣味で考えたいのは、「好きであること」ではなく、予算や収納、限定品、親子間の所有が曖昧になり、楽しさより負担が大きくならないようにすることです。
趣味予算を決める
最も分かりやすいのは、趣味に使う金額をあらかじめ決めることです。
「欲しい商品が出たら考える」よりも、「今月はこの範囲まで」と決めておくほうが、限定品やランダム商品に出会ったときに判断しやすくなります。
重要なのは金額の大小ではなく、家庭の生活や必要な支出を圧迫しない範囲で、自分が納得して楽しめていることです。
置き場所を決める
コレクションでは、お金だけではなく「場所」も問題になります。
一つ一つは小さくても、ぬいぐるみ、フィギュア、ガチャなどは集めるほど増えていきます。
「棚一段まで」「この収納ケースに入る分まで」のように、スペースを上限として決める方法もあります。
「親の物」「子どもの物」「共有」を分ける
親子で同じジャンルを好きになることは、一緒に楽しめる大きな魅力です。
一方、「これは誰のもの?」が曖昧になると、トラブルにもなります。
特に小さな子どもから見ると、家に置いてある玩具は「遊んでよいもの」に見えることがあります。
大切にしたいコレクションであれば、「これはお父さん・お母さんのもの」と最初から伝えて構いません。共有するものについては、その扱い方を親子で決めるとよいでしょう。
限定・ランダム商品では購入上限を決める
「限定」「シークレット」「ランダム」は、集める楽しさを高める要素です。
その一方で、「欲しいものが出るまで」とすると終わりが見えにくくなります。
ガチャなら「今日は3回まで」、ブラインドボックスなら「今日は2個まで」というように、欲しいものが出たかではなく、回数や金額で終わりを決めると管理しやすくなります。
これは子どもだけのルールにするのではなく、大人も同じです。
「売れるから買う」と「好きだから買う」を分ける
人気玩具では、発売後にフリマサービスなどで価格が上がる場合があります。
すると、「欲しいから買う」から「あとで高くなるかもしれないから買う」へ目的が変わることがあります。
不要になったものを手放すことと、値上がりを期待して購入することは同じではありません。
「自分はこれを持っていたいのか?」と一度考えるだけでも、趣味としての買い物なのか、別の目的になっているのかを整理しやすくなります。
買う前に確認したい5つのこと
- 本当に好きだから欲しい?
- 「限定だから」という焦りだけで選んでいない?
- 今月の趣味予算に収まる?
- 置く場所は決まっている?
- 親用・子ども用・共有のどれにする?
全部に明確な答えがなくても構いません。一度考えることが、「欲しい」と「今すぐ買う」の間に小さな余白を作ってくれます。
キダルトについてよくある質問
キダルトの意味や市場規模、ぬい活・推し活との関係、親子で楽しむ場合の考え方について、よくある疑問をまとめます。
- Q. キダルトとは何ですか?
- Kid(子ども)とAdult(大人)を組み合わせた言葉で、大人になっても玩具やキャラクターなどを自分自身の趣味として楽しむ層を指します。
- Q. キダルトは何歳からですか?
- 統一された年齢基準はありません。調査によって対象設定は異なります。ハピネットの2025年調査では18〜60歳の男女を対象として調査しています。
- Q. 日本にはキダルトがどれくらいいるのですか?
- ハピネットは2025年の調査をもとに、全国で約535.4万人と推計しています。ただし、これは同社の調査条件に基づく推計値です。
- Q. なぜ大人は懐かしいおもちゃを欲しくなるのでしょうか?
- 理由は人によって異なりますが、子ども時代の記憶、当時の憧れ、収集する楽しさなどが考えられます。心理学ではノスタルジーと過去・現在・未来の自分のつながりを感じる「自己連続性」との関係も研究されています。
- Q. ぬい活もキダルトに含まれますか?
- 明確な線引きはありませんが、大人が自分のためにぬいぐるみを集めたり、持ち歩いたりして楽しむ行動は、広い意味でキダルト文化と重なる部分があります。
- Q. 推し活もキダルトですか?
- 推し活のすべてがキダルトというわけではありません。ただし、推しのぬいぐるみ、フィギュア、キャラクター玩具などを集める行動には重なる部分があります。
- Q. 大人がおもちゃを買うのは現実逃避なのでしょうか?
- 一概には言えません。懐かしさ、収集、自己表現、趣味、人とのつながりなど、購入理由はさまざまです。「大人がおもちゃを買う=現実逃避」と単純に結びつけるべきではありません。
- Q. ガチャやブラインドボックスを買いすぎないためにはどうすればよいですか?
- 「欲しいものが出るまで」ではなく、「今日は3回まで」「今月はこの金額まで」のように、回数や予算の上限を先に決めておく方法があります。親子で楽しむ場合は、大人と子どもの双方に分かりやすいルールにすると続けやすくなります。
(参照:キダルト人口は535万人規模と推定|株式会社ハピネット)
子どもは減っているのに、玩具市場は過去最高。この数字だけを見ると不思議ですが、玩具を「子どものためだけの商品」と考える前提を外すと、現在起きている変化が見えてきます。
大人向け玩具、ぬい活、推し活、ガチャ、レトロ回帰、アートトイ。別々の流行のように見えて、その背景には「好きなものを大人になっても楽しむ」ことが以前より可視化されているという共通点があります。
大人がおもちゃを好きになること自体を否定する必要はありません。一方で、「好きであること」と「際限なく買うこと」は別です。
予算、置き場所、親子間の所有ルールを少し整理するだけでも、趣味は長く楽しみやすくなります。
そして子育て世代にとって、玩具にはもう一つ面白い役割があります。自分が子どもの頃に好きだったものと、いま目の前の子どもが好きなものが、同じ家庭の中に並ぶことです。
キダルト市場の拡大は、単に「大人がおもちゃを買うようになった」という話だけではありません。子どもと大人を分けてきた遊びや「好き」の境界が、少しずつ変わっている現象でもあります。
たまごだるまでは、その変化を否定するのでも無条件に肯定するのでもなく、親と子どもがそれぞれの「好き」を気持ちよく持てる距離を考えていきたいと思います。
