大阪・関西万博の公式キャラクター「ミャクミャク」が、今や子どもから大人まで幅広い世代で話題を集めています。独特のフォルムと愛嬌のある動きがSNSで拡散され、ぬいぐるみや文房具、アパレルなど多彩なグッズが人気を呼んでいます。
さらに有名企業やアニメ作品とのコラボレーションも相次ぎ、社会現象的なブームに発展中です。この記事では、ミャクミャクがここまで人気を集める理由や、その魅力の秘密、最新のコラボ・グッズ情報をわかりやすく紹介します。
目次
ミャクミャクとは?
ミャクミャクは、2025年の大阪・関西万博(EXPO 2025)の公式キャラクターとして誕生した、不思議で少しシュールな存在です。その独特な姿と名前が話題を呼び、発表当初からSNSを中心に大きな注目を集めました。
青と赤の流れるような模様、うねるような体の形は、一度見たら忘れられないインパクトがあります。誕生からわずか数年で“令和のゆるキャラ”を代表する存在となり、グッズ・CM・SNSコラボなどで全国的に人気を拡大中です。かわいいのか不気味なのか、見る人によって印象が異なる点もミャクミャクの大きな魅力といえるでしょう。
細胞と水が生まれた不思議な生き物
ミャクミャクのモチーフは「細胞と水の融合」です。公式設定によると、2025年大阪・関西万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を表現するために創作されました。体の赤い部分は万博ロゴマークの”円形が繋がった細胞”を象徴し、分裂したり増えたりする「生命の多様性」を表しており、青い部分は「清らかな水」を象徴しています。それらが絡み合うことで、生命と自然の連続性を表現しています。
姿は液体のように変化し、分裂したり、伸びたり、時に形を変えたりと、見るたびに違う表情を見せます。デザインを手がけたのはデザイナー・絵本作家の山下浩平氏。単なるマスコットではなく、「太古から存在する生命」というコンセプトを具現化した作品として高く評価されています。
山下氏は「少し気持ち悪いけれど、愛らしい」というデザイン目指し、子どもが親しみやすいよう背を低く、丸みを強調し、揺れる尻尾をつけるなど工夫しました。科学とアート、そしてユーモアを融合した新時代のシンボルといえるでしょう。
大阪・関西万博の公式キャラクター
ミャクミャクは、2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の公式キャラクターとして2022年に発表されました。開催テーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」を象徴する存在として選ばれ、世界に向けて日本の創造性と多様性を発信する役割を担っています。
名前は一般公募により決定され、「脈(みゃく)」という言葉が“命のつながり”や“未来への流れ”をイメージさせることから採用されました。発表後は万博関連イベントやポスター、グッズ、公式SNSなどに登場し、国内外で注目を集めています。
特に海外では“weird but cute(奇妙だけどかわいい)”という評価も多く、ユニークな日本カルチャーの象徴として人気が拡大中です。2025年の本番に向けて、今後もさまざまなプロモーション展開が予定されています。
登場当初は「気持ち悪い」と言われていた理由
ミャクミャクが発表された当初、SNSでは「怖い」「気持ち悪い」といった声も多く上がりました。2022年7月の初披露時には、その有機的で異質なデザインが「不気味」「クセが強すぎる」という否定的反応を引き起こしたのです。丸みを帯びた流動的なフォルム、赤と青のコントラストが、従来の”かわいらしさ”とは異なる印象を与えたことが理由です。
しかし万博開幕後の2025年4月以降、状況は大きく変わります。実際に来場した人たちの間で「見慣れるほどクセになる」「不思議と愛着がわく」というポジティブな反応が増加しました。
SNS上では「#ミャクミャク」や「#Myakumyaku」がトレンド入りし、来場者とミャクミャクが一緒に映った写真投稿が相次ぎました。グッズ販売も好調で、LINE公式スタンプ(第1弾・第2弾)も購入されています。
現在では、その独特のビジュアルが”日本らしい多様な感性の象徴””Ugly Cute(ブサカワ)文化の代表例”として再評価され、公式キャラクターとしての存在感を確立しました。国内外のSNSでも「見た瞬間忘れられない」「クセが強いけれど好き」という声が支配的です。ミャクミャクは、賛否を超えて”みんなが語りたくなるキャラ”として進化を続けています。
2025年大阪・関西万博での大流行
2025年の大阪・関西万博では、公式キャラクターであるミャクミャクが想像以上の人気を集め、会場内の象徴的存在として話題を独占しました。来場者のSNS投稿が一気に増え、「ミャクミャクを見に万博へ行く」というファン層まで登場。
会場の随所にフォトスポットや限定展示が設置され、ミャクミャク関連エリアは常に人だかりができるほどの混雑ぶりでした。グッズも連日完売が続き、特にぬいぐるみ・フィギュア・ステッカー類は“開場10分で売り切れ”という日も。万博の象徴から、いまや一大カルチャーへと成長した姿が観客に強い印象を残しています。
会場内のミャクミャクモニュメント(高さ4m)
万博会場内には「ミャクミャクモニュメント」が複数設置されており、撮影スポットとして大人気でした。東ゲート近くの「いらっしゃい」(正座でおじぎポーズ)、西ゲート近くの「ワクワク」(手を広げたリングタッチポーズ)はそれぞれ高さ約4mで、赤と青の生命感あふれるデザインを巨大スケールで再現しており、遠くからでも存在感抜群です。
周囲には撮影のための専用スペースが設けられ、来場者はモニュメントの前でポーズを決めたり、家族・友人と記念撮影を楽しむ姿が多く見られました。また、夜間にはライトアップされ、幻想的な雰囲気へ変わる演出が施されたほか、グッズやLINEスタンプ、ぬいぐるみくじなどの関連商品も人気を博しました。
これにより、「昼も夜も撮りたい」というファンのリピート来場が増え、ミャクミャクの存在が万博体験の中心となりました。万博終了後、東西ゲートのモニュメント2体は大阪府の観光資源として活用される予定で、2026年初めには万博記念公園内に移設、その後は大阪府内の観光名所を巡回することが決定されています。
3時間近くの待ち時間が発生するほどの人気
ミャクミャク関連の展示ゾーンやフォトスポットでは、最大3時間に迫る待ち時間が発生しました。特に人気だったのが「ミャクミャク・グリーティングエリア」で、着ぐるみ(公式スーツ)と触れ合ったり写真を撮れるコーナー。
SNSで「整理券終了」「もう一度並びたい」「可愛すぎて無限に見ていられる」などの声が多数投稿され、大きな行列ができました。さらに、日替わりパフォーマンスや限定バッジ配布イベントも行われ、“推し活”的な楽しみ方をする来場者が急増。
万博公式アプリの混雑情報でも常にトップ表示されるほどで、ミャクミャクはまさに“会場の中心的スター”として存在感を示しました。
グッズ販売が予想を超える売上に
ミャクミャクのグッズは、ぬいぐるみ・キーホルダー・アクリルスタンド・お菓子・Tシャツなど幅広いラインアップが展開され、万博会場のショップは連日賑わいました。会場内の土産物店は開幕当初8店舗でしたが、ミャクミャク人気の高まりを受けて増え続け、最終的には20店舗にまで拡大しています。
特に人気が高かったのは、サンリオとのコラボレーションによるキーホルダーで、1日に何千個もあっという間に売れるほどの好調ぶりを見せました。また、「ミニサイズぬいぐるみ」や「なりきり系ぬいぐるみ」も注目を集め、これらは朝の開場直後から売上が集中するほどの人気商品となりました。ピンバッジなどの一部商品には購入制限(お一人様20個まで、商品によっては5個まで)が設けられるほどの需要がありました。
オンラインストアでもアクセスが集中し、サーバーが混雑する場面が報告されています。これらのヒット商品によって、ミャクミャク関連の公式ライセンス商品の売上は8月末時点で約800億円に達しました。万博協会は当初、ロイヤリティー収入として110億円を見込んでいましたが、実績はその数倍に達する見通しが示されており、ミャクミャクが万博の黒字化のカギを握っていることが明らかになっています。キャラクター人気が経済効果にもつながることを示した好例といえるでしょう。
ミャクミャクグッズの豊富さ(8000種以上)

これほどの商品点数を持つキャラクターは国内でも極めて珍しく、“令和の超ヒットキャラ”として圧倒的な存在感を示しています。期間限定のコラボや地域限定商品も多く、コレクション性の高さがファンの購買意欲をさらに刺激。万博をきっかけに誕生したキャラクターとしては異例のスピードで市場を席巻しています。
くまモンやサンリオとのコラボ商品
ミャクミャクは人気キャラクターとのコラボも非常に積極的で、その代表例がくまモンやサンリオキャラクターとの共演アイテムです。
くまモンとのコラボでは、2024年10月14日に正式に発売開始。ミャクミャクを抱きかかえるくまモン、ミャクミャクとくまモンが談笑する姿など豊富なデザインバリエーションが展開されました。ピンバッジ、キーホルダー、手ぬぐい、ジッパーポーチ、フォトフレーム、ナップザック、Tシャツなど、用途もさまざまな商品ラインアップが2025大阪・関西万博オフィシャルストア(オンラインストア含む)で販売されました。
また、サンリオとのコラボでは、ハローキティ、シナモロール、クロミ、マイメロディ、ポムポムプリン、ハンギョドン、ポチャッコがミャクミャク風にデザインされた商品が登場しました。
初期は立体マスコットキーホルダーが7月中旬から販売開始され、その後、モノクロ(黒)カラーの「なりきりぬいぐるみ」が10月下旬から順次発売開始。
ぬいぐるみは持ち歩きしやすいカラビナ付きの小さいサイズ(3,520円)と、お部屋に飾れる大きめサイズ(5,280円)の2種類がラインアップされました。
落ち着いた雰囲気が特徴で、大人から子どもまで幅広い年代に支持されています。
これらのコラボはSNSで人気が広がり、特にサンリオのなりきりぬいぐるみなど一部商品は発売直後から入手困難になるほどの人気を見せました。
サイボーグ009・キン肉マン・鳥獣戯画とのコラボ
意外性のあるコラボレーションとして注目されたのが、サイボーグ009・キン肉マン・鳥獣戯画とのシリーズです。
サイボーグ009では、石ノ森章太郎が特別に描き下ろしたデザインで、ミャクミャクがサイボーグ戦士たちと同じ黄色いマフラーと赤い防護服に身を包んだ「ミャクミャク009」として登場。万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」がサイボーグ009の作品テーマにも通じることから実現した、ファンアートのような新鮮さが話題になりました。アクリルスタンド、アクリルジオラマ、缶バッジ、ダイカットステッカーなど複数商品が展開されています。
キン肉マンとのコラボでは、兵庫県の但馬牛を使用した「超人タッグ弁当 ―但馬牛牛めし―」を9月1日より販売開始。この弁当にはキン肉マン×ミャクミャクイラストのオリジナルアクリルキーホルダーが付属し、初回販売時に完売店舗が続出するほどの人気を集めたため、10月20日に再販が決定されました。
鳥獣戯画とのコラボでは、大阪・京都・兵庫を旅するミャクミャクと鳥獣たちが描かれた和風デザインが展開され、クリアファイル、たおるはんかち、巾着、エコバッグ、がまぐち、スマホステッカーなど盛りだくさんのラインアップが展開されました。ミャクミャクの新たな魅力を引き出すシリーズとして人気が確立されました。

これらのコラボレーション展開から、ミャクミャクは伝統からサブカルまで幅広いジャンルと相性がよく、さまざまなIPとの融合に成功したキャラクターであることが明らかとなっています。
ぬいぐるみガチャ(500円)から高級グッズまで
ミャクミャクグッズの魅力は、価格帯の幅広さにもあります。手軽に楽しめる「ぬいぐるみガチャ(500円)」は子どもから大人まで人気で、ぷっくりしたミニサイズのミャクミャクがランダムで入る仕様。万博会場では行列ができるほどの人気コンテンツでした。
一方で、1万円を超える高級フィギュアや、本革を使ったプレミアムアイテム、限定アートプリントなど、コレクター向けのグッズも充実。特に数量限定のアート作品は発売後すぐに完売し、二次市場でも高額取引されることがあります。
この“手軽さ”と“高級感”の両立が、幅広いファン層をつかむ理由のひとつです。ミャクミャクは、ガチャで楽しむライト層からアート作品を求めるコア層まで、多様な楽しみ方を提供する稀有なキャラクターといえます。
ブームはいつまで続く?長期的な視点
ミャクミャクブームは「万博の一時的な盛り上がり」で終わるのか、それとも長く愛されるキャラクターになるのか——気になる人も多いはずです。実際には、すでにコラボやグッズ展開が万博の枠を超えて広がっており、終了後もしばらく高い人気が続くと見ている専門家やファンは少なくありません。
ポイントになるのは「どれだけ日常に入り込めるか」と「新しい見せ方をどこまで続けられるか」です。ここでは、万博後も人気が続くと言われる理由や、グッズ販売・キャラクター展開の見通しを整理し、ミャクミャクの“アフター万博”を長期目線で考えていきます。
万博終了後も人気が衰えない理由
一過性のキャラクターブームと違い、ミャクミャクの人気が続きやすいと言われる理由は大きく3つあります。1つめは「ビジュアルの唯一無二さ」です。似たキャラがいないため、ロゴやシルエットだけでも一目で認識してもらえる強みがあります。
2つめは「大阪・関西という地域ブランドとの結びつき」。万博が終わっても、観光PRやイベントの顔として起用しやすく、“大阪といえばミャクミャク”というイメージづくりが進んでいます。
3つめは「コラボの幅広さ」で、ファッション・鉄道・食品・自治体キャンペーンなど、万博以外の文脈でも露出できる土台がすでに出来上がっています。ブームの熱量はピーク時ほどではなくなっても、「見かけるのが当たり前」という日常レベルでの定着がしばらく続くと考えられるでしょう。
グッズコレクションの継続販売予定
グッズ展開の面でも、ミャクミャクは“万博期間限定”で終わらず、長期的なシリーズ化を見据えたラインナップが組まれています。定番のぬいぐるみやマスコット、ステーショナリー類は、ロゴや年号を外したデザインも多く、万博終了後も一般キャラクターグッズとして販売しやすい構成です。
また、シーズンごとの新ビジュアルや色違いバリエーションを追加していくことで、コレクターが継続的に買い足したくなる仕組みも整えられています。オンラインストアや土産物店では“大阪みやげ枠”として定番化が進み、観光需要と日常需要の両方を取り込む動きも見られます。
今後は数量限定のアート系アイテムや、コラボ第2弾・第3弾の展開によって、グッズ市場での存在感は中長期的に維持される可能性が高いと言えるでしょう。
ミャクミャクの今後の活動展開
今後のミャクミャクは、「万博公式キャラ」から「大阪・関西のシンボル」「日本発ポップアイコン」へと役割を広げていく流れが予想されます。具体的には、地域イベントやスポーツ大会の応援キャラクター、観光キャンペーンの顔、企業コラボのメインビジュアルなど、登場の場面はむしろ増えていく可能性があります。
デジタル分野では、ARフィルターやスタンプ、アバター化など、オンライン上で遊べるコンテンツが拡充されれば、若年層を中心に“日常的に触れるキャラ”として定着しやすくなります。また、ポスト万博のストーリーを描いた絵本・アニメ・ショート動画などが登場すれば、「キャラクターとしての物語性」が加わり、長く追いかけたくなる存在感が強まるでしょう。
ブームが去るかどうかではなく、「どんな文脈で生き続けるか」が今後の注目ポイントです。
まとめ
ミャクミャクは、万博の公式キャラクターという枠を超えて“ポップカルチャーの新アイコン”として確固たる地位を築きつつあります。大阪・関西という地域性、唯一無二のビジュアル、そしてSNSとの圧倒的な相性の良さが重なり、ブーム後も継続的に愛されるキャラクターへと進化しています。
また、ユニクロや人気作品とのコラボ、駅広告やAR展開など、生活のさまざまな場面に登場することで、日常的な接触機会が増え、親しみが深まる仕組みが整っています。 グッズ市場は幅広い価格帯とバリエーションで安定した需要が見込まれ、今後は地域イベント・デジタル展開・企業コラボなど、新たな舞台での活躍も期待されます。
