トイレトレーニング(トイトレ)は、子どもの成長を支える重要なステップです。とはいえ、「いつから始めればいいの?」「具体的な進め方は?」と悩む親御さんも多いのではないでしょうか。また、進める中で「トイレを嫌がる」「おしっこはできるけれど、うんちはできない」といった悩みに直面することも少なくありません。

この記事では、トイトレを始めるベストな時期や具体的な進め方、さらにトレーニング中によくある悩みとその対処法について詳しく解説します。

トイレトレーニングはいつからがベスト?

トイレトレーニングを始めるタイミングは、子どもの成長段階や個性によって異なります。一般的には、子どもが身体的・精神的にトイレを使用する準備が整う2歳から3歳頃が適しているとされています。

子どもの発達に合わせて始めることで、トレーニングのストレスを最小限に抑え、親子ともに楽しく進められます。ここでは、なぜ「2〜3歳頃」が推奨されるのか、その理由を詳しく解説します。

子どもの心身が発達する「2〜3歳頃」がおすすめ

子どもが2〜3歳頃になると、トイレトレーニングに必要な心身の成長が進みます。この年齢が推奨される理由は次の通りです。

身体的発達

子どもが歩行や動作の安定性を獲得し、便座に座る動作が可能になります。また、膀胱や腸の働きが成熟し、排泄間隔が長くなるため、トイレに行くタイミングをつかみやすくなります。

感覚の発達

0〜1歳までに比べるとおしっこやうんちがしたいという感覚を自覚できるようになります。この「排泄感覚」の発達がトイレトレーニングをおこなうきっかけになるでしょう。

コミュニケーション能力の向上

2〜3歳頃には言葉を使った意思表示が可能になり、「おしっこ」「うんち」などを伝えられるようになります。これまでよりも親子間の意思疎通がスムーズに行えることで、トイレトレーニングも円滑に進められます。

ただし、2〜3歳というのはあくまで目安であり、子どもによって準備が整う時期には個人差があります。排泄感覚や子どもからの意思表示など小さなサインを見逃さず、無理なく進めることが成功のポイントです。

トイレトレーニングの具体的な進め方とは?


トイレトレーニングを成功させるためには、段階的かつ計画的に進めることが大切です。ここでは、トイレに興味を持たせる方法から道具の選び方、効果的な声かけや褒め方まで、具体的な進め方を詳しく解説します。

まずトイレに興味を持たせる

トイレトレーニングの第一歩は、子どもが「トイレ」に興味を持つことです。これまでトイレではなくおむつで排泄していた子どもにとってトイレはまだ未知の場所になります。

そのため、以下のようなことを意識してトイレに対して楽しいイメージを持たせることが重要です。

  • 絵本や動画を活用する
  • トイレの環境を整える

トイレをテーマにした絵本やアニメは、子どもの興味を引き出すのにおすすめです。「トイレって楽しいところなんだ」というポジティブな印象を持たせる上で、絵本やアニメなどを活用するときっかけ作りがしやすいでしょう。

また、子どもが安心して使えるトイレ環境を整えることもトイレトレーニングにつながります。トイレは明るく清潔な空間にしつつ、キャラクターの装飾やトイレシールを活用することで、トイレを親しみやすい場所に変えるのも良いでしょう。

このようにトイレトレーニングは楽しさと興味を育てることからスタートします。無理にトイレを強要せず、遊び感覚で始めると効果的です。

おまるや補助便座の選び方と使い方

トイレトレーニングをスムーズに進めるためには、適切な道具の選択が欠かせません。おまると補助便座、それぞれのメリットを理解し、子どもの成長や性格に合わせた選択を行いましょう。

例えば、おまるは、リビングや子どもの好きな場所に設置できるため、初めてのトイレトレーニングに適しています。特に小さな子どもにとっては、自分のサイズに合ったおまるが安心感を与えます。使い方としては、おまるをトイレの代わりとして説明し、排泄後は一緒にトイレに流す動作を見せて、トイレとの関連性を教えましょう。

一方、補助便座は、実際のトイレを使うことで、早くトイレ習慣を身につけるのに役立ちます。また、後片付けが簡単で衛生的です。使用時には、ステップ(踏み台)を用意し、子どもが自分で登って座れるように工夫しましょう。

子どもが自分で座りやすい形状で、安定感のあるものを選ぶことが大切です。さらに子どもと一緒におまるや補助便座を選ぶことで、「自分専用」のモノとして愛着を持たせることもできます。

声かけと褒め方が大事

トイレトレーニングにおいて、親の声かけや褒め方は、子どものやる気を引き出す重要な要素です。適切なコミュニケーションを取ることで、子どもはトイレに対するポジティブなイメージを持つことができます。以下は具体的な声かけや褒め方のポイントです。

タイミングを見計らった声かけ

おしっこの間隔や便のタイミングを観察し、排泄の前兆が見られたときに「トイレに行ってみよう」と優しく誘いましょう。タイミングの例としては、以下のとおりです。

  • 朝起きたとき
  • 食後
  • しばらく遊んだ後

これらのタイミングで声をかけることで、トイレで排泄できる成功率が高まりやすくなります。一方で、子どもが拒否する場合も無理に促さず、少し時間を置いて再度試みましょう。

成功したときは具体的に褒める

トイレで排泄ができたときは、具体的な言葉で褒めて自信を持たせるようにしましょう。

  • 「すごいね!トイレでおしっこできたね!」
  • 「お兄さん(お姉さん)みたいだね!」
  • 「今日はこんなに上手にできたよ!」

褒めるときは笑顔で、子どもの努力を認めるように伝えるのがポイントです。どんなところが良かったのか具体的に褒めることで、子どもは次回以降も努力しやすくなります。

失敗しても叱らない

失敗はトイレトレーニングの自然な過程です。おもらしをしてしまったときは、叱らずに次への希望を持たせましょう。

具体的な声かけのしかたとしては、以下のとおりです。

  • 「大丈夫だよ、次はトイレでやってみようね。」
  • 「少しずつ慣れていけばいいんだよ。」

叱るとトイレに対するネガティブなイメージを与える可能性があるため、注意が必要です。特に現在はトレーニング中で子どもにとってトイレ自体が未知の場所になります。優しい言葉をかけながら楽しくトイレトレーニングができる環境に整えてあげましょう。

季節別トイレトレーニングのメリットとデメリット

トイレトレーニングを始める時期は、季節の特性を考慮することが重要です。季節ごとにメリットや注意点があるため、環境を整えた上で計画的に進めましょう。

ここでは、夏や冬など環境の大きく異なる時期でのトイレトレーニングのしかたについて解説していきます。

夏に始めるメリットと注意点

夏はトイレトレーニングを始める時期として最も人気があります。その理由は、子どもも親も取り組みやすい条件が揃っているためです。

まず大きなメリットとしては、夏は気温が高いため、薄着で過ごすことが多く、着替えが容易になります。これにより、子どもがトイレの動作を覚える際の負担が軽減されます。

また、おもらしをした場合でも、洗濯物が乾きやすく、洗濯の手間が少なくて済みます。さらに、夏は水分摂取量が増えるため、トイレに行く回数が多くなり、排泄の感覚をつかみやすいのもメリットです。

一方、注意点もあります。水分補給が頻繁になることで、トイレに行きたいタイミングを見逃すと失敗が増える可能性があります。親は子どもの行動を観察し、こまめに「トイレに行ってみよう」と声をかけることが大切です。

また、夏は外出する機会が増えるため、外出先でのトイレ場所を事前に確認することや、着替えやおむつを持ち歩くなど、準備を怠らないようにしましょう。さらに、トイレトレーニングを進めるうえで、褒めるタイミングは重要です。

誤ったタイミングで褒めるとトイレが近くなったり、トイレトレーニングがうまくいかなくなったりします。

冬に始める際のポイント

冬はトイレトレーニングに挑戦するにはハードルが高いと考えられがちですが、実はメリットも少なくありません。寒さのため室内で過ごす時間が増える冬は、子どもがトイレトレーニングに集中しやすい環境を作りやすい季節です。

また、おもらしをした場合、冷たくて不快に感じることで「トイレでしよう」という意識が芽生えやすいのも冬ならではの特徴といえます。さらに、感染症予防の観点からも、おむつを使い続けるより、トイレ習慣を身につけることが衛生的であるという利点もあるでしょう。

一方で、冬ならではの注意点もあります。例えば、トイレの空間が寒いと、子どもがトイレに行くのを嫌がる可能性があります。この問題を防ぐために、便座カバーや暖房器具を活用して、暖かく快適なトイレ環境を整えることが大切です。

また、冬は厚着をするため、服の着脱に時間がかかり、トイレに間に合わないことが起こりやすくなります。これを防ぐには、脱ぎやすい服装を選んだり、トイレのタイミングをしっかり見極めることが効果的です。

このように季節ごとのメリットとデメリットを理解した上で、子どもの成長ペースに合わせてトイレトレーニングを進めることが、成功のカギとなります。冬だからといってトレーニングを避ける必要はありません。工夫を凝らすことで、快適に取り組むことが可能です。

トイレトレーニング中のよくある悩みとその対処法

トイレトレーニングは、子どもの成長において重要なステップですが、進める中でさまざまな悩みに直面することがあります。ここでは、特に多い「トイレを嫌がる場合」と「おしっこはできるがうんちができない場合」の対処法について詳しく解説します。

トイレを嫌がる場合の対応策

子どもがトイレを嫌がる理由は多岐にわたります。例えば、トイレ自体への恐怖心、失敗への不安、環境の変化などが考えられます。これらの原因に対処するための具体的な方法を以下に示します。

トイレ環境の改善

トイレが暗かったり冷たかったりすると、子どもが嫌がる原因となります。明るい照明を使用し、便座カバーや足元のマットを暖かい素材に変えることで、快適な空間を作りましょう。

遊びを取り入れる

トイレタイムを楽しい時間にするために、好きな絵本を読んだり、トイレ専用の歌を歌ったりすることで、子どもの興味を引き出します。これにより、トイレへの抵抗感を減らすことができます。

成功体験の強化

トイレで排泄ができた際には、具体的に褒めて自信を持たせましょう。例えば、「上手にできたね!」と声をかけることで、子どもは達成感を感じ、次回も挑戦しようという意欲が湧きます。

失敗への対応

失敗しても叱らず、「次はトイレでやってみようね」と前向きな声かけを心がけます。叱ることで子どもがプレッシャーを感じ、トイレを嫌がる原因となるため、注意が必要です。

これらの方法と対処法を組み合わせることで、子どもがトイレに対して前向きな気持ちを持つようサポートできます。重要なのは、子どものペースに合わせて無理なく進めることです。

おしっこはできるがうんちができないときの対処法

トイレトレーニング中に「おしっこはトイレでできるけれど、うんちはできない」という状況はよく見られるケースです。このような場合、子どもがスムーズにトイレで排便できるよう、いくつかの工夫が有効です。

まず、便座に座った際に足が宙に浮いていると、踏ん張りにくく排便が難しくなることがあります。この問題を解決するためには、足がしっかり床につくような「踏み台」を用意すると良いでしょう。足元が安定することで、排便しやすい姿勢が取れるようになります。

また、食後や決まった時間にうんちをする習慣がある場合、そのタイミングでトイレに誘導するとトイレでの排便が成功しやすいです。子どもの排便リズムをしっかり観察し、適切なタイミングでトイレに連れて行くことで成功体験を積みやすくなります。

これらの方法を組み合わせることで、子どもがトイレでうんちをすることに慣れ、徐々にトイレで排便できるようになるでしょう。

まとめ

トイレトレーニングは、子どもの自立を促す大切なプロセスです。成功させるためには、子どもの成長ペースや個性を尊重しながら進めることが重要です。

焦らず、子どものペースに合わせて無理なく進めることが成功のポイントです。親子で一緒に取り組むことで、トイレトレーニングは楽しい経験になります。 ぜひこの記事を参考にして、トイレトレーニングをスムーズに進めてみてください。

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