保育士としての採用が決まってから、最初に参加する「新人研修」。初めてのことばかりで緊張してしまう人も多いのではないでしょうか?新人研修では、保育士としての心構えはもちろんですが、新社会人としてのマナーも学べます。

今回は新人保育士が、前向きな気持ちで研修に参加できるよう具体的な内容や準備物を詳しく説明します。研修前に確認しておけば、緊張を和らげることができるはずです。

1.保育士の新人研修では何を学ぶ?

保育士の新人研修は、法人や保育園によって内容が異なります。入職前に勤務予定の保育園で行われる場合や、入職後ホールや会場を貸切って開催される場合もあります。

研修にかける日数も、就職先によってさまざまです。1日〜2日で実施するところもあれば、宿泊研修といった開催方法もあります。社会人としてのマナーを学ぶことはもちろんですが、保育士として実践に役立つ内容となっているので、しっかり受講しましょう。

1-1.新社会人としての基本的なビジネスマナー

保育士の新人研修は、一般企業の新人研修とは少し異なります。基本的なビジネスマナーを学びますが、一般企業での「取引先」「取り扱い商品」といった内容を、全て「保護者」「園児」に置き換えます。

ビジネスシーンでの感じの良い挨拶と、保育士が心掛けるべき挨拶は違います。新社会人としての基本的なビジネスマナーに触れてから、保育士としての応用を学ぶため、入職後に活かせる内容となっています。

1-2.保育士としての心構え

子ども達との保育園生活に、夢や希望を抱えて入職する保育士も多いでしょう。しかし、楽しいことばかりではなく、子ども達の健やかな育ちを支える保育士には責任が求められます。「命を預かる責任」といえば重く聞こえてしまうかもしれませんが、新人研修はその責任意識を学ぶ大切な研修でもあります。

1-3.保育士として使えるノウハウ

保育士の新人研修では「今日から使える保育のノウハウ」も学べます。保育士として、子どもを引き付けるレパートリーは多ければ多い方が良いと言えるでしょう。おすすめの絵本紹介や、絵本の読み聞かせ方についての指導など、大変参考になる内容です。

2.保育士が受ける新人研修の具体的な内容

保育士が受ける新人教育は、具体的で実践に役立つものばかりです。専門的な知識を持った講師や、経験豊富な先輩保育士からの貴重なお話は、今後の保育士生活に大いに役立ちます。ここからは、新人研修の具体的な内容について解説していきます。

2-1.電話の取り方や報連相の重要性

一般企業のように電話対応は頻繁ではありませんが、保護者や外部からの電話対応も保育士の仕事です。一般的な基礎知識として、電話での受け答えや担当者不在時の対応、伝言の残し方などを学びます。また、社会人としての基本である報告・連絡・相談は、保育士にとっても必要なスキルです。勝手な判断や対応が、子どものケガや保護者からのクレームに繋がることも考えられます。「ビジネスマナーは保育士にあまり関係のない話」と思わず、新人の今しか聞けない話と思って学ぶ姿勢を大切にしましょう。

2-2.保育士としての役割や心構え

「子ども達の健やかな成長を支える」「保護者が安心して仕事ができるように」など、保育士としての役割はさまざまです。新人研修は「どんな保育士を目指すか」目標を定めるきっかけにもなります。

また、保育士としての責任を今一度理解し、心構えをしておくことも重要になるでしょう。いくら新人保育士といっても、子ども達や保護者は一人の先生として認識します。そのため、働くにあたって責任と覚悟を求められます。研修を受けることで、身を引き締められます。

2-3.同僚や保護者とのコミュニケーションの取り方

保育士になる上で、最初に不安を感じるのが同僚や保護者とのコミュニケーションではないでしょうか?新人研修では、コミュニケーションの取り方を重視しているようです。新人保育士は「何が分からないかも分からない」という状態のまま入職します。そのため、事前に先輩保育士に相談・報告すべき事例を学んでおきます。

また、保護者にとっては大切な子どもを預ける相手が「新人保育士」というだけで不安を感じる場合があります。不安を与えないようなコミュニケーションの取り方を知っておく必要があります。

2-4.保育士同士の交流「ロールプレイング」

保育士同士の交流の場として、ロールプレイングを行う場合もあります。ひとつのテーマについて、保育士同士で意見交換し、グループごとに発表する流れで進めます。

例えば「保護者からクレームを言われた」「子どもがおもちゃの取り合いで喧嘩を始めた」など、実際の保育生活で起こりうるトラブルを題材とした意見交換が主流です。ここで知り得た先輩保育士のトラブル対処法は、今後の保育に活かため、しっかりメモを取っておきましょう。疑問点をその場で質問することによって、保育士としての仕事をより理解できます。

2-5.実践で使える手遊びやテクニック


保育士として参加する研修の多くは、講義内容に実践で使えるノウハウを取り入れています。子どもを集中させる手遊びや、声掛けの事例、簡単なわらべ歌や触れ合い遊びなどを学べます。先輩保育士や講師の先生方が実践して、子ども達の反応が良かったものを教えてもらえるので、すぐ保育に取り入れることが可能です。

保育士として働くには、子どもを引き付けるネタは必要不可欠です。良いと思ったものは、どんどん自分の物にできるよう「保育のネタ帳」としてメモしておくことをおすすめします。

3.保育士の新人研修を受けるための準備

実際に新人研修への参加が決まったら、どんな準備をしておけばよいのでしょうか?直前になって慌てないよう、しっかりチェックしておきましょう。

3-1.新人研修の場所を確認しておこう

新人研修が開催される場所は、就職先によってさまざまです。勤務予定の保育園で行われる場合は心配ありませんが、ビルの研修会場やホールを貸切って行われる場合もあります。また、数日間に渡る研修で日程ごとに異なる会場を指定される場合もあります。会場場所までの所要時間や、交通手段を確認しておきましょう。

また、保育園での勤務が始まってから新人研修に参加する場合もあるかと思います。園長や主任に、新人研修で中抜けする日程の報告を忘れないように気を付けましょう。

3-2.実践ありの研修や園での研修は動きやすい服装にしよう

研修によっては「勤務先の保育園で実際に保育」「研修先のホールで遊びの実践」という、体を動かす内容もあります。そのため、新人研修は必ずしもスーツとは決まっていません。研修案内に実践がある旨が記載されている場合は、動きやすい服装やシューズを持参しましょう。また、汗拭きタオルがあれば安心です。

3-3.筆記用具や飲み物を忘れずに持っていこう

研修へ参加するにあたり、筆記用具の持参は必須といえるでしょう。先輩保育士や研修を担当する講師からの話は、保育士として勤務する上で参考になることばかりです。忘れないようにメモを取っておきましょう。

保育士として実際に働き始めてからも、先輩保育士から学ぶことや、覚えておきたい雑務がでてくると思います。新人研修を機に、エプロンのポケットに入れて持ち歩けるサイズのメモ帳や筆記用具を準備しておくと良いかもしれません。

3-4.自分の理想の保育士像や現場での不安をまとめておこう

研修によっては、先輩保育士や同期の保育士と意見交換する場を設けられることがあるかもしれません。そこでよく聞かれるのが「どんな保育士になりたいか?」「保育士として勤務する上で、不安なことはあるか?」といった内容です。

不安なことや聞いておきたいことを確認しておく良い機会です。保育園の方針や子ども達との関わり方、保護者対応など自分が不安に思っていることを質問できるよう、考えをまとめておきましょう。新人研修のうちに不安を取り除いておくことで、入職後の働き方をイメージしやすくなります。

4.新人研修では保育士として働く心の準備ができる

今回は、保育士の新人研修にあたり準備しておくべきことや詳しい研修内容について解説しました。

新人研修では、社会人としてのマナーだけでなく、現場で役に立つ知識やノウハウを学べます。実際に保育が始まると覚えることも多く、忙しさから不安を相談する機会を逃してしまうかもしれません。新人研修の間に、先輩保育士や専門の講師に不安や質問をぶつけることで、心の準備をしておきましょう。

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