「今、子どもたちの間でチャンバラごっこが流行っている」という保育園も多いのではないでしょうか。チャンバラごっこは特に男の子たちの間で人気のある遊びです。危険な一面がありトラブルにも発展しやすいチャンバラごっこですが、保育者が少し援助を加えるだけでみんなで楽しくできる遊びに大変身します。

そこで今回は、チャンバラごっこが流行る理由から実際に行うときのポイントについて解説します。後半では、チャンバラごっこで使う刀の作り方も解説するため、ぜひ最後までご覧ください。

保育園でチャンバラごっこが流行る理由

保育園の子どもの間ではチャンバラごっこが流行ることがあります。考えられる理由は以下の通りです。

  • テレビなどの影響から、遊びをイメージしやすい
  • 他の遊び方、友達とのかかわり方が分からない
  • ストレスを発散させている など

特に、年少の終わりごろから年中ごろの年齢の子どもの間で流行ることが多くなっています。この頃の子どもは、コミュニケーション力が育ち「友達と遊びたい」という気持ちが芽生える一方で、まだ複雑なルールのある遊びを共有するのは難しい時期です。

子ども向けテレビ番組の影響もあり、イメージしやすい「戦隊ものごっこ」「チャンバラごっこ」などが流行りやすくなります。

子どもたちはなぜチャンバラごっこをしているのか、しっかりと様子を確認しながら理由を考えるようにしましょう。そうすることで、保育者として適切な支援ができるようになります。

チャンバラごっこが保育に与える影響は?

チャンバラごっこはルールを決めて楽しく遊ぶことができれば、極端に危険視したり遊びを禁止したりする必要はありません。むしろ、チャンバラごっこが子どもに良い影響を与えるケースもあります。

想像力が養われる

チャンバラごっこをすることで想像力が養われると考えられています。ごっこ遊びの大部分は「イメージ」です。登場人物の性格や役割、チャンバラごっこが始まった背景や現在の状況などさまざまなことを想像し、友達と共有しようとします。

協調性が身に付く

一定のルールに従いごっこ遊びをすることで、社会性や協調性を身につけられるでしょう。一人ひとりが勝手に行動しては、ストーリーがめちゃくちゃになってしまい先に進められません。時には話し合ったり新しくルールを決めたりしながら、協力して遊ぶ必要があります。

相手を思いやる心が育つ

思いやりの気持ちが育つのも、ごっこ遊びのメリットでしょう。役になりきることで「この人はこう感じたんだ!」「今、こう言ったら相手はなんて言うかな?」などと考える機会が生まれるためです。相手の気持ちを想像したり、相手の嫌がることはやめようとしたりする中で、自然と心が発達していきます。

チャンバラごっこで使える刀の作り方5選

チャンバラごっこは、ごっこ遊びだけでなく、刀を作る過程も楽しめるポイントです。ここでは、チャンバラごっこに使用できる刀の作り方をご紹介します。保育園や幼稚園で、子どもたちと一緒に作って楽しみましょう。

新聞紙でできる刀の作り方

新聞紙でできた刀です。丸めるだけでできるので、とっても簡単に作れます。デザインを凝ったものにすれば、本格的な刀ができあがるでしょう。

【用意するもの】

  • 新聞紙
  • 段ボール
  • ビニールテープ
  • はさみ
  • セロハンテープ

【作り方】

  • 新聞紙を好きな太さに丸めて、端をセロハンテープで仮止めする
  • 段ボールを直径10cm程度の丸になるように切る
  • 段ボールの真ん中にバッテンになるよう切り込みを入れる
  • 新聞紙と段ボールにビニールテープを巻きつけて完成
    ※持ち手の部分と刀の部分のデザインを変えると本格的になります

傘袋でできる刀の作り方

傘袋で作る刀です。体に当たっても痛くないので、安心して遊べます。空気が抜けやすいので、優しく扱いましょう。

【用意するもの】

  • 傘袋
  • 輪ゴム
  • セロハンテープ
  • シールなどの飾り

【作り方】

  • 傘袋に空気を入れ、口の部分をねじって輪ゴムで留める
  • セロハンテープで補強し、空気が漏れないようにする
  • シールなどの飾りを付けて完成

プールスティックでできる刀の作り方

プールスティックでできる柔らかい刀です。ただし、支柱として固い素材も使用するので注意しながら作成しましょう。支柱は短めのものを用意すると、のこぎりで切る必要がなくそのまま使用できます。

【用意するもの】

  • ビニールテープ
  • 両面テープ
  • 園芸用支柱
  • プールスティック

【作り方】

  • 支柱の持ち手となる部分にビニールテープを巻く
  • 持ち手以外の部分に両面テープを貼る
  • 両面テープのシートをはがす
  • プールスティックの空洞部分に支柱を差し込んで完成

画用紙でできる刀の作り方

チャンバラごっこで使用する刀は画用紙でも作れます。一斉保育でも作成可能です。また、画用紙なので保管が簡単で、道具を片付ける場所に困ることもありません。

【用意するもの】

  • A4サイズの画用紙
  • はさみ

【作り方】

  • 画用紙を正方形に切る
  • 三角形になるように折る
  • 別の角度で三角形になるように再度折る
  • 縦と横に半分に折り、折り目を付ける(+と×の線がつくように)
  • 一度開き、右上と左下の角を中心に合わせて折る
  • 紙を裏返し、横向きに置く
  • 上下の面を中心線と合うように折る
  • 出ている角の部分を中心に向かって折る
  • 左の角を右方向に折る(右端の四角を残す)
  • 折った左端を再度左に折り返す(模様が綺麗な四角になるように)
  • 折り返した左側の上下面を中心線に向かって折る
  • 左端の角を折りたたむ
  • 左側を中心線のところで折る
  • 1cmほど残し、折り返す
  • 右側の上下面を中心線に向かって折る
  • 裏返して完成

段ボールでできる刀の作り方

段ボールで作る刀です。キラキラの折り紙やシールを張り付けると、本物のようなカッコよさが出ます。

【用意するもの】

  • 段ボール
  • キラキラテープや折り紙、アルミホイルなどの飾り
  • カッター
  • ボンドか両面テープ

【作り方】

  • 段ボールの余った部分で、10cm×5cmの四角もしくは直径10cmの丸を作る
  • 段ボールの真ん中に切り込みを入れる
  • 他の段ボールで好きな形(刀)に切る
  • キラキラテープや折り紙、アルミホイルなどの飾りを付ける
  • 持ち手の部分と刃の境界線のところに四角・丸の段ボールを両面テープかボンド(素材によって付きやすい方を選ぶ)で付けたら完成

保育園でチャンバラごっこを取り入れるポイント

チャンバラごっこで遊ぶ時のポイントを押さえて、チャンバラごっこを楽しみましょう。ここでは、チャンバラごっこを導入する際の5つのポイントについて詳しくご紹介します。

危なくない道具を用意する

チャンバラとは刀で切りあうことです。そのため、先の尖ったものや硬いものを使用すると、子どもたちがケガをする恐れがあります。使用する道具は、できるだけ柔らかく当たっても危なくないような素材を選びましょう。

道具をそろえておくと、保育者が逐一目を配らなくても自分たちだけで安全に遊べるようになります。

ルールを決めて保育者が見守る

チャンバラごっこをする際は、しっかりとルールを決めておくことも大切です。ルールを決めておかなければ、「あの子が顔を叩いた」「何度もやめてと言ったのに叩いてきた」など、もめ事に発展しやすくなります。例えば、以下のようなルールを決めておきましょう。

  • 友達の顔は狙わない
  • 危ないことはしない
  • 嫌がっていたらすぐにやめる
  • 順番を守って遊ぶ など

トーナメント戦にして運動要素を取り入れる

チャンバラごっこを一定の子どもたちの間での遊びにとどめずに、クラス全員で遊びを共有するという方法もあります。

例えば、トーナメント表を作り優勝をかけて競うようなルールにするとスポーツ大会のような感覚で楽しむことも可能です。運動要素を取り入れると、ごっこ遊びの内容よりも「体を動かして遊ぶこと」に重点が置かれるので、トラブルも減るでしょう。

思い切り動ける場所で行う

チャンバラごっこをするときは、広いところで行う必要があります。狭い室内でチャンバラごっこをすると、全く違う遊びをしていた子がケガをしたり、保育室のものに当たって壊れてしまったりすることもあります。

子どもがケガをすることがないよう、事前に環境を整えておきましょう。また、「ケガをした人が出たらチャンバラごっこをお休みにする」といったルールを事前に設定しておくのも方法の一つです。

人形や的など代用品を用意する

チャンバラごっこは、対人だからこそケガやトラブルに発展してしまうものです。そのため、子どもたちが戦う相手を危険のないものに変えてしまえば、リスク対策になります。人形や的などを相手に見立てたチャンバラごっこを提案してみましょう。

まとめ

チャンバラごっこは保育園で人気のある遊びです。特に年少〜年中の時期の子どもの間で流行します。チャンバラごっこで使用する刀を保育園でも作ってみませんか?

新聞紙や段ボール、折り紙などを使用すれば、簡単に作成できます。ごっこ遊びだけでなく、製作の時間も楽しめるので一石二鳥です。刀の作り方やチャンバラごっこで遊ぶ際のポイントなどは、今回の記事でもご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

Share.
Exit mobile version