雨の日は外に出られないため、必然的に室内遊びの時間が増えます。特に、雨が何日も続いている場合は「何をして遊ぼう?」「楽しく過ごせる方法はないかな?」と、保育に悩むこともあるでしょう。

そこで今回は、雨の日におすすめの室内遊びをご紹介します。楽しく過ごせる保育アイデアや、遊びを展開するポイントを解説するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

雨の日でも楽しく過ごすポイント

雨の日は憂鬱な気分になったり、思い切り遊べずにストレスを感じたりすることもあるでしょう。ここではまず、雨の日に子どもたちが保育園で楽しく過ごすためのポイントを2つご紹介します。

雨について考え興味関心を促す

雨の日にしかできないことをやってみるのも方法のひとつです。天気について考えたり、雨の様子を観察したりする時間を作ってみましょう。

雨に関する知識が増え興味関心が増すことで、雨の日も楽しく過ごせるようになります。具体的な雨の日の声掛けの一例は以下の通りです。

  • 雨はなにでできているのかな?
  • 雨の音はどんな音かな?
  • 雨が降ると喜ぶ人や生き物はいるかな?

また、図鑑を用いて研究したり、雨を実際に触ってみたりしても盛り上がります。年齢や興味関心の度合いに合わせてどこまで深掘りするかを決めましょう。

子どもの気持ちに寄り添った遊びを展開する

雨の日だからといって、毎回同じシチュエーションになっているとは限りません。状況に応じて適切な遊びを取り入れましょう。例えば、以下のようなパターンがあります。

  • 雨が何日も続いていて、思い切り遊べない→運動遊びをする
  • 久しぶりの雨の日で嬉しい気持ちになっている→雨にちなんだ遊びを取り入れる
  • 天気の影響で子どもの様子が落ち着かない→落ち着いて過ごせる遊びを展開する

子どもの気持ちやクラスの状態に合わない遊びを展開すると、余計なトラブルや怪我を招く恐れがあるため注意が必要です。一方、子どもたちの気持ちに寄り添った保育を取り入れると、遊びを盛り上げながら楽しく過ごせます。

雨の日でも思いっきり体を動かせる遊び5選

なかなか外遊びができず思いきり体を動かしたいときは、運動遊びを取り入れましょう。年齢別に、おすすめの遊び方をご紹介します。

0~2歳の乳児におすすめの遊び2選

まずご紹介するのは、0〜2歳の乳児期に楽しめる運動遊びです。道具は軽くて柔らかいものを使用し、危険のないように配慮する必要があります。おすすめの運動遊びは以下の2つです。

風船バレーボール

風船を使用するので、乳児期の子でも安心して参加できる運動遊びです。まだ歩ける時期でない子でも、風船がふわふわとゆっくり落ちていく様子を観察して楽しめます。

【用意するもの】

  • 風船
  • スズランテープ

【遊び方】

  • クラスを2チームに分ける
  • チームの間に保育者が2人立ち、スズランテープを張る
  • 落ちてくる風船を相手チームのコートに入れて遊ぶ
  • 風船が落ちたら負け

0歳や1歳のクラスでは勝敗にこだわらなくて構いません。風船をみんなで叩いて遊びましょう。

さらに一人ひとりに風船が行きわたるよう、風船を増やしてみるなどの工夫をすると、より楽しさが増します。

かたつむりレース

かたつむりレースは、ハイハイレースの雨の日バージョンです。ハイハイできる月齢の子が対象なので、0〜2歳児クラスでも遊びを導入できます。

【用意するもの】

  • 持ち手付きの紙袋

【遊び方】

  • 子どもを何列かに分けて整列する
  • 先頭の子は紙袋を背負う
  • ゴール地点に保育者が何人か立って待つ
  • 「よーいどん」の合図でハイハイしながらゴールを目指す

段ボールでトンネルを作ったり、スズランテープのカーテンを用意したりと、障害物があっても面白いかもしれません。また、子どもがゴールした際に保育者との触れ合いタイムを作り、コミュニケーションを楽しむのもおすすめです。

3~5歳の幼児におすすめの遊び

3〜5歳になると、身体的な発達が著しく、思い切り体を動かして遊びたいという欲求も強くなります。そういった場合には、全身を使って遊べる運動遊びを取り入れましょう。

あぶくたった

ルールが比較的簡単なので、3歳児クラスでも導入できます。あぶくたったの遊びに出てくる歌詞やセリフにストーリー性があり、想像力を膨らませて遊べるのも嬉しいポイントです。

【用意するもの】

  • 帽子

【遊び方】

  • 鬼を1人決める
  • 鬼は帽子を裏返し分かりやすくする
  • 鬼はその場にしゃがんで両手で顔を隠す
  • 鬼以外の子が鬼の周りに立ち円を作る
  • 歌に合わせて動く
  • 鬼が「おばけの音」と言ったら全員逃げる
  • 鬼に捕まった子が次の鬼になる

【歌詞と動作】

  • ※あぶく立った煮え立った煮えたかどうだか食べてみよう(手をつないでぐるぐる回る)
  • ※むしゃむしゃむしゃ (食べるふりをする)
  • まだ煮えない(顔と手を横に振る)
  • ※を繰り返す
  • もう煮えた(頷く)
  • ご飯を食べて 歯磨きをして お風呂に入って 電気を消して(言葉に合う動作をする)
  • おやすみなさい(寝たふりをする)
  • 鬼は円の外に出る
  • 鬼「とんとんとん」(ノックする)
  • 子「何の音?」(起きる)
  • 鬼「風の音」「新聞屋さんの音」「電気が消える音」などと言う
  • 子「あー良かった」(再度寝る)
  • どこかのタイミングで鬼が「おばけの音」といったら追いかける
  • 他の子は逃げる

しっぽ取り

しっぽ取りは広い空間がなくてもできる運動遊びです。子ども同士のコミュニケーションも取れるので、遊びが盛り上がります。全身を上手く使わなければすぐに負けてしまうので、思い切り体を動かしてストレス発散にも最適です。

【用意するもの】

  • しっぽになるもの(新聞紙やスズランテープなど)

【遊び方】

  • 逃げてもよい範囲(陣地)を決める
  • ズボンをしっぽの中に入れる
  • よーいどんの合図で、自分のしっぽを取られないようにしながら友達のしっぽを取りに行く
  • 制限時間までしっぽを取られなかった人の中で、より多くのしっぽを持っていた人の勝ち

フラフープ渡し

フラフープを使った運動遊びです。チーム対抗戦なので、協調性も身に付きます。ひとり一人フラフープをくぐっていく方法や、チーム全員で手をつなぎ、手を放さずにフラフープを渡していくといった遊び方があります。複数の遊びをつなげて行っても盛り上がるでしょう。

【用意するもの】

  • フラフープ

【遊び方】

  • クラスを2チームに分ける
  • 先頭の人がフラフープを持つ
  • よーいどんの合図で、フラフープを頭からくぐり抜ける
  • 次の人にフラフープを渡す
  • 一番早く全員がフラフープをくぐり終わったチームの勝ち

好奇心を育てる!雨の日にちなんだ遊び・ゲーム5選

雨の日にちなんだ遊びや、雨の日バージョンのアレンジを加えられる遊びをご紹介します。好奇心を育み、雨の日も楽しく過ごしましょう。

0~2歳の乳児におすすめの遊び(雨の日アレンジ)

まずは、0〜2歳児クラスにおすすめの遊びについて解説します。クラスの様子や子どもたちの発達の状況に合わせて柔軟にルールを変更させながら、保育に取り入れてみてくださいね。

合奏

サイズの違うバケツを複数用意し、雨粒が落ちる音や水が溜まっていくときの音色の違いを聞き比べて興味関心を引き出します。子どもたちが、雨に興味を感じたら、雨にちなんだ歌に合わせて合奏をしましょう。遊び方は以下の通りです。

【用意するもの】

  • 楽器(マラカスや太鼓、カスタネットなど)
  • 伴奏用のピアノかCD

【遊び方】

  • 0~2歳児が演奏できる楽器を用意する
    (自分で作っても楽しめる)
  • 音楽に合わせて思い思いに楽器を演奏して楽しむ

【雨の日にちなんだ楽曲】

  • 雨降りくまの子
  • あめふり
  • かたつむり
  • カエルの合唱
  • にじ など

手遊び~かみなりどんがやってきた~

雨の日にちなんだ手遊びです。「かみなりさまに取られてしまう!」とハラハラドキドキしたスリルを味わえます。

【遊び方・振付】

  • かみなりどんがやって来た(人差し指を立てて角を作り片手ずつ頭に乗せる)
  • ドンドコドン ドンドコドン(太鼓をたたく真似をする)
  • 隠さないと取られるぞ (人差し指を立てて角を作り片手ずつ頭に乗せる)
  • ドンドコドンドンドーン(太鼓をたたく真似をする)
  • 隠すのは(手をぐるぐる回す)
  • 「頭」「おへそ」「お尻」など(体の部位を指定し、その部位を隠す)
  • 隠す部位をどんどん増やしていき隠せなくなったら終わり

3~5歳の幼児におすすめの遊び(雨の日アレンジ)

3〜5歳の幼児クラスで楽しめる、雨の日にちなんだ遊びをご紹介します。

フルーツバスケット

フルーツバスケットを雨の日バージョンにアレンジした遊びです。フルーツを雨の日に出てくる生き物やお花などに置き換えるだけなので簡単に導入できます。

【用意するもの】

  • 椅子
  • チーム名が分かるメダル

【遊び方】

  • クラスを3~5チームに分ける
  • チームごとに雨の日にちなんだものや生き物を決める
    ※例:カエル、カタツムリ、傘、雨のしずく、てるてる坊主、あじさい など
  • 画用紙に、チームごと決めたものを描く
  • メダルにして首にかける
  • 椅子を丸く並べて座る(人数分より1つ少なくする)
  • 鬼が真ん中に立ち「カタツムリ」などチーム名を呼ぶ
  • 呼ばれたチームは立ち上がり椅子を替える
  • 座れなかった子が次の鬼になる

猛獣狩り

猛獣狩りはリズムに乗せて体を動かすリズム遊びです。「猛獣狩りに行く」というストーリー性がある遊びで、想像力が養われます。また、自分から積極的に友達に声をかける必要のある遊びなので、コミュニケーション力が養われるのも大きなメリットです。

【遊び方・振付】

  • 以下の歌を、保育者が先に歌い子どもたちが繰り返すように歌い後に続く
  • 「猛獣狩りに行こうよ」(エイエイオーのポーズ)
  • 「猛獣なんて怖くない」(手を顔の前で左右に振り、首も左右に振る)
  • 「だって鉄砲持ってるもん」(鉄砲のポーズ)
  • 「槍だって持ってるもん」(槍を持っているイメージで手を上に掲げる)
  • 「あ!」(驚きながら、前後左右上下のうち一か所を指さす)
  • 最後に生き物の名前を呼ぶ(「ライオン」「きりん」など)
  • 文字数と同じ人数になるようにグループを作る
  • グループを作れなかった子の負け

感覚遊び~水お手玉~

雨の日は、水に関する遊びを取り入れるのも方法のひとつです。水お手玉を作れば、ビニール袋ごしに、冷たさやタプタプとした液体ならではの感覚を楽しめます。

【用意するもの】

  • 透明のビニール袋2枚
  • 油性マーカー
  • ビニールテープ

【遊び方】

  • ビニール袋の口側の角2つをそれぞれ駒結びにする
  • 上記のビニール袋に水を入れ、しっかりと口を結ぶ
  • 水が漏れないよう、もう1枚のビニール袋に入れて重ね、口を結ぶ
  • 油性マーカーでビニール袋に顔を描く
  • ビニール袋ごしに水を触り感覚遊びを楽しむ

落ち着いて過ごせる!雨の日にピッタリの製作遊び5選

雨が続いていたり、久しぶりの雨で気分が盛り上がりすぎていたりすると、子どもの様子が落ち着かなくなります。そういったときは、集中しながら静かに過ごせる製作遊びがおすすめです。

0~2歳の乳児におすすめの製作アイデア

まずは、0〜2歳の乳児期におすすめの製作アイデアをご紹介します。難しい部分は保育者が行いサポートしながら進めましょう。

雨傘ガーランド

季節の壁面にもピッタリな、飾って可愛い雨傘ガーランドです。色の付け方で個性がしっかりと現れるので、0〜2歳児クラスの製作に適しています。

【用意するもの】

  • 紙皿
  • シールやスパンコールなどの装飾品
  • 絵具
  • クレヨン
  • はさみ
  • モール
  • 毛糸
  • テープかホチキス

【作り方】

  • 以下のような方法で紙皿に色を付ける
    1.シールやスパンコールを貼る
    2.絵具を指に付けて紙皿にスタンプする(フィンガーペインティング)
    3.クレヨンで絵を描きその上から絵具で色を付ける(はじき絵)
  • 絵具が乾いたら、紙皿を半分に切る
  • 紙皿の端の部分をギザギザやなみなみに切り取る
  • 丸めて端をテープかホチキスで留める
  • 傘のてっぺんからモールを通す
  • 頂点は丸くし、下の方は傘の柄の形にする
  • 丸い部分に毛糸を通し全員分の傘を飾って完成

カラフルてるてる坊主

晴れの日が待ち遠しい時はてるてる坊主を作って遊びましょう。花紙をくしゃくしゃと丸める感覚も楽しい製作遊びです。

【用意するもの】

  • 透明のビニール袋
  • 花紙
  • 丸い形のシール
  • 毛糸
  • スズランテープ
  • はさみ
  • 油性マーカー
  • セロハンテープ

【作り方】

  • 花紙をくしゃくしゃにして丸める
  • ビニール袋に花紙を入れる
  • 花紙の部分が顔になるようスズランテープを結んで留める
  • シールを貼り、顔を作る
  • マーカーで体の部分に絵を描く
  • 顔の後ろ側に丸くした毛糸をテープで付けて完成

3~5歳の幼児におすすめの製作アイデア

3〜5歳の幼児期には、作って遊べる製作物がおすすめです。雨にちなんだ生き物の製作遊びをご紹介します。

紙コップで作るゲコゲコガエル

「ゲコゲコ」と音が鳴る様子が不思議で楽しい製作アイデアです。紙コップとストローを使用して簡単に作成できます。

【用意するもの】

  • 紙コップ
  • ストロー(口の部分が曲がるもの)
  • マーカー
  • 折り紙
  • のり
  • 画用紙
  • きりかカッター
  • ホチキス

【作り方】

  • 紙コップの飲み口から2cm位のところに5mmくらいの穴をあける
  • 紙コップの底の部分をぐるりと一周カッターで切り込みを入れる
    ※1cm程度残し、つながるようにしておく
  • 穴の部分にストローのギザギザ(曲がる部分)が当たるよう、差し込む
  • 底の真ん中あたりでストローをカットし、ホチキスで留める
  • 胴体と顔の部分に折り紙を貼ったり、マーカーで色を付けたりする
  • 画用紙を丸く切り、目を付ける
  • ストローを引っ張ったり押したりして音を鳴らして遊ぶ

牛乳パックで作るピョンピョンガエル

カエルがぴょんと跳ねる様子を再現した製作遊びです。だれが一番高く飛べるか、遠くに跳べるかなどを競争しても楽しめます。

【用意するもの】

  • 牛乳パック
  • 油性マーカー
  • はさみ
  • セロテープ
  • 輪ゴム

【作り方】

  • 牛乳パックの2面分だけを切り取る(立ての幅は5cm程度)
  • 白い面を上にして、真ん中の折り目をセロテープで留める
  • 残りの白い部分にカエルの絵を描く
  • 外側4ヵ所に2~3mmの切り込みを入れる
  • 切り込み部分に、裏側で×になるように輪ゴムを付ける
  • 輪ゴムがクロスしている方を表にして折りたたんで完成

折り紙カタツムリ

カタツムリは折り紙で簡単に作れます。折り紙は、手先の運動や脳のストレッチに効果的なので幼児期の製作活動におすすめです。また、かさばらなくて壁に飾りやすいので季節の壁面製作にも適しています。

【用意するもの】

  • 折り紙
  • マーカーかクレヨン

【作り方】

  • 折り紙の白い面を上にして三角形に折る
  • 右の角を頂点に合わせて折る
  • 折った部分に合わせて外側に折り返す
  • 裏返す
  • 右端を60度程度の角度に折る
  • 真ん中の一番高い角を裏側に折り込む
  • 右端の角に5mmほどの切り込みを入れる
  • 外側に折り返す
  • 真ん中の大きな面にぐるぐる模様を描いて完成

雨の日に遊びを展開する際の注意点

雨の日はストレスがたまりやすくなります。特に何日も雨が続いて、外遊びに出られないときは注意が必要です。主な理由としては、ストレスが溜まると、友達同士の喧嘩が増えたり思わぬ行動をして怪我をしたりといったトラブルが増える可能性が高まります。

また、体調管理も重要なポイントです。雨が降ると湿度が上がったり気圧が下がったりすることで、体調不良になる子もいます。雨が降っているときでも、気分転換や感染症予防として適度に換気をしましょう。

まとめ

雨の日は「室内で自由遊びをしている」というケースは多いのではないでしょうか。毎日同じ遊びを展開するだけでなく、子どもの様子に合わせて適切な遊びを取り入れましょう。

また、雨にちなんだ遊びを行い、天気や環境に関する興味関心を引き出すのも方法のひとつです。今回ご紹介した保育アイデアもぜひ、参考にしてみてくださいね。

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