手作りおもちゃは費用をかけずに作成できる点や、子どもの興味関心に合ったおもちゃを提供できる点に魅力があります。保育園で「手作りおもちゃを導入したい」と思っている保育士の方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、簡単に作れるおすすめ手作りおもちゃを12個ご紹介します。年齢別に、発達に合うおもちゃをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

手作りおもちゃの3つの魅力

おもちゃ売り場で購入するおもちゃにはない、手作りおもちゃならではの魅力とはなんでしょうか。ここではまず、手作りおもちゃの魅力をご紹介します。

子どもの興味関心や発達に合わせられる

子どもの興味関心や発達の度合いは日々変化していくものです。既製品のおもちゃでも楽しく遊ぶことはできますが、子どもの様子や発達に合わせ、ピンポイントで伸ばしたい力を養えるようなおもちゃを導入するのは難しいでしょう。

一方、手作りおもちゃであれば、その時々の様子に合うおもちゃを提供できます。難易度を上げようと思えば、すぐにアレンジも可能です。

身近な素材で簡単に作れる

家や保育園にあるもので作れるのも、手作りおもちゃのメリットのひとつです。牛乳パックやダンボールなどを使って、子どもたちと一緒に作成しても楽しいでしょう。

特別な道具がなくても気軽に作成できるので、費用もかかりません。おもちゃを増やしたいけれどコストは抑えたいというときにも最適です。

みんなで同じおもちゃで遊べる

保育園の場合、1クラスに数名~数十名の子どもが在籍しています。そのため、既製品のおもちゃを人数分用意するのはなかなか難しいでしょう。

しかし、手作りおもちゃであれば廃材を使用して簡単に作れるため、全員に行きわたるようにすることも可能です。みんなで一斉に同じ遊びができるので、コミュニケーションを取ったり楽しみを共有したりする機会が増えます。

【年齢別】手作りおもちゃの作り方12選

各年齢で2つずつ、おもちゃの製作アイデアをご紹介します。年齢別におもちゃをご紹介します。

0歳児におすすめの手作りおもちゃ

0歳児は、月齢によって発達の差が大きい時期です。寝たままの状態や座った状態でも楽しめるおもちゃを導入しましょう。視覚や聴覚、感覚を使って遊べるおもちゃも喜ばれます。

ベビーマラカス

優しい音色が心地よいベビーマラカスです。軽い素材でできている上に布で覆うため、万が一遊んでいる際に頭やお腹の上に落としてしまっても問題ありません。

【用意するもの】

  • トイレットペーパーの芯
  • タオル
  • 輪ゴム
  • ビーズやストロー
  • リボン
  • フェルト
  • はさみ
  • ボンド

【作り方】

  • ハンドタオルを広げて1/4くらいの大きさに切る
  • ストローを適当な大きさに切る
  • タオルの端にトイレットペーパーの芯を置く
  • トイレットペーパーの芯にタオルを巻き、片側だけ輪ゴムで縛る
  • 輪ゴムで留めていない方からビーズやストローを入れる
  • もう片側も輪ゴムで縛って留める
  • 輪ゴムの上からリボンを巻きつけて完成

いないいないばあ

いないいないばあが大好きな0歳児にピッタリのおもちゃです。絵が消えたり出てきたりするので、不思議な感覚を楽しめます。

【用意するもの】

  • 牛乳パック
  • 画用紙
  • テープ
  • のり

【作り方】

  • 牛乳パックが四角くなるよう注ぎ口の部分を折り込み、テープでとめる
  • 牛乳パックの全面に画用紙を貼り付ける
  • 同じ工程を施した牛乳パックをもう1つ作る
  • 画用紙で動物の顔などを作り、2つの牛乳パックの真ん中に貼り付ける
  • 顔のある面を内側に折り曲げる
  • 画用紙で動物の手を作り、牛乳パックに貼り付けて完成

0歳児におすすめの手作りおもちゃについては、「0歳児におすすめの手作りおもちゃ20選!保育に取り入れるねらいや注意点も解説」で詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。

1歳児におすすめの手作りおもちゃ

1歳児になると歩き始める子も多く、動きが活発になります。1歳児は何度も同じ動作を繰り返す中で、ものが動く際の感覚や動作を学習します。そのため、何度でも使用できるようなおもちゃを作りましょう。1歳児におすすめのおもちゃは以下の2つです。

無限ティッシュ

1歳ごろになるとティッシュを引っ張り出すのにハマってしまう子がたくさんいます。このおもちゃは片付けが大変になることもなく、何度でも繰り返し遊べるため、1歳児におすすめです。

【用意するもの】

  • ティッシュの空き箱
  • 厚めのキッチンペーパー(ふきん)
  • はさみ

【作り方】

  • キッチンペーパーをティッシュ箱の大きさに切る
  • キッチンペーパーを交互に重ねていく
  • もしくは、キッチンペーパーの角を結びつなげていく
  • キッチンペーパーをティッシュ箱の中に入れて完成

ぽっとん落とし

指先を使える面白さや、物が下に落ちていく感覚が楽しいおもちゃです。落とすものとタッパーがあれば簡単に作れます。

【用意するもの】

  • タッパー
  • カッター
  • はさみ
  • テープやシール
  • ペットボトルのキャップやストローなど

【作り方】

  • ペットボトルのキャップ2つをテープで付ける(何個か作る)
  • ストローを半分の大きさに切る(何本か用意する)
  • タッパーの蓋に、ペットボトルのキャップやストローなど落とすものが入る大きさの穴を開ける
  • 穴に落とす際に手が切れないよう、切った部分をテープやシールなどで補強して完成

1歳児向けに手作りおもちゃを作るのであれば、「おすすめの手作りおもちゃ8選!1歳の発達過程と成長に合わせたおもちゃを手作りするメリットとは」も参考になるでしょう。

2歳児におすすめの手作りおもちゃ

2歳児は、手先が発達し始めます。言葉も少しずつ増えていく時期です。手を動かして遊ぶことで、手先のトレーニングになるだけでなく脳を活性化させる効果も期待できます。2歳児のおもちゃには、手を使って遊べるものを導入しましょう。

紐通し

指先を動かすトレーニングに最適なおもちゃです。トイレットペーパーの芯の向きを変えることで、難易度も簡単に変更できます。

【用意するもの】

  • トイレットペーパーの芯
  • 穴あけパンチ
  • マスキングテープ
  • はさみ

【作り方】

  • トイレットペーパーの芯にマスキングテープを1列ずつ貼る
  • マスキングテープの幅に、はさみで切る
  • トイレットペーパーの芯を半分に軽く折り、真ん中で穴を開ける
  • 紐の先にテープを巻き補強して完成

パズル

ダンボールで作るパズルです。組み合わせ自由で、どんな風にでも組み合わせることができるので何度も楽しめます。答えがない新感覚の遊びになっており、想像力や思考力も育めるため、知育に最適です。

【用意するもの】

  • ダンボール
  • 画用紙
  • のり
  • はさみ
  • ペン
  • カッター
  • 定規

【作り方】

  • ダンボールを正方形に切る
  • ダンボールの中心に印を付ける
  • 定規とペンで、好きなように線を引いていく
  • ペンに沿ってカッターで切る
  • ダンボールの形に画用紙を切りのりで貼り付ける
  • 自由に形をつなげて遊ぶ

2歳児向けの手作りおもちゃについてもっと知りたい方は、「2歳児に適したおもちゃとは?成長に合わせた子どもが喜ぶ手作りおもちゃ10選」も参考にしてみてください。

3歳児におすすめの手作りおもちゃ

3歳児になると幼児期に突入し、心身の発達が著しくなる時期です。指先を使用する遊びや、複雑な動きをするおもちゃが喜ばれます。

色合わせ

同じ色のピースを探して重ねるおもちゃです。色合わせに慣れてきたら数字や文字に変えてみましょう。3歳児の学びを深める際に多用できます。

【用意するもの】

  • ダンボール
  • シール
  • マーカー
  • はさみ
  • マスキングテープ

【作り方】

  • ダンボールにさまざまな色のシールを貼る
  • シールの周りをマーカーでなぞる
  • 別のダンボールか厚紙を丸く切る
  • 周りにマスキングテープを貼り付ける
  • 真ん中にシールを貼って完成
  • 同じ色のシールを探して重ねて遊ぶ

ぴょんぴょんかえる

カエルが飛び跳ねるように牛乳パックがぴょんと跳ぶ感覚が面白いおもちゃです。子どもと一緒に作って楽しめます。

【用意するもの】

  • 画用紙
  • 牛乳パック
  • 輪ゴム
  • テープ
  • クレヨン
  • はさみ

【作り方】

  • 牛乳パックを5cm程度の幅に切る
  • 真ん中両サイドに5mm位の切り込みを入れる
  • 切り込みのところに輪ゴムを通す
  • 画用紙にカエルの顔や手足を描く
  • 描いた絵を画用紙から切り取り牛乳パックに貼り付けて完成

4歳児におすすめの手作りおもちゃ

4歳児になると「自分で作りたい」という気持ちや好奇心も強くなります。子どもが自分で作れるようなおもちゃを選びましょう。また、「こうしたらどうなるかな」と想像力を刺激するようなおもちゃも4歳児に適しています。

ロケット

輪ゴムの力で紙コップロケットが高く飛び立つ様子が面白いおもちゃです。4歳になると宇宙に興味を持つ子も出てくるため、子どもの好奇心を刺激し楽しく遊べるでしょう。

【用意するもの】

  • 紙コップ
  • クレヨンやマーカー
  • はさみ
  • 輪ゴム

【作り方】

  • 紙コップの口に部分に4ヵ所切り込みを入れる
  • 輪ゴムを結び、紙コップの切り込み部分にかける
  • 紙コップにロケットをイメージした絵を描く
    (画用紙などを貼り付けてもOK)
  • もう一つの紙コップに重ねて完成

万華鏡

キラキラとした模様を観察するのが楽しいおもちゃで、好奇心が高まる4歳児に最適です。自分で絵柄を描いて自分好みの万華鏡を作成しましょう。

【用意するもの】

  • トイレットペーパー芯
  • 色紙
  • アルミテープ
  • ビニール袋
  • プラ板
  • 飾り(ビーズやカラーセロハン)
  • 穴あけパンチ
  • 両面テープ
  • 厚紙
  • はさみ
  • カッター
  • 定規
  • マスキングテープ

【作り方】

  • トイレットペーパーの芯の大きさにプラ版を切る(2つ)
  • ビニール袋を芯より少し大きめのサイズに切り、マスキングテープで貼り付ける
  • もうひとつの芯を1cm幅に切り、切り込みを入れて芯の中に入れる
  • 芯の中に飾りを入れ、最後にプラ版を入れる
  • 1cm切り取った方のトイレットペーパーの芯を3等分に切る
  • アルミテープを貼り付ける
  • 3つを三角錐の形になるように貼り付ける
  • 三角錐をもうひとつの芯に入れる
  • トイレットペーパーの芯の底より一回り大きいサイズの画用紙と厚紙を用意する
  • 厚紙の真ん中に覗き穴を開ける
  • 厚紙と画用紙をトイレットペーパーの芯に貼り付ける
  • トイレットペーパーの芯の周りを画用紙などで飾って完成

5歳児におすすめの手作りおもちゃ

5歳児は、友達とのかかわりを楽しむようになる時期です。集団遊びで使用できるおもちゃや、練習をすることで面白みが増すようなおもちゃを導入するとよいでしょう。

ぶんぶんごま

タコ糸を牛乳パックに通し、遠心力を使ってこまを回すおもちゃです。連続して回せるようになるためには練習が必要になるため、集中して遊べます。

【用意するもの】

  • タコ糸
  • 牛乳パック
  • コンパス
  • はさみ
  • きり
  • マーカー

【作り方】

  • 牛乳パックにコンパスで円を描き切り取る
  • 対角線を引き、中心部分に2つ穴をあける
  • マーカーで好きな柄を描く
  • タコ糸を穴に通して端を結んで完成

魚釣り

作っても楽しい、遊んでも楽しいおもちゃです。魚釣りの作り方にはさまざまな方法がありますが、今回は、磁石の力を使って釣り上げるおもちゃをご紹介します。磁石の力について解説して、実験のように遊びを展開しても盛り上がります。

【用意するもの】

  • 紙コップ (魚の数)
  • 割り箸
  • ゼムクリップ
  • 磁石
  • タコ糸
  • 色画用紙や折り紙
  • はさみ
  • のり
  • テープ
  • マーカーやクレヨン

【作り方】

  • 紙コップに折り紙や画用紙を貼り付ける
  • 紙コップの飲み口のほうに切り込みを入れて開く
  • マーカーやクレヨンで目や口を描く
  • 紙コップの上部にゼムクリップをテープで貼り付ける
  • タコ糸を割り箸に巻きつけて適当な長さで切る
  • タコ糸の先に磁石を貼り付けて完成

手作りおもちゃを作る際の注意点

メリットの多い手作りおもちゃですが、手作りおもちゃを作る際はいくつか注意したいポイントもあります。主な注意点は3つです。注意点を押さえ、楽しく遊べるように配慮しましょう。

乳児クラスは誤飲に注意する

おもちゃの中には、ビーズなどの小さな道具を使用するものもあります。乳児クラスでは、発達段階のひとつとして「物を口にいれる時期」の子もいます。おもちゃの誤飲には注意しましょう。

切り口や角が危なくないようカバーする

手作りおもちゃを作る際は、切り口や尖った角などをカバーするのが大切なポイントです。子どもが手を切ったり怪我をしたりしないように配慮しましょう。テープを巻きつけたり、角を丸く切ったりすることで、危険度を下げることができます。

定期的に点検し修理する

手作りおもちゃは簡単に作れる反面、既製品と比較すると壊れやすい点に注意が必要です。定期的に点検し、必要に応じて修理しましょう。

また、子どもの発達や興味関心に合わせて新しくおもちゃを作りなおすことも大切です。子どもの様子に合うおもちゃを提供することで、効率的に学びを深めるサポートができるようになります。

まとめ

手作りおもちゃは、子どもの興味関心や発達に合うおもちゃを提供できる点や、費用がかからないという点にメリットがあります。また、身近なものを使用して簡単に作れるのも嬉しいポイントです。幼児クラスでは、子どもたちと一緒に作成しても楽しめるでしょう。手作りおもちゃの保育アイデアが必要な際は、今回の記事もぜひ参考にしてみてください。

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