思いきり体を動かして遊びたいときは外遊びが最適です。外遊びには運動能力を向上したり、心身のバランスが整ったりとメリットがたくさんあります。外遊びを積極的に導入している保育園も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、保育園での外遊びにおすすめな保育アイデアを10個ご紹介します。保育アイデアの引き出しを増やしておけば、子どもたちの遊びが今よりもっと盛り上がるようになるでしょう。

外遊びを行う4つのメリット

保育園や幼稚園で、外遊びが積極的に展開されているのには理由があります。外遊びを通して子どもたちに有意義な時間を提供できるよう、まずは外遊びのメリットを確認しましょう。

運動能力を向上できる

外遊びでは、園庭や公園などの広い敷地内で思いきり体を動かして遊びます。走る、跳ぶ、しゃがむ、手を伸ばすなど、体の各部位を活発に動かすことで、身体的な運動機能が発達します。

運動機能が発達するメリットは、怪我や病気に強くなることです。外遊びを通して、転んだりケガをしたりしないようにする中で、自然と体の動かし方が分かるようになります。また、太陽の光を浴び新鮮な空気を吸いながら友達と楽しく過ごすことで、免疫力も向上します。

心身のバランスが整う

1日中部屋の中にいるのと外で体を動かすのとでは、心身の健康状態に大きな差がでます。ずっと部屋の中にいると、イライラしやすくなったり集中力が乏しくなったりすることがあるため注意が必要です。一方、外遊びをすると以下のような効果を期待できます。

  • 太陽光を浴びることで、体内リズムが整う
  • セロトニンが生成され、精神の状態が安定する
  • ストレスが発散され、前向きになる など

このように、外遊びをすることで、身体的な運動能力が向上するだけでなく精神的に安定するというメリットもあります。

コミュニケーション能力が身に付く

外遊びでは、コミュニケーション能力が身に付くのもメリットのひとつです。外遊びをしながら楽しく過ごすためには、友達との関わりが必要不可欠になります。

誰かが面白そうなことをしていれば真似をしたり、一緒に遊ぼうと声をかけたりする中で、自然と協調性や積極性が育まれていきます。

社会性を育む

外遊びを通して、社会性を育むことができます。友達とのトラブルを避け楽しく遊ぶためには、一定のルールやマナーを守らなければなりません。

一人だけでできる遊びは少ないので、友達と協力したりときには自分の意見を我慢したり、対話をしたりしながら、遊びを円滑に進めていくようになります。

保育園で外遊びを展開するねらい

外遊びのメリットは複数あります。保育園で遊びを展開する際は「どういったことを重点的に学ぶか」「遊びを行う目的」を明確にし、子どもたちの学びを深めるための援助を行いましょう。外遊びを展開するねらいには以下のようなものが考えられます。

  • 体を思い切り動かして遊び、運動能力を向上させる
  • 気温や天気、動植物などを観察する中で、季節の変化に興味を持つ
  • 太陽の光の強さや位置などの変化を体感しながら、生活リズムを身に付ける
  • 好きなように体を動かし、ストレスを発散させて、情緒を安定させる
  • 友達と協力して遊ぶ中で、コミュニケーション能力や協調性を育む

とくに外遊びは、単に体を動かすためだけではなく、体を動かしながら心も成長させる効果も期待できるでしょう。

【0~2歳】乳児クラスにおすすめの外遊びアイデア3選

0〜2歳児の乳児クラスが楽しめる、外遊びの保育アイデアをご紹介します。ルールや難易度はクラスの様子によって柔軟に変更しながら、遊びを展開しましょう。

だるまさんがころんだ

誰もが一度は遊んだことのある、定番の遊びです。「いないいないばあ」のような要素もあるので、低年齢の子でも十分楽しめます。

【遊び方】

  • 鬼を決める(保育者が望ましい)
  • スタートラインを決め、子どもたちがスタートライン上に立つ
  • 「はじめの一歩」で、一歩だけ前に出る
  • 鬼が「だるまさんがころんだ」といっている間に子どもたちは鬼に近付く
  • 鬼が振り向いたら停止する
  • 動いた子は鬼と手をつなぐ
  • 鬼にバレずに鬼に近付いた子が、捕まった子と鬼の手を切る
  • 全員逃げる
  • 鬼が「ストップ」といったら停止する
  • 鬼は大きく3歩で移動し、誰かにタッチする
  • タッチされた子は次の鬼になる

かくれんぼ

外遊びでのかくれんぼは、室内で行うかくれんぼよりも難易度が上がるため、スリルを楽しめます。乳児クラスで展開する場合は、鬼を複数名にしたり保育者が鬼になったりと工夫しながら進めましょう。

【遊び方】

  • 鬼を1人決める
  • 鬼は目を瞑り大きな声で10秒数える
  • 鬼以外の子はその間に鬼に見つからないように隠れる
  • 鬼が隠れた子を探しに行く
  • 見つけたら「見つけ!」といい、捕まえる
  • 全員見つけたら鬼の勝ちで、最初に見つかった子が次の鬼になる

サーキット

道具や遊具を使い、周回しながら運動遊びを行うのが「サーキット」です。体のさまざまな部位を動かせるので、身体的な発達を促したいときに適しています。

サーキットで使用される道具や遊具の種類は以下の通りです。

  • フラフープ
  • マット
  • 跳び箱
  • 鉄棒
  • ボール
  • 平均台
  • 縄跳び など

【3~5歳】幼児クラスにおすすめの外遊びアイデア7選

3〜5歳になると複雑なルールを理解でき、友達とも円滑にコミュニケーションを取れるようになるため、さまざまな遊びを楽しめます。幼児クラスにおすすめの外遊びを7つご紹介します。

まる・さんかく・しかく鬼

鬼ごっこを少しアレンジした遊びです。鬼がくるくる変わるので、みんなが楽しめます。また、ある程度遊ぶ範囲が特定されるので、園児数の多い保育園や園庭が狭い保育園にもおすすめです。

【遊び方】

  • 子どもが全員入れるくらいの大きさで、〇△□のマークを地面に描く
  • 鬼を1人決める
  • 鬼が「丸」「三角」「四角」のいずれかをコールする
  • 鬼以外の子は指定されたマークに向かって走り、マークの中に逃げ込む
  • 鬼はマークに入られる前に逃げ遅れている子をタッチする
  • タッチされた子は鬼になる
  • 最後までタッチされなかった子の勝ち

中あてドッジボール

ドッジボールよりもルールが簡単なので、3~4歳の子でも楽しめます。また、年長児ではドッジボールを教える前の導入として展開するのもおすすめです。

【遊び方】

  • 大きな丸を地面に描く
  • 3~5人外野を決める
  • 外野は丸の外に立ち、誰か1人がボールを持つ
  • それ以外の子は全員、丸の中に入る
  • 「よーいスタート」の合図で、外にいる子は中にいる子にボールを当てる
  • 中にいる子はボールに当たらないように丸の中で逃げる
  • ノーバウンドでボールが当たってしまったら外野になる
  • 最後までボールに当たらなかった子の勝ち

オオカミさん今何時

「だるまさんがころんだ」と「鬼ごっこ」の要素を合わせたような遊びです。ストーリー性があり、オオカミと子ヤギ役になりきって遊ぶため、想像力が掻き立てられ遊びが盛り上がります。

【遊び方】

  • 安全地帯を決め、分かりやすいように線を引いておく
  • オオカミを1人決め、オオカミは離れた場所に立つ
  • 安全地帯に子どもたち(子ヤギ)が並ぶ
  • 「オオカミさん今何時」と子ヤギが尋ねる
  • 「3時」「7時」などと答える
  • 子ヤギは「あーよかった」といって、時間の数字分オオカミに近付く(3時なら3歩)
  • このやり取りを何度か繰り返す
  • オオカミは頃合いを見て「夜の12時」と答える
  • 子ヤギは安全地帯に向かって逃げる
  • 安全地帯に全員が逃げられれば子ヤギの勝ち
  • 安全地帯に逃げる前にオオカミに捕まった子は次のオオカミになる

いろはにこんぺいとう

古くから日本で親しまれている伝承遊びのひとつです。通常はゴム紐を使用しますが、なければ縄跳びでも代用できます。「動物になりきる」など設定を取り入れるとより楽しめるでしょう。

【遊び方】

  • 鬼を2人決める
  • 鬼はゴム(または縄跳び2本)を両手に持つ
  • 鬼以外の子は後ろを向き、目を瞑る
  • 鬼は「いろはにこんぺいとう」と歌いながら、縄を上下左右に動かす
  • 歌い終わると同時に縄を固定させる
  • 「上か下か真ん中か」と鬼以外の子に聞く
  • 鬼以外の子はそれぞれ「真ん中」「上」などと答える
  • 指定した場所からゴムを通り抜ける
    (例:下と答えたらゴムの下をくぐる)
  • 通り抜ける際にゴムに触れてしまったら鬼と交代する

しっぽ取り

自分のしっぽを守りながら友達のしっぽを取りに行く遊びです。あらゆるところから敵がやってくるので、運動能力だけでなく集中力も養えます。

【遊び方】

  • 新聞やハンカチなどをズボンに少し入れる
  • 逃げられる陣地を決め、地面に線を描く
  • 「よーいスタート」の合図で、陣地内を自由に動き回る
  • 自分のしっぽを取られないようにしながら友達のしっぽを取りに行く
  • 自分のしっぽが取られてしまったら陣地の外に出る
  • 最後まで残った子の中で、より多くしっぽを取っていた子の勝ち

影おくり

外遊びならではの楽しみを感じられる遊びです。集団遊びではありませんが、友達と手をつないだりポーズを決めたりしながら、影おくりをすると面白いでしょう。

【遊び方】

  • 日当たりの良い場所に行く
  • 自分の影が見える場所を探す
  • 自分の影を10秒程度じっと見続ける
  • 空を見上げると残層が残り不思議な感覚を楽しめる

ケイドロ

ケイドロ(ドロケイ)には、警察と泥棒という意味があります。捕まっても仲間が助けに来たら再度逃げられるというルールになっているので、友達と協力しながら楽しさを共有できます。

【遊び方】

  • 警察にタッチされた泥棒が入る牢屋を決める
  • 警察チームと泥棒チームに分かれる
  • 警察が10秒数えている間に泥棒が逃げる
  • 警察は泥棒を逮捕しに行く
  • 警察にタッチされた泥棒は牢屋に入る
  • 仲間が牢屋に駆けつけタッチしてくれたら再度逃げられる
  • 警察が全員捕まえたら警察の勝ち
  • 誰か1人でも最後まで逃げ切ったら泥棒の勝ち

外遊びを展開する際のポイントと注意点

外遊びは子どもたちの大好きな遊びのひとつです。外遊びを楽しく展開するためにも、注意点や確認しておきたいポイントを事前にチェックしておきましょう。

水分補給と休憩を小まめに促す

日差しが強い時期は特に、小まめな水分補給と休憩を取り入れることが大切です。小さい子どもはまだ自分の体調が悪くなっても、上手に言葉にすることができません。

水筒は遊び場の近くに持っていく、木陰で休める場所を事前に作っておく、定期的に声掛けをして促すなどできることはどんどん取り入れましょう。保育者は、子どもたちに体調不良が起きないよう、安全面に最大限配慮する必要があります。

ルールや決まりを事前に説明しておく

怪我やトラブルが起きないように、遊ぶ際のルールや決まりを事前に説明しておくのもポイントのひとつです。

例えば、公園に行く場合「この木よりも向こう側には行かない」「道路に飛び出さない」「トイレに行きたいときは先生に声をかける」などです。

事前に一声かけておくだけで、子ども自身でも気を付けられるようになるので、怪我やトラブルに遭うリスクが削減できます。

広い場所を確保する

遊びの中には、広いスペースが必要になる遊びも多々あります。しかし、園庭が狭かったり園児数が多かったりすると、「思うように遊びが展開できない」「子ども同士がぶつかりそうで危ない」「遊具にぶつかってしまった」といったことが起こる可能性があります。

公園や河原に遊びに行く、他のクラスに声をかけて数分だけ貸し切りにしてもらうなど工夫できることはたくさんあります。外遊びで思いきり体を動かして遊びたいときは、できるだけ広いスペースを確保しましょう。

まとめ

外遊びは子どもたちから高い人気を誇る遊びです。コミュニケーション能力や運動能力を向上できるといったメリットがあり、積極的に外遊びを取り入れている保育園は多くなっています。

保育アイデアを増やしておくと、子どもたちも飽きることなく外遊びを楽しめるようになるでしょう。今回ご紹介した保育アイデアもぜひ参考にしてみてくださいね。

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