1歳は、歌や踊りを好む子が増える時期です。手を叩いたりリズムに乗ったりするようになります。「手遊びを取り入れたい」「手遊びでたくさん触れ合いたい」と考えている保育士の方も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、1歳児クラスにおすすめの手遊びを15個紹介します。手遊びのメリットや遊びを導入する際の注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。手遊びの引き出しを増やし、子どもたちと楽しい時間をたくさん共有しましょう。

手遊びを取り入れる3つのメリット

手遊びを取り入れるメリットは大きく分けて4つです。1歳や乳児期に手遊びに触れる具体的なメリットを紹介します。

  • 情緒が安定する
  • 運動機能を養える
  • 語彙が増える
  • 集中できる

情緒が安定する

手遊びは歌を歌ったり、手を動かしたりして遊ぶだけのものではありません。手遊びを通して子どもと触れ合い、楽しみを共有する中で、コミュニケーションを深めることができます。コミュニケーションをたくさんとると、信頼関係が深まり、情緒が安定します。新学期や入園したばかりの子がいるときにもおすすめの遊びです。

運動能力を養える

歌と動作を同時に行うため、運動能力の向上を期待できます。巧緻性が高まるので、絵画や工作など手先を使う活動の前のトレーニングにもピッタリです。

また、指先をたくさん使った遊びでは、脳の活性化も促すこともできます。知育を目指す場合は手遊びをたくさん取り入れ、脳に刺激を送りましょう。

語彙が増える

手遊びの歌は、同じフレーズが繰り返し出てくることがほとんどです。何度も歌う中で、自然と語彙力が増えていきます。

また、歌詞の内容を理解し考える中で想像力も養われます。1歳児クラスでは難しい歌詞の手遊びよりも、子どもが想像しやすい簡単な歌詞の歌や、言葉遊びを楽しめるような面白い歌を取り入れましょう。

集中できる

活動時の切り替えの際に使用できるのも手遊びの魅力です。「お話を聞きましょう」「静かにしましょう」などと言葉で指示されるよりも、楽しい気持ちで自然と集中できます。また、「次はどんな歌かな」「先生は何をやっているのだろう」と興味関心を持つことで、自発的な行動を促せます。

1歳児クラスで手遊びを導入するねらい

手遊びを導入する際は、ねらいを定めましょう。しっかりと目標を決めて指導計画を立てることで、クラスの子どもたちの発達を適切な形で促すことができます。ねらいの一例は以下の通りです。

  • 友達と楽しみを共有する
  • コミュニケーション能力を養う
  • 手や指を動かし巧緻性を高める
  • リズム感覚を養う など

1歳児クラスで楽しめる手遊びはたくさんあります。ねらいに合わせて、導入する手遊びを決めましょう。

1歳児クラスにおすすめの手遊び15選

1歳児クラスにおすすめの手遊びを15個紹介します。クラスの子どもたちの興味関心や発達の様子に合った手遊びを取り入れて、クラスみんなで楽しみましょう。

さかながはねて

「次はどこにくっつくかな?」と思わずワクワクしてしまうような手遊びです。集団保育でなく、1対1で手遊びを導入する際は、子どもの顔に手を当ててコミュニケーションを楽しみましょう。

【歌詞】

魚が跳ねて ピョーン
頭にくっついた (帽子)※頭→うさぎ、おめめ→めがね、おへそ→でべそ、お口→マスクなどにアレンジする

むすんでひらいて

手をたくさん使った手遊びです。グーにしたりパーにしたり、手を打ったりする中で、手指の巧緻性が高まります。「その手を~」の後に歌詞を作って繋げて、動物やキャラクターになりきっても楽しめるでしょう。

【歌詞】

結んで開いて 手を打って結んで
また開いて手を打って その手を上に※「その手を上に」を2回、「その手を下に」を2回繰り返す

いとまき

糸を紡いで何かを作るというストーリー性が楽しい手遊びです。物語の中に入ったような感覚を味わえます。「次は何を作るのかな?」と考える中で想像力も高まるでしょう。

【歌詞】

糸まきまき 糸まきまき
引いて引いて トントントン
糸まきまき 糸まきまき
引いて引いて トントントン
できた できた
こびとさんの お靴

※最後を「あなたの帽子」「ゾウさんのパジャマ」などにアレンジする

パンダうさぎコアラ

パンダとうさぎ、コアラになりきって遊べる曲です。真似っこ遊びが好きな1歳児クラスに適しています。少しずつテンポアップして、スピード感を楽しみましょう。

【歌詞】

おいで おいで おいで おいで
パンダ パンダ
おいで おいで おいで おいで
うさぎ うさぎ
おいで おいで おいで おいで
コアラ コアラ
パンダ うさぎ コアラ

くいしんぼうのゴリラ

ゴリラが次々に食べ物を食べていくというストーリーが面白い手遊びです。曲調が明るくアップテンポなので、リズム感を養えます。

【歌詞】

食いしん坊なゴリラがバナナを見つけた
皮むいて皮むいて パクッと食べた
ドンドコドンドン ドンドコドンドン
おー うまい食いしん坊なゴリラがレモンを見つけた
皮むいて皮むいてパクンとたべた
ドンドコドンドン ドンドコドンドン
おー すっぱい食いしん坊なゴリラがたまねぎを見つけた
皮むいて皮むいて
皮むいて皮むいて…
食べるところがなくなった
ドンドコドンドン ドンドコドンドン
え~ん え~ん

お弁当箱

お弁当を作っているような感覚を楽しめる曲です。指を使って遊ぶので、指先のトレーニングにもなります。

【歌詞】

これくらいの お弁当箱に
おにぎり おにぎり ちょいとつめて
刻みショウガに ごま塩振って
人参さん サクランボさん
しいたけさん ごぼうさん
穴の開いた れんこんさん
筋のとおった ふーき

キャベツの中から

覚えやすい曲と歌詞が人気の手遊びです。指を家族に見立てて遊びます。指の位置や名称を教えたいときにもピッタリです。

【歌詞】

キャベツの中から青虫出たよ
にょき にょき
お父さん青虫※お父さん→お母さん→お兄さん→お姉さん→赤ちゃん→ちょうちょになりましたと続ける

コロコロたまご

この曲は、1歳児でも知っているような言葉だけで構成された歌詞が特徴です。簡単な歌詞を繰り返す中で、自然と歌を覚えられるようになります。歌詞の内容をイメージしやすいので、初めての手遊びにもおすすめです。

【歌詞】

コロコロたまごは おりこうさん
コロコロしてたら ひよこに なっちゃった
ピヨピヨひよこは おりこうさん
ピヨピヨしてたら コケコになっちゃった
コケコケこけこは おりこうさん
コケコケしてたら 夜があけた
コケコッコー

あたまかたひざポン

身体を大きく動かして楽しむ手遊びです。運動の前の導入にも適しています。歌詞をアレンジして体の他の部位も取り入れると、語彙力がさらに高まります。

【歌詞】

頭肩ひざポン ひざポン ひざポン
頭肩ひざポン 目 耳 鼻 口

うさぎさん

手をうさぎに見立てて遊ぶ手遊びです。曲調は難しいですが、手の動きは少ないため1歳児クラスでも導入できます。

【歌詞】

こっちからうさぎさんがかけてきて
お耳を動かすよ ピク ピク
こっちのうさぎさんも出ておいで
たらったらったらったらった かけていく両方からうさぎさんがかけてきて
お耳を動かすよ ピク ピク
やあやあ皆さん こんにちは
たらったらったらったらった かけていく

大きな栗の木の下で

ゆったりとしたリズムに合わせ体を動かす手遊びです。誰もが知っているメロディーで、親しみやすさがあります。室内遊びが続くときのリフレッシュにもおすすめです。

【歌詞】

大きな栗の木の下で
あなたと私
仲良く遊びましょう
大きな栗の木の下で

ごんべさんの赤ちゃん

歌詞の中に赤ちゃんが出てくる歌です。親しみを持って取り組めるでしょう。感染症が気になるシーズンにピッタリの曲です。歌うときに、振付をプラスすると動きが増えてより楽しくなります。

【歌詞】

ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
ごんべさんの赤ちゃんが風邪ひいた
そこで慌てて湿布した

一本橋こちょこちょ

触れ合い遊びとしても人気の高い手遊びです。集団ではなく、個々でのかかわりの際に取り入れましょう。たくさんコミュニケーションを取れるので信頼関係も深まります。

【歌詞】

一本橋こちょこちょ
叩いてつねって
階段使って
こちょこちょこちょ

はじまるよ

活動の合間に最適な手遊びです。「はじまるよ」の歌詞で手遊びがスタートするため、自然と注目を集められます。曲に慣れてきたら歌詞の中で出てくる動物をアレンジして楽しみましょう。

【歌詞】

はじまるよ はじまるよ
はじまるよったら はじまるよ
1と1で忍者だよ にんっ!※2→カニさん、3→猫の髭、4→タコの足、5→手はおひざ

トントンアンパンマン

お馴染みの手遊び「とんとんひげじいさん」のアンパンマンバージョンです。子どもから人気のアンパンマンのキャラクターがたくさん登場します。子どもたちも気持ちが盛り上がり、楽しんで手遊びに参加するでしょう。

【歌詞】

とんとん とんとん アンパンマン
とんとん とんとん しょくぱんまん
とんとん とんとん カレーパンマン
とんとん とんとん ドキンちゃん
とんとん とんとん バイキンマン
キラキラ キラキラ ぼくチーズ ワン

手遊びをする際の注意点とポイント

1歳児クラスで手遊びを取り入れる際の注意点と対策を紹介します。スムーズに保育を進めるためには、事前に重要なポイントを確認しておくことが大切です。しっかりと対策を立て、手遊びの楽しい時間を子どもたちと共有しましょう。

やりたくない子には無理強いしない

やりたくないと感じている子に対して、無理やり手遊びをさせる必要はありません。無理強いすることで、活動に参加すること自体を嫌がるようになる可能性があります。

やさしく声かけをしたり、保育者自身が楽しむ姿を見せたりと、子どもが自発的に参加できるよう援助しましょう。自発的に行動することで、学びが深まりやすくなります。

発達に合わせて難易度を調節する

1歳児といっても、発達の様子や興味関心のある事柄はクラスによりさまざまです。そのため、自身のクラスの様子に合わせて、取り入れる歌を選択する必要があります。

また、好奇心旺盛な子が多いクラスでは、歌詞を変えたり振付を増やしたりして難易度を上げるとよいでしょう。

定期的に新しい手遊びを取り入れる

定期的に新しい歌を取り入れるのも大切なポイントです。ずっと同じ歌ばかりでは飽きてしまいます。ある程度繰り返すことも大事ですが、子どもたちが手遊びに関心を示さなくなってきたら、新しい手遊びに変えましょう。

手遊びの種類は豊富にあります。幼児向けの手遊びでも、振付や歌詞をアレンジすれば1歳児クラスで導入できます。新しい手遊びを覚えて、保育を盛り上げましょう。

まとめ

1歳児クラスの保育に手遊びを導入すると、「語彙が増える」「集中できる」「情緒が安定する」など複数のメリットが発生します。ねらいを定め、目標達成に向けて指導計画を立てましょう。

また、新しい手遊びを導入する際は、自身の受け持つクラスの様子に合わせて導入する曲を選択することが大切です。おすすめの手遊びを15個紹介した今回の記事も、ぜひ参考にしてみてください。

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