5~6歳になると、心身が大きく発達し、難しい手遊びも楽しめるようになります。「5歳児クラスでできる手遊びの引き出しを増やしたい」「新しい手遊びを教えてほしい」と考えている保育士の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、5歳児クラスにおすすめの手遊びを15個紹介します。保育のねらいやポイントも併せて紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。手遊びの種類を増やし、保育をもっと盛り上げましょう。
手遊びを取り入れる4つのメリット
手は「外部の脳」とも呼ばれるほど繊細な器官です。手を動かすことで大脳が刺激され脳の働きが活性化します。手遊びを取り入れ、子どもの発達を促しましょう。
ここでは、5歳児クラスで手遊びを取り入れるメリットを紹介します。
- コミュニケーションを深められる
- 表現力が養われる
- 運動能力が発達する
- 集中力が高まる
コミュニケーションを深められる
手遊びをする際は、保育者の真似をしたり隣の友達と触れ合ったりしながら楽しむものです。「楽しい」「うれしい」という気持ちを共有することで、コミュニケーションを深められます。なお、コミュニケーションが深まると、子どもの情緒が安定し、健やかに成長できると言われています。
表現力が養われる
手遊びの際には、「歌」と「リズム」が欠かせません。みんなで一緒に歌を歌いながら手を動かす中で、音感やリズム感といった表現力も養われます。また、歌を通して語彙力が高まるため、言葉の発達も促せるでしょう。
表現力が身につくと、友達とのトラブルやすれ違いが起きた際にも、自分たちで話し合って解決できるようになります。
運動能力が発達する
5歳児の発達は著しいものの、細かい作業を苦手とする子は少なくありません。大人と全く同じような動きをとるのは難しいものです。しかし、手遊びによって手先や体を動かすことで、身体能力の発達も促すことができます。
「どのように体を動かせばよいのかな」「先生と同じように動かすにはどうすればよいのかな」などと考えながら遊ぶ中で、自然と体の動かし方が身につくでしょう。
集中力が高まる
手遊びは活動と活動の合間に行うのが一般的です。気持ちの切り替えが難しい子や、集中するのが苦手な子でも、自然と注目を集めることができます。
また、手遊びを覚えようと真剣に見たり聞いたりする中で、自然と集中力が高まります。新しい手遊びを導入したり、いつもの手遊びをアレンジしたりしながら、子どもの興味関心を高めましょう。
5歳児クラスで手遊びを導入するねらい
手遊びを導入する際は、ねらいを定めましょう。事前に目標を設定しておくことで、目標達成に向けた計画を立てやすくなります。5歳児クラスで手遊びを導入するねらいの一例は以下の通りです。
- 手や体を動かしてリズム感を養う
- 保育者や友達とコミュニケーションを取り楽しむ
- 新しい手遊びにも進んで取り組み興味関心を深める
- 歌の歌詞を通して季節の移り変わりに気付く
- 手遊びをする中で伝統行事に親しみを持つ など
ただ単に楽しむためだけでなく、具体的な目標を決めてから手遊びを導入しましょう。
また、1歳児クラスでおすすめの手遊びについては、「1歳児クラスにおすすめの手遊び15選!保育のメリットや注意点も解説」で紹介していますので参考にしてみてください。
5歳児クラスにおすすめの手遊び15選
5歳児クラスにおすすめの手遊びを15個紹介します。クラスでの遊びに取り入れる際の参考にしてみてください。
5つのメロンパン
思わずメロンパンが食べたくなってしまうような、可愛らしい手遊びです。子どもがメロンパンを買いに行くストーリーになっています。数を覚えたいときにもピッタリです。
【歌詞】
ふんわり丸くて美味しそう
子どもが1人やってきて
「おばさんメロンパンひとつちょうだい」
「はい、どうぞ」
メロンパンひとつ買ってった
※最初のパンの数が少なくなっていく
※最後は「メロンパン全部買ってった」になる
大きなはたけ
https://www.youtube.com/watch?v=2sNWN7lVx-E
歌詞にストーリー性がある手遊びです。畑に種を撒いて、どんどん大きくなり、花が咲くという風景を想像しながら手遊びをする中で、想像力も育むことができます。畑の大きさに合わせて声の大きさも変えるなど、アレンジを入れても楽しめます。
【歌詞】
小さな種を撒きました
ぐんぐん育って芽が伸びて
花が咲きました
パッ
※小さな→中くらいの→大きなに変化していく
チョキチョキダンス
ノリノリの音楽が楽しい手遊びです。歌に合わせて、体全体を使った踊りをつけても盛り上がるでしょう。右手と左手の位置や動かし方も学べるため、5歳児にピッタリの手遊びです。
【歌詞】
ららら右手をくるりんぱ
チョキチョキダンスをみんなで踊ろう
ぱぱぱ ぱ・ぱ・ぱ イエイ
※右手→左手→両手の順に繰り返す
かみなりどんがやってきた
ゲームのような感覚で取り組む手遊びです。隠す部位を「お友達のほっぺ」「お友達の耳」などに変えれば、触れ合い遊びとしても楽しめます。新年度の遊びやレクリエーションにもおすすめです。
【歌詞】
ドンドコドンドンドコドン
隠さないと取られるぞ
ドンドコドンドンドンドーン
隠すのは「おへそ」
※「おへそ」の部分を別の部位に変える
※最後は、今までの全部位を一度に隠す
三ツ矢サイダー
サイダーのように爽やかな手遊びです。夏の暑い時期に導入してみましょう。指を使って「ひとつ」「ふたつ」と数えていくため、数を覚えたいときにも適しています。
【歌詞】
ひとつふたつミツヤサイダー
ぽぽんぽんぽん
あんまり冷たくしないで
あんまり冷たくしないで
ひとつふたつミツヤサイダー
ひとつふたつミツヤサイダー
シュワー!
大きくなったら何になろう
色々な職業が出てくる楽しい手遊びです。歌に出てくる職業を、子どもたちと一緒にアレンジしてみても楽しめるでしょう。
【歌詞】
大きくなったら何になろう
「1」の指で何になろう
チクチク注射のお医者さん
※「2」の指→チョキチョキ髪切る床屋さん
※「3」の指→クリーム混ぜるよケーキ屋さん
※「4」の指→みんなを守るよおまわりさん
※「5」の指→どすこいどすこいおすもうさん
やおやのお店
八百屋さんにあるものとないものを当てる、ゲームのような手遊びです。八百屋さんのことを知らない子もいるかもしれないので、野菜を当てるゲームであることを伝えておきましょう。考えながら遊ぶため、頭の体操にもなります。
【歌詞】
よく見てごらん
考えてごらん
あったらぱちんと手を叩こう
「にんじん」「あるある」
※あるものをいくつか挙げてから、最後にないものを言う
ちゃちゃつぼちゃつぼ
両手を使った手遊びです。手の動きが複雑なので、5歳児でも夢中になって楽しめます。スピードをどんどん上げて、最後まで残った人を勝ちにするゲームとしても活用できます。
【歌詞】
ちゃつぼにゃ蓋がない
底を取って蓋にしよ
カレーライス
子どもたちから大人気の「カレーライス」を作る歌です。思わずお腹が空いてしまうような歌詞になっています。オリジナルの振付を考えても楽しめるでしょう。
【歌詞】
お鍋で炒めて ぐつぐつ煮ましょうお塩カレールー 溶かして味みて
胡椒を入れたら はいできあがりもぐもぐ むしゃむしゃ お水をごくごく
なんだか 力が もりもり湧いてきた
ミックスジュース
身体の部位を果物にたとえて遊ぶ、手遊びです。アメリカ民謡「10人のインディアン」が原曲となっています。手遊びでよく使われる曲なので、子どもたちも覚えやすいでしょう。
【歌詞】
ぶどう ぶどう ぶどうのおめめ
いちご いちご いちごのお鼻
お口はチェリー チュッ!ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる混ぜて
ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる混ぜて
ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる混ぜて
ミックスジュース どうぞ!
※鼻をバナナ、手をキウイ、目をみかん、最後はパインにしてアレンジする
焼きいもグーチーパー
https://www.youtube.com/watch?v=kk6YmpDcSjA
秋から冬の寒い時期にピッタリの手遊びです。季節を感じられる曲なので、保育園でもよく導入されています。最後はじゃんけんで終わるようになっており、ゲームとしても遊べます。
【歌詞】
ほかほか ほかほか あちちのチー
食べたら なくなる 何にもパー
それ焼き芋まとめて グーチーパー
奈良の大仏さん
奈良の大仏さんに雀がとまるというかわいらしいストーリーの歌です。新しい手遊びを導入したいときに適しています。歌詞が5番まであり長いため、集中力のある5歳児にピッタリの手遊びといえます。
【歌詞】
雀(すずめ)が5羽 とまって(とまった)
何といって 鳴いています
チュン チュン チュン チュン
チュン ヘイ!一番目の小雀(こすずめ)は
頭にとまって
高い高い お山だよ
チュン チュン チュン チュン
チュン ヘイ
※二羽目→お鼻にとまって暗い暗いトンネルだよ
※三羽目→お指にとまって長い長い煙突だよ
※四羽目→おへそにとまって広い広いお池だよ
※五羽目→お尻にとまってくさいくさいおならだよ
お寺の和尚さん
わらべうたでもおなじみの手遊びです。歌詞が進化しており、ストーリーが長くなっています。想像力を高められるでしょう。手遊びを通してお友達とコミュニケーションを取れるのもうれしいポイントです。
【歌詞】
お寺の和尚さんがかぼちゃの種を撒きました
芽が出てふくらんで
花が咲いて枯れちゃって
忍法使って空飛んで
東京タワーにぶつかって
救急車に運ばれて
ぐるりと回って じゃんけんぽん
バスごっこ
バスに乗っている気分を楽しめる手遊びです。遠足のバスの中でのレクリエーションにも適しています。少し大げさに体を動かして遊ぶと盛り上がるでしょう。
【歌詞】
キップを順に渡してね
おとなりへ(ハイ)おとなりへ(ハイ)
おとなりへ(ハイ)おとなりへ(ハイ)
終わりの人は ポケットに大型バスに乗ってます
色んなとこが見えるので
横向いた(あ!)上向いた(あ!)
下向いた(あ!)後ろ向いた(あ!)
後ろの人は眠った大型バスに乗ってます
だんだん道が悪いので
ごっつんこ(ドン)ごっつんこ(ドン)
ごっつんこ(ドン)ごっつんこ(ドン)
おしくらまんじゅうギュッギュッギュッ
5歳児クラスで手遊びを楽しむポイント
5歳児クラスで手遊びを盛り上げる際のポイントを紹介します。事前にポイントを押さえて対策を取ることで、いつもの手遊びをもっと楽しくすることができます。
保育者自身も思いきり楽しむ
保育者の表情や声のトーンが暗いと、子どもたちにも伝染しなかなか手遊びが盛り上がりません。思いきり楽しんで、わくわくした気持ちを表現しましょう。
そのためにも、しっかりと歌詞とメロディーを覚えることが大切です。うろ覚えで歌おうとすると不安を感じる原因になります。
内容をアレンジして難易度を高める
5歳児になると心身が大きく発達し、小さい子向けの手遊びでは物足りなくなります。「いつもの手遊びが盛り上がらなくなってきたな」と感じたら、アレンジを加えて難易度を変えてみましょう。
難しい手遊びをする際は、「自分も上手にできるようになりたい」「面白い!」と好奇心が刺激されるため、集中して取り組みます。
子どもの意見を取り入れる
手遊びにアレンジを加える際は、子どもたちにも意見を求めてみましょう。大人では思いつかないような斬新なアイデアが出てくることもあります。
また、「自分たちで考えたオリジナルの手遊び」には、特別感が増すため、いつも以上に熱中して取り組みます。時間にゆとりがあるときは、ゲーム感覚で手遊びをアレンジしてみましょう。
まとめ
5歳児クラスではリズミカルな手遊びや、ストーリーの長い手遊びに人気があります。心身の発達が著しく、簡単な手遊びでは物足りないと感じる時期です。アレンジを加えて難易度を高め、手遊びを盛り上げましょう。
また、定期的に新しい手遊びを取り入れるのもポイントのひとつです。今回紹介したおすすめの手遊びを15選もぜひ参考にしてみてください。