おはじきと聞くと、昔の遊びというイメージを持つ保育士さんもいるかもしれません。
そして、保育園では伝承遊びの1つとして、取り入れたいと考える保育士さんも多いでしょう。
おはじきには、とても多くの遊び方があり、子どもから大人まで、みんなで楽しむことができます。
この記事では、保育に取り入れたいおはじき遊びと導入するときのメリットと注意点について解説します。
保育に取り入れようと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
おはじきの遊び方7選
昔からの伝承遊びの1つであるおはじき。「保育に取り入れてみたい!」と、思っても「取り入れ方がわからない」という悩みをもつ保育士さんも多いのではないでしょうか。
実は、おはじきは気軽に保育に取り入れることのできる遊びの1つです。
遊び方も豊富にあり、幅広い年代で遊ぶことができます。
今回は、おはじきを使って楽しめる遊び方7選を紹介します。ねらいに合わせて、遊び方を変えてみるのもおすすめです。
基本のおはじき遊び
- 2~5人ほどで遊ぶ
- 順番を決める
- 広いテーブルや、平らで広いスペース(フローリング)などに、おはじきを広げる
- 1番目の人が、おはじきを2つ選ぶ
- 選んだ2つのおはじきの間に小指で線をひいて通す
※間を通す時におはじきを触ってしまうとアウトになり、次の人に交代になります - 選んだおはじきの1つを指ではじき、もう1つのおはじきにぶつける
- ぶつけることができたら、ぶつけられた方のおはじきをもらえる
- はじいたおはじきはもらえないので、そのままにしておく
※狙っていない他のおはじきに当たった場合や、選んだおはじきにあたっても、他のおはじきにも当たってしまった場合、おはじきはもらえません。次の人に交代になります。 - 次のおはじきを選んで、線をひいてはじく
- 5~9を繰り返して、1番多くおはじきをゲットした人の勝ち
【応用やポイント】
- チーム戦や、おはじきスペースを2つに分け、先にすべてのおはじきをゲットし終わった方が勝ちなどルールのアレンジも可能
- おはじきの色を利用して得点をつけて、遊ぶこともできる
- 幅広い年代が知っているおはじきの一般的な遊び方
- 手先を多く使え、弾く動作の練習ができる
- ルールを理解しながら、遊ぶ経験ができる
- 幼児クラスであれば、異年齢児でも遊べる
はじきキャッチ
- おはじきを手のひらに1~5枚のせる
- 自分のタイミングで手のひらを返し、反対の手をかぶせて、おはじきをキャッチする
- 何回成功したかを競う
【応用やポイント】
- おはじきの枚数で難易度が調整できる
- 幼児クラス向けの遊び
カーリング遊び
- カーリングのように点数表を描いた画用紙を準備する
- テーブルの上に点数表を置く
- 順番を決める
- 順番におはじきを弾いていく
※何回おはじきを弾くかも最初に決める - おはじきの止まった得点を記録し、1番得点の多かった人の勝ち
【応用やポイント】
- 得点の記録が難しい場合は「真ん中に1番近い人の勝ち」など、わかりやすいルールへの変更がオススメ
- 手先を使う経験ができ、弾く動作の練習ができる
- ルールが少し複雑なため、幼児クラス向きの遊び
おはじきつみ
- おはじきの上におはじきを積んでいく
- 何枚積めたかを競う
【応用やポイント】
- 手先を多く使うことができる
- 集中力を養う
- ひたすら積むだけなので、だれでも楽しめる
おはじきたおし
- おはじきを山のように積んで置く
- 順番を決める
- おはじきを指1本で押さえて、引っ張って取る
- おはじきを取る時に音が鳴ったり、山が崩れたりしたら、次の人に交代する
- 3、4を繰り返して、1番多くおはじきをゲットできた人の勝ち
【応用やポイント】
- 年齢に合わせて、指1本ではなく、指の本数や両手可能などのルール変更がオススメ
- 将棋倒しと同じルール
- 子どもは指が小さいため、大人と遊んでも不利になることが少ない
- 集中力が養える
- 幼児クラスであれば、異年齢児でも遊べる
紙コップ当て
- 紙コップをいくつか準備する
- 紙コップ逆さまにして点数を書く
- 点数の書いた紙コップを適当にテーブルの上に置く
- おはじきを弾いて、紙コップに当てる
- 当たった紙コップの点数を記録し、1番得点の多い人が勝ち
【応用やポイント】
- 点数の計算が難しい場合は、マークにしてもわかりやすい
※「☆マークが多い人が勝ち」など。 - 紙コップのサイズを小さくすると、難易度も上がる
- 遊びの中で手先を多く使うため、弾く動作が練習できる
おはじきすくい
- おはじき10個、たまごの空きパック、スプーンを準備する
- たまごパックを広げ、手前側の10個の窪みに1つずつおはじきを入れる
- おはじきをすくって、奥の窪みに移動する
【応用やポイント】
- スプーンの練習になる
- スプーンの練習をしている1~3歳児にオススメ
- 年齢に合わせて、スプーンをトングにするなどの応用もオススメ
- 1人で集中して遊ぶことができる
- 年齢によっては、時間を計るなどの遊び方もできる
おはじきで遊ぶ5つのメリット
おはじきで遊ぶことには、大きくメリットが5つあります。
- 日本の伝統的なおもちゃを知る
- 指先を使って遊べる
- 知育の要素がある
- 幅広い年代で一緒に楽しめる
- 遊び方が豊富にある
日本の伝統的なおもちゃを知る
おはじきは、昔からある日本の伝統的なおもちゃです。また、コスパもよく、比較的すぐに手に入りやすいでしょう。
日本の伝統的なおもちゃを知るうえで、おはじきは身近で親しみやすいおもちゃですね。
指先を使って遊べる
平べったく、小さいおはじきは、掴むだけでも指先を使う必要があります。
また、弾いて遊ぶとなると、さらに指先を複雑に使うことになるでしょう。
おはじき1つでも、多くの指先の動作を経験することができますね。特に弾くという動作はおはじき特有の動きで、自然と手先の発達を促せるでしょう。
知育の要素がある
おはじきには、色もついており、色を意識することでさらに遊びの要素が広がります。知育遊びとしてピッタリのおもちゃかもしれません。
おはじき単体での知育遊びは、遊び方が限られてしまいます。しかし、紙コップ、たまごパック、色画用紙など、身近な材料を組み合わせることで、遊びの幅が一気に広がります。
前もって多くのものを準備しなくても、組み合わせ次第ですぐに知育玩具になるところも、日々忙しい保育士さんにとって、魅力的です。
幅広い年代で一緒に楽しめる
おはじきは、昔からある日本の伝統的なおもちゃの1つになります。幅広い年代の人にも馴染みのあるおもちゃです。
例えば、幅広い年代に馴染みがあることで、敬老の日や、年配の方との交流会などでも、取り入れやすい遊びの1つとなります。
また、キラキラと光るガラス素材のおはじきは、小さい子どもの興味関心を持たせます。小さな子どもから、年配の方まで幅広い年代で遊ぶ時には、大きなメリットが生まれるでしょう。
遊び方が豊富にある
おはじき遊びには、遊び方が豊富にあるというのも嬉しいポイントです。
おはじき単体ではもちろん、少しだけ他の物を準備するだけで、さらに遊びの幅が広がります。
また、おはじきは、サイズも小さく、収納に場所もとらないため、保育室内の手の届く場所に置いておくことができます。ちょっとした空き時間や普段と少し違った遊びがしたい時などに、気軽に出すこともできるでしょう。
また、大人が遊び方を知らせなくても、子ども達の想像力からまた違った遊びが生まれることもあります。遊び方が決まっていないおはじきだからこそ、大人の予想ができない、子ども達オリジナルの遊びが始まるかもしれません。
このように新しい遊びが広がっていくのも、おはじき遊びの大きな魅力でしょう。
おはじきを保育に取り入れるときの注意点3つ
多くの遊び方で楽しむことのできるおはじきですが、保育に取り入れるときには、いくつかの注意点があります。
子ども達に危険のないよう、覚えておくようにしましょう。
誤飲に注意する
小さなサイズのおはじきは、誤飲に注意しましょう。
遊びに使う時には、事前に何個出したかをしっかりと確認しましょう。
また、事前に約束事として、子ども達に使い方や決まりを話すなどの配慮も必要です。
個数管理はしっかりと行う
遊びに使う時と片付ける時には、必ず個数の確認をするようにしましょう。
また、常設すると個数管理が難しくなります。子どもの手の届かない場所に大人が保管することで、管理もしやすくなります。
おはじきには、色がついているため「〇〇色を〇〇個」と確認しておくとさらにわかりやすいでしょう。もし、個数が合わなかった時にも探しやすいです。
割れや欠けに注意する
ガラス素材でできているおはじきは、割れや欠けが起こりうることも覚えておきましょう。
大きなケースに多量に入れて管理している場合、ケースの中で割れてしまうこともあります。手間はかかりますが、おもちゃを出す時に都度確認することで、おはじきの割れや欠けを見つけやすくなりますね。
まとめ
おはじきは、遊び方も豊富で魅力溢れる伝承遊びの1つです。
遊び方をアレンジすると、幅広い年代で親しみながら遊べますね。
また、遊び方を固定しないと、子ども達の想像力や発想を自然と伸ばすこともできるのが大きな魅力となっています。
保育におはじき遊びを取り入れてみたいと思っている保育士さんは、ぜひ参考にしてみてください。