赤ちゃんの発語には個人差があります。まずは「ぱ」「ま」など、親子でまねしやすい音を、絵本や歌で一緒に楽しむことが入口です。
「赤ちゃんの発語はいつから?」「発語を促す絵本はある?」「まだ話さないけれど大丈夫?」と検索すると、月齢の目安や発語を促す方法がたくさん出てきます。
ただ、その情報を読みながら、かえって不安になることもあります。同じ月齢の子が「まま」「ぱぱ」と言っている。絵本を読んでも、子どもはページをめくるだけ。動画を見せると楽しそうだけれど、発語に悪いのか気になる。日本語が母語ではない家庭では、どの言語で声をかければいいのか迷う。
赤ちゃんの発語を「早く言わせるもの」としてではなく、親子で音・表情・くり返しを楽しむ中で育つものとして整理します。たまごだるまが制作している発語絵本アニメーションの一次視点も交えながら、家庭でできる音遊び、絵本や動画の使い方、心配なときの相談先までを落ち着いて解説します。
目次
赤ちゃんの発語はいつから?まず知っておきたい個人差
赤ちゃんの発語には個人差があります。月齢だけで焦らず、声・反応・理解・やりとりを合わせて見ることが大切です。
赤ちゃんの発語は、ある日突然「言葉」だけが出てくるものではありません。泣く、声を出す、喃語を出す、親の顔を見る、指差しする、身ぶりで伝える。こうした積み重ねの先に、意味のある言葉が少しずつ育っていきます。
NIDCDは、子どもの発話・言語の発達について、泣き声から始まるコミュニケーションが、周囲の声や音への反応、喃語、言葉の理解、発話へと進んでいくことを説明しています。また、4〜6か月頃の喃語では、p・b・mなどで始まる音が例示されています。これは「その月齢で必ず言える」という意味ではなく、発達の目安として見るべき情報です。
(参照:Speech and Language Developmental Milestones|NIDCD)
CDCの発達マイルストーンでも、子どもの発達は「話すこと」だけでなく、遊び、学び、行動、運動など複数の領域から見ていくものとして整理されています。発語の数だけを切り取って判断しすぎないことが大切です。
(参照:CDC’s Developmental Milestones|CDC)
発語は「単語が出ること」だけではない
発語という言葉を聞くと、「意味のある単語を話すこと」と考えがちです。もちろん、「まま」「ぱぱ」「わんわん」「いや」「もっと」など、意味をもって使われる言葉は分かりやすい発語です。
ただ、その前には、声を出す、まねる、親の声に反応する、身ぶりで伝えるといった段階があります。子どもが「まままま」「ぱぱぱ」と音を出していても、まだ特定の人を呼んでいるわけではないかもしれません。それでも、口を動かし、音を出し、周囲の反応を見ているなら、それはことばに向かう大切な経験です。
親ができることは、「これは発語なのか、まだ発語ではないのか」と判定することよりも、その声に応答することです。子どもが「まー」と言ったら、親も「まー」と返す。子どもが笑ったら、「楽しいね」と表情を返す。子どもが絵を指したら、「これ、ぱっ」と短く声を添える。その小さな往復が、ことばの土台になります。
月齢表は安心材料であって、親を追い詰めるものではない
月齢表は便利ですが、使い方を間違えると、親の不安を強めます。「18か月ならこれができるはず」「2歳ならこのくらい話すはず」と読んで、目の前の子どもより表の方を見てしまうことがあります。
ASHAは、コミュニケーションの発達マイルストーンを、子どもの成長の見通しを知るための情報として公開しています。ただし、こうした目安は家庭で診断するためのものではありません。気になることがある場合は、健診や医療機関、専門職への相談につなげるための材料として使うのが安全です。
(参照:Communication Milestones|ASHA)
たまごだるまとしても、月齢表は「不安を増やす表」ではなく、「相談のきっかけを見つける表」として使うのがよいと考えています。気になることがある場合は、家庭だけで判断しなくて大丈夫です。
「ぱ」「ま」から始める音遊びは、なぜ親子で楽しみやすいのか?
「ぱ」「ま」は口元の動きが見えやすく、親子でまねしやすい音です。発語を急がせず、音に親しむ入口として取り入れます。
たまごだるまの発語絵本アニメーションでは、「ぱ」「ま」など、赤ちゃんや幼児が親しみやすい短い音をテーマにしています。絵本として構成した物語に、歌とアニメーションを加え、親子で見る・聴く・声に出す楽しさへ広げるプロジェクトです。
ここで大切なのは、「ぱ」「ま」を早く言えるようにすることではありません。「ぱ」と言えるか。「ま」と言えるか。親のあとに続けて言えるか。そこだけを目的にすると、音遊びはすぐに練習になります。練習になると、親は正解を求め、子どもは反応しづらくなります。
私たちが作りたいのは、テストではなく、親子の時間です。「ぱっ」と音がはじける。「まー」と声が伸びる。親が笑う。子どもも笑う。もう一度、同じ音を出してみたくなる。その循環が、発語絵本アニメーションの中心です。
「ぱ」「ま」は言わせる音ではなく、一緒に遊ぶ音
「発語を促す」という言葉には、少し注意が必要です。促すことは、急がせることではありません。引き出すことは、言わせることではありません。
NIDCDの発達目安では、p・b・mなどの音が喃語の例として挙げられています。ただし、だからといって「ぱ」「ま」を練習させれば発語が早まると断定することはできません。「ぱ」「ま」を医学的な発語訓練ではなく、親子でまねしやすい音遊びとして扱います。
(参照:Speech and Language Developmental Milestones|NIDCD)
親が「ほら、ぱって言って」「まって言って」と何度も求めると、子どもにとって音は楽しいものではなく、答えなければいけないものになります。音遊びでは、子どもが言う前に、まず親が楽しそうに声を出してみてください。
- 「ぱっ」と短く言ってみる
- 「ぱぱぱ」とリズムに乗せてみる
- 「まー」と声を伸ばしてみる
- 「まんま」「ま、ま、ま」など日常の音に近づけてみる
うまく言えなくても構いません。子どもが笑ったら、それで十分です。声を出さなくても、口元を見ている、体を揺らしている、同じ場面で反応しているなら、その子なりに参加しています。
絵・歌・動きがあると、赤ちゃんが参加しやすい
赤ちゃんや幼児は、文字だけでことばを覚えるわけではありません。絵を見る。音を聞く。リズムを感じる。親の表情を見る。同じ場面をくり返し楽しむ。こうした複数の手がかりが重なると、音はただの音ではなく、体験になります。
たまごだるまの発語絵本アニメーションプロジェクトでは、14ページの絵本として物語や場面展開を構成し、その世界に歌とアニメーションを加えて映像作品へ展開しています。現在は「ぱぱぱ」「ままま」から始まるシリーズとして紹介されています。
これは、単に「動画にした方が見てもらいやすいから」ではありません。今の親子の生活では、紙の絵本、動画、PDF、SNS、保育現場での共有など、子どもがコンテンツに触れる場所が複数あります。だからこそ、絵本として成立する物語を中心に置きながら、歌・アニメーション・PDFへ広げる設計が必要だと考えています。
編集長コメント
この企画で一番避けたかったのは、親の焦りを強めてしまうことでした。
赤ちゃんの発語は、親にとって非常に気になるテーマです。検索すると、月齢、単語数、発達の目安、遅れのサインが次々に出てきます。情報は必要ですが、情報が多すぎると、親は目の前の子どもよりも検索結果を見てしまいます。
「ぱ」「ま」から始めたのは、そこに戻るためです。声が出る。親が返す。子どもが笑う。もう一度、音が出る。発語の前に、親子のあいだには音の往復があります。私たちは、その小さな往復を大切にする絵本アニメーションを作りたいと考えています。
発語を促す絵本は、どう使うと親子のやりとりにつながる?
絵本は読ませるものではなく、親子で同じものを見る時間です。短い音、表情、くり返しを大切にします。
「発語を促す絵本」と聞くと、つい効果を期待したくなります。この絵本を読めば話すようになる。この音をくり返せば発語が増える。毎日読まないと遅れる。そう考えると、絵本の時間が親にとっても子どもにとっても重くなります。
たまごだるまでは、絵本を「ことばを教え込む道具」ではなく、「親子で同じものを見る時間」と考えます。絵本のページを最後まで読む必要はありません。物語を正しく理解させる必要もありません。
大切なのは、子どもが反応した瞬間を見逃さないことです。絵を見た。ページをたたいた。声を出した。親の顔を見た。同じ場面で笑った。その反応に、親が短く返す。そこから、ことばのやりとりが始まります。
読み聞かせより「まね返し」を意識する
発語を促す絵本の使い方で、まず意識したいのは「読み聞かせを上手にすること」ではありません。子どもの声や動きを、親が少し返すことです。
- 子どもが「ま」と言ったら、「まー」と返す
- 子どもが「ぱ」と言ったら、「ぱっ」と返す
- 子どもが指差したら、「これ、ぱっ」と短く添える
- 子どもがページをめくったら、「次だね」と反応する
このとき、親が全部を言い直す必要はありません。「そうじゃないよ、ぱ、でしょ」「もう一回言って」と続けると、絵本の時間が正解探しになってしまうことがあります。
おすすめは、評価よりも応答です。「聞こえたよ」「楽しいね」「もう一回見ようか」「まーって音がしたね」。親が反応してくれると、子どもは「声を出すと返ってくる」と感じます。その経験が、次の声につながります。
1回を長くするより、短くくり返す
絵本や音遊びは、長くやればよいわけではありません。0〜3歳の親子時間では、集中が続かない日もあります。眠い日、機嫌が悪い日、ページをめくるだけの日、途中でやめる日があって当然です。
「毎日1冊を必ず読む」と決めるより、短く、気楽に、くり返せる形にする方が続きます。朝の着替えのあとに「ぱっ」。お風呂の前に「まー」。寝る前に1ページだけ。動画の一場面だけ見て、親子で同じ音を出す。絵本を最後まで読めなかった日も、音に触れた時間があれば十分です。
比較表
| 家庭でできる関わり方 | 目的 | 具体例 | 注意点 | 外国人家庭での使い方 |
|---|---|---|---|---|
| 絵本を見る | 親子で同じ対象を見る | 絵を指して「ま、ま」と声を添える | 最後まで読まなくてよい | 母語で説明してもよい |
| 音をまねる | 声のやりとりを楽しむ | 子どもの「ま」に親が「まー」と返す | 正解を求めない | 日本語音は遊びとして足す |
| 歌・リズム | くり返しを楽しむ | 「ぱぱぱ」とリズムに乗せる | 長時間にしない | 家庭の歌と混ぜてもよい |
| アニメーション | 視覚と音をつなぐ | 見ながら一緒に声を出す | 見せっぱなしにしない | 日本語音への入口にする |
| 相談メモ | 不安を整理する | いつ、どんな声が出るか記録する | 自己診断しない | 健診や相談時に共有する |
この表の中で、特に大切なのは「正解を求めない」ことです。発語を促す絵本は、発語をチェックするためのものではありません。親子で音を共有するためのものです。
動画やアニメーションは発語に悪い?使い方で気をつけること
動画だけに任せず、親の声かけやまね返しと組み合わせると、音遊びのきっかけとして使いやすくなります。
動画やアニメーションについては、保護者の中でも意見が分かれやすいテーマです。「見せない方がいいのでは」「でも、子どもがよく反応する」「家事の間に少し見せていることに罪悪感がある」と感じる方もいると思います。
たまごだるまとしては、動画そのものを頭ごなしに否定する必要はないと考えています。一方で、動画だけに発語を任せるのもおすすめしません。発語にとって大切なのは、子どもが音を聞き、その音に反応し、誰かが返してくれることです。アニメーションは、そのきっかけにはなります。しかし、親子のやりとりを完全に代わりにしてくれるものではありません。
見せっぱなしではなく、親子で声を重ねる
発語絵本アニメーションを見るときは、画面を見せて終わりにしないことをおすすめします。動画の中で「ぱ」という音が出たら、親も横で「ぱっ」と言ってみる。子どもが声を出したら、すぐに同じ音を返してみる。子どもが画面を指差したら、「見つけたね」と反応する。
これだけで、動画は一方通行ではなくなります。ポイントは、親が完璧な読み聞かせ役にならないことです。声が小さくても、少し笑うだけでも、子どもにとっては「一緒に見ている」経験になります。
子どもが飽きたら止めてよい
動画や絵本は、最後まで見せなければいけないものではありません。子どもが途中で立ち上がる。別のおもちゃに向かう。同じ場面だけ何度も見たがる。音に反応せず、絵だけ見る。こうした様子があっても、すぐに失敗とは考えなくて大丈夫です。
0〜3歳の子どもは、その日の体調や気分によって反応が変わります。大人が思う「学びの流れ」と、子どもが楽しんでいるポイントは違うことがあります。飽きたら止める。また見たがったら見る。反応したところだけ一緒に楽しむ。それくらいの距離感が、家庭では続けやすいです。
チェックリスト
今日の音遊びを、次のように軽く振り返ってみてください。このチェックリストは、発語を採点するためのものではありません。親子のやりとりを見つけるためのメモです。
- 子どもが好きそうな音があった
- 親の口元を見ることがあった
- 声を出したあと、親の反応を見るような様子があった
- 絵本や動画の同じ場面で反応した
- 「言わせる」より「まね返す」を意識できた
- 途中で飽きたとき、無理に続けなかった
- 心配な点があれば、メモしておいた
外国人家庭では、日本語の音と家庭の言語をどう両立する?
外国人家庭では、家庭の言語を大切にしながら、日本語を遊びの音として足す設計が安心です。日本語記事の直訳ではなく、文化的前提に合わせた説明が必要です。
在日外国人家庭や多言語家庭では、発語の不安に加えて、言語選択の迷いがあります。家では母語で話した方がよいのか。日本語を早く入れた方がよいのか。保育園では日本語、家庭では別の言語でもよいのか。複数言語があると、発語が遅れるのではないか。
このテーマで大切なのは、家庭の言語を否定しないことです。保護者が一番自然に気持ちを伝えられる言語で、抱っこする、歌う、気持ちを伝える。そのうえで、日本語の音を絵本や歌として少しずつ楽しむ。この順番が、親子の安心感を守りやすいと考えます。
日本に住む外国人家庭向けには、母子健康手帳情報支援サイトが妊娠・出産・子育てに関する情報を提供しています。言語や制度の違いで迷う場合は、こうした公的情報も確認しておくと安心です。
(参照:外国の方が日本で妊娠したら|母子健康手帳情報支援サイト)
日本語を“勉強”ではなく“音遊び”として始める
外国人家庭で日本語に触れるとき、最初から「日本語を覚えさせる」と考えると、親にも子どもにも負担がかかります。特に0〜3歳では、日本語を勉強として扱うより、音遊びとして触れる方が始めやすいです。
「ぱ」「ま」「ば」「ねんね」「まんま」などの短い音やくり返しは、日本語が得意ではない保護者でも一緒に声に出しやすい場合があります。親が日本語を完璧に話せなくても構いません。家庭では母語でたっぷり関わり、日本語は絵本や歌、保育園、地域の場面で少しずつ触れる。その方が、親子の安心感を守りやすくなります。
家庭言語を減らす必要があるとは書かない
「日本語を早く覚えるために、家でも日本語だけにした方がいいのでは」と不安になる家庭もあります。しかし、保護者が十分に表現できない言語だけで関わろうとすると、親子の会話量や感情のやりとりが減ってしまうことがあります。
たまごだるまでは、家庭言語を減らすことを前提にはしません。家庭の言語で安心して関わる時間があり、そのうえで日本語の音に触れる入口として「ぱ」「ま」の音遊びがある。その位置づけが、在日外国人家庭にも伝わりやすいと考えています。
英語版では検索意図を変える
日本語版の読者は、「赤ちゃん 発語 いつから」「発語 促す 絵本」と検索している可能性が高く、中心にあるのは発語の時期と不安です。一方、英語版の読者、とくに日本で子育てをしている外国人家庭では、検索意図が少し変わります。
英語版では、「When do babies start talking?」だけを狙うのではなく、「Japanese sound play for babies」「first Japanese sounds」「picture book animation for multilingual families」といった意図に合わせて再設計する方が自然です。直訳ではなく、「日本語を母語としない家庭が、親子で日本語の音に触れるためのガイド」として構成する必要があります。
発語が遅いかもと思ったら、どこに相談すればいい?
心配が続くときは、家庭だけで抱え込まないでください。乳幼児健診、小児科、地域の相談窓口、言語聴覚士などに相談できます。
発語には個人差があります。けれど、「個人差があるから大丈夫」とだけ言われても、不安が消えないこともあります。親が心配しているときに必要なのは、安心させる言葉だけではありません。必要な場合に相談できる場所を知っておくことです。
NIDCDは、子どもの発話や言語について心配がある場合、子どもの医師に相談することを勧めています。また、聞こえの問題がことばに影響する場合もあるため、評価に聴力検査が含まれることもあると説明しています。
(参照:Speech and Language Developmental Milestones|NIDCD)
1歳6か月児健診・3歳児健診で相談できること
こども家庭庁は、乳幼児健診について、子どもの健康状態を把握し、健康の保持・増進を図るために重要なものと説明しています。また、母子保健法第12条に基づき、1歳6か月児と3歳児への健診は市町村で実施されます。
(参照:乳幼児健診に関する取組み|こども家庭庁)
発語が気になるときは、健診の場で「言葉が少ない気がします」「こちらの言うことは分かっているようですが、発語が少ないです」「名前を呼んでも反応が薄いことがあります」「家庭では複数の言語を使っています」と相談して構いません。専門用語は必要ありません。普段の様子をそのまま伝えることが大切です。
相談前にメモしておくとよいこと
相談前には、次のようなことをメモしておくと話しやすくなります。
- いつごろから声が出ているか
- どんな音をよく出すか
- 「まま」「ぱぱ」などを特定の意味で使っているか
- 指差しや身ぶりはあるか
- 名前を呼ぶと反応するか
- こちらの簡単な言葉を理解しているように見えるか
- 家庭で使っている言語は何か
- 保育園や祖父母など、家庭以外での様子はどうか
日本言語聴覚士協会は、ことばや聞こえの障害には、聞こえの障害、言語機能の障害、話しことばの障害などがあると説明しています。ことばの相談では、「話す」だけでなく「聞こえ」や「理解」も含めて見ていく視点が重要です。
(参照:言語聴覚士に相談する|日本言語聴覚士協会)
「様子を見ましょう」と言われることもあります。その場合でも、不安が続くときや、聞こえ・反応・理解の面で気になることがあるときは、再度相談して構いません。相談したこと自体が無駄になることはありません。
よくある質問(FAQ)
- Q. 赤ちゃんの発語はいつから始まりますか?
- A. 個人差があります。1歳前後で「まま」「ぱぱ」などが出る子もいますが、月齢だけで判断しすぎず、声・反応・理解・身ぶりも合わせて見ます。
- Q. 「まま」「ぱぱ」と言っても意味がなさそうです。発語ですか?
- A. 最初は意味がはっきりしない音でも、ことばに向かう大切な経験です。意味があるかを急いで判定するより、親が反応を返すことが大切です。
- Q. 発語を促す絵本は、毎日読まないと効果がありませんか?
- A. 毎日長く読む必要はありません。短い時間でも、親子で同じ絵を見て、音や表情を楽しむことが大切です。
- Q. 絵本を読んでも聞いてくれないときはどうすればいいですか?
- A. 最後まで読まなくて大丈夫です。子どもが見たページ、触った絵、反応した音だけを短く楽しんでください。
- Q. 動画やアニメーションを見せるのは発語によくないですか?
- A. 動画だけに任せるのではなく、親の声かけやまね返しと組み合わせると、音遊びのきっかけとして使いやすくなります。
- Q. 日本語が母語ではない家庭でも、日本語の音遊びはできますか?
- A. できます。家庭の言語を大切にしながら、日本語は「勉強」ではなく「音遊び」として少しずつ触れる形が自然です。
- Q. 発語が遅いかもと思ったら、どこに相談すればいいですか?
- A. まずは自治体の乳幼児健診、小児科、地域の子育て相談窓口などで相談できます。必要に応じて、言語聴覚士など専門職につながる場合もあります。
- Q. 「ぱ」「ま」以外の音でもよいですか?
- A. よいです。子どもが反応しやすい音、親が楽しく返しやすい音なら、家庭ごとの音遊びとして取り入れて構いません。
親子で今日からできる「ぱ」「ま」音あそび
発語を急がせる必要はありません。今日できる小さな音遊びを、親子の楽しい時間として始めましょう。
最後に、家庭でできる「ぱ」「ま」音遊びを紹介します。目的は、子どもに正しく言わせることではありません。親子で同じ音を聞き、見て、まねして、笑うことです。うまくできた日だけでなく、できなかった日も含めて、親子の時間は積み重なります。
3分でできる音遊び例
まずは、1回3分くらいで十分です。口元まねっこでは、親が子どもの目の前で、ゆっくり「ぱっ」と言います。子どもが見ているだけでも大丈夫です。反応があれば、「見てたね」「ぱって音がしたね」と返します。
絵本の1ページ音遊びでは、絵本を1ページだけ開き、絵を指して「まー」「ぱっ」と短く声を添えます。子どもがページをめくったら、それに合わせて次の音に移ります。
歌の最後だけ参加する遊びもできます。親が短いメロディで「ぱぱぱ、ままま」と歌い、最後の「ぱっ」だけ少し間を空けます。子どもが声を出さなくても、親が笑って終われば十分です。
生活の中の音探しもおすすめです。ごはんの前に「まんま」、扉を開けるときに「ぱっ」、抱っこの前に「まー」と、日常の動作に短い音を添えます。このとき、子どもに言わせようとしないことが大切です。親が楽しそうに音を出していること自体が、子どもにとっては大きな手がかりになります。
無料DL「ぱ・ま 音あそびカード」案内
記事と連動して、今後「ぱ・ま 音あそびカード」を無料DL素材として展開するのがおすすめです。カードには、「ぱっ」「ぱぱぱ」「まー」「まんま」「ま、ま、ま」などの音に加えて、「今日の音メモ」「子どもが反応した場面」を記録できる欄があると使いやすくなります。
保護者向けには、「言わせるカード」ではなく「一緒に遊ぶカード」と明記すると安心です。外国人家庭向けには、英語版として「First Japanese Sound Play Sheet: PA / MA」を用意すると、家庭の言語を大切にしながら日本語音に触れる導線になります。
発語絵本アニメーションを見る
たまごだるまの発語絵本アニメーションプロジェクトでは、「ぱ」「ま」などの短い音から生まれるオリジナル絵本シリーズを、歌とアニメーションへ展開しています。動画、作品、絵本PDFへの導線も用意されています。
関連して、発語全般の目安を確認したい方は、以下の記事も参考になります。
発語は、親が急いで完成させるものではありません。子どもが声を出す。親が返す。また聞く。また見る。また笑う。その小さな往復の中に、ことばの芽があります。
たまごだるまは、「発語を早める」と断定するコンテンツではなく、親子が安心して音に触れられる選択肢を増やしていきたいと考えています。「ぱ」でも、「ま」でも、まだ声にならない笑顔でも大丈夫です。今日の親子時間の中で、ひとつだけ音を楽しむことから始めてみてください。
