不承諾通知が届いた瞬間、頭が真っ白になった——そんな経験をした親は少なくありません。4月の復職に向けて準備を重ねてきたぶん、落胆は大きいものです。
ただ、落ちた後でも「次の手」はいくつもあります。二次募集、認可外保育施設、一時預かり、ベビーシッター補助、育休延長。どれを、どの順番で動けばよいかが分かれば、焦りは行動に変えられます。
この記事では、不承諾通知を受け取ってから復職までの間に取るべきアクションを、制度の仕組みとあわせて1本にまとめました。自治体によって運用が異なる部分は正直にお伝えしつつ、「まず何をすればよいか」が分かるよう整理しています。
目次
保育園に落ちたら、まず最初の72時間でやること
不承諾通知を受け取ってから最初にすべきことは、「手を動かし始める」ことです。二次募集の受付期間は自治体によってさまざまですが、一次結果の発表後、短期間で締め切られる自治体もあります。最初の数日で、通知書や自治体の公式サイトを確認し、次の行動を整理していくことが大切です。
認可外保育施設の空き状況も、一次発表後は問い合わせが集中しやすくなります。「二次募集の結果を待ってから動く」ではなく、複数の手段を同時並行で進めることが、その後の選択肢の広さを左右します。
不承諾通知・入所保留通知を保管する
最初にやることは、通知書を大切に保管することです。地味に聞こえますが、これが後続の手続きの土台になります。
不承諾通知(入所保留通知書・入所不承諾通知書など)は、育児休業給付金の延長申請、二次募集の再申込み、企業主導型保育の地域枠利用の検討など、さまざまな場面で必要になることがあります。特に2025年4月以降は育休延長の申請書類が増えているため、この通知書が手続きの起点になります。
自治体によって通知の名称は異なりますが、いずれも重要な書類です。複数枚届いた場合は、まとめて保管しておきましょう。
自治体の二次募集・追加調整の扱いを確認する
二次募集は全国一律の制度ではありません。自治体によって、運用の仕方が大きく異なります。
- 一次の落選者が自動的に二次の選考対象になる自治体
- 改めて申請書の提出が必要な自治体
- 二次募集をそもそも行わない自治体
通知書が届いたら、同封されている案内を必ず確認してください。案内がわかりにくい場合は、自治体の保育担当窓口に電話で確認するのが確実です。「自動的に再調整されると思っていたら、申請が必要だった」という見落としを避けることが大切です。
認可外・一時預かり・ベビーシッターを並行して探し始める
二次募集の結果を待ちながら、並行して認可外保育施設や一時預かり、ベビーシッター補助の情報収集を始めましょう。
二次募集で内定が出るとは限りません。また、内定が出たとしても入園まで時間がほとんどない場合もあります。「二次に賭ける→落ちてから動く」では、選択肢が狭まります。認可外保育施設も一時預かりも、早めに問い合わせた方が空き状況を把握しやすくなります。
この記事の以降のセクションで、それぞれの選択肢の仕組みと使い方を整理しています。焦らず、順番に読み進めてみてください。
二次募集・三次募集で再チャレンジする方法
一次で落ちた後も、認可保育園への入園を目指せる機会はあります。二次募集とは、一次選考後に辞退者が出たり、定員に空きが生じたりした園を対象に行われる追加の利用調整です。一次ほど選択肢は多くありませんが、この段階であきらめるのは早いといえます。
二次募集とは?一次募集との違い
一次募集は、翌年度の4月入園を対象に多くの園を一斉に選考する手続きです。一方、二次募集は一次選考後に生じた「空き枠」を対象にしており、対象園は限られます。
スケジュールについては、受付期間の長さも自治体によって大きく異なります。通知書と同封の案内、または自治体の公式サイトで日程を確認し、早めに動くことが基本です。
一次落選者が自動的に再調整の対象になるか、改めて申請が必要かも自治体ごとに異なります。希望する園が変わった場合は、この時点で変更を申し出ることができる自治体もあります。
希望園の見直しで確認したいポイント
二次募集では、一次で希望した園と同じ候補にこだわらなくてよいタイミングでもあります。以下の視点で候補を広げてみましょう。
- 通勤経路沿いに変える:保育時間の確保と送迎の現実性を両立しやすくなります
- 駅近だけに絞らない:人気園に集中しがちな反面、少し離れた園では空きが出やすいことがあります
- きょうだいが在籍している園を優先候補に:きょうだい同時入園で加点が得られる自治体があります
- 小規模保育(0〜2歳対象)も視野に入れる:認可施設の一類型で、定員が少ない分、候補の幅を広げやすくなる場合があります
「この園でなければ」という希望は大切にしつつ、現実的な通い方ができる範囲で選択肢を広げることが、内定への近道になります。
三次募集・年度途中入所も視野に入れる
4月入園にこだわりすぎないことも、選択肢を広げる上で重要です。自治体によっては三次募集を行う場合があります。また、4月以降も毎月空き枠の募集を行う「随時募集」の形式をとっているところもあります。毎月申請が必要な場合もあれば、一度申請すれば継続して調整対象になる場合もあります。
5月・6月に入園できるケースもあるため、二次で内定が取れなかった場合でも、随時の入所申請を継続することをおすすめします。担当窓口に「年度途中の空き枠申請はどうすればよいか」を確認しておきましょう。
認可外保育施設・企業主導型保育・一時預かりの選び方
認可保育園への入園が難しい状況でも、子どもを安心して預けられる選択肢はいくつかあります。「認可外=質が低い」というイメージを持つ方もいますが、それは誤解です。制度区分の違いを理解した上で、自分の家庭の状況に合った施設を選ぶことが大切です。
認可外保育施設は「つなぎ」にも「継続利用」にもなる
認可外保育施設とは、国が定めた認可基準を満たしていない、または認可申請を行っていない保育施設の総称です。施設ごとに受け入れ方法は異なりますが、認可保育園の空き待ちの間のつなぎや、柔軟な保育時間を求める家庭にとっての継続利用先として活用されています。空き状況は流動的なため、気になる施設には早めに問い合わせることが大切です。
認可外保育施設の料金体系は施設ごとに異なり、認可保育所とは設定の仕組みが違います。実際の負担感は家庭の状況や施設によって変わるため、複数の施設に確認した上で比較することをおすすめします。
なお、「幼児教育・保育の無償化」の対象となるには、施設が都道府県等への届け出を行っており、かつ保護者が保育の必要性の認定を受けていることなどが条件になります。利用前に無償化対象かどうかを、施設と自治体の両方で確認してください。
企業主導型保育は地域枠を使える場合がある
企業主導型保育事業は、内閣府が主導する制度で、企業が設置・運営する認可外保育施設に対して助成が行われる仕組みです。従業員の子どもを対象とした施設ですが、定員の一部を「地域枠」として一般の保護者に開放している園があります。
地域枠があるかどうか、現在空きがあるかは施設ごとに異なります。施設検索を行い、直接問い合わせるのが確実です。料金も施設によって異なるため、事前に確認してください。
(参照:企業主導型保育事業ポータルサイト|内閣府)
一時預かりは短期の復職準備や面談日に強い
自治体が実施する「一時預かり事業」は、認可保育所や認定こども園などに子どもを一時的に預けられる制度です。保護者の急な用事や、復職前の慣らしとして利用されています。
フルタイム勤務のための常時利用には向いていませんが、認可外保育施設を利用しながら並行して使う、面接や手続き日に単発で使う、といった補完的な活用には適しています。料金や利用条件は自治体・施設ごとに異なるため、お住まいの自治体の公式サイトで「一時預かり」または「一時保育」として確認してください。
認可外と小規模保育は同じではない
「認可外保育施設」と「小規模保育事業所」は、制度の区分が異なります。この2つは混同されやすいため、整理しておきます。
| 種別 | 制度上の位置づけ | 対象年齢 | 保育料 |
|---|---|---|---|
| 小規模保育事業所 | 認可施設(地域型保育の一類型) | 0〜2歳児(原則) | 自治体が設定。無償化対象 |
| 認可外保育施設 | 認可外(届出制) | 施設による | 施設が設定。条件付きで無償化対象 |
小規模保育事業所は認可保育所と同じ流れで申し込み・選考が行われます。一方、認可外保育施設は施設ごとに保育内容・料金・設備が異なります。検討する際は、施設が「認可施設か認可外か」を最初に確認してください。
ベビーシッター補助・ファミサポ・こども誰でも通園制度を使う
「園に入る」以外にも、子どもを安心して預けながら仕事に備えられる手段があります。自治体の補助制度や地域の相互援助、新しい通園給付を組み合わせることで、認可保育園が決まるまでの期間をより安定して乗り越えられます。
東京都など自治体のベビーシッター補助を確認する
ベビーシッターは費用が高いというイメージがありますが、自治体の補助制度を活用すると実質的な負担を抑えやすくなります。
代表的なのが東京都ベビーシッター利用支援事業です。保育の必要性がある家庭を対象に、自治体が対象としている事業者のベビーシッターを利用する際、1時間あたり最大2,500円(早朝・夜間は最大3,500円)の助成が受けられる場合があります。東京都内の多くの区市が参加していますが、実施状況や対象条件は自治体ごとに異なります。まずはお住まいの区市の子育て支援窓口に確認してください。
また、勤務先の福利厚生として企業主導型ベビーシッター利用者支援事業(割引券)が利用できる場合があります。こちらは国の制度で、認定事業者を通じたベビーシッター利用に対して割引が適用される仕組みです。詳細は全国保育サービス協会または勤務先の人事担当者に確認してください。
(参照:仕事・子育て両立支援事業(企業主導型保育事業等)|こども家庭庁)
補助を受けるには、自治体への申請や対象事業者への登録が必要になることがあります。補助の対象事業者かどうかは、利用する前に必ず確認してください。
ファミリー・サポート・センターは地域の補完手段になる
ファミリー・サポート・センター(ファミサポ)は、子どもの送迎や短時間の預かりを地域住民どうしで助け合う、自治体が実施する相互援助事業です。保育士や施設による保育とは異なりますが、補完的な手段として活用されています。
利用するには、事前に「依頼会員」として登録する必要があります。料金や利用条件は自治体によって異なるため、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。保育園や一時預かりが使えない時間帯の送迎補助や、短時間の急な預かりなどの場面で使いやすい制度です。
(参照:ファミリー・サポート・センター|こども家庭庁))
こども誰でも通園制度は今後の新しい選択肢
「こども誰でも通園制度」(正式名称:乳児等通園支援事業)は、保護者の就労状況にかかわらず、0歳6か月〜満3歳未満の未就園児が保育施設を利用できる新しい制度です。
2025年度に制度化され、2026年度から全国の自治体で本格実施される予定です。2025年度は一部の自治体での先行実施となります。利用できる時間は月10時間を上限とし、利用料の標準は1時間あたり300円とされています。
(参照:こども誰でも通園制度について|こども家庭庁)
保育園落選後の「フルタイムのつなぎ」として使えるほどの時間数ではありませんが、集団保育の体験や、保護者の孤立防止という意味では意義があります。自治体によってはすでに先行実施しているため、お住まいの地域で利用できるかを確認してみる価値はあります。
認可外・シッターを使う前に必ず確認したい安全ポイント
どんな預け先を選ぶにしても、安心して子どもを預けるためには事前の確認が欠かせません。費用や利便性よりも先に、安全性をチェックする習慣をつけましょう。
認可外保育施設で見るべきポイント
認可外保育施設を選ぶ際には、以下の点を確認してください。
- 都道府県等への届出があるか:一定規模以上の認可外保育施設には、都道府県等への届出義務があります。届出がある施設は定期的な立入調査の対象となり、一定の監督下に置かれます。施設に確認するか、都道府県等が公表している認可外保育施設の一覧で確認してください。
- 見学ができるか:子どもを実際に連れていき、施設の清潔さ、職員の対応、子どもへの接し方を自分の目で確認してください。
- 職員体制と資格・研修状況:認可施設とは配置基準や資格要件が異なります。有資格者の配置状況や、職員がどのような研修を受けているかを確認しておくと安心です。
- 事故時・緊急時の対応フロー:万が一の際の連絡手段、病院搬送の体制、保険加入の有無を事前に聞いておきましょう。
- 保育時間と延長保育:求める時間帯に対応できるかを具体的に確認してください。
ベビーシッターで見るべきポイント
ベビーシッターを初めて使う際に確認すべき点を整理します。こども家庭庁も、利用前の確認事項として以下のような点を案内しています。
- 事前面談があるか:初回は必ず子どもとシッターが会う機会を設けてください。子どもとの相性、保護者との意思疎通のしやすさを確認することが大切です。
- 事業者名・氏名・住所・連絡先の確認と身分証確認:マッチングプラットフォームを利用する場合は、運営会社がどのような本人確認・身元確認を行っているかを確認してください。
- 保険加入の有無:万が一の事故に備えた損害賠償保険に加入しているか確認してください。
- 緊急時の連絡体制と報告書:シッティング後の報告書の有無、緊急時に誰に連絡するかを事前に決めておきましょう。
(参照:ベビーシッターなどを利用するときの留意点|こども家庭庁)
初めてベビーシッターを利用する方向けの詳しいガイドは、たまごだるまの「初めてのベビーシッター利用ガイド」もあわせてご覧ください。
補助対象かどうかは「確認施設・認定事業者」で見る
費用の安さだけで預け先を選ぶのは、補助の観点からも注意が必要です。自治体の補助が受けられるのは、自治体が「確認施設」または「認定事業者」として登録している施設・サービスに限られる場合があります。どれだけ評判がよくても、対象外の施設では補助を受けられないことがあります。
施設やサービスを選ぶ前に、お住まいの自治体の確認施設一覧・補助対象事業者リストを必ず確認してください。窓口に問い合わせれば、現在利用できる補助制度の一覧を案内してもらえる場合があります。
育休延長と復職をどう考えるか
保育園に落ちた場合、多くの親がまず考えるのが「育休を延ばせるか」という問題です。制度上は最長で子どもが2歳になる前日まで育休を延長でき、育児休業給付金の受給期間も同様に延長されます。ただし、2025年4月から手続きが変わったため、古い情報のまま動かないよう注意が必要です。
2025年4月から育児休業給付の延長手続きが変わった
これまでは、自治体が発行する不承諾通知(入所保留通知書など)を提出することが手続きの中心でした。しかし、2025年4月より、延長手続きが見直されました。
延長申請で確認したい主な書類
- 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書(厚生労働省の様式)
- 市区町村への保育所利用申込書の写し
- 市区町村が発行する利用不可の通知(不承諾通知・入所保留通知書など)
この改正は、「育休を延ばすために意図的に入りにくい園だけを申請する」といった不適切な利用を防ぐことを目的としています。2025年4月1日以降に子どもが1歳または1歳6か月を迎える方が対象です。
(参照:育児休業給付金の支給対象期間延長手続き|厚生労働省)
なお、認可外保育施設のみに申し込んでいる場合は延長の対象になりません。 延長を考えている場合は、認可保育所等への申し込みが前提になります。また、自宅から合理的な距離にある施設が候補に含まれていないなど、申込み状況によっては延長が認められない場合があります。詳細は勤務先の人事担当者またはハローワークに確認してください。
育休延長だけでなく、復職時期の相談も選択肢
「育休を延長するか」「予定通り復職するか」の二択で考えてしまいがちですが、選択肢はもう少し幅があります。
たとえば、短時間勤務制度を活用しながら認可外保育施設で復職を先に始める、在宅勤務の日数を増やしながら慣らし保育を進める、パートナーが育休にバトンタッチして期間をつなぐ、といった方法もあります。
育休を延長すること自体は権利ですが、収入面・キャリア面の影響も踏まえた上で、家族で冷静に検討することが大切です。育休中に認可外保育施設や一時預かりを使って徐々に復職準備を進めることが、焦りのない復職につながることもあります。
職場へどう伝えるか
不承諾通知が届いたら、なるべく早いタイミングで職場の上司・人事担当者に状況を伝えましょう。「いつ復職できるかまだわからない」という状況でも、遅れるよりは早めに現状を共有する方が、会社側も対応しやすくなります。
伝える内容としては、以下が基本です。
- 保育園の一次選考で内定が得られなかったこと
- 二次募集に引き続き申請していること
- 認可外や一時預かりも並行して検討していること
- 復職時期の見通しが出たら改めて連絡すること
見通しが立った段階で、改めて「〇月から復職したい」と具体的な日程を相談します。職場への連絡文面に迷う場合は、関連記事とあわせて整理していくと安心です。
保育園に落ちたあと、たまごだるまで次に読むべき記事
この記事では、保育園に落ちた後に取るべき行動を、制度と選択肢の両面から整理しました。最後に、たまごだるまの関連記事をご案内します。「次に何を調べればいいか」の参考にしてください。
東京都のベビーシッター補助を詳しく知りたい人へ
ベビーシッター利用支援事業の対象区市、申請の流れ、対象事業者の確認方法など、補助制度の詳細は別記事で解説しています。
ぜひあわせてご確認ください。
まとめ
不承諾通知を受け取った直後は、選択肢が何もないように感じるかもしれません。ただ、制度を一つひとつ確認してみると、動ける手は思っているよりも多いことが分かります。
二次募集のスケジュールをすぐに確認し、認可外や一時預かりの候補は並行して探す。補助制度を確認しながらベビーシッターも視野に入れる。それぞれの手段に向き・不向きがあるからこそ、組み合わせることで対応の幅が広がります。
育休延長の手続きは2025年4月に変わっています。 古い情報のまま動かず、必ずハローワークや勤務先の人事担当者に最新の手順を確認してください。
たまごだるまは、「どうすればいいか分からない」と感じている親の隣に、実用的な情報を届け続けます。このページが、次の一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。




