日本ではさまざまな祝日があり、保育園によっては祝日に合わせた行事やイベントを行うところもあるでしょう。

そこでこの記事では、2022年の祝日がいつあるのかという点から祝日の大切さを保育で伝えるべき理由を解説します。また、保育園でどの祝日を取り上げるべきなのか迷っているもしくは見当がついていないという方も必見の内容になっているので、ぜひ参考にしてみてください。

1.2022年の祝日は全部で16日ある

内閣府がすでに発表している2022年(令和4年)における国民の祝日は、全部で16日あります。各祝日の名称、日付を以下のとおりです。

名称 日付
元日 1月1日(土)
成人の日 1月10日(月)
建国記念の日 2月11日(金)
天皇誕生日 2月23日(水)
春分の日 3月21日(月)
昭和の日 4月29日(金)
憲法記念日 5月3日(火)
みどりの日 5月4日(水)
こどもの日 5月5日(木)
海の日 7月18日(月)
山の日 8月11日(木)
敬老の日 9月19日(月)
秋分の日 9月23日(金)
スポーツの日 10月10日(月)
文化の日 11月3日(木)
勤労感謝の日 11月23日(水)

参考:国民の祝日について – 内閣府

また、上記のような国民の祝日は日曜日と重なっている場合、「振替休日」という形でその日の後の最も近い平日が休日になるため若干ずれる可能性もあるので注意してください。

例えば、仮に2月11日の建国記念の日が日曜になっていた場合、次の日の月曜日が振替休日として祝日になります。ただし、この振替休日という制度は、あくまでも法定休日である「日曜日と重なった場合」に限定されるため、土曜日に重なっていても振替休日は発生しません。

もちろんこのあたりの知識は、子どもたちにとって少し難しい部分に当たるため、子どもたちに教えるというよりは祝日に対する事前知識として覚えておきましょう。

2.祝日の大切さを保育で伝える3つの理由

ここまでで、2022年における国民の祝日と大まかな制度について解説をしましたが、祝日は単なる休日ではなく祝日ごとに意味を持っています。したがって、保育士が子どもたちへ国民の祝日がなぜ設定されているのかをしっかりと伝えていくことが重要です。

特に保育を行う中で、国民の祝日があることの大切さを行事やイベントなどを通して伝えるべき大きな理由を3つ紹介します。

2-1.①祝日は単なる休日ではない

一般的に祝日と聞くと、「休日」「3連休」など休みであることがピックアップされがちです。しかし、実際にはそれぞれの祝日ごとの意味や過ごし方などがあるため、保育士が子どもたちへ祝日の大切さを伝えるときは「単なる休日」として伝えることは避けましょう。

例えば、5月にある「こどもの日」は、子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかるとともに、母に感謝する日として定められています。このようにそれぞれの祝日は、結果として休日になっていますが本来はしっかりとした意味が込められているのです。

したがって、保育の一環として国民の祝日を子どもたちに意識させるために、「来週ある祝日はどんな日?」とさりげなく聞くようにするのも良いでしょう。

2-2.②日本の文化や伝統に触れられる

すべての祝日を保育の場で取り上げる必要はありませんが、一部の祝日を取り上げてその祝日特有の過ごし方を体験させることで子どもたちが日本の文化や伝統に触れられる機会を設けられます。

例えば、春分の日などは「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という意味が込められているため、自然に関する歌や折り紙、お絵描きなどをさせたり、実際に外へ出て季節に合わせた生き物や植物を探したりするのも良いでしょう。

祝日ごとに込められている意味は違うため、その祝日のイメージと意味に合わせた体験を子どもたちにさせてみてください。特に現在の日本では、グローバル化やさまざまな価値観の多様化が進んでいるため、日本の文化や伝統を知らずに大人になってしまう子どもたちが多いです。

したがって、子どもたちの人間性を形成する保育園児の期間に保育士が正しく伝え、体験させることは将来的にも子どもたちの助けになるでしょう。

2-3.③祝日に対して正しい知識を伝えられる

さまざまな意味が込められている祝日ですが、保育園で取り上げることで保育士からの伝え方や実際に過ごし方を体験することで自然と正しい知識を伝えられるようになります。

例えば、単に「今日は敬老の日だよ」と言われても子どもたちにとっては、イメージが全く湧かないキーワードです。しかし、敬老の日特有の過ごし方を保育士と一緒に体験することで「敬老の日はこんなことをするんだ!」と感じさせることができます。

つまり、ただ単に言葉だけで「この祝日は〇〇をするんだよ」と教えるだけでなく、保育士も含めてその祝日特有の過ごし方を体験させることで、祝日に対する正しい知識を与えるようにしましょう。

3.保育園で取り上げるべき祝日5選

国民の祝日を子どもたちに伝えるべき理由は、イメージがついたかと思います。しかし、年間に16日もある祝日に対して行事やイベントを開催していてはスケジュールがうまく組み立てられなくなってしまうでしょう。

そこで、たくさんある祝日の中でも特に保育園の保育に取り上げいただきたい祝日を5つに厳選しました。これから国民の祝日を保育の一部に取り入れたいと考えているのであれば、ぜひ以下の祝日をご検討ください。

3-1.春分の日

1つめは、「春分の日」です。先ほども少し述べましたが、春分の日は「自然をたたえ、生物をいつくしむ」という意味を込められて定められた祝日にあたります。

特に保育園で過ごすときは、さまざまな植物や生き物に触れる機会がたくさんあります。そのため、普段何気なくふれあっている生き物たちに対して「ありがとう」気持ちを考えさせるタイミングとして春分の日はかなり適しているでしょう。

また、過ごし方については一般的にはお墓参りなどを行うのですが、保育園における行事では難しいため、春ならではの生き物や植物をイメージした折り紙やお絵描きなどをさせて春を実感させてあげるのがおすすめです。外が晴れていれば、地域によっては桜が開花していることもあるので、自然にふれあう機会を設けるのも良いでしょう。

3-2.秋分の日

2つめは、「秋分の日」です。秋分の日は、春分の日と少し似ていますが「祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ」という意味が込められており、生き物をいつくしむ春分の日に対して祖先や亡くなった方をしのぶのが秋分の日にあたります。

過ごし方としては、春分の日と同様にお墓参りをすることが一般的ですが、保育の一環として取り入れる場合は「おはぎ」を食べられるように準備しておくと良いでしょう。また、もう少し大きな規模で行事を開催できるのであれば、子どもたちと一緒におはぎ作りをするのもおすすめです。

ただし、おはぎ作りやおはぎを食べさせる場合は、アレルギーの有無などを事前に確認したり、事前に保護者へ確認したりするなど細心の注意を払って実施するようにしましょう。

3-3.こどもの日

3つめは、「こどもの日」です。こどもの日は、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」という意味を込めた祝日にあたります。特にこどもの日は、たくさんある祝日の中でも子どもたちを主役にできる数少ない祝日になるため、保育園で取り入れる祝日としてはかなりおすすめです。

実際の過ごし方としては、こどもの日のシンボルでもある鯉のぼりを折り紙で作ったり、絵を描いたりすると良いでしょう。また、柏餅やちまきなどを食べることもこどもの日特有の食事のため、こどもの日だけ柏餅やちまきによる食育を行うのもかなり効果的です。

3-4.スポーツの日

4つめは、「スポーツの日」です。スポーツの日は以前まで体育の日と呼ばれていた祝日で、過ごし方や意味はほとんど変わっていません。唯一変わった点としては、体育の日は「教育」を念頭においた祝日だったのに対して、スポーツの日は「楽しさ」を念頭においた祝日になりました。

したがって、スポーツの日は晴れていれば、保育士も一緒になって体を動かしながら楽しくスポーツをして過ごすと良いでしょう。ただし、スポーツの日は10月の第2月曜日と決まっているため、その日に合わせて運動会を開催させるのもおすすめです。

3-5.敬老の日

5つめは、「敬老の日」です。敬老の日は、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」という意味が込められており、子どもたち自身の祖父母に対して感謝の気持ちを伝えさせるような工夫が重要となります。

例えば、自分の祖父母に宛てた子どもたちなりの感謝の手紙を作成させたり、祖父母をテーマにしたお絵描きなどをさせたりすると良いでしょう。また、保育園で作成した手紙や絵は持ち帰らせて、子ども自身の祖父母に渡すように伝えるのもおすすめです。

特に敬老の日を含めてさまざまな国民の祝日は、何かに対して感謝するために定められたものが多いです。したがって、子どもたちが何に対して感謝をするべきなのかを保育士はしっかりと伝えておくことが大事になります。

4.祝日を楽しく伝える具体的な方法とは?

ここまでで保育園で取り上げるべき祝日を紹介してきましたが、子どもたちは好奇心旺盛である反面、難しい話や退屈だと感じてしまうとすぐに興味を失ってしまいます。

そこで、祝日などの日本文化や伝統を楽しく伝える具体的な方法を3つご紹介します。いずれの方法もちょっとした工夫をするだけなので、すぐに実践できるでしょう。

4-1.イベントを開催する

先ほども少し述べたように保育園で取り上げる祝日に合わせてイベントを開催すると普段よりも特別感が出て、子どもたちも楽しみやすくなります。

わかりやすい例としては、スポーツの日に「運動会」を行う風習と同じです。スポーツの日だからといって単に「お外で遊びましょう」と声をかけても普段も変わらないため、特別感を感じることができないでしょう。

しかし、運動会という一種のお祭りごとを大々的に開催することで子どもたちは、楽しみながらスポーツの日という祝日を学べます。このように保育士や子どもたち全員を含めたイベントを取り上げる祝日に合わせて開催してあげると、かなり効果的に伝えることができるでしょう。

4-2.祝日に合わせたお絵描きをさせる

大々的なイベント開催が難しいときは、各祝日のイメージに合わせたお絵描きをさせるのもおすすめです。テーマがないお絵描きの場合は、子どもが思いついたことをそのまま描くだけですが、各祝日をテーマにしてお絵描きをさせれば自然と「この祝日はこんなイメージ」のように自身の頭で考え、想像しながら描くことができます。

また、子どもたちが描いた絵は期間を決めて教室内や廊下などに掲示すると、多くの子どもたちの目に留めることができ、他の子が描いた絵を観る機会も増えるためおすすめです。

4-3.教室を飾り付ける

教室を祝日のイメージに合わせて飾り付けることで、教室または保育園全体の雰囲気を変えることができるため、特別感を演出することが可能です。

例えば、こどもの日などは「こいのぼり」や「兜」を印刷して壁に貼り付けたり、春分の日では「植物」や「動物」など生き物を貼り付けたりすると良いでしょう。また、保育士だけで飾り付けをするのは、時間もかかってしまい負担が大きい場合もあります。そのようなときは、子どもたちと一緒に教室の飾り付けをするのがおすすめです。

子どもたちが登園したときに飾り付けされているのもサプライズ感があって効果的ですが、一緒に飾り付けができればそれは「体験」に変わるので、各祝日におけるイメージを伝えつつ体験させることも検討している場合は、ぜひ子どもたちと一緒に飾り付けをしてみてください。

5.まとめ

今回は2022年における祝日一覧から祝日を保育の一環として伝えるべき理由、具体的な伝え方について解説をしました。

前述しているように祝日などの文化や伝統という目に見えないものを子どもたちに伝えるときは、保育士側から口頭で教えるだけではなく子どもに「考えさせる」「体験させる」という点を重視するようにしましょう。特に保育園児は、言われたことを頭で整理して理解す
るよりも実際にやってみることで覚えるケースが多いです。

したがって、子どもたちが楽しみながら各祝日のイメージが掴めるような工夫が必要だと言えます。ぜひ、単に祝日を取り上げるのではなく、楽しみながら学べるような工夫を行ってみてください。

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