保育資格を取得しようと決めたときに「必ず四年制大学を卒業しなければならないの?」という疑問が浮かびますよね。
結論から言うと本記事のタイトルにもあるように、通信制大学でも保育士資格を取得することは可能です。

本記事では、通信制大学で保育士資格を取得するための簡単な流れから具体的な学習帰化案や費用まで徹底的に解説をします。

この記事を読むことで、通信制大学で保育士資格を取得するために必要な情報はすべて網羅できるでしょう。

では、本題へ参りましょう。

1.保育士資格を取得できる通信制大学は2種類ある

通信制大学を経由して保育士資格を取得するためには、2種類のルートがあることを知っておきましょう。
1つが「各都道府県知事から指定された指定保育士養成施設」を卒業すること、2つめが「指定外の通信制大学」を卒業することの2種類になります。

まずは通信制大学を経由して保育士資格を取得するまでの簡単な流れと、上記2つルートにおける保育士資格取得方法の違いを詳しく見ていきましょう。

1-1.保育士資格取得までの簡単な流れ

保育士資格を取得するためには、先ほども少し述べましたが指定されている「指定保育士養成施設」を卒業することが一般的になります。

一方で、もし指定保育士養成施設ではない大学へ進学してしまった場合は、大学卒業後に保育士国家試験を受験して合格しなければなりません。
保育士資格を取得するためには国家試験を受験して取得する方法と卒業と同時に資格取得ができる2パターンあることを覚えておいてくださいね。

<保育士資格を取得する流れのイメージ>

上記のイメージからわかるとおり、認定されている指定保育士養成施設を卒業することで、必ずしも保育士の国家試験を受験する必要はないということです。

1-2.指定保育士養成施設に認定されている大学

指定保育士養成施設とは、各都道府県知事から認定されている保育士を専門的に養成する学校のことを指します。

大きな特徴は、卒業と同時に保育士資格を取得することができることです。

指定保育士養成施設として認定されている学校は、四年制大学から短期大学、専門学校など幅広く指定されています。
通信制大学に通って保育士資格を取得するためには、指定保育士養成施設として認定されている四年制大学または短期大学の「通信教育課程」がある学校を選ぶ必要があるでしょう。

また、専門学校などの場合は一般的な学校と同じなので毎日通う必要があります。
社会人として仕事をしながら保育士資格を取得するのであれば、通信制大学を利用した方が良いということです。

1-3.指定外の通信制大学

先述した指定保育士養成施設以外で保育士資格を取得するには、「保育士国家試験」を受験し合格する必要があります。

もし、学校の履修科目などに保育士関連の単位があったとしても、各都道府県知事から認定されていない学校であれば最終的には国家試験を受験する必要があるのです。
そのため、指定外の通信制大学などを選んだ場合、より実践的な国家試験対策が必須となりますのでご注意ください。

保育士の国家資格合格率は「約20%」と非常に低く、狭き門であるという点も覚えておきましょう。

2.通信制大学の学習期間と費用

ここまでで保育士資格を取得するための流れは理解できたと思います。

そこで次に通信制大学に通ってから保育士資格取得までの学習期間と必要な費用について解説していきます。

2-1.通信制大学での学習期間は3パターンある

通信制大学での学習期間は、大きく3パターンあります。

  • ①1年次新入

まず1つめの「1年次新入」は、これまで保育関連の単位を取得したことがない方はすべて1年次新入扱いになります。
一般的な学習期間は、短期大学では3年間、四年制大学では4年が最短期間です。

大学は最長で8年間は在籍可能な学校が多いので、本業と並行して資格を取得するのであれば、学習期間にある程度の余裕も持っておいたほうがいいですね。
ただし、留年という形で在籍することになるため、延長した分費用が加算されるということも忘れないようにしましょう。

  • ②途中編入

2つめの「途中編入」は、1年次新入とは異なり学習期間が少なくなるという点です。
というのも、過去に大学や短大を卒業している方はすでにある程度の単位を取得できています。

この場合、取得単位数によっては学習期間が短くなるのです。
そのため、途中編入で入学すると最短2年間で保育士資格を取得することも可能になります。

  • ③特例制度

3つめの「特例制度」は、幼稚園教諭免許を取得していてそれなりの実務経験があるなど、一定の条件をクリアしている場合は特例制度が適用されます。

特例制度の大きな特徴は、学習期間6ヶ月ほどで保育士資格を取得することも可能です。
しかしながら、もともと幼稚園教諭免許を持っているケースはあまり多くはないので、基本的には「1年次新入」もしくは「途中編入」を視野にいれておきましょう。

2-2.通信制大学に通うための費用【具体例あり】

通信制大学で必要となる学費の目安は以下のとおりです。

<通信制大学の費用目安>

入学時納付金 約50,000円〜約80,000円
スクーリング費用 8,000円 × 履修科目数
資格科目履修費 6,000円 × 履修科目数

上記の費用以外にも教材費、交通費、実習費、補助教材費、施設利用費などの費用が必要となります。

ここで疑問になるのが、「結局、通う大学と通信制大学だとどれくらいお得なの?」という点ですよね。
通常の通学制大学では、年間あたり約100万円ほどの費用がかかります。

ですが、通信制大学の場合は年間あたり約30万円〜50万円ほどまで抑えてることができるのです。
できる限り費用を抑えて保育士資格を取得したいと考えている方にとっては、通信制大学経由で資格を取得するほうが大きなメリットがあると言えるでしょう。

3.通信制大学で保育士資格を取得するための注意点3つ

次に通信制大学へ通って保育士資格を取得するための注意点を3つほどご紹介します。

いずれも事前知識として知っているかどうかで、授業の受け方が変わってきますのでぜひ頭に入れておいてくださいね。

  • 実技科目の対策は事前にしておく
  • スケジュール管理を徹底する
  • 保育実習先は自分で探す必要がある

それでは、それぞれの注意点をもう少し詳しく解説していきます。

3-1.実技科目の対策は事前にしておく

まず1つめは、実技科目を受講する準備をしておきましょう。

というのも、保育士資格を取得するときの必須科目として「ピアノ」などの実技科目があるからです。

もちろん実技科目にも¥試験があるので、もしピアノを引いたことがないという方は事前にピアノのレッスンに通ったりして対策を練っておきましょう。

ちなみにピアノなどのレッスン費用は自費で支払うことが一般的ですが、学校によっては音楽教室と提携しているところもあり、通常よりも安くレッスンを受講することも可能です。

3-2.スケジュール管理を徹底する

2つめは、本業などと並行して資格取得を目指す方は「スケジュール管理の徹底」をしましょう。

とくに保育士資格が取得できる学校では、スクーリングと呼ばれるより実践的な授業がGWや夏期休業期間、各種連休などに設定されています。

受講生は、どの期間に通学するかは選択することが可能ですが、出席しないと卒業規定の単位数を取得できないため卒業できないという状況になりかねません。

また、社会人の方にとっては出席しづらい連休中に設定されていることもあり、スクーリングに参加できずに保育士資格を諦めてしまう方もいます。
せっかく年間30万円〜50万円もの費用をかけて資格取得を目指しているのであれば、事前にスケジュールを空けるなど自分のスケジュールを徹底的に管理しておきましょう。

3-3.保育実習先は自分で探す必要がある

通信制大学で保育士資格を取得する場合、自分で保育実習先を探す必要があります。

というのも、通常の通学制大学であれば大学側で実習先をある程度候補を用意してくれるのですが、通信課程の場合は人によって実習へいける日時が異なるからです。

たとえば、通信制大学に通いながら仕事をしている社会人の人が保育実習に行くためには、スケジュールの空きを確保した上で実施する必要があります。

それぞれバラバラのスケジュールを合わせて一律に保育実習をすることができないため、通信制大学では保育実習先を学生自ら申し込む必要があるということです。

ちなみにこの保育実習は、大学の規定によって「保育実習期間を満たす」という卒業条件にも組み込まれているので、十分注意してください。

4.東京にある保育士資格が取得できる通信制大学

最後に東京で保育士資格が取得できる通信制大学をご紹介します。

これから通信制大学に通って保育士資格取得を目指す方は、ぜひ参考にしてみてください。

4-1.東京福祉大学通信教育課程

まず1つめは、東京福祉大学通信教育課程です。
この東京福祉大学は、学生にとって相当な負担がかかるスクーリングをオンライン授業で行うことで可能な限り負担を軽減していることが特徴です。
また、大学と短大どちらでも保育士資格が取得できる上に、卒業率は「50%以上」と非常に高い水準となっています。

<東京福祉大学の基本情報>

選考方法 書類選考
入学時期 4月・10月
授業形式 オンライン授業あり
卒業率 55.3%
卒業率 55.3%
ホームページ https://www.tokyo-fukushi.ac.jp/correspondence/

4-2.帝京短期大学

2つめは、帝京短期大学です。

帝京短期大学の特徴は、帝京大学グループの幼稚園が大学に隣接しているため、気軽に見学などを行うことができます。
また、公務員への就職希望者を対象に「公務員対策講座」というサポート体制も万全です。

<帝京大学の基本情報>

選考方法 書類選考
入学時期 4月・10月
授業形式 対面授業
ホームページ https://www.teikyo-jc.ac.jp/remote

4-3.明星大学通信教育

3つめは、明星大学通信教育です。

明星大学の大きな特徴は、保育士資格と幼稚園教諭免許の2つを同時に取得することができます。

また、他大学にはない「学習アドバイザー制度」というシステムが導入されており、学生の勉強面を電話やメールを用いてフォローしてくれるのです。
とくに勉強とは別に仕事をしている方にとっては、挫折せずに勉強を続けられるという大きなメリットがあります。

<明星大学の基本情報>

選考方法 書類選考
入学時期 4月のみ
授業形式 大学内での対面授業
卒業率 非公開
ホームページ https://www.meisei-u.ac.jp/dce/

5.まとめ:通信制大学で保育士資格を取得するには事前準備が重要!

今回は、保育士資格が取得できる通信制大学について解説しました。
とくに気をつけるべき点は、通信制大学で保育士資格や幼稚園教諭免許を取得するときは「指定保育士養成施設」なのか「指定外の大学」なのかという部分です。

本文中でも述べましたが、指定保育士養成施設以外の大学へ入学した場合、保育士国家試験を受験して合格する必要になりますので注意してください。
なので、できる限り費用と学習時間を短縮して保育士資格を取得するためには、指定保育士養成施設への入学をおすすめします。

そのためにも、本記事で解説した保育士資格を取得するまでの流れや通信制大学に通う前にするべき注意点を必ず確認するようにしましょう。
事前にどれだけ準備できるかが、保育士資格取得のためには必要不可欠ということです。

ぜひ本記事を参考に保育士資格取得を目指して、がんばりましょう。

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